ゲーマー夫婦が転生したようです   作:天狼レイン

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 かなり前からノゲノラ民と化し、既にゼロを二回は余裕で劇場に駆け込んだ阿呆は、ふと降りた天啓(多分トチ狂ったネタ)を試さずにはいられなかった。

 と、いうことである程度は続けるだろうと思われる小説を書くことにしました、他の作品読んでくださっている方なら分かるであろうーーご存知の阿呆です。
また増やして結局終わらないんだろ底辺作者、と友人にすら五臓六腑に響く対物ライフル撃ち込まれて尚、このザマです。

 今まで書いてきた作品、最後までの流れ全部メモやノートに纏め上げてるのに書けないという致命の病を患っている身ではありますが、こんな天啓降りたらどうしようもねぇじゃん!と友人に暴論で論破するという意味の分からない行為で通しました。

 さて、長い愚痴はさておき。
早速どうぞと言いたいのですが、諸注意申し上げます。

 1.ノゲノラ ゼロこと6巻の二人の末路で納得している方は読まないことをオススメします。
 2.ある意味、御都合主義に近いーーいえ、ハッキリ言い切れば、そのもののような代物てんこ盛りの拙作です。ご注意を。
 3.ノゲノラのキャラって他作品に基本ぶち込むとインフレするけど、是非もないよネ! 調整はするけど、原作作品を尊ぶ方は読まないことをオススメします。たまにある原作キャラがクロスオーバー系にフルボッコにされる形のものが苦手な方etcetc……

 注意事項は以上です。
 それでは、長くなりましたが、どうそ。




序章 黎明(はじまり)
ニューゲーム 0+∞=


 

 

 

 

 

 

 

 かつて——世界に、二つの種族しか存在しなかった頃のお話。

誰にも語られることのない神話。それより更に前のこと。

 

 のちに『人類種(イマニティ)』と呼ばれる獣と、『神霊種(オールドデウス)』と呼ばれる無数の創造主しかいなかった『大戦』より遥か昔の時代。

 少しずつ、自らの存在理由を認識できなくなった『神霊種(かみがみ)』が自分勝手に数を減らしていた、まるで混沌渦巻く厄災。その前兆のような日々が、少しずつ過ぎ去っていく。

 

 また一つ、減っていく仕事仲間社畜。その光景を見ながらも、未だに存在を確立させている他の者達を視界に入れて、とある『神霊種(カミサマ)』は、未だに『神髄』を獲得出来ず概念でしかなかった存在しんゆうに、半ば呆れたように語りかけた。

 

「なあ、どうしてまだこんなに『神霊種(バカ)』がいやがんのか。何とかを創造する神様、何とかかんとかを創造する神様、エトセエトセ。あーメンドクセェ。似たような創造主なんざ必要ねぇだろうに。お前はさ、どう思うんだ? 名無し(ネームレス)

 

 質問してから数十秒。返ってきたのは沈黙だけ。当然だ。()()()()()()()()()()()()()

 それでも何かが伝わっているのか、或いはただの独り言か。言葉を静かに続けた。

 

「……『遊戯の神』か。不便なモンだな。物好きの中の更に物好きな祈る者ヤツが望んで漸く『神髄』を獲得できる、か。脅迫あの手や賄賂この手でどうこうなるようなモンじゃねぇしな。俺なんざ気がつけば願われるようなモンだから逆にうんざりしてんのに」

 

 あらゆる生きている全ては、いずれ死を迎える。特に知力に優れた種族などはその果てに何があるのかを知りたがる。

 だが、単純にそれは怖いという本音を興味という建前で偽っているだけに過ぎないのだ。

 だからこそ————ただ祈り願う。

 

 『輪廻転生』。死んでも生まれ変わる。そんなあるかもわからない、途方も無い願いは存外生きている全てが不思議と望んでしまうものらしい。取り敢えず、()()()()()()()()。死んだ後に()()()()()があってほしい。そんなところだろう。

 

「俺には分かんねぇなぁ。〝次〟が欲しいなんて気持ちは。今だってうんざりしてんだぜ? 今もそうだ。ほら、()()()()()()()

 

 他の奴らと頻度が桁違い過ぎんだよクッソメンドクセェと愚痴り、その『神霊種(カミサマ)』は気怠そうに、近くにやって来たという“何か”に右腕を翳した。

 翳されたそれは仄かに輝いた後、ボッと溶け落ちるようにこの場から消えた。そう、これが与えられた役目。死して魂だけとなった存在を『輪廻転生』の理を用いて、円環の如く繰り返す。

 ひたすらこれだけしかやらない————いや、それしかできない『神霊種カミサマ』が自分なのだと、そこにはいないはずの誰かに愚痴る。そもそも“次”を欲しがる程、未練タラタラな死に様曝した奴を見たことがなかったのも愚痴る理由の一つであったが。

 

「なあ、名無し(ネームレス)。お前、『遊戯の神』なんだよな? だったらよ、一つ頼めるか?」

 

 頼んだところで叶えられる保証はない。そもそも返事すら返せないのだ。勝手に押し付けることだって出来よう。

 だが、一分ほど時間を無駄にして、ゆっくりと口を開いた。まるで心構えが出来るのを少しでも待ったかのように。

 

「俺はさ。ずっと……〝死〟を見てきた。

 だから、誰が死のうが興味なんざ殆ど無い。

 でもさ、そうなると反面見たくもあるんだよ。誰も死なない、全てが遊戯で決まる世界————そうだな、今ここでそれらしい呼び名をつけるとするならば、『盤上の世界(ディスボード)』ってところか。

 俺の為だけってのは都合良すぎるからよ。誰かが本気でそんな馬鹿げた世界望んだ時は——作ってくれねぇか? できることなら俺が自ら“死”を選んで、二度と『神髄』を獲得しようとしなくなる前にさ。お前『神霊種(カミサマ)』だろさっさと働けクソニート! とか言われるぐらい暇な時間過ごしてみたいんだよ」

 

 深い理由があるんだぜ?などと言わんばかりだったが、最初シリアス最後ギャグの竜頭蛇尾擬きへとオチがつく。

 難しく言ってはみたそうだが、要するにダメな奴になってみたいなどと宣う例外中の『神霊種(れいがい)』に、その存在を祈り願った者達が見たらきっと卒倒するだろう。自分達が思っていたのと何か違う、みたいな。

 

 恐らく起こる筈がない希望的観測を愚痴るように告げる物騒な『神霊種(クソニート)希望』。

 だが、そんな理想は誰がどう考えても叶わないだろう。元より『輪廻転生』とは、何かが死に至る度に発動を余儀なくされる理だ。叶うとすれば、全ての生きる者達の魂が全て存在しなくなるくらいのことしかない。当然、他にも方法はある。

 しかし、それは彼の『神髄』不活性化————つまるところ、存在の消滅死を意味していた。

 

 仮に『神髄』を獲得した所で、『遊戯の神』などという恐らく最弱の『神霊種(カミサマ)』が、他の『神霊種(どうぞく)』を下せる筈もないに決まっていた。馬力がそもそも違う。

 もしも————もしも仮に『戦の神』。そんな馬鹿力の塊のような『神霊種バケモノ』が誕生したら、きっと『遊戯の神』どころか全ての『神霊種(むしけら)』に勝ち目はない。

 今こうして次々と数を減らし、確固たる意志持つ者だけが残りつつある現状は、まさにそれを予知するかのようだった。

 じきにロクでもないことが巻き起こる。だから今のうちに消えてなくなろう。そしたら楽になれるからと。

 わざわざ『神髄』を破棄し、自ら眠りにつく概念達。

 きっと自分も遂にはそうなるのだろうと半ば諦めかけていたのに。

 この『とびっきりの馬鹿(カミサマ)』は楽しそうに語っていた。

 

 せっかく落とし所を探していたのに。ああ、そんな面白い話されたら、全く返事ができないことを悔やんじゃうじゃないか。

 『神髄』を獲得・誕生する一瞬が待ち遠しくて、諦めたくなくなっちゃうじゃないか。

 全て、君のせいだ。君が概念でしかない僕を探り当ててしまうから。

 

 概念でしかない筈の『遊戯の神』は、いつかこの馬鹿に他愛もない話をしてみたいと、そっとやりたいことの一つに加えていた。

 

 

 『輪廻転生の神(しゃちく)』から『自宅警備神(クソニート)』へ。

 そうなってみたいと愚痴っていた親友の姿は、『大戦』という愚の骨頂クソゲーを境に見なくなった。

 恐らく、本当に生きとし生けるもの全てを見捨てたんだろう。

 

 は? なんで俺がてめぇらのケツまで拭かなきゃならねぇんだ? 馬鹿じゃねぇの俺を勝手に社畜に仕立て上げといていざ死んだら宜しくだ? 頭が穴だらけの快適構築してるんじゃねぇのか羨ましいな譲ってくれよ。スカスカスポンジ支えて自分がナンバーワンだてめぇら邪魔だからくたばってろってどいつもこいつも全て見下したいが為にドンパチするから尻拭いよろってか? オモシレェ! ああそうか成程な、そこまで宣うなら勝ち残ってみせろやロクデナシ共。コンティニューなんぞできると思うなよ甘ったれ共。一生のゲームオーバー迎えてSAN値直葬されながら消滅直前まで喚いていやがれよ。

 

 そう、嘲笑うように締め括りながら死んだに違いない。彼ならきっとそういうだろう。今頃後悔している奴はもういない。泣いて謝って許してもらえる訳でもないのは彼と話したことがあるなら理解できるだろう。そもそも謝罪する気もない阿呆もいるかもしれない。

 痴愚ばかりの世界にうんざりした死んでみた後悔はしていない。彼がもし遺言を遺して逝ったならと。

 

 だから概念だけの僕は、彼の代わりに見届けよう。その果てに、運良く『神髄』を獲得・誕生できたら『唯一神の座(それ)』を上手く簒奪できるように考えてみるのも悪くない。

 そんなことを考える僕の側に、もし彼がいたならもっと面白いことを考えるに違いない。

 きっと手始めに互いを上手く誘導して潰し合わせたりするかもしれない。そうなってくるとまるでそれこそ『遊戯(ゲーム)』だ。

 彼がもし祈る側なら、僕はきっと————残念そうに、けれど、そう思わせてくれたのはこの出会いがあったからだと言いなおすように。

 僕は虚数の彼方に沈む可能性にかけてみたくなった。

 

 だから————君も戻っておいでよ。今度は僕から伝えたいんだ。

 

 

 

 そう————リクとシュヴィ《あのふたり》が、『遊戯の神(ぼく)』を目覚めさせてくれたその時まで、じっと待ち望み続けた。

 

 

 

 

 

 ———*———*———

 

 

 

 

 今し方、リク・ドーラ()が死んだ。

 

 僕を認識していた二人目であり、僕と勝負し続けていた最初の好敵手。

 恐らく、彼のような存在は今後二度と出会うことはない。

 『神髄』を獲得・誕生したばかりだが、既に僕は彼らの遺志を継いだ『唯一神』。これからは下手に干渉ができない立場だ。元から殆ど干渉出来てなかったのは言うまでもないが、今度はそれよりも干渉できない。きっと眺めるだけの日々が続くだろう。

 まるで、僕を認識していた一人目(かれ)の羨ましがる状態だ。おいそこ譲ってくれこの通りだクソニートになりたいんだよ俺はァッ! なんて言いそうだと、堪えた何かが今にも崩れてしまいそうだった顔から微かに頰を緩ませた。

 

「そういえば、あの理想(ゆめ)叶っちゃったね————ゼーレン」

 

 今は亡き『輪廻転生の神』にして、初めての親友の名を口にする。かつては言えず、今は伝えられず。どうにも彼とは都合が合いにくい。これではやりたいことの一つが叶わない。

 漸くあの絶望的な盤面をリクがひっくり返すどころか、まっさらになった盤面を託してくれたというのに。

 しかし、だからと言って彼らの願いを、今は亡き親友に捧ぐなどと言って放棄するなど言語道断だ。

 それに、僕自身もこんな不毛で無為でくだらない戦争なんて懲り懲りだ。見ていても楽しくないゲームなどゲームではない。

 

「さぁて————ゲームを()()()()

 

 彼らの部屋であった一角で、元『遊戯の神』現『唯一神』テトは、『輪廻転生の神』ゼーレンの理想(ゆめ)彼ら二人(リクとシュヴィ)が望んだ通り————

 

「みんなで楽しめる、誰も死なない、そんなゲームを用意して、待ってるよ」

 

 この世界に最早、『輪廻転生』は————

 

「もう彼奴らには会えない。そう諦めんのは、少し早すぎるんじゃねぇか? なあ、名無し(ネームレス)————いいや、親友テト」

 

 いつまでもクヨクヨしまいと意識を切り替えようとした刹那、懐かしい声が響いた。

 思わぬ来客。思わぬ復活。思わぬ邂逅。破顔したくなる気持ちに駆られながらも、テトは今の今まで姿を消していた親友に向け笑った。

 

「————おかえり、ゼーレン。君もまだ諦めていなかったんだね」

 

「いや実は殆ど見捨ててたんだぜ? こんな奴ら勝手に自滅してくれるんじゃねぇかって」

 

「相変わらず辛辣だね。でも、君がここにいるってことは————」

 

「————見ていてこのまま見放すには惜しい奴らがいた。お前と同じだよ。まさか二人だけで『神髄』を再獲得させるなんざ予想外だよ、よくもやってくれたな馬鹿野郎(プロゲーマー)

 

 『大戦』という〝愚の骨頂(クソゲー)〟を始めた『神霊種(クソ)』共を見損ない、勝手にやってろとばかりに自ら“死”を選び『神髄(しごと)』を放棄した『輪廻転生の神』は、思わず動かずにはいられないと思わせた彼らに敬意を評した。

 初めてだ。こんなにも惜しいと思ったのは。“次”を求める理由が分からない。かつてそう宣った『神霊種(カミサマ)』は前言撤回だと笑って、テトの前ですら見せたことがなかった子供のように輝く瞳で、彼らの偉業を焼き付けていた。

 

「最高だ。ああ最ッ高だとも! お前らみたいな奴らこそ、“次”を望むに相応しいさ。悔しかったろう? 辛かったろう? 人生酢いも甘いも、などと宣いやがるが、あんな世界じゃ満足できねぇだろ? 安心しろよ。いつか! いつかだ! ()()()()戻《、》()()()()前にとびっきりの報酬をくれてやる。俺の理想ゆめの片棒担いで唯一神(しんゆう)を導いたんだ。チートなんて下らないものは要らねえだろう? それでも、()()()ならきっとハッピーエンドに辿り着けるはすだ!

 さあッ!————楽しんでこいよ、今度こそ最高の人生をッ!」

 

 いつの間に回収しておいたのかは不思議でしかないが、『輪廻転生の神』ゼーレンは、左腕から二つの魂を目の前に並べ、右腕を翳した。

 かつて、見せた心底面倒臭そうにしていた様子ではなく、狂ったような笑顔を浮かべて楽しげに、彼らが今度こそ人生を楽しめるようにと心の底から願って。今までで一番カミサマらしい仕事っぷりを最後に見せつけて。

 

 

 リク・ドーラとシュヴィ・ドーラの魂を『輪廻転生』の理によって、ここではない新たな世界へと旅立たせた。

 

 

 

 願わくば、見てるこっちが砂糖吐きそうなぐらい幸福な人生を過ごせることを、《心》の底から願っている————

 

 

 

 

 

 

 

「ところでだが、もうクソニートになっていいか?」

 

「お願いだから威厳をすぐに捨てないでくれるかな?」

 

 

 

 

 

 

 

 




 簡単な時代の流れ云々。

 最初の場面:“誰にも語られない神話”に至るまでのお話。圧倒的IF!

 最後の場面:リク死亡→コローネが遺言通りに駒を動かした後まで。

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