僕のヒーローアカデミアwithスーパー戦隊&仮面ライダー   作:ガイコッツ

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主人公帰還しました


ただいま帰って

 雄英1年A組の寮の前、その玄関に善彦は立っていた。

 

善「久しぶりだなぁ…長かったような短かったような」

 

流「戻れてよかったね善彦くん!」

 

 寮の前で善彦はしみじみとしている。その隣にはピクシーボブこと土川流子が付き添っていた。

 

善「一緒に来てもらってすみません流子さん」

 

土「いいってことよ、道中なにがあるかわからないからね」

 

 土川は微笑みながら善彦の頭を撫でる。善彦がそれに頬を染めると、寮の扉と向き合った。

 

善「さて! みんなと会うぞぉ!!」

 

 善彦がドアノブに手を伸ばす。しかしその手が震え始めた。

 

土「善彦くん?」

 

善「ど、どうしよう…転校初日より緊張する……」

 

 そういいながらぎこちない動きで土川に向けた顔はガチガチに固まっていた。

 

土「善彦くーん!! 携帯のバイブみたいに震えてるー!!」

 

 細かく震える善彦に土川が吹き出す。一方善彦はまだ震えが止まらなかった。

 

善「どんな顔すればいいんだろう…何言えばいいんだろう…」

 

ガチャッ

 

 善彦がドアノブを握ったまま硬直する。その時、寮の扉が開いた。

 

善「へ?」

 

耳「……」

 

 扉を開けて出てきたのは仏頂面の耳郎だった。次の瞬間、耳郎が善彦の胸ぐらを掴む。

 

耳「とっとと帰ってこいっ!!」

 

善「あぁああああ!!」

 

 そのまま善彦を寮の中へ引き摺り込んだ。そして扉がパタンと閉まる。

 

土「…大丈夫そうだね」

 

 土川はその光景を静かに見送った。

 

耳「ほぉらおかえりなさい!」

 

善「あいだぁ?!」

 

 耳郎は寮の共有スペースに善彦を放り込む。するとA組の皆が湧き上がった。

 

飯「帰ってきた! 佐竹くんが帰ってきたぞおおお!!」

 

緑「わぁ久しぶり!」

 

 まずは飯田が声を上げ、緑谷が駆け寄る。

 

善「みなさまご心配をおかけしました…帰ってきました」

 

 善彦は放り投げられた体勢のまま声を出す。すると奥から善彦に駆け寄る影が一つ。

 

上「さ、佐竹…」

 

善「上鳴くん…」

 

 上鳴が倒れている善彦を見下ろす。善彦が立ち上がると、上鳴は目に涙を浮かべた。

 

上「おかえり…本当に」

 

善「ただいま、上鳴くん」

 

 涙を浮かべる上鳴に善彦の目も潤む。しかしその背後に迫る影があった。

 

切「うっしゃああ!! そんじゃアレ行くかぁ!」

 

善「だぁぁああなにぃ!?」

 

上「よしゃ! 行っときますかぁ!」

 

 切島が善彦を背後から抱え上げる。上鳴は涙を拭うと、切島と共に善彦を担ぎ上げる。

 

常「お供する!」

 

瀬「おれもー!」

 

 常闇と瀬呂も続けて善彦を担ぐと、徐にそのまま駆け出した。

 

上「おっしゃあ風呂じゃぁぁああ!」

 

善「ふろ!? このテンションのお風呂はコワァァァァ!!」

 

 そして善彦は寮の風呂場へと担がれながら運ばれた。

 

緑「アハハ、僕もアレ受けたなぁ」

 

飯「俺たちもいこうではないか! 聞きたい話もある!」

 

緑「そうだね…いこっか!」

 

 そして飯田と緑谷も風呂場へ向かった。

 

耳「男ってバカ」

 

麗「元気があっていいやないの」

 

 ギャイギャイと騒ぐ男子共を耳郎と麗日は静かに眺めていた。

 

 

善「はぁ…こんな騒がしい入浴はじめて」

 

上「人間熱い風呂に入ったらなんとかなるのよ」

 

 善彦は風呂に連れていかれると、一気に体を洗われ、湯船に放り込まれていた。

 

切「コイツめちゃくちゃ仮面ライダーリバイス観てんだよ」

 

上「リバイス超おもしれぇよ」

 

善「ハマってくれて嬉しいよ」

 

 切島は呆れた様子で上鳴を指差す。適温の湯に善彦が一息つくと、風呂場の入り口の異質な空気に気づいた。

 

善「ん?」

 

峰「佐竹ぇ……テメェのこのことぉおお」

 

 そこにいたのは目を血走らせ、唇を噛み締めすぎて流血する峰田だった。

 

緑「峰田くん!? スゴイ顔してる!」

 

飯「怨念が目に見えそうだ」

 

善「へ?え? なに?」

 

 悍ましいオーラを放つ峰田に緑谷と飯田が戦慄する。峰田は湯船に入ると善彦にズンズンと近づいた。

 

峰「お前山でハーレム生活してたんだってなぁ…たいそうなご身分じゃねぇかぁあ」

 

瀬「あーそういや何だかんだで四人で暮らしてたみたいだな」

 

緑「プロヒーローと共同生活なんて羨ましいなぁ! 話聞かせてよ!」

 

 峰田の言葉で瀬呂が思い出す。緑谷は峰田と全く違う視点で興奮していた。

 

善「あ〜……あぁ、確かに流子さんと過ごしてたのにあれよあれよと」

 

常「流子さん?」

 

善「あ」

 

 常闇が首を傾げる。思わずこぼしたピクシーボブの本名に善彦は固まった。

 

緑「たしかピクシーボブの本名…ここまで距離を縮めてたなんて」

 

峰「ピィィィィィ‼︎」

 

 緑谷は両手を口に当て頬を染める。その隣で峰田は人ならざる声で発狂した。

 

飯「うむ、見守ってきた身としては嬉しいぞ佐竹くん!」

 

 飯田は腕を組みながらウンウンと頷く。すると瀬呂がスイーッと善彦に隣に流れ、肩に腕を回した。

 

瀬「でもよぉ、そのあと襲ってきたレディ・ナガンをオトしちまうなんて、お前も隅におけないねぇ」

 

善「そんなんじゃないよ、カイナさんは…」

 

上「カイナさん!?」

 

緑「レディ・ナガンの本名? でもなんで下の方??」

 

善「ア"」

 

 善彦が再び失言し、上鳴が声を上げる。緑谷は目を丸くし、顔を赤くさせた。

 

切「つーかお前、大阪でミルコの相手もしてたよな、スゲェ光景見たんだぞオレ」

 

善「その話はしないでよ切島くん! あの後何故かルミさんが来て」

 

緑「ルミさん!??!? ミルコの本名で名前の方!?」

 

峰「オマエもうワザとだろおおお!!」

 

 次々とヒーローを下の名前で呼ぶ善彦に緑谷は驚愕し、峰田は血涙を流しながら発狂する。善彦は頭を抱えながら湯船に沈んだ。

 

善「アババババ……違うんだよぉ、流子さんを名前呼びしてたらカイナさんも呼ばれたがって、そしたらルミさんもそれに便乗して…呼ばないと二人とも不機嫌になるしすぐ喧嘩になるしで大変だったんだヨォ」

 

峰「ハーレムには変わりねぇじゃねぇかぁ!!」

 

 峰田は善彦の肩を掴み揺さぶりながら声を上げる。すると善彦が峰田の腕を掴んだ。

 

善「峰田きゅぅん…さっきからハーレムハーレム言ってるけど現実はそんなに甘くないんだよぉ」

 

峰「なにっ…」

 

 突如善彦の声色が変わり、峰田の勢いが止まる。その時、上鳴が何かに気づいた。

 

上「ん? 佐竹その傷…」

 

 善彦の背中と左肩、脇腹に抉られたような傷跡が残っている。

 

善「カイナさんと戦った時にできた傷だよ、あの後大怪我して寝たきりだったんだけど、お詫びだって言ってカイナさんが執拗に迫ってきて、それを見た流子さんが凄い顔してて…ルミさんも悪ノリしてグイグイきて、それをかわすのに気が休まる時がなかったんだよ…休む資格なんてないんだけどさ」

 

 善彦はツラツラと山荘での暮らしを語る。その悲壮さに峰田の興奮は静まった。

 

峰「おぉ…羨ましいようなそうでもないような」

 

上「現実って厳しーなー」

 

緑「佐竹くんはピクシーボブ一筋だから余計大変だったんだろうね」

 

 湯船に浸かりながら上鳴と緑谷は呟いた。

 

善「まあどうであれ、山ん中で惰眠を貪ってたわけじゃないよ、正真正銘のプロヒーロー三人に徹底的にシゴかれたんだから」

 

切「メンバーで言ったらすげぇメンツだもんな! 期待してるぜ!」

 

上「レベルアップした姿見してくれよな!」

 

飯「うむ! 明日からの訓練が楽しみだな!」

 

緑「これからもっとハードになるもんね! 頑張ろう!!」

 

 切島と上鳴、飯田と緑谷が拳を前に出す。善彦それに自分の拳をコツンと合わせた。

 

峰「シゴかれただ…ガボガボ!!」

 

常「おまえはもう黙れ」

 

 そしてよからぬ妄想で興奮する峰田を常闇が黒影で湯に沈めた。

 

 そして次の日、野外の運動場でA組は訓練に勤しんでいた。

 

上「ま、マジでやっていいんだな!」

 

耳「本当にいくよー!?」

 

善「オッケーよー!」

 

 仮面ライダーレーザーレベル0に変身している善彦の前には仮面ライダーバルキリーに変身してアタッシュショットガンを構える耳郎と同じく仮面ライダーマッハに変身し、ゼンリンシューターを構える上鳴が立っている。

 

善「弾幕を避けながら敵に接近する! カイナさんに死ぬほど叩き込まれてね、適度にやらなきゃ感覚忘れちゃうからさ」

 

 善彦は特に構えずに二人に声を出す。耳郎と上鳴は互いに向き合い頷くと、銃口を善彦に向けた。

 

耳「そんじゃあ修行の成果を見せなぁ!!」

 

上「遠慮なくいくぜぇ!」

 

《ガトリングカバンバスター!》

 

《カクサーン!》

 

 二人の銃口から無数の弾幕が善彦に向け放たれる。視界を覆う弾幕に善彦は動じていなかった。

 

善「よーーし!!」

 

 善彦は弾幕に向かい真正面に突っ込む。そして弾幕の隙間を縫うようにして上鳴達の方に駆け出した。

 

耳「マジ?! あの中を突っ走ってる!」

 

上「上手く避けてんなぁ! でも!」

 

 耳郎は目の前の光景に驚愕する。上鳴も同じく驚いたが、仮面の中でニヤリと口角を上げ、マッハドライバーに手を伸ばした。

 

《マガール!》

 

 上鳴がマッハドライバーのボタンを押し、シグナルバイクマガールを発動させる。

 次の瞬間、善彦を通り過ぎた上鳴の弾丸が急カーブし、背後から善彦に襲いかかった。

 

上「まだまだ甘いぜぇ!」

 

善「よっこいしょお!」

 

 だが善彦は、背後から襲いくる弾幕を身を捻り全弾避けて見せた。

 

上「へぇ!?」

 

 意表を突いた搦手を避けられた上鳴は声をひっくり返す。その瞬間に善彦は二人との距離を一気に詰めていた。

 

善「つっかまーえたぁ!!」

 

耳「ワッ!」

 

上「うぉっ!?」

 

 善彦は二人との距離を詰めたと同時、両腕を大きく広げ、二人を抱え込んだ。

 

善「へっへー! これで一本だもんね!」

 

 仮面の中で善彦は無邪気に笑う。それを察したかのように、上鳴と耳郎も仮面の中で表情を綻ばせた。

 善彦は二人から離れると変身を解除する。それに続いて二人も変身を解除した。

 

上「いや〜よく避けたな、あの不意打ち決まったと思ったんに」

 

善「へへっ、変則的な弾丸避けるのは徹底的に鍛えられたからね」

 

耳「そっか、レディナガンと一緒だったんだもんね」

 

 耳郎が納得すると、善彦は両手を頭の後ろに回した。

 

善「そゆこと〜、教えられる時はスパルタだったんだよ」

 

 善彦は耳郎に笑って見せる。それを見た上鳴は安堵の表情を浮かべて。

 

上「強くなったのもあるけど…佐竹、明るくなったな」

 

善「へ? そぉ?」

 

 上鳴の言葉に善彦が目を丸くする。

 

耳「確かに明るくなった感じすんね、前までどっか陰キャ感があったから」

 

善「ひどぉい」

 

 耳郎の言葉に善彦が頬を膨らませる。だが善彦は爆走バイクガシャットを手の内で回転させながら胸を張った。

 

善「まぁだとしたら愛の力ってやつかな〜、愛する人ができるっていいもんだからねぇ」

 

上「うーわコイツ彼女マウントとりやがった」

 

耳「15歳差のトンデモ恋愛のクセに」

 

 ドヤ顔の善彦に二人がヤジを飛ばす。しかし善彦は自慢げな顔だった。

 

善「ハッハッハ〜ある意味クラスん中で1番大人だぜ」

 

 自慢げに胸を張る善彦であるが、直後善彦の手からガシャットが飛んで行った。

 

善「アアアアア!! 飛んでっちゃったァァァ!!」

 

 善彦は林へ飛んで行ったガシャットを全力疾走で追いかける。

 

上「よかった、いつもの佐竹だ」

 

耳「ドジは変わんないか」

 

 それを上鳴と耳郎はどこか安心した様子で眺めていた。

 

善「どこだ! どこいった!?」

 

 善彦は茂みの中を涙目で探る。すると視界の端に黄色が見えた。

 

善「あったぁぁ! 蛍光色はわかりやすい…」

 

 爆走バイクガシャットは地面に落ちていた。善彦はそれを手に取り安堵した。

 

善「はやく戻るか……ん?」

 

 善彦が踵を返そうとした時、木々の奥から話し声が聞こえた。

 

善「こんな森の奥で自主練してる人いんの?」

 

 善彦は不審に思い声のする方向に歩き出す。誰かがコッソリ特訓しているのだろうと思い、気配を消し、音を立てないように声の元へ近づく。

 

善「はぃ?」

 

 ようやく茂みを抜け、会話の主が視認できる位置に立つ。そこには緑谷と青山が立っていた。

 

善「何この状況???」

 

 青山の近くには青山の両親が立っている。それに青山の目にはいつものような輝きは無い。涙と鼻水に濡れているが、その顔は能面の様だった。

 

善「出てっちゃダメだよな…」

 

 善彦は戻ろうとしたが、木の影に隠れながらその光景を見てしまう。そして耳を傾けると会話の内容が聞こえてきた。

 

青「USJも…合宿も……僕が手引きした、アークワンのベルトも…僕が渡したんだ、佐竹くんの部屋から盗んで」

 

緑「そんなっ……」

 

 青山の言葉に緑谷の顔が引き攣る。

 

善「はぁ??」

 

 木の影で善彦の眉間に青筋が浮かぶ。

 

青「緑谷くん…僕は、クズの敵だ」

 

 ドガァン!!!

 

青「ヒッ!」

 

緑「えっ!?」

 

 突然辺りに爆発したような音が響く。青山と緑谷が音のした方を向くと、そこにはポケットに手を突っ込み、木の幹を蹴る善彦が立っていた。

 善彦が木から足を離す、木の幹には善彦の足跡がクッキリと刻まれ、煙を上げている。

 善彦は二人の間にゆっくりと歩を進める。

 

善「ちょっと悪いんだけどさ……今の話、詳しく聞かせてくれない?」

 

 静かな口調とは真逆に、善彦の表情は憤怒に染まっていた。

 

 




すみません次回アレがアレになります(汗)
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