とある邪なる左側《Fall en Diaboli》   作:まん丸のお肉ん

1 / 4
導入 科学側の魔術師
001 右と左


 この物語は学園都市のとある学生寮の一室から始まる。

 

 ドタッ!!バタン!!カチャ と急いでドアを開閉して鍵を閉め部屋の中に入った黒髪に金髪のインナーカラー、少年とも少女ともとれる中性的な顔付き、左目に眼帯、口の中には左半分しかない赤いマウスピース。左腕に包帯と真っ黒なグローブを嵌めた、身長150cmくらいの少年、(かない)聖邪(せいや)は部屋の主、ツンツン頭の少年、上条当麻と対面した。

 

「ごめんなーかみじょー」

 

慌てて入って来た割りに気の抜けた口調の聖邪。

 

その謝罪になんの意味があるのかさっぱりの当麻は質問をする為に口を開いた。

 

「な、何事だよ聖邪。勝手に入った事に対して誤ってる訳じゃなさそうだし……昨日の事か?」

 

 そう言っている内にドアの向こうから複数の足音が聞こえてくる。

 

「……今、追われるんだわー。アハハハー」

 

枯れた笑いを漏らす聖邪。

 

そうしてる内にドアの向こうの連中はドンドン!!とドアを叩き始めた。

 

『そこに居るのはわかってんだ!!さっさと出て来い!!』

 

「こ、この声は……」

 

当麻はその声に聞き覚えがあった。

 

話は昨日、7月19日の夜まで遡る。

 

 

 

---7月19日---

 

 

 

 聖邪と当麻は明日から夏休みという事でゴーヤとエスカルゴの地獄ラザニアを2人で食べようなんて話している時だった。

 

 学園都市に8人しかいない超能力者(LEVEL5)の第三位の御坂美琴にナンパする不良を見て、2人は不良を助ける事にしたのだが、当麻がナンパ不良に話しかけると背後からナンパ不良の仲間がぞろぞろと現れ、急ぎ足でその場を後に逃げ出す。

 

「待てやコラ!!」

 

軽く10分は逃げてるが不良共はまだ追って来る。

 

それを見て聖邪は口を開いた。

 

「かみじょーわ先行ってなー。俺が寝かせるー」

 

「お、おい正気か?」

 

 2人は立ち止まり不良共と対面する。

 

「知ってんだろー。俺ってば喧嘩強んだぜー」

 

 そう言ってると不良共の背後からバチバチと音を立て青白い雷が槍のごとく一直線に飛んで来た。電撃は不良共を貫き聖邪と当麻へ突き進む。

 

「ぼーっとするな!!」

 

当麻は聖邪を押しのけ雷撃を殴り、幻想殺し(イマジンブレイカー)で打ち消した。

 

「何やってんのよアンタ達」

 

声の主は御坂美琴だった。

 

「不良相手に今のわちょっとやり過ぎなんじゃないかー?」

 

「これくらいが丁度良いのよ。それよりアンタ、超電磁砲(レールガン)って知ってる?」

 

美琴は当麻を指さしてそう言った。

 

「あーあーやめとけやめとけー。このおバカなかみじょーさんが分かるわけないからー」

 

当麻を馬鹿にしつつ横に並ぶ聖邪。

 

そして聖邪は美琴に指さしてこう言った。

 

「でも、かみじょーの右手わ君のあらゆる攻撃を打ち消す事が可能だー。だからさっさと帰りなー。中学生(おこちゃま)

 

ビリビリっと美琴を中心に電気が発生した。

 

「付き人のクセに調子に乗るんじゃないわよ!!」

 

 美琴の所持していたコインが宙を舞う。右手を構え、コインが親指の目の前に来ると同時に人差し指で止めていた親指を弾き(はじき)出す。音はなくオレンジ色に光るビームが聖邪を襲った。

 

 

 

 だが、聖邪は美琴がコインを取り出した時点で動いていた。左手にはめたグローブを外し左掌を美琴のいる方に向け、超電磁砲(レールガン)を受け止めると超電磁砲は原子レベルで分解され消滅した。

 ビームの消滅を確認した聖邪は外したグローブを嵌める。

 

「……アンタもなの?」

 

「俺の左手(これ)わ、かみじょーの右手(それ)とは全くの別物だぜー?」

 

 聖邪の左側の力の正体を知る者はこの場は居ない。学園都市内にも居るかどうか……。

 

「相手が悪かったなー」

 

 返事はなかった。が、美琴の頭上に星々を覆う程の積乱雲が発生しゴロゴロと雨の降っていない場所では聞きたくない音が聞こえてくる。

 

「あー、これはまずいなー」

 

 聖邪は近くの建物の壁に急いで向かい、再びグローブを外し左ポケットに入ったチョークケースを取り出して魔法陣を描き、右ポケットに入った卓球玉程度の大きさの水風船の様な物を魔法陣に投げつけると風船は簡単に割れ、中に入っていた透明な液体が魔法陣に掛かる。一連の流れをこなすのに時間は1分とかからなかった。

 左手にグローブを嵌め、右手で魔法陣に触れると壁は急に熱を持ち、一瞬大きく光った後その光は2つに別れ飛び散る。飛び散った光は青い炎のように薄らと煙をあげ始める。そして目の前には模様が描かれた両開きの鉄の扉が現れた。

 

「かみじょー。早く逃げるぞー」

 

当麻は聖邪の後を追う様に扉に入りその場を逃げ延びた。

 

 

 

 

 

 

---とある学生寮一室---

 

 扉は当麻が今暮らしている部屋のベッド横に繋がっていた。

2人は土足で当麻が普段寝ているベッド(毛布)の上にズカズカと足踏み……。当麻は咄嗟にベッドから飛び降り、額をテーブルの角にぶつけながら床に腹打ちするが洗濯の手間を考えると安いもんだと考え、痛みを堪えながらベッドへ目をやると堂々と立ち尽くす聖邪。

 

「ふ、不幸だ……」

 

ため息交じりにそう呟くと、靴を脱ぎ玄関に置いて再び聖邪の目の前に立つ。

 

「わ、悪いなーかみじょー」

 

「いいから早く降りろ」

 

「お、おー」

 

 当麻のマジトーンの言葉にササッとその場で靴を脱ぎ、床を汚さないように玄関まで移動し、再び靴を履いて部屋を後にした。




最後まで読んでいただきありがとうございます!!

聖邪の事で補足なのですが左足も包帯が巻かれています
それと、当麻と美琴の位置からは聖邪の描いた魔法陣は都合良く見えていません!!(当麻の位置からは聖邪の背中、美琴の位置からは建物周辺に植えられた木が陰になって見えてません)

感想、アドバイスなどありましたらコメントよろしくお願いします!!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。