問題児たちが異世界から来るそうですよ?―笑う自由人―   作:カゲショウ

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今回は、前回切が悪いところで終わったので調整のため短めです。
それと本編に出てきますが、剣士のギフトは二つという設定です。そして剣士の設定は後々公開しようと思います。


04話 "サウザンドアイズ"に行こう

「な、なんであの短時間に"フォレス・ガロ"のリーダーと接触してしかも喧嘩を売る状況になったのですか!?」「しかもゲームの日取りは明日!?」「それも敵のテリトリー内で戦うなんて!」「準備している時間もお金もありません!」「一体どういうつもりがあっての事です!」「聞いているのですか三人とも!!」

「「「ムシャクシャしてやった。今は反省しています」」」

「オレは悪くない。久遠がそそのかした」

「黙らっしゃい!!!」

オレ達の所に戻ってくるなり黒ウサギはキレ始めた。すぐ切れるなんて……カルシウムが足りないんじゃないの?

「別にいいじゃねえか。見境なく選んで喧嘩売ったわけじゃないんだから許してやれよ」

逆廻がニヤニヤしながら止めに入った。何だ、生きてたのか。案外丈夫なんだな。

「い、十六夜さんは面白ければ良いと思っているかもしれませんけど、このゲームで得られるものは自己満足だけなんですよ?この"契約書類"〈ギアスロール〉を見てください」

そう言って逆廻に契約書類を見せる。

この際だから何度でもいうがオレの名前が書いてあってもそれは久遠がほぼ強制的に記入しただけであってオレは悪くない。どちらかと言うと非戦派だからな。

「はぁ~……仕方ない人たちです。まあいいです。腹立たしいのは黒ウサギも同じですし。"フォレス・ガロ"程度なら十六夜さんが一人いれば楽勝でしょう……って剣士さんはいつの間に帰ってきてたんですか?」

「ジン君達が門くぐったところで合流した」

「つか何言ってんだよ。俺は参加しねえよ?」

「当たり前よ。貴方なんて参加させないわ」

黒ウサギ、ドンマイ。

「だ、駄目ですよ! 御二人はコミュニティの仲間なんですからちゃんと協力しないと……」

「そう言う事じゃねえよ黒ウサギ。いいか? この喧嘩は、コイツラが売った、そしてヤツラが買った。なのに俺が手を出すのは無粋だっていってるんだよ」

「あら分かってるじゃない。もちろん貴方もね」

「お前ら絶対集団行動苦手だろ」

「剣士君は黙ってて」

「……」

このお嬢様怖い……。

「ヤハハ。安心しろ、頼まれても参加しねえから」

「もう好きにしてください……」

明らかに疲弊した様子の黒ウサギが肩を落としながら呟いた。この時オレは思った。『なんて困らせがいのあるウサギだろう』と。

横に置いてあった水樹の苗を抱きかかえながら黒ウサギはコホンと咳払いをした。

「そろそろ行きましょうか? 本当は皆さんを歓迎するために素敵なお店を予約して色々セッティングしていたのですけれども……不慮の事故続きで今日はお流れとなってしまいました。また後日、きちんとした歓迎を」

「いいわよ、無理しなくて。私達のコミュニティってそれはもう崖っぷちなんでしょう?」

「まぁ、崖っぷちじゃなくても歓迎なんていらないけどな」

「おいおいノリ悪いな」

「ハハッ、歓迎ならあの外道だけで十分だ」

「ヤハハ! そりゃ言えてるな」

その前にも盗賊と言う名の雑魚に歓迎されたしな。

「も、申し訳ございません。みなさんを騙すのは気が引けたのですが……黒ウサギ達も必死だったのです……」

「もういいわ。私は組織の水準なんてどうでもよかったもの。春日部さんはどう?」

「私も怒ってない。そもそもコミュニティがどうの、というのは別にどうでも……あ、けど」

「どうぞ気兼ねなく聞いてください。僕らにできる事なら最低限の用意はさせてもらいます」

ジン君がそう言うと、思い出したかのように春日部が言う。

「そ、そんな大それた物じゃないよ。ただ私は……毎日三食御風呂付の寝床があればいいな、と思っただけだから」

その言葉を聞いた瞬間、ジン君が固まった。

…………まさか水源も危ないのか? もしそうならオレは二週間で何とか川の近くに住まないといけなってしまう!

「それなら大丈夫です! 十六夜さんがこんな大きな水樹の苗を手に入れてくれましたから! これで水を買う必要も無くなりますし、水路も復活させる事も出来ます♪」

黒ウサギが嬉々とした顔で水樹を持ちながら口をはさむ。これに安心したのか、特に女性陣の顔が明るくなった。いや、本当によかったよ。これで食べ物がなくても一か月は生きていられる。

つか、水樹って何? 見た事もないぞあんなの……話の流れ的に普通の植物ではないらしいけど……何かのギフトみたいなもんか?

「ジン坊ちゃんは先にお帰りください。ギフトゲームが明日なら"サウザウンドアイズ"に皆さんのギフト鑑定をお願いしないと。この水樹の事もありますし」

「"サウザウンドアイズ"? コミュニティの名前か?」

"サウザンドアイズ"……直訳すると『千の目』か。

何だろう、そこのコミュニティにオレは行かない方がいいような気がする……。

「YES。サウザウンドアイズは特殊な"瞳"を持つ者達の群体コミュニティ。箱庭の東西南北・上層下層の全てに精通する超巨大商業コミュニティです。幸いこの近くに支店がありますし」

あ、そこに行ったらダメだ。確実に面倒なことになる。少なくともオレの『もう一つのギフト』がある限りは……。

「ギフトの鑑定というのは?」

「勿論、ギフトの秘めた力や起源などを鑑定する事デス。自分の力の正しい形を把握していた方が、引き出せる力はより大きくなります。皆さんもご自分の力の出処は気になるでしょう?」

黒ウサギに対し三人は複雑そうな微妙そうな顔で返した。因みにオレはへらへら顔のまま冷や汗がだらだらと流れていた。

しかし、反対する声は無く五人と猫一匹は"サウザウンドアイズ"に向かって歩き出したのだった。…………嫌な予感が杞憂で終わればいいのに……。




次回は和装ロりが出てきます。
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