超次元ゲイムネプテューヌ Re;Birth2 Origins Progress 作:シモツキ
「わぁぁ…やっぱり、凄い景色……」
私の横、感嘆の声を漏らすのはネプギア。きらきらと瞳を輝かせ、食い入る様に街並みを見つめている。ネプギアはそもそも他国へ出向く事が少なく、出向いた時も空路が主だったから、こうして街を横から眺める事が少なかったらしい。
さて、ここで皆さんに問題です!ネプギアが見入ってるのはどの国でしょうか!やはり前々作と同じ流れでラステイションかな?それとも緑豊かで景観もいいリーンボックスかな?はてまた文字通りの銀世界が広がるルウィーかな?さー皆さん分かるかな?正解は……って、え?mk2やRe;Berth2をプレイしてりゃ分かる?ネプギアの性格を知ってりゃ聞くまでもない?…もう、皆さんは夢がないなぁ…まぁその通りですけどね。皆さんの予想は9割正解してると見て宜しいですけどね。えーはい、正解は……
「ふぅ……着いたね、ラステイション」
はい皆さんせいかーい。よしこの話終わりっ!変な雰囲気になっちゃったしお終いっ!
「プラネテューヌはやっぱり最先端過ぎると思うんです。色合いも綺麗ですし、自然も街に上手く溶け込んでますけど……そのせいで機械らしさ、工業らしさが無くなってしまってるというか…」
「…機械オタにはバリバリ工業チックなラステイションの方が燃える、と?」
「そういう事です!」
目をきらっきらさせたまま詰め寄ってくるネプギアに若干気圧される私。普段は姉であるネプテューヌよりも落ち着いていて、遠慮や気遣いの出来るネプギアだけど…ほんとに機械やそれ関連の事が出てくるとキャラが豹変するし、その面はそんなしょっちゅう出てくる訳じゃないからどうしても慣れない。…その点だけに関しては、ネプギアは生まれてくる国間違えた可能性あるよね…。
「…あ、そういえば…お姉ちゃんが初めてここに来た時はどんな感じだったんですか?」
「えーっと…疲れて肩で息してたですね」
「へ?」
「あー、そうだったわね。その時はねぷ子だけじゃなく私達全員だったけど」
「へ?へ?」
「いやぁ、調子に乗って競争なんてするもんじゃないって勉強になったよね、あの時…」
「へ?へ?へ?」
私達はネプギアの質問に答えていた筈なのに、ネプギアはむしろ訊く前よりぽかーんとした表情を浮かべていた。…まぁそんな顔されたら普通に説明するよね。
「競争したんだよ、競争。プラネテューヌからね」
「あ、そういう事ですか……え!?この距離をずっと走ってたんですか!?」
「それは流石にないわよ…それでも結構な距離競争した覚えはあるけど…」
(…皆さん多かれ少なかれしっかりしてるのに、どうして時々お姉ちゃんと同レベルの事しちゃうんだろう……)
いやー、しょうもない事やっちゃったよねぇ…と私達が思っていたらネプギアは、何というか…呆れた様な表情を浮かべていた。……うん、分かるよその意図は。でもね…
「……この一行にいたら、誰だってそういう人間になっちゃうんだよ」
「い、嫌な呪いですね…」
「…案外慣れると面白いものだよ?」
「は、はぁ……」
某漫才コンビ的に言えば『クセが凄い』私達パーティー。完全にアレ、って事はパーティーメンバー全員が自覚してるけど…一回突き抜けるともう楽しくなっちゃうんだよね。きっとネプギア達候補生組も犯罪組織を壊滅させる頃には完全に染まってるよね、うん。
……っと、いつまでも街の前で突っ立ってても仕方ないね。
「さ、そろそろ入ろうか」
「あ、はい。…えっと、ラステイション滞在中って少しは自由時間ありますよね…?」
「あらネプギア、もしかして機械漁りでもしたいの?」
「……実は…はい」
「ふふ、ギアちゃんは正直ですね」
「素直なのはいい事だね。安心してネプギア、犯罪組織がこっちの意図に気付けない様それなりに自由時間や娯楽にうつつを抜かす時間は用意するつもりだから」
時間がある、と聞いた瞬間安心した様な表情を浮かべるネプギアに、私達は微笑ましいなぁと感想を抱く。ネプテューヌ達の状態を考えれば一日でも早く助けるべきだけど…今のままじゃまだ助けられない。可能性はゼロじゃないけど、まだ分の悪過ぎる賭けをする様な時期じゃない。だから守護女神救出は長期的作戦になるし、そうなれば休憩や息抜きを適度に入れなきゃパフォーマンスに支障が出てきてしまう。こういう事情もあるし、ネプギアに今話した理由もあるし…それに私達が独自に行なっている事もある。だから、自由時間を作るのはだらけでは断じてない。
「…あ、でもまずは教会に向かうよ?教会と候補生の協力は早めに取り付けたいから」
「そこまでわたしも娯楽優先にしたりはしませんよ…でも、楽しみだなぁ…色々見て回りたいなぁ……」
「…これがお菓子屋さんやお洋服屋さんなら、年頃の女の子っぽいですけど…」
「実際は工場やジャンク屋なんでしょうね…」
中央通りを通って教会に向かう私達。自然と会話も教会絡みのものとなり、そこからラステイションの教祖と候補生の話になる。
「ケイさんとユニさん…わたし、お二人と仲良く慣れるでしょうか…」
「うーん…ケイさんはちょっと難しいかも。私もケイさんとそれなりに信頼関係結べてると思うけど、仲良いかと言われたら微妙だし…」
「ノワールもだけど、ラステイションのトップって良くも悪くもお堅いのよね」
「ケイさんは特に出来るビジネスマン、って感じです。…あ、でも女の子だから、出来るキャリアウーマンです…?」
「ま、まぁ女神は他国の女神と自国の教祖と仲良ければ何とかなるし、ケイさんの方は信頼関係さえ作れれば大丈夫だと思うよ?」
彼女の場合、信頼関係作るのも容易じゃないけど…とまでは言わずに言い切る。会う前にこんな事言うのは余計な不安を煽るだけだし…ケイさんはケイさんなりに優しいし筋は通してくる人だから、必要に駆られでもしない限りこんな事は言いたくない。……まぁ、可愛い服を無理矢理にでも着せて街中を連れ回せば少しは女の子らしい面を見せてもくれるんだけどね。
「じゃあ、ユニさんの方は…」
「そっちはもっと楽だと思うよ?…と言っても、ユニは上下関係きっちりするタイプっぽいから私とネプギアじゃ対応違うかもだけど…」
「でも、ギアちゃんとユニちゃんは生まれた時期も外見年齢も近いですし、普通に仲良くなれる気がするです」
「性格真逆なねぷ子とノワールも今じゃ仲良しだし、何とかなるわよきっと」
ネプテューヌ(私達)とノワールの出会いは今の仲間の内でも最悪レベルのもの。そんな二人が今や大の仲良し…というかノワールは私と同じくあんまり一般的じゃない恋愛の扉開きかけてる訳だから、出会いは至って普通の二人が仲良くなれないとは思えない。……と、思ったところで教会に到着。私達の訪問についてはイストワールさんが予め連絡してくれている筈だけど…。
『……うーん…』
「……?入らないんですか?」
「いや、まぁちょっとね…」
少しばかり身構えてしまう、私とコンパとアイエフ。思い出しているのは初めて教会に来た時の事。大丈夫だとは思うけど……大丈夫だといいなぁ…。
*
「やぁ、待たせてすまないね。まずはわざわざご足労頂いた事に礼を言うよ」
ラステイション教会に到着してから十数分後。職員さんに案内された応接室でお茶とお茶菓子をつまみながら待っていたところで、教祖のケイさんがやってきた。……そう、丁重に挨拶され、きっちりと案内され、丁寧にお茶とお茶菓子まで用意してくれて、その上でちゃんと教祖が来てくれたのである。
『…前とは大違い(だ・です)……』
「そこに感銘を受けないでくれ……」
初めてラステイションの教会に来た時は、教会がアヴニールに占拠されてた事もあって酷い対応だった。その後も何度かラステイション教会には来てるから同じ対応される訳がないとは分かっていたけど…あの時と似た状況という事もあり、私達はつい身構えてしまっていた。……ま、当然結果はこうなんだけどね。
「そういえば、あの時の職員さんはどうなったです?」
「当然アヴニールに送り返したさ。そのアヴニールも今や国営企業だから、彼が退職していなければ今もアヴニールにいるだろうね」
「あの愛想の無さでアヴニールの営業とか人事とかしてたら驚きね。元は技術者だったのかしら」
「さぁ、どうだろうね。…さて、そんな事より早く本題に入ろうか。このご時世、時間を無駄にはしたくない」
「相変わらず仕事人間なんですね…」
「相変わらずも何も、僕は元からこういう人間さ」
眉一つ動かさずそんな事を言うケイさん。横を見ればネプギアが『こ、こんな人に信頼してもらえるのかな…』みたいな感じに表情が固まってしまっている。……うーん…前にノワールが懸念してた事もあるし、ここは一つ手を打とうか。……よし、
「…ほんとに仕事一本なんですか?」
「この僕に仕事以外の面が見受けられるかい?」
「えー…主に白のワンピースとブレスレットを着ると女の子らしい面が…」
「よし、少し最近教会の近くに出来たケーキ屋の話でもしようか。それか君達の雑談を聞くのもいいかもしれないね」
またもケイさんは眉一つ動かさず……でもよく見ると冷や汗かきながら、今度は私達にガールズトークを提案してきた。…女の子が女の子らしくするのは何も恥ずかしい事じゃないのに……。
「…まぁ、こんな感じだから安心してよネプギア」
「えっ、と…安心というかむしろ、イリゼさんの悪どい面を知ってなんとも言えない気分に……」
「…そ、そう……」
「あ…イリゼちゃんがちょっとしゅんとしちゃったです…」
「これに関しては自爆としか言えないわね…」
う、うぅ…自分にも悪どい面があるって事は百も承知だったのに、いざネプギアに言われるとメンタルにダメージある!分かってても辛いねこういうの!
そこから数分後。ちょっと遠回りになった(まぁまぁ私のせい)けど、本来すべき話が始まる。
「……こほん。ではまずはギョウカイ墓場での一戦と我々の目的についてを。本来ならばプラネテューヌの女神候補生であるネプギアが話す事だけど……」
「彼女はまだ的確に説明出来るだけの経験がない、という事だね。構わないよ」
「助かります。…出来るなら次はネプギアにしてもらうから、ちゃんと聞いててよ?」
「は、はい」
こういう政務上の会話はこれまで殆ど守護女神であるネプテューヌが行ってきたから、ネプギアにその経験はほぼない。勿論リーンボックスとルウィーでも私が説明しちゃうのが一番楽だけど…そうはいかない。形式だとか、決められた手順だとか、そういうものを遵守するのが政治で、それを『無駄』なんて言って省略撤廃してしまえば少しずつ体制に綻びが生じてしまうからね。
と、いう事で説明する事数分。
「…以上より、私達は四ヶ国…特に女神候補生の徹底した協力と巡業による信仰の回復が必要と思い、ここへとやって来た…という事です」
「…うん、了解したよ。結論から言えば、教会の協力については全面的に同意さ。ラステイションも余裕の状況…という事ではないけど、信仰の回復と守護女神の奪還は一刻も早く行いたい事だったからね。取り敢えず、ラステイションで活動する内は教会を拠点にしてくれて構わない」
「ありがとうございます、ケイさん」
手を差し伸べ、握手を求めてきたケイさんの手を握る。これでまずは教会の協力を得る事が出来た。…けど、少し気になるニュアンスでもあった。教会の協力については、という事は……
「…それで、候補生の協力は……」
「うん、その事については…僕の口からは、難しいとしか言えないね」
「…難しい?」
「勿論、犯罪組織に味方してるという事じゃない。ユニも信仰の回復と守護女神奪還には賛成な筈さ。…けど、君達に協力してくれるかどうかは分からないという事さ。…まぁ、これは本人に聞いてみるのが一番分かり易いだろうね」
「じゃあ、そのユニは…」
「今は外で活動中だよ。どんなに遅くとも夜には戻ってくる筈だから、それまでここで待機なり観光するなりしていて待っていてくれるかい?」
協力を得るのは一刻一秒を争う程の事ではないから、待ってほしいという言葉にはそのまま頷く私達。だけど、内心ではケイさんの言葉について思考を巡らせている。
私達と同じ目的を持っているのに、協力してくれるかどうか分からない。一般的に考えればまず思い付くのは『本人じゃないから絶対とは言えない』という保険的なものだけど…その様なニュアンスには聞こえなかった。だとすれば…協力出来ないのは目的じゃなくて『私達』……?
「…さて、じゃあ僕は仕事に戻るよ。何かあれば連絡をしてくれればその都度対応しよう」
「はい、何かあれば連絡します」
「……そうだ、ネプギア。…ユニの事を、頼むよ」
「…へ?」
応接室の扉を開けたケイさんは、そこで思い出したかの様にそんな事を言った。頼むとは一体どういう事なのか、何故私達ではなくネプギアなのか…私達はそれが気になってたけど、それを聞く前にケイさんは応接室を出て行ってしまった。
「…まぁ、教会の協力を得られただけで上々ね。入る前も言ったけど、ノワールも最初はとても仲間になれそうな雰囲気じゃなかったし」
「ですね。とにかくまずは会ってみなきゃです」
「でも、そのユニさんは外出中…」
「うーん…ま、ここまで歩き続けてきた訳だし、早速だけど夜まで自由行動にでもする?ネプギア的にはその方がいいでしょ?」
「え?い、いや別に…と言ったら嘘になっちゃいますけど…」
「だよね?二人共それでOK?」
「はいです」
「私も構わないわ」
という事で、私達は休息を兼ねて自由行動とする事に決定。さて、それじゃ私はどうしようかな……。
*
ラステイションの中央通りはプラネテューヌと同じく観光客を意識した、華やかしい作りになっています。でも、そこから暫く離れた、工業団地となると……
「〜〜♪」
「楽しそうだね、ネプギア」
「はいっ!」
右を見ても左を見てもTHE・工場。プラネテューヌの工場も格好良いけど、ラステイションの工場も工場らしさがあっていいなぁ。あっちは部品メーカーかな、それでこっちは多分外装メーカー。それであそこの大きい所は……
「ネプギアー、足止まってるよー?」
「あ…す、すいません。つい…」
「ほんと楽しそうだねぇ」
「見るだけじゃなく、作るのも好きなんですけどね。…でもすいません、わたしのしたい事に付き合わせちゃって…」
「気にしなくていいよそれ位。それに、場所よく分かってないネプギア一人を行かせて迷子になっても困るしね」
そう、別にイリゼさんも工場に興味がある訳じゃない。ただわたしの行きたい場所…シアンさんの工場『パッセ』に興味があったけど行った事のなかったわたしの為に、イリゼさんはわざわざ案内役を申し出てくれたのだった。
「…シアンさんって、ノワールさんと仲良いんですよね?」
「そうだね、シアンとの付き合いは私達よりノワールの方が長いし」
「なのにパッセはただの一企業なんですか…」
「あー…それは確か、お互いお金や利益の為に友達になったんじゃないんだから、女神や教会の力でパッセを大きくしたくはない…って事だったと思うよ?」
「…なんか、そういうのって格好良いですね」
「同感だよ、さて…ここだよネプギア」
足を止めたイリゼさんの前には居住区と工場。イリゼさんの顔を見ると『ここに来るのも懐かしいなぁ…』みたいな表情をしていた。
直接話した事は殆どないけど、シアンさんは優秀な技師で、ラステイションの博覧会で結果を出した上に、MG完成の立役者でもあるらしい。そんな人と話が出来るなら、それはきっととても楽しい経験に……
────と、思っていたのに…
「すみませんね、イリゼ様にネプギア様。娘は丁度出かけておりまして…」
シアンさんは、何やら素材調査の為に出かけているみたいだった。うぅ、ユニさんといいタイミングが合わない……。
「いえ、連絡もなしに来たこちらの落ち度でもありますのでお気になさらないで下さい」
「そう言ってもらえるとこちらも助かります。…ところで、何故今日はここに?」
「それはですね、ネプギアが機械に興味がありまして…」
「あ…そうなんです。わたしは……って、あれ…?」
『……?』
「…あの、貴方はシアンさんのお父さん、なんですよね…?」
「えぇ、そうですよ?」
「って事は…MGの基礎設計を生み出したシアンさんのお父さんって貴方の事ですか!?」
「へ?……や、まぁそう、ですが…」
「ネプギア…興奮するのは分かるけど、同じ質問二度しちゃってるよ…?」
「しちゃいますよ!だって基礎設計者なんですよ!?プラネテューヌのMGもラステイションのMGも、この人から始まったと言っても過言じゃないんですよ!?」
シアンさん当人には会えなかったけど、代わりに同じ位凄い人に会えて興奮するわたし。もう、どうしてわたしはこの人の事を失念していたのかな。わたしのお馬鹿!
「あのっ、お話聞かせてもらっていいですか?誕生秘話とかあったりするんですか?」
「これはまた…面白い子ですね、ネプギア様というのは」
「はは…シアンと気の合いそうな子でしょう?」
「ですねぇ。それに、俺とも気が合いそうです。なにせ…俺もまた、機械が好きで、作るのが好きでこの世界に足を踏み入れたんですからね」
「じゃあ……!」
「お話しましょうじゃないですか。俺の…いやメカ好きの浪漫、人型ロボットの生まれる経緯を!」
──こうして、話は始まった。
「やはり難しかったのは『人型である理由』ですね」
「ですよね!人型は生物だから、人だから有用であってロボットじゃ器用貧乏になるかそもそも動かないかですもん!」
「そういう事。そこで俺も行き詰まっていた訳ですが…ふっ、そこに答えを出したのがサンジュとアヴニール…キラーマシン、という事ですよ」
「……!」
「俺は人をそのままスケールアップして作ろうとしていた。けど、考えてみれば当然の話なんすよね。人と人型ロボットはサイズも役目も全く違う、なら…ただスケールアップして上手くいく筈がない。むしろ、同じ比率にする必要自体がない訳ですよ」
「勉強になります!正に『MGは自由なんだ』って事ですね!」
「……えーと、MGの話するのってそんなに楽しい…?」
『勿論っ!』
「ま、まぁそう思うから盛り上がってるんだよね…うん、熱量はよく伝わってくるよ…」
何やら圧倒されているイリゼさんを他所に、わたしとシアンさんのお父さんとの話は続く。何年も工業に携わっていただけあって、知識量も経験もわたしよりずっと格上のお父さん。ふふっ、男の人とこんなに熱く話すのなんてこれが初めてかも。
「いやぁ、ここまで理解ある女神様がいるとは驚きましたよ。後でうちの工場見学していきます?」
「い、いいんですか?」
「構いませんよ、それにここまで造形のあるネプギア様なら、案外うちのマシンの改善点を見つけてくれるかもしれませんからね」
「そんな事……あったらそこ分解していいですか?」
「それは流石に…」
「で、ですよね…でも見学させてくれるだけでも嬉しいです!ありがとうございます!イリゼさんイリゼさん、いいですよね!?」
「う、うん…でも夜には教会に戻る事忘れないでね…?」
「あ……っ」
つい、言ってしまった「あっ」という言葉。それを聞いた瞬間イリゼさんはジト目に。……い、言い訳したら誤魔化せたり…
「しないよ?」
「…ごめんなさい……」
出来ないみたいです。はい、忘れてました。…反省しよう、うん……。
「あー…ここは俺に免じて…って言える程大層な人間じゃないですが、許してやって下さい。俺が乗せちゃった面もありますし」
「いや、まぁ説教しようとまでは思ってませんけどね。ただ私達はユニと話さなければならないので…」
「ユニ様と?それはまた奇遇ですね」
『…奇遇?』
思いもよらない言葉に顔を見合わせるわたしとイリゼさん。奇遇、って一体なんだろう…ユニさんもここに来てたとか?それか、シアンさんもユニさんを探してたとか…?
そうわたしが予想してる中、お父さんは言う。
「そういや言ってませんでしたね。シアンの素材調査にユニ様が着いて行ってくれたんですよ、護衛役を引き受けるってね」
『えぇ……?』
────世の中、凄い奇遇というものがあるんですね…。
今回のパロディ解説
・某漫才コンビ、クセが凄い
漫才コンビ、千鳥とその一人、ノブこと早川信行さんの代名詞的突っ込みの一つの事。クセが凄いというか捻りまくりのパーティー、そのトンデモ力は凄まじいです。
・MGは自由なんだ
ガンダムビルドファイターズ全体における重要なフレーズ、『ガンプラは自由』のパロディ。MGだって自由なんです、ロボ好き作者の理想と妄想が詰め込まれてるんです。
・「……えーと〜〜楽しい…?」『勿論っ!』
同じくガンダムビルドファイターズの第十五話Cパートラストのやり取りのパロディ。いや別にネプギアとシアン父がMG直してる最中だったりはしませんけどね。