ウルトラファイトジャグラー
〜11番目のエピソード〜
ジャグラー「俺は何なんだ、、何者なんだ、、」
宇宙を彷徨いながらジャグラーは苦悩し続けていた。自分に想いを寄せる少女ビランキと再会したときに対峙したガイは以前よりさらに強くなっていた。それでガイに対する憎しみはさらに強まる、、はずだった。だがそのときジャグラーがしたことは悪意ある存在からビランキを守り、ガイの戦いのサポートをしたことだった。
マガタノオロチとの戦いで気づいてしまった自分の中の正義の心は自分に誤魔化しきれないほど大きくなっていた。
ジャグラー「俺はウルトラマンじゃねェのにな、、」
そのとき強い衝撃を受けたジャグラーは近くの衛星へと落下していった。
ジャグラー「グ、、、?」
そこにいたのはスペースビーストのノスフェル、バンピーラ、そしてー
ジャグラー「上からは、、ペドレオンか、、」
ジャグラー「蛇心剣、、抜刀斬!!」
突進してくるバンピーラを真っ二つにし、光弾をノスフェルの口に打ち込む。
ジャグラー「これで体の再生はできないだろ?蛇心剣、、新月斬波!!」
ペドレオン、ノスフェルは爆散し、消滅した。
???「さすがの腕前だな。」
ジャグラー「誰だ?」
メフィスト「俺はダークメフィスト。貴様の噂は聞いている。どうだ?俺と共に宇宙を支配してみる気はないか?」
ジャグラー「生憎俺はそんな気分じゃないんだがな、、」
そのときジャグラーのよく知る声が空から降ってきた。
ガイ「見つけたぞ!ダークメフィスト!!」
ジャグラー「ガイ!?何故ここに?」
ガイ「俺は戦士の頂でダークザギの復活を企むヤツを捕まえろって、、お前こそどうして?」
口篭るジャグラーだったが答えるよりも先にメフィストが大量のスペースビースト軍団を召喚した。
メフィスト「邪魔をするなら、、消えろ!」
ガイとジャグラーは共に戦うが自分が善であるか悪であるか、悩んでいる真っ最中のジャグラーにガイと以前のようなコンビネーションをとることはできなかった。直後メフィストが手をかざすとジャグラーの意識は白い空間へと飛ばされていた。
ガイ「メフィスト!ジャグラーに何をした!」
メフィスト「心に迷いがあったようだからな。それに関する幻影を見せている。」
ジャグラー「、、、ここは、、?」
???「お前はウルトラマンじゃない、、」
ジャグラー「誰だ!?」
ジャグラーの前に現れたのはオーブの幻影だった。さらにダイナ、コスモス、ガイア、アグル、気づけば何人ものウルトラマンにジャグラーは囲まれていた。皆蔑むような表情で「お前はウルトラマンじゃない」と繰り返し呟いている。
ジャグラー「じゃあ、俺は何なんだ、、」
そのときふとジャグラーの脳裏にカフェ☆ブラックスターでの思い出が蘇った。種族の壁も正義と悪の壁すらもないあの場所がジャグラーは好きだった。
ー闇を抱えていない人間に、世界を照らすことはできないー
ガイの言葉が自分の全てを肯定している気がした。悪の部分も善の部分も。
ジャグラー「そうだ、、正義であろうが、、悪であろうが、、ウルトラマンであろうが、なかろうが、、」
ジャグラー「俺は俺だぁぁぁぁぁ!!!!!」
ジャグラーが叫んだ瞬間ウルトラマンの幻影達は一斉に消え始めた。残ったオーブの幻影にジャグラーは拳を振るう。
ジャグラー「ガイは、、俺の憧れたウルトラマンは、そんな顔はしねぇ!」
ジャグラーが完全に幻影から解放されると目の前にボロボロのオーブオリジンとほぼ全滅したスペースビースト軍団がいた。
ジャグラー「うおぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
ジャグラーは蛇心剣を手に走り出す。
ガイ「行けぇぇぇぇぇ!!ジャグラー!!」
ガイはジャグラーにオーブカリバーを投げ渡す。本来ならオーブオリジンにしか扱えない聖剣だがー
ジャグラー「オーブグランドカリバー!」
ジャグラーの心の変化に応えたのか剣先から地を這う黄色の光線が放たれる!
メフィスト「き、貴様ァ、、」
完全にスペースビースト軍団を全滅させたジャグラーに怒りを露わにするメフィスト。
メフィストとジャグラーが激突する!!
メフィストは光線を撃ちまくるがジャグラーは全て蛇心剣ではたき落としオーブカリバーで重い攻撃を与え続ける。
ジャグラー「俺はもう迷わない。俺の心の強さを、、見くびるなぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
左手に掲げられたオーブカリバーからオーブスプリームカリバーを、右手に構えられた蛇心剣から新月斬波を同時に発射する!!
メフィスト「ぐあぁぁぁぁぁ!!」
メフィストは爆散した。
戦いを終えたガイは地球に向かって飛んでいた。ジャグラーは静かに隣を飛ぶ。
ガイ「久しぶりにアイツらに会って、一風呂浴びるか!、、ってジャグラー!?お前いつの間に、、また何かたくらんでるのか?」
ジャグラー「いや?お前と目的は同じさ。」
ガイ「は?」
ジャグラー「一番風呂とコーヒーは宇宙の何にも優る贅沢、だからな?」