超次元ゲイムネプテューヌ Re;Birth2 Origins Progress   作:シモツキ

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第十七話 思いの衝突

「……まずは、君達お疲れ様」

 

依頼と緊急事態を終えて教会へと戻ったわたし達を出迎えたのは、ケイさんの労いの言葉だった。

 

「ふむふむ、こういう中性的な子も素敵だね。おめでとう、君も嫁候補だよ!」

「……彼女は?」

「血晶探しの途中で会ったのよ。性格はちょっとアレだけど…アタシ達に協力してくれた恩人よ」

 

ちょっと近付き難い雰囲気のケイさんにも全く物怖じしない様子で話しかけるREDさん。……もしかしてこの人、誰が相手でもブレないのかな…?

 

「そうか…なら君にも感謝するよ。それで、血晶の方は?」

「これです。宝玉の方は受け取ってくれたですか?」

「早朝に受け取ったよ。…しかし、こんなに早く両方手に入るとは…やはり君達に頼んで正解だった」

「私達は回収をしただけですけどね」

「だとしても、さ」

 

イリゼさんの言う通り、情報を教えてくれたのはファルコムさんといーすんさん。そういう意味ではわたし達じゃなくとも…と一瞬思ったけど、よく考えたら両方共結局一筋縄じゃいかなかったんだよね…もしかして、ケイさんはそれも考えてわたし達に頼んだのかも…。

 

「…さて、それじゃこれは早速使わせてもらうよ。それで…」

「…襲撃事件、の事ですね」

「一応軍からも報告は受けているけど…君達からも聞かせてもらえるかな?」

「なら、それはアタシがするわ。二手に分かれた後の事は…」

「それは私に任せて頂戴」

「じゃあ、お願いします」

 

ケイさんの言葉を受けて、ユニちゃんとアイエフさんが報告。その間ケイさんは頷くだけで、口を挟む事はなかった。

ただ、途中で……

 

「そう言えば、盗まれちゃったのって二号機なんだよね?……宿命かな…?」

((…………かも、しれない…))

 

…という、気の抜けた瞬間がありはしたけど。……こほん。

 

「──で、最後はうちの部隊と合流して片付けた…ってところよ」

「……分かった。まだ調査中だから断言は出来ないけど…見立て通り、襲撃者は犯罪組織だろうね」

「…あの、キラーマシンについては……」

「それも残骸を回収して調査中さ。…見ていない僕としては、ガワだけ似せた機体にも思えるけれど」

「いや、あれは確かにキラーマシンだったと思いますよ?ネプギアもそう思ったんだよね?」

「はい。関節やメインカメラの作りは明らかにキラーマシンのものでした。あれは何かしらキラーマシン開発か実機に関わった人じゃなければ作れない筈です」

「…そういうのなら、そうかもしれないね。とにかく元アヴニール社員にあたってみるとしよう。さ、話は終わりだ。移動に戦いと君達も疲れてるだろうから、後は僕に任せて休んでくれ」

「ちょ、待ってよケイ。だったらアタシも調査に回るわ。アタシはまだ動けるし、当事者がいた方が…」

「それは不要だよユニ。君だって疲れていない訳がないんだ、無理せず休めばいいさ」

「だからアタシは……」

 

ユニちゃんの言葉を最後まで聞かずに、ケイさんは奥へと戻っていってしまった。

話が途切れた事で、静かになってしまった私。けど、すぐにイリゼさんが口を開く。

 

「…じゃあ、そういう事だから今日はこれで解散にしようか。明日以降の方針は、明日の朝に決めてもいいし」

「そうね。ふぅ、一息つくとやっぱり少なからず疲労を感じるわね…」

「それならアタシは教会の探検しよっかな、奥って入った事ないし」

「ギアちゃんもユニちゃんも、ちゃんと休まなきゃ駄目ですよ?」

 

コンパさんの言葉にこくり、と頷くわたしとユニちゃん。確かにわたしも疲れたし、休もうとは思うけど……その前に、ちゃんと言わなきゃだよね……よし。

 

「……ご、ごめんねユニちゃん」

「…ごめん、って?」

「その、さっき…射撃の邪魔しちゃったから…」

 

わたしはあの時、反射的にユニちゃんの射撃を邪魔した。その時は咄嗟だったし、その後言った事は嘘じゃないけど…今考えれば、やり方はユニちゃんの怒りを買っても当然の様に思える。だから、謝らなきゃ駄目だよ、うん。

 

「……ふん、別にいいわよ…どうせあそこで邪魔されてなくても強奪は阻止出来なかったし」

「そ、それは…そういう意味では、殺さずに済んだとも言える…とか…」

「はぁ?何よ、謝っといて自分の行動が正しかったって言う訳?」

「ち、違うよ!…わたしはただ、出来る限り人には死んでほしくないだけで…お姉ちゃんみたいに、最高のハッピーエンドを目指したいだけで…」

 

わたし達がここに来たばかりの頃の様な目をするユニちゃん。そんなユニちゃんに少しでも分かってもらおうとわたしは言葉を紡いだ。けど……

 

「ハッピーエンド、ね…アンタにそれが出来るとでも?」

「……っ…出来るって断言は出来ないけど、だからってそれを諦めるのは…」

「出来るかどうかも分からない事にうつつを抜かしてる場合じゃないでしょうが…」

「う、うつつって…」

「ふ、二人共、喧嘩は良くないですよ…?」

「止めないで下さいコンパさん、これは大事な事なんです。そうでしょネプギア?アンタも女神候補生なら、覚悟を決めなさいよ」

「覚悟…?…覚悟ってなに?ユニちゃん…」

「なに?って…そんなの、女神としての……」

「そんな覚悟、分からないよッ!」

 

わたしは、ユニちゃんの言葉を遮った。話し合いがしたいなら、最後まで相手の言葉を聞くべきだって分かってる。だけど…だけど……ッ!

 

「ユニちゃんの覚悟って何なの!?容赦しない事なの!?人が相手でも殺す事なの!?わたし達が来た日にやってた事が、ユニちゃんの覚悟の表れなの!?ねぇ!」

「それって…アンタ、あれを見てたの…?」

「そうだよ見てたよ!それからもユニちゃんの姿を見てきたよ!ユニちゃんは真面目で、事務にも戦いにも真剣で、でもわたしとも友達になってくれた、優しくて格好良い人だと思ってたのに!なのに、そんな事…女神はそんなものじゃないよ!お姉ちゃんもイリゼさんもそんな冷たい人じゃないもん!ノワールさんだってそうでしょ!?ユニちゃんは、ユニちゃんは……ユニちゃんは間違ってるよッ!」

 

堰を切ったようにわたしは声を上げる。どうしてもユニちゃんの考えが認められなくて、それを認める事はわたしが尊敬する人達への否定になってしまう様な気がして、感情をそのままにぶつけた。そしてその瞬間……ユニちゃんの中でも、何かが弾けた。

 

「…アンタに何が分かるってのよ…甘っちょろいだけのアンタに何が分かるってのよ!えぇそうよ!お姉ちゃんもイリゼさん達もこんな考え方してないわよ!する訳ないじゃない!でもそれは力があるからよ!お姉ちゃん達の足元にも及ばないアンタが、そんな理想語ってんじゃないわよッ!」

「力って…力が無きゃ理想語るのも駄目って言うの!?」

「そうに決まってるでしょ!力も無いのに理想を語って、理想に溺れて国民を守れなかったら、その時アンタは国民になんて言う訳!?」

「そ、それは……」

「アタシはお姉ちゃんの分まで頑張るって決めたのよ!アタシは自分が弱いって認めてるのよ!アタシはそれでも女神として国と人を守るって、その為に何でもするって決意したのよ!アンタはどうなのよ!?そこまで言うならアンタの女神としての覚悟、言ってみなさいよッ!」

「……っ!…わたしの、覚悟…それは……」

「言えないって言うの…?…だったら、アタシの覚悟にケチ付けるんじゃないわよ!イリゼさんっていう女神がいても尚女神の覚悟一つ考えてないってなら、邪魔をするんじゃないわよ!どうしても否定したいってなら…力尽くで認めさせてみなさいよね!」

 

ユニちゃんは、そう言ってわたしの前から去っていった。……わたしに反論を許さず、ねじ伏せていった。

 

 

────あぁ、そうだ…わたしには、何が何でも貫くって言えるだけの覚悟なんて、まだ無かったんだ…。

 

 

 

 

ネプギアが、普段は温厚で遠慮がちな彼女が感情を爆発させた。それに触発…というか逆鱗に触れる形で、ユニもまた怒号を上げた。……それは、もう一歩進めば殴り合いになっていたかもしれない程に。

 

「…止めなかったの?それとも、止められなかったの?」

 

後ろからアイエフが言う。それに、私は肩を竦めながら返す。

 

「…上から押さえつけるだけじゃ止まらないと思ったのが半分、驚いて止めようという気になるのが遅れたってのが半分…ってところかな」

「要は両方って訳ね。確かにこれは予想外だけど」

「…やっぱり、火がつく前に止めた方が良かったですか…?」

「止めても衝突が少し後になっただけじゃないかな、どうでもいい事で起こった訳じゃないし」

 

ユニに続く様にネプギアもこの場を去ってしまい、今いるのは私達四人だけだった。…厳密には遠巻きに仕事してる職員さんもいるけど…話に関わってくる訳じゃないしね。

 

「でも、ほんと驚いたわね。ユニがあそこまでの思いを持ってたなんて」

「…持っててもおかしくはないよ。ユニはノワールを目指しているんだろうし、ユニだってあの戦いに出てた訳なんだから」

「…二人、このまま喧嘩別れしちゃうんでしょうか……」

「それは…二人次第だと思う、けど…」

「じゃ、イリゼはどうするの?」

 

コンパの言葉に私が当たり前な事を返すと…そこでそれまで黙っていたREDが話に入ってくる。え、いや、どうするって……

 

「…な、何を……?」

「二人の事だよ?何もしてあげない気なの?」

「あ…それは…何もしてあげない、気はないけど…」

「なら、何かしてあげようよ。イリゼは二人と同じ女神だから、アタシ達より色々分かってあげられてるでしょ?二人も言いたい事が言えてすっきり、って感じじゃないし、二人の為に出来る事するのが仲間ってものじゃないかな?」

「RED……」

「あ、その顔アタシに感銘受けてるね!ふふん、褒め言葉はいいから早速行ってあげてよ。それともアタシとデートする?アタシ的にはそれでもいいよ?」

「…ふふっ、分かったよRED。ありがとね」

「……?アタシとデート?」

「そっちじゃないよ…じゃあ、行ってくるね」

 

本気なのか、私が行き易い様にわざとふざけたのか…それは分からないけど、REDは私の後押しをしてくれた。REDの言葉は何も間違ってないし、私自身今の二人に何かしてあげられるならしようと思っている。だったら…うん、REDの言う通りだ。ネプギア達を導く立場として、そして仲間として……私が出来る事を、してあげなきゃだよね。

 

 

 

 

「REDさん、格好良かったですぅ」

「そうね。ちゃらんぽらんな子だと思ってたけど、見直したわ」

「おぉー!これは予想以上にアタシの株が上がってる予感がするよ!それじゃあ、二人がアタシとデートしてくれる?」

「そ、それは…凄くデートしたいんですね、REDさん…」

「恥ずかしいなら教会内デートでもいいよ?探検デートとかどう?」

「……あんたまさか、教会探検の道案内がほしいだけじゃないの?」

「ぎくっ…な、なんの事かな〜…?」

 

 

 

 

去っていったネプギアはどこにいるんだろう…と思って探し始める事数分。私は教会の裏手でネプギアを発見した。

 

「…風が気持ちいいね、ここ」

「あ…イリゼさん…」

 

私の声に反応して振り返ったネプギアは、自嘲じみた笑いを浮かべていた。……見た目や人柄の関係で絵になるとか考えてる場合じゃないよ私!

 

「…そのさ、今話大丈夫?」

「…はい」

「……ユニと本気で言い争ってたね」

 

雑談から入るか直で本題に入るか捜索中考えていた私だったけど…雑談で下手に空気を和ませたりはしない事にした。私は小粋なネタを常にいくつも持ち歩いている訳じゃないし、ネプギアは相手の事を考えられる子。だからこそ、私が気を遣ってると思ってしまうだろうと考えて、私はストレートに話をする事に決めた。

 

「…わたし、本気で喧嘩したのって始めてかもしれません」

「そうだね。バーチャフォレストのアレは、喧嘩ともまた違うし」

「…言い負かされたのって、喧嘩の経験が無かったからかな…?」

「い、いや…問題はそこじゃない気が…」

「ですよね、分かってます。…ユニちゃんは明確な信念があって、わたしにはそれが無かった。それが、わたしとユニちゃんの差だと思います」

 

意外にも、ネプギアは取り乱したりはしていなかった。それは即ち、頭が冷えてその上で自分とユニの言った言葉をきちんと受け止められているという事。…それは、私にはネプギアの成長に思えた。少なくとも、ギョウカイ墓場での最初の戦闘の後よりは確実に成長している。

 

「…じゃあ、ネプギアはユニの方が正しかったと思ってる?」

「…そうは、思ってません。わたしが覚悟や決意においてユニちゃんより劣っていた事は認めますけど、やっぱりユニちゃんは間違っていると思います」

「…前に私が言った事、覚えてる?そういう事に正解や間違いなんてない、って言ったの」

「覚えています。でも、イリゼさんはその人にとってよく考えて導き出したものがその人にとっての正解だとも言いました。……それって、自分にとっての正解間違いは、あくまで自分にとってのでしかない…って事ですよね?」

「……うん、そうだね」

 

ネプギアの声を聞いていれば分かる。ネプギアには、何か思っている事が…それこそ覚悟や決意にまつわる事が渦巻いてるんだって。だから、私は聞く事に徹する。

 

「…ほんと、ユニちゃんは凄いと思います。わたしと生まれた時も、経験も殆ど変わらない筈なのに、わたしよりも一歩も二歩も先に行ってるんですもん。…ユニちゃんの言う通り、あれ以降もずっと女神であるイリゼさんが近くにいたのに、ユニちゃんより後ろのわたしは駄目駄目ですね」

「…………」

「……だけど、わたしは踏み留まりたくはないです。わたしだって、お姉ちゃんを助けるって…もっと強くなるって決めたんですから。それに、わたしがこのままユニちゃんに何も出来なかったら、これまでわたしを育ててくれた皆のしてきた事が、無駄にもなっちゃいますから。……って、そう思えたのもユニちゃんと言い争ったからなんですよね…ほんと、凄いなぁユニちゃんは…」

 

また、ネプギアは自嘲的な笑いを浮かべた。けど、今度はその顔に『だからこそ、負けられない』って思いが滲み出ている様に、私は見えた。…全く、今のネプギアの様子をネプテューヌに見せてあげたいね。

 

「…ありがとうございます、イリゼさん」

「うん。……って、何が?」

「話を聞いてくれた事です。イリゼさん、わたしを気にして来てくれたんですよね?」

「…気付いてた?」

「あの後すぐに人が来たら、誰だってそう思いますよ。それに…話をする事で、わたしの中での思いもまとまってきましたから」

「…そっか。なら、ネプギアの覚悟が決まったら…その時は、教えてもらおうかな」

「はい。…それと、ユニちゃんに伝えてほしい事があるんです。お願い、出来ますか?」

 

そう言ってネプギアが口にしたのは、少しネプギアらしからぬ発言だった。ネプギアらしくない発言だけど…ある意味で、女神らしい発言だった。

…で、それを私がどうしたかって?そんなの勿論……

 

 

 

 

コンコン、というのは扉をノックする音。

今いいかな、というのは来客の声。

はい、というのは部屋主の声。

今、私はユニの部屋の前にいる。

 

「あら、中々気品を感じるお部屋…そこはかとなくオイルの匂いがするけど」

「…すいません、銃器使いの宿命なんです…」

 

ユニの部屋は、寒色系でまとめられたお姫様の部屋の様だった。……壁にかけてあるライフルが異彩を放っていたけど。

 

「…先程の件について、話に来たんですか?」

「まぁ、そんなところ(ユニにも即バレた…)」

「そうですか…その、さっきはお見苦しいところを見せてしまって、申し訳ありませんでした…」

「…私はそうは思ってないけど、ね」

 

進められたソファに座ったところで、私は謝られた。ネプギアもネプギアで普段より控えめなテンションだったけど…もしかすると、ネプギアよりユニの方が気にしているのかもしれない。

 

「…駄目ですよね、女神があんな取り乱したら」

「えーっと…それは遠回しに私やノワール達をdisってる…?」

「あ、いや、そんな事は……」

「少なくとも私は、さっきの二人以上に取り乱した経験あるよ?…だから、あれについては問題無しだと思うね」

 

私は自分の正体を知った時、それはもう取り乱した。期間こそ短かったものの、荒れに荒れていた。盗んだバイクで夜の校舎の窓ガラスを壊しながら走りかねない位に荒んでいた。……うん、思い返すと恥ずいね、これ。

 

「そう、ですか…あの、一つ訊いてもいいですか…?」

「うん、いいよ」

「じゃあ…アタシの覚悟を聞いて、どう思いましたか…?」

 

それは、もしかしたら触れてくるんじゃないかと思っていた事。思うところは当然あって、でもそれを聞いてどう思うかなんとも言えなかったから触れてこなければ話すつもりもなかったけど…聞かれたのなら、話さない理由はないよね。

 

「正直に言っても、大丈夫だね?」

「……はい」

「なら……女神としては、肯定出来ないと思ったよ」

「……です、よね…」

「……でも、一個人としては…私と同じだな、って思った」

「え……?」

 

そんな事を言うとは思わなかった、と言いたげな顔をするユニ。そんな反応すると思ったよ、と心の中で呟きつつ私は話を続ける。

 

「私はね、私の大切な人と大切な人が守りたいものを守るのが信念なんだよ。…だからね、私は線引きをしてる。ユニと同じ様に、助ける人とそうじゃない人の線引きをさ」

「そうだったんですか…」

「まぁ、その線はかなりガハガハだから、ぶっちゃけ実際には助けられそうな人なら誰だって助けるって感じだけどね。それでも、そもそも線引きしないネプテューヌやネプギアなんかとは違うんだよ」

「……なら、やっぱりアタシとは違いますね。アタシは、その線は結構シビアですから」

「…それなら、そうなのかもね」

 

私は、無理に否定しない。だって、これは論破したってしょうがない事だから。本人が本気で思ってる事は、理論的な間違いでもない限り、論破してもギクシャクするだけだから。

 

「…いいんです。分かってますから、アタシの考えが女神らしくないって」

「そっか…」

「……ネプギアって、凄いですよね。あいつは甘いけど…アタシみたいに、妥協はしていない。アタシと生まれもしてきた事も大差ない筈なのに、実力の無さに諦めず迷い続けてる。……アタシがキレたのは、アタシより心の強さがある事が悔しかったってのも、ほんとはあるんです」

 

悔しいと言いつつも、ユニの顔は苦々しそうなそれになっていない。…それは、きちんと覚悟が自分の中で固まってるから、一度冷静になった事で受け止める事が出来たって事なんだろうね。

 

「……でも、アタシは負けません。その程度で揺るがない位には、アタシだって考えて考えて決めたんですから。…お姉ちゃんみたいに全部守るのは、アタシがもっと強くなってからです」

「…安心したよ、ユニが強い子で」

「アタシだって、女神候補生ですから」

「なら、ユニ…ネプギアからの伝言だよ」

 

ぴくり、と眉を動かしたユニ。それを確認し、一拍おいて…私は言う。

 

「──決闘してほしい、って。わたしは全力で、わたしなりの覚悟でユニちゃんと戦うって。戦って、わたしの思いを見せるって。…ネプギアは、そう言ってたよ」

「決闘…そっか、アタシが力尽くでって言ったから……」

「だろうね。…答えは、どうする?」

「…勿論、受けますよ。それと…アタシからも、伝言いいですか?」

 

ユニから伝言を受け取る私。私は受け取り、それをネプギアに伝える。そして……思う。

ネプギアもユニも、互いに相手を凄いと思っていた。互いに相手を認めていて、だからこそ負けたくないと思っていた。それはまるで、ネプテューヌとノワールの様に。

私は思う。この決闘はどんな形であれ、きっと二人にとって良い経験になると。二人は、その決闘の結果やっぱり仲良くなれると。そう、確信している。……さて、それじゃ二人の為にも…私も私でやれる事をしようかな。




今回のパロディ解説

・二号機が盗まれる宿命
これはパロディ…というかロボット系作品のジンクスの様なもの。ガンダム試作二号機やYF-19など、二号機はよく盗まれますね。制作サイドも意識してるのでしょう。

・盗んだバイクで〜〜走り
尾崎豊さんの名曲の一つ、15の夜の有名なフレーズのパロディ。15でバイク盗んで走るなんて相当な度胸がありますよね。思春期の衝動も当然関係するのでしょうが。

・夜の校舎の窓ガラスを壊しながら
上記と同じ歌手、尾崎豊さんの名曲の一つ、卒業の有名なフレーズのパロディ。上と合わせてやったらもう完全に大ニュースですね。…ヤンキーイリゼ…なんちゃって。
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