旭日機甲旅団と大洗合同チームとの練習試合が行われた。旭日は同じ元近衛の赤坂と以下4人と共に試合に望んでいた。
平和的な試合に、女子高生が大洗の試合を見ていた。その女子高生が、波乱を呼ぶとは誰も知らなかった。
「全車!建物の陰に警戒してください!さっきのように待ち伏せされている可能性が高いです、不用意に飛び出したりしないようにしてください!」
かほは待ち伏せによる攻撃を避けるため、不用意に飛び出さないように指示した。さっきは奇襲を仕掛けるためではなかったが、流石に2度も同じ手は使わないだろう。
〔了解しました!なるべく出ないようにしま!?〔ドォーン!!〕〕
「!どうしました!?」
〔・・・・・やられました!でも、近くにはいません!〕
やられたのは知波単学園の戦車だった。近くにいないとなると、遠距離攻撃の可能性が高い。
(まさか、狙撃!?でも岩山くんほどの腕なら、可能なはず)
チリ改の88ミリ砲なら1キロ先からの攻撃でも有効だ。しかし、狙撃したのはチリ改ではなかった。
「あ、あの・・・砲撃を聞く限りだと、チリ改の99式8糎高射砲ではないと思います。おそらく、37ミリ砲です」
優香子は射撃音を聞いて、チリ改ではないと見切ったのだ。その事を聞き、栞は驚愕していた。
「嘘でしょ!?赤坂くんたちの戦車砲じゃ、遠くから狙撃するなんて不可能だよ!」
「いや、不可能じゃないよ。遠くじゃなくて、近くなら」
そう。37ミリ砲といった短い砲だと、距離が離れれば離れるほど威力は落ちる。外国戦車を撃ち抜くとなれば尚更だ。しかし、距離が短ければ撃ち抜くことは可能となる。
つまり、今いる場所に潜伏しているということとなるが、
「でもかほちゃん。相手は近くにいないって」
「私たちの目に見えないだけだよ。例えば・・・」
かほはハッチを開けて頭を外に出した。回りは建物に囲まれている。栞たちもガンポートを開けて外を見たが、当然近くに敵はいない。
「あそこ!!」
かほが急に指を指しながら叫んだ。そこは建物の窓しかない。栞たちは指を指す方向を見るが、戦車がいる気配はない。しかし窓越しに良く見ると、98式軽戦が砲を構えていた!
「っ!!いた!!藍ちゃん!!撃って撃って!!」
藍が言われるがままに砲を構え、他の戦車も同じように構え始める。外を見ていたメディックが双眼鏡でその様子を見ていた。
「やべ!おいマガジン!!奴ら感づいたぞ!!」
メディックが報告した直後、残った戦車たちからの猛攻撃にさらされた。壁越しということもあり、 直撃は避けられそうだがこのままでは危険だ。
「動いた方が良くないか!?相手が悪すぎる!」
「動いたところで敵の猛攻にさらされることに変わりはない!とにかく待て!」
98式軽戦はかろうじて反撃していたが、これ以上は持ち堪えるのは難しい。赤坂は通信機を手に取った。
「宗谷!チャンスだ!!全滅させてやれ!!」
赤坂の指示と同時に、チリ改が建物の陰から飛び出してきた!
「了解コマンダー・マガジン!これなら楽に全滅させられるぜ!!」
車体前部を正面に向けて、主砲、副砲が火を吹き始めた!かほたちが気づいたときには既に遅かった。かほが後ろを向いたときには既に3輌も撃破されていた。
「! 全車撤退!このままだと全滅してしまいます!」
4号とM3は何とか逃げられたが、他の戦車は全滅してしまった。赤坂たちは陽動作戦が成功したので盛り上がっていた。
「イェーイ!やったぜぇー!!」
「上手くいったな!」
「すげぇぞ俺たち!」
「このまま勝利も勝ち取ろ・・」
『ドォーン!!』
車内が一瞬で静まり返り、赤坂が頭を出して後ろを見た。いつの間にか、ルクスが背後に回っていたのだ。
「くっそ!後ろを取られた!」
砲塔に上がる白旗を見て悔しがる赤坂は、宗谷にやられてしまったことを報告した。
「宗谷すまない、やられちまった・・・あとは頼んだ!」
「了解、ご苦労だったな。回収車が来るまでそこで待機していろ」
「了解した。交信終了!」
通信を切ったとき、宗谷は倒した戦車の数を数え、残りの数を割り出した。残った戦車は4号、M3、ルクスの3輌だ。始めの時と比べれば大分戦いやすくなったので、一気に畳み掛けようと考えた。残り時間があとわずかだからだ。
「おー!やるねぇ宗谷くんたち!」
干し芋を口にしながらはしゃぐ杏、その横でみほはチリ改の動きをジッと見ていた。初めは、大洗チームの戦車14輌、元近衛チームは戦車2輌、サイドカー1台、オートジャイロ1機だった。
近衛チームからすれば、圧倒的に不利な状態からスタートしたにも関わらず、今はほぼ互角となった。いや、それ以上かもしれない。何がともかく、大洗チームはピンチに陥ったということになる。ここからどうなっていくのか、そこが見ものだろう。
「西住かほはあの程度の腕しかないのですから、宗谷佳が有利に立つのは目に見えていましたよ」
いつの間にかみほの隣に女子高生が座っていた。それは、先程丘の上に立っていた女子高生だった。みほはその制服を見て驚きの表情を見せた。
「・・・! あなたのようなエリートが、何故ここに?」
「流石、伝説のチームを率いた隊長ですね。私のことなど、知ってて当然ということですね。今回ここに来たのは、宗谷佳の試合を観に来たんですよ。
みほは彼女の言葉に疑問を持った。将来の我が校のためとは、どういうことなのか?
「あなた、何を言っているの?何で宗谷くんが、あなたの学校のためになるの?」
「今は知らなくても良いです、いずれ分かることです。では聞きますね、そろそろ試合も終わりそうですから」
その女子高生は、ニッと笑ってその場を去っていった。何か企んでいる、みほはそう感じた。
「敵はあと1輌です!でも相手はあの旭日の宗谷くん、警戒を怠らないで下さい!」
「は、はい!」
「任せて!チリ改なんて目じゃないわ!」
意気込む車長たち、あとはチリ改1輌だけだ。かほはあえて分かれず、纏まって行動することにした。バラバラで動くより安全だろうと考えたのだ。
しかし、宗谷たちからしてみれば大チャンスだ。探すより手間が省けるからだ。
「4号を捉えた。この位置なら撃ち抜けるぞ?」
岩山が照準器越しに4号を見る、4号は2輌の後ろで真ん中を走行している。先にM3とルクスを倒しても良いが、それだと逃げられてしまう可能性がある。
そこで、後ろを走る4号を倒して後ろを塞ぐ。そうすれば前に出るしか無くなるため、追い掛けなくても処理が出来るという寸法だ。宗谷はガンポートから位置を見る。
「・・・左に6度修正、砲身仰角+2度。目標、4号」
宗谷は岩山に情報を送り、岩山が修正をかける。砲口は4号を捉えている。
「射撃用意!」
岩山がトリガーに指を掛け、合図を待つ。その一方、M3のあいかがチリ改が潜伏していることに気づいた!狙いは、4号だ!!
「左旋回!西住先輩を守るよ!」
「撃て!!」
チリ改が砲弾を撃ち出したと同時に、M3は4号の前に出た!岩山が「何!?」と叫んだとき、M3に砲弾が命中してしまった。M3は黒い煙と白旗を上げて停車した。
「澤さん!!大丈夫ですか!?」
かほが心配そうに声を掛け、あいかが返事を返した。全員無事のようだ。
「すみません、やられました!でも全員無事です!」
「そう、良かった。もうすぐ回収車が来るから、暫く待ってね」
「西住さん!相手はそこの建物の中にいるわ!」
琴羽がチリ改に気づいた。ルクスの砲口がチリ改を捉えたが、副砲の砲が1歩早かった。反撃しようとするルクスを撃ち抜いた!
「クッ・・・ゴメン西住さん。私たちもやられたわ・・・・・」
琴羽の悔しそうな声が通信機越しに聞こえてきた。ここまで生き残ったのだ、最後まで戦いたかったに違いない。
「ここまでありがとう琴羽さん。最後まで頑張るね!」
再び1対1の戦いに持ち込んだ宗谷たち、あの時を思い出す。初めて戦ったあの時を。
「今度は決着付けたいな」
と笑う福田。前回はタイムアップで決着が付けられなかった試合だった、今度こそは決着を付けると意気込む。
「行くぞ!ここで勝負を仕掛ける!!」
残り1輌だけ、わざわざ隠れて攻撃する必要もなくなったのだ。チリ改は大通りに飛び出し、4号の前に立ちはだかる!突如現れたチリ改に対して、素早い判断で避ける七海。4号はチリ改を避けて停止した。
互いの車長が頭を出して、顔を見た。
「よお西住」
「こんにちは、宗谷くん」
挨拶を交わす宗谷とかほ、互いに真っ直ぐに目を見ていた。
「宗谷くん、分かってるよね?」
「ああ、この間の決着をつける、だろ?」
「分かっているんなら良いよ、勝つのは私たちだけど」
「いいや、勝つのは俺たちだ。行くぞ野郎共!」
「「前進!!」」
観戦席では、98式軽戦に乗っていた赤坂たちが戻ってきたところだった。顔は煤が付いて黒くなっていた。
「お?見ろよ。隊長同士の一騎討ちだぞ」
赤坂がモニターに向かって指を指した。4号とチリ改が接近戦を繰り広げている様子が映し出されていた。ガトリングとメディックの2人は歓声を上げて、ドライバーは冷静に見ていた。
赤坂はこういった戦い方もあるのかと思いながら見ていた。別の方を向いたとき、さっきみほと話をしていた女子高生が立っていた。赤坂はその制服に付いているバッジに目が止まった。
(あの紋章、どっかで見たことが・・・・・)
「おいマガジン!宗谷が勝負決めそうだぞ!」
ガトリングに呼ばれ、一瞬視線を反らして再び見ると、もういなかった。どこかに行ってしまったのだろうか。
(俺の記憶が確かなら・・・あれは東京機甲大学校のものだよな・・・・・いや、そんなことないか。制服が違ったもんな。でもまて、仮にもそうだとしたら、何故この試合を見に来るんだ?・・・・・まさか、あいつか?)
試合は終盤を迎えていた。2輌の戦車は互いに砲弾を撃ち合いながら戦っていた。4号のシュルツェンは右半分と左前を破壊され、チリ改は装甲に攻撃を受けすぎて傷だらけになり、副砲は破壊されていた。
4号の砲弾は残り21発、チリ改は残り13発。旭日の方が最初から味方の数が少なかったことので、通常より砲弾を消費しすぎた。ここからどうやって決着まで持っていくかが勝負の要となるだろう。
だが、今はそんなことを考えている余裕はない。試合時間もあまり残っていない。砲弾は底を尽き掛け、燃料も全速であと15分程度。この状態の中で、どう戦えと言うのだろうか。しかし、試合の残り時間もあとわずか、となれば多少無理をしてもまだ勝機はある。もう何も考えず、突っ込むようにして戦うようが良いかもしれない。
「福田、一気に距離詰めろ。畳み掛けるぞ!」
「了解!」
アクセル全開で突っ込んでいくチリ改、4号はその動きを読み、素早く避ける。そして態勢を立て直す段階を狙って攻撃を仕掛ける!
4号が放った砲弾は、真っ直ぐチリ改の砲搭に向かって飛んでいった。しかし、岩山が避けるために砲搭を回したので直撃とはならなかった。そして態勢を立て直したチリ改が再び突進を試みる!
「砲弾装填を急いで!早く!」
かほが装填を急かし、優香子がバタバタと装填する。しかし、装填が完了したとき、チリ改は既に目の前に来ていた!
「射撃用意!!」
岩山がトリガーに指を掛ける!勝負は決まった!と誰もが確信した!
〔そこまで!!今回の試合は引き分け!!〕
「何!?」
アナウンスが勝敗を知らせ、福田が急ブレーキを掛けて4号と横並びになるように停車した。互いの距離はあと数ミリだった。
「くっそ~・・・まーた引き分けかよ・・・・・」
悔しそうに唸る水谷に対して、北沢は笑っていた。
「まぁ良いんじゃねぇの?まだ決着をつける時じゃないのさ」
宗谷はヘルメットを脱いで頭を掻いた。決着はお預けのようだ。
チリ改と4号が一緒に戻ったとき、98式軽戦に乗っていたガトリングとメディックが出迎えた。
「よぉ!すごかったな!」
「やっぱお前はすげーぜ宗谷!!」
宗谷が囲まれているとき、赤坂がさっきの事を話すためにこっそりと福田を呼び出した。話を聞いた福田は驚いた。
「何?本当か?」
「制服は違っていたが、胸元に付けていたバッジは
「・・・・・分かった。この事は話してないだろうな?」
「話せる分けないだろ。この事は秘密だ。良いな?」
「おーい!!食事会するって言ってるぞぉー!!」
メディックが2人を呼びに来た。赤坂が返事を返し、2人で歩いて向かった。だが、この『秘密』が守られることは無い。
食事会が済み、赤坂たちを見送った。そして学園艦に戻る大洗の生徒たち。試合のことや、帰って何をするかを話し合っていた。宗谷たちは試合の結果の話をしていた。
港まであと少しで着くとき、宗谷の足が止まった。柳川が声を掛けた。
「宗谷?どうした?」
「・・・・・先に行っててくれ。後で合流する」
そう言うと逃げるようにその場を去っていった。呼び止めたが宗谷は応じず、大洗の町に戻ってしまった。宗谷の行動は理解出来なかったが、「後で合流するなら」と気に止めなかった。
そして再び歩きだしたとき、見たことの無い制服を着た女子高生が3人立っていた。北沢が珍しそうに見ていると、福田がこう言った。
「目を合わせるな。真っ直ぐ前だけを見ろ」
「え?何で?」
「良いから言うとおりにしろ」
被っていたヘルメットを深く被り、見られたくないかのように顔をうつむかせた。女子高生を通り過ぎる時、チラッと声が聞こえた。
「いそうにないですね」
「そうね。エースはこの中にいると思ったのだけど。あのドライバーもね」
通り過ぎたとき、岩山が福田に尋ねた。
「エースって言ってたけど、何のことだ?」
「気にするな、関係ない話だ」
話を遮る福田に不信感を抱いたが、気にするなと言われたので何も聞き返さないことにした。港と学園艦を繋ぐボートに乗り込んだが、福田は宗谷を待つと言って港に残った。かほも心配になり、福田と一緒に港に残った。
それから2~3時間ほどたった。最終便が出るまであと数分というタイミングで宗谷が走ってきた。息を切らせながら謝った。
「悪いな。急用があってさ」
「良いから早く乗るぞ。みんな待ってる」
ボートに乗って出発したとき、かほが宗谷に尋ねた。急用とは何なのか知りたかったのだ。
「宗谷くん。急用って何だったの?」
「え?ああ忘れ物してさ。銃のホルスターを会場に置きっぱなしにしてたんだよ。見つかったから良かったけどさ」
「そう、それなら良いの」
納得したように返事を返すかほだったが、本当は何か隠していると感づいていた。一緒に歩いていたときには銃は持っていた。つまり、ホルスターを忘れたという口実は嘘ということになる。
何か隠していると察したが、あえて聞かないことにした。あの時の自分のように、知られたくないことがあるのだろうと思ったからだ。
翌日の放課後、大洗では全員で戦車の修理をしていた。整備に慣れていない生徒たちは、手伝うという形で修理に協力していた。
しかし、宗谷だけいなかった。授業が終わったと同時に忽然と姿を消したのだ。全員で協力しあうときにサボるなんて絶対になかったしないはずなのだ。
「あいつがサボるなんて珍しいよな」
レンチを持って部品を外す岩山、真面目な宗谷がいないことに疑問を持っていたからだ。しかし、福田はその話に全く触れようとしなかった。
「集中しろ岩山。あとで皿洗いでもさせればいいだろ」
「だけどさ、あいつこの間の練習試合の後からおかしいじゃねぇか。全然落ちつきねぇし、変に回りを警戒してるし、どうかしてるぞ」
「集中しろ、それから宗谷の事は気にするな。良いな」
話を完全に遮断した福田に少しムッとしたが、後で宗谷に問いただせば良いかと考え直した。
翌日の登校中、岩山は問い詰めることを諦めていた。昨日問い詰めるだけ問い詰めたが全然口を割らず、岩山の方が折れて聞き出すことをやめたのだ。途中でかほたち4号組と合流し、一緒に学園に向かって歩いていった。
校門の前に着いたとき、怒鳴り声が聞こえてきた。園の娘である秋子の声だった。
「あ・の・ね!!学園の許可証が無いと入れないの!!何の報告なしに来てもダメなの!!」
「そんなものなくても入れるわ。学園長にこのバッジを見せればね」
「バッジ見せるだけで入れるわけないでしょうが!!」
どうやら別の学校との生徒と揉めているらしい。他校の生徒が学校艦の学園に入るときは事前に許可を取り、学園艦乗艦許可証と、入校許可証という2種類の許可証が必用になる。
しかしその生徒は許可証を持っていないのだ。それどころか、バッジを見せれば入れると言うのだ。
「何言ってんだあいつ、バッジ見せれば入れるとか言ってるぞ」
呆れる柳川、しかし宗谷と福田はそのバッジに見覚えがあった。桜の紋章の真ん中に、戦車が描かれている金色のバッジだ。まだ
「いい加減にしろ!お前は俺が目当てだろう!?
宗谷が声を上げて近寄っていった。その生徒は宗谷の声に反応し、笑顔を見せた。
「やっと見つけたわ、宗谷佳。いえ、『孤独なエース』と呼ぶべきかしら?」
周りがざわつき始めた。突如現れた種島という女子高生、そして彼女は宗谷の事を『孤独なエース』と呼んだ。岩山たちは何の事を言っているのか全然分からなかった。そんなあだ名があるなんて聞いたことがなかった。
しかし、1人だけ知っていた。福田彰だ。
「何のようだ、宗谷は5年前に縁を切ったはずだぞ」
「福田、お前知ってんのか!?」
「黙ってろ岩山、後で話す」
「あら?あなたはあの時の新米ドライバーじゃない。5年前よりは成長したのかしら?」
小馬鹿にするように話す種島、しかし福田は何も言い返さなかった。
「あなたが言う通りよ宗谷佳、今日ここに来たのは
「ああ、5年前もそう言ってたな。だが俺ははっきり断ったはずだぞ、お前の東京機甲大学校には入らないってな」
「フフ、懐かしい名前ね。今は『東京パンツァーカレッジ』に改名されたわ」
その名前を聞いたとき、優香子は震え上がった。
「え!?えええ!?東京パンツァーカレッジって、指折りのエリートが集まる専門学校じゃありませんか!!し、しかも種島優依って、その東京パンツァーカレッジの隊長じゃありませんか!!」
東京パンツァーカレッジ、優香子が言うように、指折りのエリートたちが集う超が付くほどの有名な専門学校だ。専属の中学、高校があり、早い者は中学からこの専門学校に入っている。
高校から入ることも可能だが、超難関な入学試験をクリアしなければならない。それだけ厳しいのだ。3年前に改名され、制服も一新されたが、胸元に付けるバッジは変わらなかった。そして種島優依は、その学校の隊長なのだ。詳しいことは分かっていないが、凄腕のエリートであると聞いている。
「な、何でそんなエリートがここに?」
藍が尋ねると、種島は鼻で笑って答えた。
「あなたたちには宗谷の価値が分からないでしょうね。彼はこんな吹きだまりにいるほどのレベルじゃないのよ?パンツァーカレッジに必要な存在なの。ね?孤独なエースさん」
「・・・俺の事をとやかく言うのは構わないが、西住たちや大洗を馬鹿にするのは許さないぞ」
馬鹿にされたことに頭に来たのか、宗谷は種島を睨んだ。
「まぁまぁ、怒らせるために来たわけじゃないから穏便にね?でも忘れないでね?このバッジにどれだけの価値があるのかを、ね?」
そう言うと種島は去っていった。宗谷はため息を付き、かほたちに謝った。
「騒がせて悪かったな。でももう大丈夫だ」
そう言うと、学園の中に入っていった。入っていくとき、宗谷は確信していた。あの種島優依と戦わなければならないと。
今回も読んで頂きありがとうございました。
突如現れた種島と名乗る女子高生、そして孤独なエースと呼ばれる宗谷。宗谷と同じく当事者である福田、全ての謎は5年前にある!?
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