双極の理創造   作:シモツキ

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第八十八話 気負わず、だけど全力で

理由はよく分からないものの、俺は部屋を移らなくてはいけなくなった。まだ荷物を大々的には開いていなかったから良かったものの、早速そんなミスに遭遇してしまっては、何とも微妙な心境になってしまう。

が、だからと言って二人いる部屋に居座る訳にもいかない俺は、荷物を持って部屋を出る。その後一先ずここ来て〜、と綾袮さんに言われた場所に向かってみると……

 

「やぁ顕人君。すまないね、いきなりこんな事になってしまって」

「……深介、さん?」

 

入った部屋で俺に声をかけて来たのは、綾袮さんの父親、深介さんだった。呼ばれたのは最上階で、ここの階に泊まるのは宮空時宮両家と一部の霊装者だけだった筈…と思っていた俺にとっては、この階だってなった時点で違和感を抱いていたものの……これは流石に予想外。

 

「あれ顕人君、ここが自分の部屋だと思った?」

「あ、いや…そんな事はないけど、綾袮さんのご両親がいるとは思わなくて……」

「…綾袮、貴女また彼にちゃんと話してなかったのね?」

「う……だって、別に伝えなきゃ不味い事とは思わなかったし…どうせ来れば分かる事だし……」

 

あっけらかんとしている綾袮さんを咎めたのは、綾袮さんの母親…つまり深介さんの妻である宮空紗希さん。俺はあまり話した事がないから詳しくは知らないものの、紗希さんは結構物事をきっぱり言う人で、すぐ綾袮さんがバツの悪そうな顔をした事からもそれは分かる。

 

「全く…アタシからも謝るわ。ごめんなさいね、顕人君」

「い、いえお気になさらず。こういう事には慣れてますから」

「そう……慣れる程こういう事ばっかりしてるのね、綾袮…」

「うぅっ……お、おとー様ぁ…」

「…綾袮。それは信頼してるからこそなのかもしれないが…親しき仲にも礼儀ありという事位、綾袮も分かっているだろう?」

「……はい…」

 

期せずして綾袮さんの立場を更に悪くしてしまった俺。母親から穏やかではない視線を向けられた綾袮さんは、後退った後父親を頼るも……結果自分を咎める両親に挟まれて、しゅんとした表情になってしまった。…ごめん、綾袮さん…結局は綾袮さんの自業自得だとは思うけど、それでも一応謝っとくよ…。

 

「…あのー、自分の部屋の件は……」

「っと、そうだったね。まあ取り敢えず座ってくれるかな?」

「あ…はい、失礼します…」

 

助け舟の気持ち半分、早くどこに行けばいいのか教えてほしい半分で宮空親子に声をかけると、俺はソファに座る事を勧められる。それに従って座ると綾袮さん達も別のソファに腰を下ろして、ご両親と俺が机を隔てて向き合う形となった。

 

「まぁそう硬くならなくてもいいよ。…と言っても、難しいかい?」

「それは……はい。…あ、でも初対面の時に比べればこれでも余裕はある…と、思います」

 

深介さんからすれば全然変わってないのかもしれないけど、本当に最初の頃よりは精神的な余裕がある。…相手から見て変わらないんじゃ、気を遣っているだけに思われちゃうかもしれないけどさ。

 

「なら…結論から言うと、直前で少し君に関する話が出てね。その関係で君には部屋を移ってもらおうとしたんだけど、なにぶん直前だったせいで情報伝達やら何やらが間に合わず、そのまま今日に至ってしまったという訳だ」

「…俺に関する話、ですか…?」

「そうよ。でも、別に貴方を糾弾するような事じゃないから安心して」

 

俺に何かあったから変更になった。そう言われたらまぁまず自分が不味い事をしてしまったか、自分の身体に病気でも発見されたかを疑ってしまうのが一般的な人の考え。そしてその例に漏れず俺も不安になったものの、それはすぐに紗希さんが否定してくれた。けれどそれならそれで、一体何なんだろうと気になる俺。

 

「…顕人君。君は予言によって見出された、かなり特別な霊装者だ。特殊ではなく、特別な存在だ」

「……っ!…は、はい…」

「けれど、君には明確な唯一性が今のところない。勿論君の能力は中々…いや、かなり特異と言えるし、魔王と曲がりなりにも『戦闘』をしたという実績もある。しかし、それ等は宮空や時宮で代々伝わる翼の様な、はっきりとしたものじゃない」

 

気になっていた俺にかけられたのは、一瞬鳥肌が立ってしまいそうになった程嬉しい言葉と、その否定。特別だけど、その証拠がない。…深介さんが言っているのは、そういう事。

 

「…おとー様、フォロー入れてもいい?」

「構わないよ。何に対してかは…まぁ恐らく綾袮の事だ、私が考えているのと同じだろう」

「うん。…顕人君、魔王と戦った事、生き残った事は本当に凄いんだよ?これは運が良かったとか、味方に恵まれたとか、そんなもので片付けられるレベルじゃないんだから」

「…ありがと、綾袮さん。それに深介さんもお気遣いありがとうございます。…大丈夫です、今の自分がただちょっと霊力が多いだけの霊装者だって事は、俺自身でよく分かってますから」

 

面と向かって言われるのはキツい。でも、自覚はあった。綾袮さんという圧倒的な実力者の姿をいつも見ていたから、魔王との戦いで千嵜との違いを感じたから、自分が『予言された霊装者』には名前負けしてるって、知っていた。だから、キツかはあるけど……その言葉を、飲み込むだけの余裕はある。

 

「そうか…だったらこれはきちんと言っておこう。今の君に唯一性はないが…私達は、それは今のところに過ぎないだろうと思っている。君への心遣いではなく、本心でね」

「はい……」

「そして、その事に関してこの演習は打ってつけなのさ。つまり……」

「…俺に予言の内容に見合うだけの力があるか、ここで見極める…そういう事ですか」

 

深介さんの言葉を引き継いだ俺は、自ら口にしつつも緊張を感じる。

俺に期待…というか俺が特別な存在であると信じてくれるのは、素直に嬉しい。けどだからこそ、その思いを裏切りたくない、間違いだったとは思ってほしくない…そんな気持ちが俺の中に生まれて、それが緊張を呼び起こす。それに……俺自身、自分は特別なんだって思いたい。だってそれが、特別である事が…俺の夢見た理想の自分なんだから。

 

「…大丈夫です。全力を尽くして、自分の力を引き出してみせます」

「えと…そんなに重く考えなくてもいいんだよ?別に期待外れだったら解雇するとかじゃないし、あくまで良い機会だから見てみよう…ってだけだからね?」

「だとしてもだよ、綾袮さん。俺は綾袮さんにも協会にも色々してもらってるんだから、それを受けるだけの資格はちゃんと自分で示さないと……」

「…気負いはミスに繋がるものよ、顕人君」

「え……?」

 

信じてくれる人に、信じたいと思っている自分に応えよう。自分が特別だと、自分自身で証明しよう。そう考えた俺は心の中で闘志を燃やし、闘志につられて表情が引き締まる。でも……そこで紗希さんの言葉が、俺の心に突き刺さった。はっとしてそちらを見ると、紗希さんからは鋭い視線が向けられていた。

 

「貴方は表面上だけじゃなく、芯から真面目な性格みたいね。それは良い事だし、大切にした方がいいわ。…けど、真面目さは時に自分を追い詰める敵にもなる。顕人君。貴方は自分の中に敵がいたまま、貴方の尽くしたい全力を出せるのかしら?」

「そ、それは……」

「無理でしょう?…だから今回はうちの不真面目娘にその真面目さを分けて、真面目さの代わり余裕を持ちなさい。じゃなきゃ貴方は、終わった後にきっと『もっとやれた筈なのに…』と後悔する事になるわ」

 

視線も言葉も突き刺さる。紗希さんの言葉に容赦はない。けど、それを差し引いても反論なんて出来ない程、発された内容はその通りで正しかった。

 

「い、言い方キツいよおかー様…それに不真面目娘って……」

「これがアタシの言い方だってのは綾袮も知ってるでしょ。それに、貴女は自分が不真面目じゃないと思ってるの?」

「はは…まぁ言い方はともかく、紗希の言う通りだよ顕人君。それに私達が見るのは君の実力ではなく、君という霊装者そのものだ。実力ならば他にも参考に出来るデータや情報はあるから、君はそこを不安に思う必要はないよ」

 

綾袮さんが俺を気遣ってくれたけど、紗希さんが俺に助言をしてくれてるんだって事は分かってる。それに深介さんも俺の事を気にかけてくれてるんだって、会話の中から伝わってきている。でも……だからそんな人の思いに応えたい、頑張らなきゃって気持ちが気負いに繋がる訳で、真面目さの代わりに余裕をというのも、やろうと思えば出来るようなことでもなくて……あぁ、これは…駄目だ…。

 

「……すみません、ちょっと…十秒前後だけ、席を外していいですか…?」

「うん?まぁ、構わないよ?」

 

立ち上がり、出入り口へと向かう俺。三人から怪訝そうな視線を受けながら扉を開け、廊下に出て、一瞬止まり……

 

「……ああぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

 

……部屋へと戻った。お待たせしましたと一度言って、それからそれからソファへと座り直す。

 

「いやいや『座り直す』、じゃないよ!?急に何!?急に叫んで何!?あ、顕人君大丈夫!?」

「あー…聞こえてた?」

「そりゃ聞こえるよ!ばっちり聞こえてたよ!この距離で叫ばれたら否が応でも聞こえるからね!?」

 

何事もなかったような顔で座った次の瞬間、ドン引き状態の綾袮さんに滅茶苦茶突っ込まれる。深介さん紗希さんも唖然としていて、なんかこのままだと医務室辺りに運ばれそうな雰囲気に。…うん、これは完全に俺が軽率だったな。

 

「え、えぇと大丈夫です。あのままだと頭の中が悪いスパイラルに落ちそうだったので、ちょっと強引に頭を空にしてきただけですから…」

「そ、それなら先に言ってから出てよ…追い詰められておかしくなっちゃったのかと思ったじゃん……」

「ご、ごめん……お二人にもご心配をおかけしました…」

「心配というか、何というか……でも、それなら切り替えは出来たのね?」

「はい。切り替えられた…と思います」

 

普段だったらこんな手は取らないし、取るにしても(多分)前もって言う。…そんな手を取ってしまう程、言い忘れる程、やっぱりさっきまでの俺は良くない状態だったんだと思う。そして今は、それを脱したと信じたい。

 

「思うだなんて曖昧ね。でもそれ位の方がいいわ。言い切ってしまえば、そうしなくてはって気持ちが生まれるもの」

「気を付けます…ほんとにお気遣いありがとうございました」

「気にしなくていいわ。普段は綾袮が迷惑かけてるでしょうし、これはほんのお礼よ」

「そういう事だ、顕人君。君は普段の行いによる恩恵を受けただけなんだから、必要以上に恩を感じる必要はないよ」

「うぅ、だからなんでわたしが不真面目だったり迷惑かけてる前提なの…こうなったらもう、逆に気負ったりしたら怒るからね!わたしの屍を超えるんだよ顕人君!……わたしは死んでないけどっ!」

 

三者三様の言葉で、綾袮さんとご両親は最後まで俺を気遣ってくれる。此の親にして此の子あり。一体俺は何様なんだとは思うけど……そう俺は感じていた。綾袮さんがなんだかんだ言って信頼出来る、尊敬出来る人なのは、こんなご両親から生まれて育てられたからなんだろうと。…ほんとに何様なんだろうね、俺は。

 

「…俺はいつも通りにやればいいんですよね?」

「そうだよ。私も紗希も沢山の霊装者を見てきたんだ。わざわざ行動を指定せずとも、見ていれば伝わってくるものがある」

「分かりました。俺、気負わず自分を追い詰めず……その上で全力を尽くせるよう、頑張ります!」

「うんうん、そういうポジティブシンキングは大切だからね。顕人君、ふぁいとーっ!」

「おうよ!…それでは、失礼します」

 

すっきりとした気がする精神を胸に、俺は綾袮さんへ応答。それから締めるべきところは締めようとトーンダウンからの挨拶をご両親に行い、立って再び出入り口へ。扉に手をかけ、まずは準備だなと思いながら部屋を出ようとして……

 

「……あっ…俺の部屋の話、まだしてなかった…」

『…………』

 

……何ともまぁ間抜けな自分のミスに、ギリギリで気付いた。振り返ってみると、そこにいるのは呆れ八割苦笑い二割の表情をしている宮空親子。…うっわ、俺恥ずかしっ!

 

「あ、あの…俺の部屋は……」

「…うん、それも伝えるつもりだったよ。座らなくてもいいのかい?」

「い、いえいいです…このまま聞かせてもらいます…」

 

こんなやり取りを経て、漸く俺は自分の部屋を知るに至った。こう表現するとなんか綾袮さん達が脱線させまくったみたいになってしまうけど、どちらかと言えば話の進行の足を引っ張っていたのは俺の方。特に今のと廊下に出たのは、完全に俺が脱線させてるパターンである。

で、結局どこかというと…なんと最上階であるここと同じ階の部屋だった。

 

「……いいんですか?俺がそんな扱いを受けて…」

「そっちの方が好都合なのよ。この後も君を呼んだり逆にアタシ達が行ったりする事もあるでしょうし、その度に他の霊装者の目に止まるのは、それこそ誰も得をしないわ」

「そ、それもそうですね…では、今度こそ失礼します…。……いいん、ですよね…?」

 

また何か忘れていたらどうしよう。そう不安になって確認するももううっかりはなく、俺は荷物を持って部屋を出る。…なんか会話時間の割にはかなり疲れたような気がする…主に自分のせいだけど……。

 

(…そういえば、さっきの叫びは他の部屋とか下の階にも聞こえててもおかしくないんだよな…はは、何してんだか俺は……)

 

傍から見たら…いや多分事情を知っていてもヤバいと思うような行為をしてしまった自分に呆れながら、俺は荷物を持って言われた部屋へと移動。さっさと移動して入ってみると、そこは俺一人で使うにも関わらず初めに割り当てられた部屋より広かった。

 

「…な、なんか申し訳ないな……」

 

不当ではないとはいえ、何だかこれはえこひいきされてるみたいで素直に「よっしゃ部屋広い!」…とか思えない俺。謙虚?いいえ、俺は小市民的な性格なだけです。

 

「さて、残り時間はどうすっか…」

 

まぁまぁ時間は過ぎたものの、最初の訓練開始まではまだ少し時間がある。時間を潰す手段は幾つかあるけど…部屋来て早速持ってきた娯楽に興じるってのも、ねぇ?

…という訳で俺は携帯を取り出し、これに不参加の千嵜へと電話。

 

「…何だ、なんかあったか?」

「部屋のダブルブッキングがあった」

「……え、まさかそれを俺に解決しろと…?」

 

挨拶もそこそこに(畏まった挨拶するような間柄でもないけど)早速訊かれたからあった事を話すと、千嵜は困ったような声を返す。…うん、分かり易く勘違いしてるな。

 

「いや、それは解決したから大丈夫。今は色々あって部屋に荷物降ろしたとこ」

「ふーん、分かり辛い表現すんなっつの」

「いや、俺訊かれたから答えただけだし。…で、千嵜は何してんの?」

「ん?今は…ソファで微睡んでる緋奈眺めてたな」

「えぇ……」

 

何の躊躇いもなく、結構凄い事を言ってくる千嵜。それとかなりどうでもいい事だけど、今の返答から千嵜がリビングにいる事が判明。…うーむ……。

 

「…相っ変わらずのシスコンだな……」

「へぇ、いつの間にか妹を見るだけでシスコンになる時代になったのか」

「見ると眺めるは違ぇよ……一応訊くけど、見てたのは一秒二秒の話なの?」

「性格な時間は分からんが、十秒二十秒は余裕で経ってるだろうな」

「それを今の時代はシスコンって言うんだよ……」

 

突っ込みながら俺は空いている手で軽く頭を押さえ、がっくりと肩を落とす。どっからが冗談でどっからが本気なのかは分からないけど……なんかもう筋金入りだわ、千嵜は…。

 

「へいへいそーですか…んで、用事は何だよ?なんか用があるからかけてきたんだろ?」

「あー…用事ってか、暇潰し?」

「すっげぇ失礼な電話だな、そりゃ」

「それを言われると返す言葉はない…後はまぁ、何してんのかなーって思った位かな」

「それはさっき答えたな。…ったく、忙しい時に電話してきやがって…」

「忙しいも何も妹眺めてただけじゃん…てか、眺めるのに忙しいって何…!?」

 

良くも悪くも遠慮のない、男子高校生感満載のやり取りを交わす俺達。さっきまで緊張したり気負ったりで精神の変動が大きかった分、余計に肩の力が抜ける。…その相手が千嵜ってのは、何とも言えない気分だけど。

 

「御道だってカタツムリ眺めるのに忙しい事あるだろ?」

「ねぇよ!特にカタツムリなんて暫く目を離してても大丈夫だよ多分!だってゆっくりだし!」

「おっと間違えた、ナメクジだったな」

「あ、なんだナメクジなら…変わらないよ!?それ世界一無駄な訂正だろ!……多分!」

「多分多いなぁ…二度目だが」

「…いや、ほら…雑談でも軽々しく断定するのは避けた方がいいかと思って…」

 

断定しちゃうと「間違った事をさも正しい事であるかのように言うな!」と誰かに怒られるかもしれないけど、多分とか恐らくとかを付けておけば、そういう時にも大丈夫な気がする。…誰に対して気を遣ってるのかと言われると……まぁ、それは…メタ的な意味だよね、はは。

 

「よく分からん奴だな……って、あー…緋奈が起きちまった…」

「あそう、そりゃ残念だったね」

「ところがどっこい、寝起きでぽけーっとしてる緋奈を見るのもまた乙なんだよなぁ」

「そっすか、良い妹を持てて幸せですね」

「ま、冗談抜きに良い妹を持てて幸せだな。って訳で御道も頑張れ。何すんの知らんけど」

「わー、なんて適当なエール…まぁ頑張るけどさ」

 

なんかいい感じに話に区切りがつき、緩ーい挨拶をして通話終了。もうちょい話しててもよかったけど…早い人はもう移動終えてるだろうし、俺も行くとするか。

 

「……さ、ここからがスタートだ…やるぞ、俺…っ!」

 

両足の大腿を軽く叩き、気持ちを切り替えて部屋を出る俺。向かう先は、最初の訓練を行う場所。色々訓練に向けての思いはあるし、気負いしそうになる自分もいるけれど……結局それは緊張と同じで、出てきてしまうんだから仕方ないもの。そう考えると気が楽になる…って事もないけど、もう本当にどうしようもないんだから、何とかなるよう祈るしかないよね。それにミスは許されないって訳でもないんだから。……なんて事を考えながら、俺は外へと向かっていった。

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