織田信奈と正義の味方   作:零〜ゼロ〜

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ここまでの登場人物紹介+α

衛宮士郎

 記憶を失った青年。目を覚ますと戦国の世に飛ばされていて、今現在は一般教養と魔術のことしか記憶にない。調味料の製造日から考察するに23歳。

 死の臭いに敏感で、自らが悪と断定した相手は容赦なく殺すことを覚悟しており、そうしなければ護りたい人を救けられない己の無力さを無意識のうちに独り嗤い続ける。

 少年時代に琥珀色だった瞳は金色へと変貌し、髪の色も赤銅色に白髪が混じっている。紅い射籠手を身に纏い、刀などは身につけていない。魔術の才能は無いに等しく、戦闘でまともに使えるのは強化もしくは投影魔術のみであり、それすらもとある魔術から零れ落ちた副産物でしかない。

 鵜殿長照との殺し合いの果てに彼の理想に触れ、"この世から争いを無くす"と誓った。

 好きなことは料理や人のためになること。嫌なことは悪と"正義の味方"と呼ばれることらしいが…。

織田信奈の野望 姫武将録についてくる武将パラメータに準ずるならば

 統率 武力 知力 政治 現充 合計

 87 80 88 83  0 338

(強化魔術使用で武力95)     353

って感じだと認識しておいてください。もちろん作中にも言えることですが、得手不得手があるので武力が足りない=負けるというわけではないです。彼は攻めることより守る戦いの方が得意ですし。他の武将のパラメータを知りたいという人は織田信奈の野望姫武将録を買おう!ということで。

 

 

 

 

相良良晴

 未来からタイムスリップしてきた未来人。17歳。士郎とは違い、記憶を失っている訳ではない。

 特別運動をしていた訳ではないため、体力は平均そのもの。運動神経も平均的である。しかし反射神経、特に"躱す"ことに関しては天性のものがあるらしく、友人からは"玉避けのヨシ"と称されたほど。その行動から"サル"というあだ名で呼ばれることが多い。

 人の死には敏感であるので、槍働きは期待できない。自分の"人が死ぬのは嫌だ"という感覚もあるからか、同じ未来から来たはずの士郎が容赦なく人を殺すことに若干の違和感を感じている節がある。

 織田信奈に対しては文句ばかり言っているが、その実惹かれているところが多少なりともあり、彼女が無理していることを理解している数少ない人物。彼女を支えるのが当面の目標になっている。

 極端な女好きであり、女難体質。それに加えて余計な事を言ってしまう癖がある。何故か士郎からも同じ臭いがするとは本人の談。

 

 

 

 

織田信奈

 織田家当主にして自称日本一の美少女。自身の武力は無い代わり、聡明にして常に先を見定める眼を持つ少女。17歳。

 基本的に傍若無人であり、国や人の役に立つものであれば何であれ取り入れるだけの頭の柔らかさが特徴で、尾張が商業都市として発展したのも彼女の働きによるものが大きい。ただ、固定観念に縛られている戦国の世にしては「自由すぎる+ケチすぎる+先を見定めすぎている」こともあって、理解しようとしてくれる者は数少なく、理解者はほぼいなかった。ある日突然、相良良晴と出会ってからは全てが変わっていく。

 発想力が豊かな点は強みであるのだが、それ以上に重度の癇癪持ち。気に障ること(特に良晴関連)があれば、心無い言葉をついつい言ってしまうこともしばしばある模様。本人も気にしてはいるらしいが、"独占欲"が極端に強い信奈にとって良晴が他の女とイチャイチャしているのが我慢できないとのこと。これには育った環境も影響しているのかもしれない。

 衛宮士郎についてはかなりの信頼と期待を寄せているものの、彼を初めて見たときの背中がどこか儚く見えてしまったことを気にしており、彼の歪みに気付きそうな数少ない人物。

 

 

 

 

柴田勝家

 織田家家老。18歳であり、幼名は権六。信奈からは六と呼ばれている。

 姫武将であるが、恐るべき武力を持つ少女。戦場で暴れる姿を見た人間からは「まさに鬼のような暴れっぷり」とまで言われ、"鬼柴田"というあだ名までつけられるほど。

 その代わりと言うのもあれだが、頭が弱い傾向にあり、簡単な作戦が覚えられないなんてことははざらにある。良晴と比較されることは本当に嫌らしい。

 朗らかに笑う美少女で、良晴が「俺が今まで見てきた中でも一番の巨乳」というほどの胸の持ち主。この時代は巨乳がステータスにはならないのに加え、本人も邪魔だと感じている節がある。しかし、やはり揉まれることには抵抗がある模様。

 隠しているのだが、その心中には「女の子らしく在りたい」という願望を密かに抱えていて、同時に「そんなことはあたしにはできない」と考えているところがある。

 士郎の歪みや過去を知り得る、数少ない人物であり、彼のことを「頼れる兄」として見ている。無意識なのか笑った後に必ず辛そうな顔に戻る士郎のことを心配し、どこか弟のような感覚も抱く。

 

 

 

 

丹羽長秀

 年齢不詳(おそらく20そこそこ)のお姉さん。幼名は万千代。

 織田家中において数少ない信奈の理解者であり、国の管理をしてくれる縁の下の力持ち。地味ではあるが、彼女がいなければ織田家の天下統一などはあり得ないと言っても過言ではない。

 戦場において、基本的には後方支援を行うことが多い。長秀本人は薙刀の名人ではあるものの、部隊を引き連れることが大の苦手であるのが主な原因。

 世代交代が続いたことで織田家の家臣たちが若くなり、圧倒的に知識・経験不足になってしまったのだが、比較的年齢が高い長秀が話を聴き、そのまま纏めることが多いので「織田家の物知りお姉さん」と呼ばれることも。

 個性の強い織田家の中でも「採点癖」は異彩を放っているのだが、何故そのような癖がついたのか聞くのは厳禁。幼名の"万千代"と今の名である"五郎左"を掛けて、「満点娘が五点に落ちおったわ」と周りに馬鹿にされることが多く、人を厳しく採点することで黙らせるようになったのが原因。これにより婚期を逃すのではないかと長秀自身や周りも心配している。

 ひょんなことから士郎と同棲することになったのだが、それが二人の運命に大きく関わってしまうのだった。

 

 

 

 

鵜殿長照

 今川家家臣であり、大高城の次期当主だった男。織田本陣に奇襲をかける作戦は成功したものの、相次ぐ乱入者によって阻まれ、衛宮士郎との剣戟の果てに討ち死した。少し老け顔の23歳。

 生まれ育った教育だったのか、はたまた生まれつきの性格なのかはわからないものの、周りの人間に対して身分など関係なく付き合うところがある。それもあり、村の民や武士とも友好的な関係性。頭の回転もそこそこ。

 人を殺すこと自体が絶対的な悪だと考えており、護りたいと願って戦ったとしても、結局はただの人殺しである自分自身のことを蔑む癖がある。しかし、それ以上に護りたい存在がいる。その人たちの為に戦うことこそが正義だと信じ、衛宮士郎に向けても「自身の夢」を伝えた。その夢が、目の前の青年が追い続けた理想と近いことに二人とも気が付いてはいない。

 統率 武力 知力 政治 現充 合計

 72 78 71 74 92 389

 

 

 

 

蜂須賀五右衛門

 川並衆の頭領にして忍びのロリ。手を組んでいた木下藤吉郎が死んでしまったため、彼が認めた男である相良良晴と手を組むこととなった。

 忍びとしての能力は高いものの、戦闘は忍びの中ではあまり得意な方ではない。ただし、どんな怪我を負っても生きて帰ってくることを第一とするため、信頼を寄せられる。

 見た目と口調、30文字以上喋ると噛むというような癖によって幼女扱いされることが多い。

 

 

 

 

斉藤道三

 美濃の蝮と呼ばれ、恐れられる下剋上の代名詞。年老いてもなお衰えることのない眼光は人を突き刺すように見定め、見る者を凍りつかせる。

 織田信奈を天下を取るに相応しい人間と認める数少ない人物であり、彼女を支えられるであろう相良良晴にも信頼を寄せている。……のだが、衛宮士郎に対してだけは警戒心をなかなか解こうとしない。彼の眼は何も映しておらず、ああなっている人間は最早人ではないと考えるが故である。ある意味で、彼の異常性を一番に理解している人物。

 

 

 

 

明智光秀

 周りからは基本的に「十兵衛」と呼ばれる。外見で特徴的なのは非常に広いおでこで、そこに目を瞑れば完璧な美少女。生まれが高い位のためなのか、礼儀作法や茶などは完璧に行える。口癖や敬語が若干オカシイのは気のせいだろう。

 信奈の壮大な夢を聞いて、大きく価値観が動いた人間の一人。良晴のことは「信奈さまに仕えることとなったら、同じ新参者として信頼されるために争う敵」として認識している。士郎に関しては道三の忠告が頭を過ぎり、なかなか理解しようと思えない。

 素の頭がよく、とても勤勉な性格。そのためか思いつめることが多く、決してわざとではないのだか、それが大きな問題を引き起こすことも………。どこかの素直になれないうっかり娘と似ている気がしないでもない。

 

 

 

 

山本勘助

 甲斐・武田家の軍師。隻眼であり、眼帯をしている。軍師としては非常に優秀であり、武田信玄の右腕と言ってもよいほど。月を迎えた女性は守備範囲外らしく、幼女を尊いと崇める男。

 星を読む力がある。良晴と士郎がこの世界にやって来た前夜に「天命を動かす者」と「錬鉄の英雄」の星を見つけ、御屋形さまの運命を変えるためには二人の力が必要だと懸命に手を伸ばし続けた。

 

 

 

 

紅い外套の男

 衛宮士郎が死の間際に見た男。鷹を思わせるような鋭い眼に、色素が抜け落ちたかのような白髪をしている。彼が立っていた大地はどこか寂しく感じさせた。

 衛宮士郎は幻想に思っているが、実を言うと幻想ではないようである。

 

 

 

 

薄幸な歩き巫女

 武田信玄と上杉謙信による川中島の合戦か幾度となく繰り返され、両軍ともに荒れていく最中、信玄の願いと争いの早期決着を望む盲目の歩き巫女。

 見る者全てを魅了するほど美しく、気品高い。赤と白の巫女衣装を身に纏い、鈴のついた杖で移動する。何やら「錬鉄の英雄」を探し求めているようだが…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まだここにいたのか、セイバー」

 

「ええ、元マスターのことが気になりますからね。貴方もそうなのでしょう、アーチャー」

 

「さて、どうだろうな」

 

 『英霊の座』。ここには時間の概念がないため、未来・過去問わず様々な英雄が集う場所である。

 風そよぐ草原、果てしなく広がる青空。そんな青空の一部は水晶玉によって映像が流されていた。

 

「ここには時間の概念がないのは知っていたが、まさか奴のいる世界の映像を見ることが出来るとは思っていなかったよ。流石は『神代の魔女』といったところか」

 

「いえ、キャスター一人では不可能だと言っていました。成功出来たのは『同一人物』を触媒にしたから、と」

 

「私を使ったのか…。なるほど、合点がいった」

 

 本来、セイバー──アルトリア・ペンドラゴン──は守護者となるはずであったのだが、第五次聖杯戦争によって、自らの願いが間違いであると気付かされたのである。彼女の願いは「王の選定のやり直し」。つまり、自身が王となったことを間違いであると考えていた、ということ。

 そんな願いは、アーチャーと衛宮士郎の殺し合いで打ち砕かれた。そう、彼女が『剣』を抜いたことが間違いである訳ではない。結果として自らの望みが叶わず、ブリテンは滅びた。しかし、それは結果がそうであっただけである。その過程で笑顔になった者もいる。幸せになった者もいる。「私は間違えてなどいなかった」のである。

 第五次聖杯戦争終了後、そのまま『あの丘』へと帰還したのだが、聖杯を望む契約を破棄し、伝説通りにベディヴィエールに聖剣を任せ、そのまま息を引き取って英霊の座についたのだ。

 

 そして、紅の外套の男もだ。彼はあくまでも『守護者』であり、世界が破滅することのないように駆り出される、言わば『掃除屋』である。

 

「まさか、あの小僧が英霊となるとはな。世界との契約を結ばず、どういった形であれ、周りからの信仰だけでなるとは。いやいや、恐れ入ったよ」

 

「はい。しかし、貴方にとっても好都合ではあるのでしょう?」

 

「……あぁ。奴が死ぬまでは代理として英霊『衛宮士郎』の座につくこととなったからな。殺し屋の荷が降りて清々したよ」

 

 フッ、とわざとらしく右腕を上げるアーチャー。見れば見るほど彼と同一人物だとは思えない。

 

「平行世界の『衛宮士郎』であるから起きたことなのでしょうね。では、シロウが亡くなった場合は…?」

 

「さあな、恐らくは元通りに戻るだけだろう。『衛宮士郎』は此処に呼ばれ、『エミヤシロウ』は守護者として掃除屋に戻るだけだ」

 

「……そうですか」

 

「なに、そんな暗い顔をするな。私はあの時に奴を殺さなかったことを後悔することもあるかもしれん。でも────」

 

 セイバーの位置からでは彼の表情は見て取れない。でも、何となくわかるような気がした。

 

「────正義の味方という理想は、決して、間違いではなかったのだからな」

 

 彼は、感情を抑えきれないように口元が釣り上がっているのだが、それに二人とも、気づくことはなかった。

 

「答えを得たからこそ、貴方は彼を救けたのですか?」

 

「ふん、受けた借りを返しただけだ。記憶喪失でそのまま死んだなど、オレとしても寝覚めが悪い」

 

「そうですか。…ふふ、貴方は正直ではないのですね。キャスターに『奴の心象世界へオレを飛ばせ、キャスター!柳洞寺で見逃した借りを返したまえ!』と詰め寄ったことを忘れることなどありませんよ」

 

「…私としても、奴の生き方には思う所があるからな。以前から私には女難の相があると思っていたが、奴はそれ以上だった。なに、流石に同情しただけだよ」

 

 ああ、その通りだ。私は最後まで桜に「聖杯の欠片」が埋められていることに気づかなかった。それ以上に、■■■■■■が新興団体を作ることなどなかったのだ。奴は悪を切り捨てて、理想に裏切られて。それでもなお走り続けて。そして。…………壊れた。

 

「シロウ、貴方が幸せを見つけられることを遠くから見守っています」

 

 彼の最初の一日は、こうして終わりを告げた。




 ご都合主義始まりました、零です。
 英霊の座なのですが、アニメ版UBWでの25話のアーチャーや、ゲーム版のEDで衛宮士郎とセイバーが座の草原で出逢うシーンから想像して書いてます。型月の世界観は全く詳しくないため、「こういうこと」として捉えてください()
 また、セイバーが座についているのは作中に書いたとおり、「過ちに気がついた」ために契約を破棄したセイバーであるためです。アーチャーに関しても、衛宮士郎の代理として英霊の座についているだけとなります。
 小説外の話にはなりますが、お気に入り登録や高評価ありがとうございます。日間ランキングに載っていてびっくりしました。モチベーションが高まりますね。今回のセイバーとアーチャーの会話も少し後に投稿する予定でしたが、伏線放置したままはどうかと思いましたので投稿することとなりました。
 ちなみに本作ではまだ登場していない人物、「薄幸な歩き巫女」も紹介してありますが、今後のストーリーに深く関わる予定なので先に公開しました。まぁ、判る方にはこの人物が誰か、すぐに判ると思いますがね。一応織田信奈の野望にも出てきてますし。
 僕の話なのですが、広島と奈良へ受験しに行く関係上、なかなか更新が難しくなってしまいます。また、浪人する可能性も充分あるため更新についてはゆっくりと待っていただければ幸いです。趣味がFGOとカラオケ、そしてこの小説投稿しかないので、浪人中でも月一以上は更新したいんですがね…。とにかくこれからも「織田信奈と正義の味方」をよろしくお願いします。
 さぁ、話も長くなってしまいたので、この辺で失礼します。感想や評価お待ちしてますよ!

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