インフィニット・ソング~繋がる無限の歌~&【異世界旅行】   作:金宮 来人

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それでは物語も佳境に入って来ましたが・・
この先の展開はどうなるのか。

投稿前に設定集を更新したので、もし内容が分からなければ参考にどうぞ。


インフィニット・ソング 25

砂浜で、準備を整えた俺は海を見て立っている。

「・・これで、最後だな。」

砂浜に視線を下ろし、波打ち際まで歩く。

「・・・結構、色々とあったが、・・楽しかった・・かな。」

一本の木を拾い、ソレを縦に地面に挿す。そこに大きめの波が打ち寄せ、木を流してそのまま引き波が攫って行った。

「・・そろそろ、来たようだし、・・行くか。」

旅館から残り三人がこっちに来たので、俺は、アルケミストを起動して、纏う。

『オレはお前と共にある。だから、安心しろ・・。』

そう、『アルケミスト』が『俺』に伝えてくる。俺は「心配などしていないさ。」と告げると、満足したような気配が帰って来た。

『さて、準備はいいな?カウント十で作戦開始だ。』

「大丈夫だ。」「問題はないな。」「イチカと一緒なら、どこまでもいけるデース。」

マドカ、ラウラ、シャルが答えてくる。そして、カウントを数える。

『十、九、八、七、六、五、四、三、二、一・・開始!』

俺たちは海に飛び出して行く。

そして、しばらくして、センサーが敵を捕らえた。

「来たな、シルバリオ・ゴスペル・・。」

確かに、暴走しているようだが、何かおかしい。俺があえて進行コースから外れて見ると、こっちに向かってきた。まさか・・!?

『!!コイツ、・・作戦変更!コイツの狙いは俺だ!!』

どうやらただ暴走しているだけじゃなく、俺が目標になっているらしい。

『何!?クソ!!イチカをやらせるか!!』

『まずは私達を倒して行くデース!!』

『そうだな・・・出来るもんならな!!』

マドカ、シャル、ラウラが前に出て、三重に壁を作り、ゴスペルの進行を止める。

『俺は、何か違和感がある・・もう少し戦闘から離れ観測する・・お前ら頼む。』

『――――。』

機械音声の様なもので俺を見た後、マドカと戦闘を開始。だが、

『な!?早い!?クソ、抜けられた!!』

攻撃をすると見せたフェイントでマドカの横を抜け、更にシャルとラウラに向けて光弾を発射し同時に攻撃を仕掛ける。

『く!?やっぱり、エネルギー弾はAICが効かないから不利だな!?』

『遠距離装備が少ないのが痛手デス!』

避けつつ、ラウラはレールガンを、シャルは肩のワイヤーを伸ばすが、すぐに避けられる。

『あの機体・・データよりも出力が上だ!!クソ、嘘のデータつかませやがって!!』

始めに抜けられたマドカが計測していたようで、そのデータがこっちにも送られてくる。どうやらマドカの言う通り、全てにおいて、出力がデータよりも上だ。

『・・だが、これなら‥』

普通の機体では不安な要素があったので、俺はギアを使う事にした。

『ラウラ、シャル、マドカ。ギアの使用を許可する。』

『分かった。』『了解だ。』『了解デース。』

『~Croitzal ronzell gungnir zizzl~♪』

『~Zeios igalima raizen tron~♪』

『~Rei shen shou jing rei zizzl~♪』

そう、三人がギアを起動して戦い始める。三人に攻撃され翻弄されているが、なかなか落ちないようで、機体はボロボロになりながらも、まだ空中に浮いていた。

そして、俺は気が付いた。所々に赤い物が見える事に。

『・・この機体、・・無人機ではない!!』

もう一度計測データを見ていたら、生体反応がある事に気が付いた。

『『『な!?』』』

『なんだと!?無人機という事さえ嘘か!?』

『・・出た‥搭乗者、ナターシャ・ファイルス‥。年齢、25歳・・アメリカ軍所属・・。』

『この外道どもが‥機密保持のために、この人の命さえも捨てようとしたのか!?』

ラウラはうろたえ、シャルはデータを更に収集、マドカは怒りをあらわにした。

『作戦さらに変更、俺が行く・・『defendend. guardend. protectend AIGIS tron ~♪』』

俺はアイギスを纏い、シルバリオ・ゴスペルに近づく。先ほどと違い、あまり攻撃性が見られない・・?

『どういう事だ!?イチカ!どうしてくるか分からん。気を付けろ!』

そう言われ、俺は気を引き締めた。・・が、

『――――。』

目の前に来てもシルバリオ・ゴスペルは攻撃を行わず、こちらにゆっくりと近づいてくる。

さらに、眼の前で俺に向かい合い、俺の顔をじっと眺めた。

『マスター、コイツ・・暴走はしているが、現在はISの意識が表に出ているようだ・・もうすぐ本格的に暴走してしまう・・その前に何か渡したいと言っている・・。』

『何か?・・ソレはなんだ?』

『・・【ナターシャ】?ソレを頼むと・・』

『ナターシャ・・操縦者の事か?!』

そうだというように頷き、胸の部分から開き、操縦者を解放する。ソレを俺は受け止め、シャルに渡す。

『シャルロット、先に帰り彼女の保護と処置を・・。』

『任せてイチカ。・・気をつけてね?』

そう言ってシャルは旅館の方向に撤退していく。そして、目の前のゴスペルが苦しむように動きだす。

『――――!!――!?』

『下がれ!システムが暴走する!!あの音が体を!?と言っている‥音だと!?』

そうアルケミストが叫んだ後ゴスペルから異常な反応が現れた。光を放ち形が変わる。

『こ、この反応は!?』

『なんだこの光は・・!?』

ラウラは光りに驚いていたが、マドカは気が付いたようだ。

『この反応は‥アウフヴァッヘン波形・・シンフォギアだ・・。』

特殊な波形パターンが検出され、俺はそのデータを即座に照合、そして驚愕した・・。

『通りで遺跡に無いはずだ・・。此処にあるとはなぁ・・【ダウルダブラ】・・。』

そう、ゴスペルから光がやんだ時、背中には左右に二本ずつの横に伸びるパーツとその間に繋ぐように弦が増えていた。俺が探していたダウルダブラの竪琴がそこに存在していたのだ・・。一体どうして・・まぁ、そんな事はいいか・・。アレは回収するだけだ・・。そのためにも・・

『すまないが、ゴスペル・・貴様を破壊する・・。』

手に、デュランダルを出して構える。そして、マドカとラウラが前に出て攻撃を始める。マドカは後ろからビームの偏向射撃にラウラが前でランスを振っている。俺もその隙を見てデュランダルで切りかかっている。しかし、ランスはゴスペルの出した弦に阻まれ、ビームは弦を何重にも重ね編む込むように楯にして防ぐ。更にデュランダルは弾くとともに一度ごとに絡み取られ、絡んだ弦を切るという動作を有する事で動きが格段に悪くなっている。そして、その力がどこから出ているのかと疑問に思って観察してみると、

『――――♪~。』

ゴスペルは唄っていた。しかし、俺にはその歌は聞こえない。だが、その歌の意味は分かる。世界を壊す、そんな意味が込められていた。でも、ゴスペルの意志はそこには無く、暴走している原因のプログラムがその意志を乗っ取っているようだ。

『くそ・・コレは・・難しいな・・』

『私のビームすら弾くとか・・マジできついぞ・・。』

ラウラとマドカは苦戦し、俺も思ったように動けず体力とSEが消費されていく・・。

そして、ゴスペルは光弾を発射し、あたりが爆発する。ソレをシールドで受けつつマドカとラウラを守る。

『・・大丈夫かイチカ?』

『まずいな・・コレでは消耗戦だ・・』

そう呟いた瞬間・・俺にも異常が起きた。

『・・ウグ・・ぐはっ!?』

俺は吐血した。それも結構な量でそれが器官を塞ぐ。そして、俺はフェイスマスクを解除して言ったん後ろに下がる。

『ごふっ・・ごほごほっ・・』

『な、ど、どうした!?攻撃をくらったのか!?』

『イチカ‥まさか・・』

ラウラは状況が分からず慌てているが、マドカは何が起きたのかを理解した様だ。

『ふっ・・やはり・・こうなるか・・。ラウラ、マドカ・・最重要命令を出す。絶対に従え。』

『な、何を・・それよりイチカ!どういう事だ!?何故血を!?』

『・・・分かった。』

ラウラはまだ動転しているようだが、マドカは冷静だ。まぁ、俺が何を言うか分かったのだろう。

『お前らは一時撤退、その後、俺とゴスペルを回収に再度出撃。その際には例のアイツと専用機持ちを同伴させろ。』

そう告げると、フェイスマスクを再度展開。俺は攻撃態勢に入る。

『・・了解・・だ・。』

『な、どういう事だイチカ!?答えろ!!』

『マドカ、・・その五月蠅い奴をさっさと連れて行け。』

『・・ラウラ、イチカのあの命令は絶対だ・・。』

『マドカ!?まて・・何故イチカが!!くっ、離せ!!』

マドカはラウラを掴み更にワイヤーで拘束し、連れて行く。

『・・もう、・・なのか?』

『・・そうだな。おそらくは、・・な。』

『・・そうか・・。っく・・。』

『さっさと行け!!』

ゴスペルが、また弦を出して振りかぶろうとしているのを見て俺はシールドとデュランダルで守りに入る。そして、マドカとラウラの無事戦闘空域を離脱を確認。俺は、四つのシールドを駆使し、ゴスペルに接近する。途中間は光弾を多数発射しかなりのSEを消耗したが、俺はゴスペルに取りつく・・そして、

『お前も、操縦者のナターシャが好きだったんだな‥。オレと同じだ・・。』

そう、アルケミストがゴスペルのシステムにハッキングをしかけ、更にプログラムを書き変えて行く。俺はその間、もがくゴスペルから攻撃を受け更に吐血してしまうが、ゴスペルを放さないように食いしばる。そして、

『これで・・終わりだ・・。』

そう、アルケミストの中で奮闘していたキャロルが言った瞬間、ゴスペルの暴走は解除され、更に機体も形が変わる。

元に戻り、俺の手の中にはダウルダブラがあった。俺はそれをすぐに収めゴスペルを抱える。・・これで、コイツは・・そう安心して、俺は気を緩めた。体からも力が抜け、後わずかのSEを残すばかり。

 

 

【この瞬間を待っていた!!】

【死ね!!屑が!!】

 

 

俺は油断しきっていた。・・こんなことになるとは思っても居なかった。

『・・ぐはぁ・・。』

俺の背中には二振りの剣が刺さっていた。その剣の先には二機のISと更に後ろには十機のIS。前の機体の操縦者は俺が知っている奴だった。

 

『織斑千冬・・篠ノ之箒・・』

 

 

俺はシルバリオ・ゴスペルと共に海に落ちて行った・・。

 




あーあぁ、やっぱりこうなりますよね。という風な展開です。
ふふふ・・これからの皆さまの反応が楽しみですよ。
どれだけ、アンチとしての二人に誹謗中傷が飛ぶのか・・。
感想欄を読むのが恐ろしくなってきますよ。
では、次回。

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