超次元ゲイムネプテューヌ Re;Birth2 Origins Progress   作:シモツキ

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第二十三話 困惑抱く対決

凄い速度で合流…というかリアル人間弾丸でネプギアとユニを吹っ飛ばしたロムちゃんとラムちゃん。そして……私達がぽかーんとしてる内に、何故か二人に宣戦布告されていた。……ミナさん…これはちょっと合流どころじゃないですよ…。

 

「ちょ、ちょっと待ってよ!二人共、勘違いしてない!?」

「かんちがい…?……プラネテューヌとラステイションじゃなかったの…?」

「そ、そっちじゃなくてマジェコンの事!マジェコンを売ってたのはわたし達じゃないの!」

「そう言ったってむだよ!こっちに向かったってミナちゃんから聞いたもの!」

「こっちに向かったのは下っ端…犯罪組織だよ!それをわたし達は追ってきただけで…」

「しょーこは?」

「え…証拠…?」

「出せないの?出せないならやっぱりあんた達が売ってたって事ね!」

「そ、そんな無茶苦茶な…」

 

ネプギアの言う通り、二人は無茶苦茶な事を言っている。けれど……

 

「代わりなさいネプギア。…証拠云々って言うなら、アンタ達だってアタシ達が売ってたって証拠はあるのよね?」

「追いかけた先にあんた達がいた!それがうごかぬしょーこよ!」

「…それ、偶々そこにいただけの一般人でも該当すると思うんだけど?」

「それは……ラムちゃん、その通りかも…」

「ろ、ロムちゃん!?だめよ悪い人の話なんてきいちゃ!アイツはだまそうとしてるの!」

「騙そうって…アンタアタシの話全部それで済ます気?」

「ふん!しんよーならない相手にはうたがう方が正解なのよ!」

「……なんかアタシ、本格的にイライラしてきた…」

 

──案の定、ユニは説得失敗していた。でも、それも無理のない話。だって二人は…少なくともラムちゃんは、話を聞く気がない様子だから。どんなに筋が通った話だって、それを聞く相手が対話のテーブルに立っていないなら通用する訳がない。……だとすれば、この状況を打開する方法は一つ。

そう決めた私は、女神化して両者の間に割って立つ。

 

「…ネプギア、ユニ、二人を一回退けるよ」

「え…い、イリゼさん!?二人と戦う気ですか?」

「戦う気だよ。相手もその気だしね」

「…正直、やるってんならやってやろうじゃないとは思ってましたけど…本気、ですか?」

 

私の登場にロムちゃんラムちゃんは杖を構え、ネプギアは驚きの声を、ユニは真意を問いただす様な声を上げる。

そりゃそうだ。今の私の言動は、普段の私には反するものだし、二人がすんなり飲み込めないのも当然の事。だから、私は「いいから戦うよ!」……なんて説明をすっ飛ばしたりはしない。

 

「…二人共さ、さっき私が警察組織が来る筈…って言ったの覚えてるよね?この状況でその人達が来たら、どうなると思う?」

「…この対立状態を見られますね……」

「そう。で、この場合…自国の女神と自国の女神に疑われている他国の女神、どっちが信じてもらえるかな」

「そういう事ですか…でも、それならアタシ達二人だけでも…!」

「この戦闘は『退ける』のが目的だよ?勝っても二人に大怪我させるんじゃ意味がない。…二人だけで、目立った怪我もさせずに完封出来る?」

「…分かりました。アンタもいいわねネプギア」

「う、うん…イリゼさん、別に二人と手を取り合う事を諦めた訳じゃないですよね?」

「勿論。実戦風雪合戦をした仲だもん、一度疑われた位で諦めたりはしないよ」

 

そう言って二人に笑みを見せる私。私は私の意図を汲んで黙っていてくれているコンパ達に目配せした後、ロムちゃんラムちゃんに長剣の切っ先を向ける。

 

「ふーん、よく分かんないけどわたし達に刃向かう気なのね。ならかえりうちにしてやるわ!」

「……ラムちゃん、ほんとに戦うの?ほんとに、それでいい?」

「…うん。これが、女神のお仕事だから」

「そっか…なら、わたしも戦う…!」

「じゃあ、おっきい方…イリゼなんとかはお願いね!」

「うん!後ラムちゃん、あの人はイリゼの後に名前は続かなかった、と思う…!」

 

トン、っと二人が地へ杖をつけた瞬間、その二本の杖の間から次々と氷の刃が私達の元へと走った。私が左に、ネプギアとユニが右に跳んで避けた瞬間、二人も分かれて私達へと向かってくる。……こうして、私達とロムちゃんラムちゃんとの戦闘は始まった。

 

 

 

 

──かに、思われた。

 

(……う、ん…?)

 

私に向かって氷の刃を次々と放ってくるロムちゃん。それを斬り払い、接近のタイミングを図ろうとしていたところで…私は気付いた。……あまりにも、接近のチャンスがあり過ぎる事に。

 

「えいえい、えい……っ!」

 

氷の刃は絶え間なく飛んでくる。けれど、まるで脅威は感じない。それこそ、接近しようと思えばいつでも接近出来る程に。

私とロムちゃんの間に実力差があるから?……それは違う。確かに実力に差はあるけど…それにしても攻撃がぬる過ぎる。

なら、ロムちゃんは罠を用意している?……それも恐らく違う。罠があるなら悟られない様もう少し攻撃する筈だし、そう考える相手の裏をかく作戦だとしたら…それはロムちゃんには不釣り合い過ぎる。ロムちゃん、というよりも…そこまでの事を今の候補生が出来るとは思えない。……だとすれば、あり得るのは……

 

「……私を倒す気ないでしょ、ロムちゃん」

「…………」

 

私が長剣を下ろすと、その瞬間ロムちゃんの攻撃が止んだ。溜めの必要な魔法を使う様子も、私の油断を誘う様子もない。…やっぱり……。

 

「…何か、思うところがあるの?」

「…うん」

「それは、戦いたくないって事?」

「…ううん、ちょっと違う…」

「なら、どうして?ラムちゃんにやらされてる…って訳じゃないよね?」

「…………」

 

黙ったまま、肯定も否定もしないロムちゃん。そのまま数秒、お互い何も行動を起こさない時間が過ぎて……

 

 

 

 

 

 

「……ごめんなさい」

「え……それって……──ッ!?」

 

ロムちゃんは、本当に申し訳なさそうな声音で頭を下げた。そして、顔を上げた時には……既にロムちゃんは臨戦態勢の女神の目をしていた。

私がその場を飛び退いた瞬間、氷塊が私の一瞬前までいた場所を押し潰した。魔法の発動も速度も狙いも先程とは数段違う一撃に、私の額から一筋の冷や汗が垂れる。

 

「それが言いたかっただけ、だから…!」

「こっからは真剣勝負…って訳ね…!」

 

火球、電撃、そして氷塊。複数の系統の魔法を織り交ぜた魔法攻撃に私は後退を余儀無くされる。正直、ユニの射撃に比べると大味で力任せな攻撃だけど…それぞれの魔法の性質が違うせいで弾道(魔法道?)を読み辛く、意外と手こずってしまう。…こうして振り返ると、ユニの射撃は良くも悪くも実直過ぎて『ブレる事』がないから逆に回避し易かったのかも……っと、余計な事考える場合じゃない…!

 

「当たらない…でも……!」

 

私に反撃のチャンスを与えたくないと言わんばかりに放たれ続ける魔法。それを斬り払い、避ける中で私は再度接近するチャンスを伺っていたけど…ロムちゃんの若干焦燥を孕んだ声を聞いて、私はふと思い付く。

大きくバク宙を打って更に距離を開ける私。そんな私を追うように放たれた魔法を……私は空中に精製した短剣を射出して撃ち落とす。

 

「……っ…!」

「…折角だから…撃ち合いといこうか、ロムちゃん」

 

私の放つ武器とロムちゃんの放つ魔法が、私達の間の空間でぶつかり合い、逸れ、砕け、拡散し、消滅する。……けれど、これは互いの攻撃が激突している訳じゃない。ロムちゃんが魔法を撃って、それを捕捉した私が武器を撃ち込んで迎撃している。ロムちゃんが私へと攻撃してるのに対し、私はあくまで攻撃を挫いているだけ。これでは戦況が硬直するだけ、私の集中力とシェアが損なわれていくだけだけど……それでいい。

 

「流石女神候補生。遠距離戦じゃキツいね…」

 

迎撃を抜けた数発の魔法を長剣で斬り返しながら、私はロムちゃんに聞こえる様に呟く。これを素直に受け取るか、私の皮肉と受け取るかは分からないけど…どちらで受け取ってもらっても構わない。どちらで受け取るにせよ……早く勝ちたいと思っているに違いないんだから。

致命傷になり兼ねない攻撃が近距離で発生し、そのまますぐ自分の元へとやってくる近接戦と違って、遠距離戦…それも今の様にその場に留まりながら空中で攻撃がぶつかり合うだけの戦いでは、どうしても変化を起こしたい欲求に駆られてしまう。特にそれは優勢な側が思う(この場合なら撃ち合いで若干有利なロムちゃん)事で、このまま一気に決めたい、とか後数歩で勝てるのに押し切れないのは焦れったいとか、そういう心の余裕があるからこそ考えてしまう事柄がある。さっき上げたユニの様に実直な人や多くの経験を積んだ戦士ならその欲求を理性が抑えるけど……そうでない人は、つい勝負を急ごうとしてしまう。──今の、ロムちゃんの様に。

 

「……っ…わたしはこんな事、したいんじゃ…!」

「────甘いッ!」

「ーーッ!?」

 

早く終わらせたいかの様に周囲に浮かばせた氷の刃をまとめて放ち、同時に杖を振り上げ一際大きな氷塊を作り出すロムちゃん。私はそれを視認した後微かに笑みを浮かべ……飛翔。氷の刃が密集する前にフルスピードで駆け抜け、ロムちゃんの前へと躍り出た。

目を見開くロムちゃん。バスタードソードを両手持ちで振り被る私。あの時の様に形勢は…………

 

 

……あれ?

 

 

 

 

 

 

 

 

──どうして私は、この策を『ふと』思い付いたんだろう?

──どうして私は、まるで前にも一度戦った事があるかの様に、こんなにすんなりと戦いを進められたんだろう?

 

 

────あの時って、私は何と今の戦いを重ねているの…?

 

「ひ……ッ…!」

「……っ…!」

 

思いもしなかった私の接近に、ロムちゃんは声を詰まらせ生成しかけだった氷塊を強引にぶつけてくる。既視感の様な、何か大きな事に気付きそうな感覚に一瞬飲まれていた私も氷塊が眼前に迫った事で我に返り、振り上げていた長剣を叩きつける事で防御。…刹那、砕けた氷塊によって視界が奪われる。

 

「少々大人げないけど…全力でいくよッ!」

 

左手で砕けた氷塊の破片を押し退けながら私は前進。やはり、と言うべきか後退を始めていたロムちゃんに対して次々と剣撃を浴びせていく。

シェア爆発による加速も使った、文字通り本気の攻撃。ロムちゃんは魔法による障壁と杖で防御を図るけど……この距離でなら、近接戦になってしまえば私が圧倒的に有利だった。

 

「……ロムちゃん、怪我はない?」

 

振り抜いた長剣が、ロムちゃんの杖をはたき落とす。そこから後ずさったロムちゃんの肩に私が手を置くと…彼女はびくり、と身体を震わせた後、しゅんと肩を落とした。そして、私の言葉にロムちゃんがこくりと頷いて……この勝負は終了した。

 

 

 

 

「あーもう!さっさと当たりなさいよっ!」

「あ、あんな魔法当たったら大怪我しちゃうから嫌だよ!?」

 

空を飛び回りながら衝撃波の様な魔法を撃ってくるラムちゃんに、わたしは付かず離れずの距離を保ちながら対抗する。……と、言うよりも追いかけっこをしていた。…気を抜いたら大怪我しちゃう、全くもって遊びらしさのない追いかけっこだけど。

 

「じゃあ、ちょっとびりっとした後すぐ眠くなる魔法ならどうよ!」

「それ気絶してるよね!?意識奪われてるよねぇ!?それも嫌だよ!」

「だったらアレよ!ザではじまってキでおわるアレ!」

「わたしの息の根止める気なの!?後二文字の時にその表現するのはどうかな!?」

 

ふざけてるのか本気なのか分からないけど…そう言いながらもラムちゃんは一切容赦無しで魔法を放ってくる。それをわたしは避けて、時々射撃で反撃するけど…

 

「っとと…どこねらってるのかしら!あははっ!」

 

余裕で避けられる攻撃しかしてないせいで、ラムちゃんに対しては殆ど意味を成していない。……仕方ないじゃん、M.P.B.Lは低出力でも結構な怪我になりかねないビーム弾頭しか撃てないんだもん…。

 

「ほらほら、素直にやられるかちゃんとたたかうかしなさいよねっ!」

(うぅ…ラムちゃんは気付いてないんだろうけど…今ラムちゃんはわたしの術中に嵌ってるんだからね!…って言いたい、言いたいよぉ…!)

 

思った以上に煽ってくるラムちゃんに、わたしも言い返したくなるけど…きゅっと唇を噛んで我慢。言ってやればすっきりはすると思うけど…折角これまで作ってきた流れが無駄になってしまう。そうなれば、警察の到着までに勝負を終わらせられなくなるかもしれないし、もしかしたら怪我をさせずに勝負を決める事も出来なくなるかもしれない。……って頭の中では分かってるけど、やっぱり自分より小さい子に馬鹿にされるのはキツいよ…!

けれど、我慢の甲斐あって……遂にラムちゃんがわたしの…わたし達の誘いに、乗ってくれる。

 

「はぁ、一対二だからたいへんかもって思ってたけど…あんたはぜんぜん強くないし、もう一人はどっか行ってるしでこれじゃひょーし抜けね。いいわ、もう終わらせてあげるッ!」

「……ほんとにそう思ってる?」

「とーぜんよ、だってぜんぜん手強くないもの!」

「そっか、じゃあ……」

 

 

 

 

「──アンタは油断しない事を覚えるべきねッ!」

「い……ッ!?」

 

下方から響く、ユニちゃんの声。そして次の瞬間──木箱の山の合間から放たれた銃弾が、杖を持つラムちゃんの前腕を撃ち抜いた。

…いや、違う。確かに銃弾は直撃したけど、撃ち抜いてはいない。血が出るどころかプロセッサも崩れず、ラムちゃんはただ手を押さえているだけ。だって、放たれたのは…ゴム弾だったから。

ユニちゃん曰く、『ゴム製だから初速は稼げないし有効射程も短いし、おまけに空気抵抗でブレるからとても実戦じゃ使い物にならない』らしい、相手を怪我させ辛い事だけが取り柄のゴム弾。それを当てる為の作戦が、わたしの陽動だった。わたしが注意を引き付けて、その間にユニちゃんが狙撃態勢を整えて、ラムちゃんが止まってくれるタイミングを狙う。その上でも必中の保証はない…とユニちゃんは言っていたけど、杖を持っている手というこれ以上ない位にベストな部位に着弾させてくれた。それを確認したわたしは、心の中で改めてユニちゃんの実力を尊敬しつつラムちゃんの元へと突撃する。

 

「信じて、ラムちゃん!わたし達は、敵じゃない…っ!」

 

M.P.B.Lを投げ捨てて接近。わたしは腕を押さえたままのラムちゃんへと迫る。

もしこれでラムちゃんが聞いてくれれば、素直に嬉しいと思う。もし聞いてくれなかったら…その時は身体ごとラムちゃんを捕まえる。同じ女神候補生だけど、わたしの方が体格は優れているし、筋力も前衛を行なってる分わたしの方が上手な筈。例え予想が外れたとしても、その時はユニちゃんも捕まえるのを手伝ってくれる手筈になっているから、心配はない。

だからこの時、わたしはいけると思っていた。どちらの反応だったとしても対応出来るし、魔法の知識に薄いわたしでも今のラムちゃんが即魔法を放つ事は出来ないと分かる。けど、わたしは忘れていた。わたし達が戦っているのは、ラムちゃん一人ではない事を。イリゼさんなら、相手が余力を残した状態でも決着まで持っていってしまえる事を。

 

「……っ…ダメぇぇぇぇっ!!」

「え──っ!?」

 

全く違う方向から声が聞こえたと思った瞬間、斜め前にロムちゃんがいた。最初にここへ来た時と同じ、或いはそれ以上の速度で現れたロムちゃんにわたしは度肝を抜かれて……思った。あ、マズい。

 

『きゃあぁぁぁぁああああああっ!!』

『……!?(ネプギア・ロムちゃん)ッ!』

 

一瞬前まで止まるつもりなんて欠片もなかったわたしと、どう見ても全速力で飛んできたロムちゃん。そんなわたし達が「おっと」なんて軽い感覚で止まれる筈もなく……お互い斜めから激突してしまう。

くるくる視界が回る中で殆ど同時に聞こえる、ユニちゃんとラムちゃんの声。体勢を立て直そうにも激突の衝撃が思った以上に強く、それ以上にロムちゃんと密着状態にあるせいで身動きが取れなくて、わたしはロムちゃんもろともそのまま落下。二人まとめて雪の小山へと突っ込んでしまった。

 

「…けほっ、けほっ…うぇぇ、雪が口の中に入っちゃった……」

「いたい…ふぇぇ……」

 

追突の十数秒後、雪の中から体を引っ張り出すわたし達。突然の激突、回転しながらの落下、そして冷たい雪の小山への突入の三重苦のせいで、わたしもロムちゃんも女神化が解けていた。後、見回したら穴が他にも二つ空いていた。……ここ、さっきわたしとユニちゃんが突っ込んだ小山だったんだ…。

 

「ご、ごめんねネプギア!ロムちゃんの方も大丈夫!?」

「あ、イリゼさん…わたしは大丈夫です。ロムちゃんも……」

「あっ!ロムちゃん泣かした!やっぱり悪いやつらだったのね!」

「はぁ!?アンタねぇ…今のはネプギアにロムが突進したからなったんでしょうが!」

「あんた達がやられてればロムちゃんもあんな事しなかったわよ!もう絶対にゆるさない!わたしの最大魔法で……」

「ま、待ってラムちゃん…」

 

おろおろするイリゼさんと、お互い殺傷性の高い攻撃を今すぐにでも仕掛けそうなユニちゃんとラムちゃん。わたしは慌てて止めようとしたけど……それよりも前に、目に涙を浮かべていたロムちゃんが動いていた。

 

「あ、ロムちゃん…そうだ!二人でいっしょにやっつけよ?わたし達二人でなら、相手が三人でも…」

「ううん…ダメ」

「え…だ、ダメ?」

「ダメ。わたし達の、負けだから…」

「ま、負けって…まだわたしはたたかえるわ!ロムちゃんもそうでしょ!?だから…」

「たたかえるけど…それでも、ダメ。わたしもラムちゃんも、あの人達がほんきだったら……」

「……っ…ほんとに、ダメ…?」

「…うん、ダメ」

「……ふ、ふん!今度会ったらぜったいやっつけてやるんだからね!あっかんべーっだ!」

 

諭す様に話すロムちゃんと、それに反抗しながらも…最後には渋々頷いたラムちゃん。そうしてラムちゃんは敵意むき出しで、ロムちゃんは済まなそうな表情で女神化をした後、この場を飛び去ってしまった。……わたし達に、複雑な気持ちを残したまま。

 

「……一先ずは、三人共お疲れ様」

「うん…ほんとごめんねネプギア。私がちゃんとロムちゃんを掴んでいなかったばっかりに…」

「い、いえ。この通り怪我はないですし、二人も無事なんですから…」

 

普段私やユニちゃんにはまず見せないしゅーんとした様子のイリゼに謝られて、逆に気まずくなってしまうわたし。い、色々理由はあるけど…お姉ちゃんの友達兼今のわたしの先生的役割をしている人に謝られると、ね…。

 

「…イリゼさん、これからどうするんですか?」

「あ…うん。そろそろ警察が来るだろうから、捜査の為に状況説明しないとかな。…にしても、二人はどうしたんだろう…」

「どうしたって…二人がアタシ達を勘違いしただけじゃないの?」

「最初は私もそう思ったんだけど…二人の言動には違和感があるんだよ。それに、私の記憶にある二人は悪戯っ子だけど…あんなに乱暴な子達じゃなかった筈だよね?」

 

そう言われたわたし達は、二人の事を思い出す。わたしはあんまり会う機会はなかったけど…確かに、こんな意地悪な感じじゃなかった気がする。それに、ロムちゃんは最初からそこまで戦おうとはしてなかった様な…。

 

「…そう、ですね。ロムちゃんは最後負けを認めてたですし、ラムちゃんも戦う前に『女神のお仕事だから』って真面目な顔で言ってたです」

「それに、ロムちゃんは一度私に謝ってきたんだ。…もしかしたら、二人共ただ勘違いしただけじゃないんだと思う」

「…アタシみたいにお姉ちゃんを見捨てて逃げた事が心に残って、考え方が変わってるのかも……」

「それはあり得るわね…そこら辺は教会に行けば何か分かるかもしれないし、行ったら聞いてみましょ」

「そうだね。でもまずは、誤解を解くところからかなぁ…」

 

イリゼさんが悩ましげな声でそう言ったところで、聞こえてくる車の音。それは、呼んでいた警察の車両のものだった。

そうして警察と合流したわたし達は、犯罪組織の事を報告。そこからの捜査をその人達に引き継いで、わたし達は改めてルウィーの教会へと向かう。

わたしは決闘として、ユニちゃんと全力で戦った。その時はお互い同意の上だったし、気持ちのぶつけ合いって意味が強かったけど…今回の戦いは、全然違う。勘違いで仕掛けられて、戦うしかなかったからやむなく行った戦い。これは仕方ない、と言い訳はつくけど……こういうのは、やだな……。




今回のパロディ解説

・ザではじまってキでおわるアレ
ドラゴンクエストシリーズに登場する呪文の一つ、ザキの事。そう言えば原作シリーズには即死系魔法がありませんね。あると覚えるキャラの超優遇になるからでしょうか。

・「信じて〜〜敵じゃない…っ!」
劇場版マクロスF 恋離飛翼〜サヨナラノツバサ〜の主人公、早乙女アルトの台詞の一つのパロディ。ネプギアが携行武器を投げ捨てるのも若干パロディだったりします。
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