そこで出会ったのは……
昼を過ぎて時計が十四時になろうかと言う時、僕は蒸し暑い空気の中を泳ぐように歩き、とある場所に立ち尽くしていた。そこは時代遅れなペンシルビルの間、二階建ての木造建築で、今にも崩れ落ちそうな豪邸に見えるその入り口の前。どうやらその場所が、手ぶらの僕が目指していたらしい場所だった。
入り口は磨りガラスの引き戸で、古本屋、とだけ書かれたトタンの看板が引き戸の上にかけられている。
僕は、ゆっくりとその引き戸を開ける。立て付けが悪いのか、単に古いだけなのか、がたぴしつっかえながらもすんなりと開けて中に入ると、その中の様子に息を飲んだ。
二階建てだと思っていたが、二階ぶち抜きになっていて、壁一面が本棚だったからだ。
表通りを車が通る音がすると、それだけで本棚は軋み、今にも本が崩れ落ちそう。でも、奇跡的なバランスがそうさせているのか、本は崩れながらバランスを保ち、元の位置に戻っていた。
床にも当然のように本が積まれ、人一人がようやく歩けるような細い廊下の奥から、年若い老婆の声が聞こえる。
「おやおや、珍しい。こんな店に客が来るなんてねぇ。ようこそ、何かお探しかね」
推察するに、どうやらこの古本屋のオーナーだろう。僕は、そのオーナーを一瞥すると、高い高い本棚を見上げて、
「多分、あの本です。すみませんが、見せて頂けませんか?」
と、言った。
「ほっほっほ、あれがほしいのかい。奇特な若者もいたものだて。なあ、 」
「おや、いいのかい? こりゃ驚いた。坊や。あんた見込まれたねぇ。いいよ、それ、もってきな。お代はいらないよ」
独り言なのか、その老婆は僕に言うと、いつの間にか手にしていたその分厚い本を僕に手渡した。そうして、用は済んだらとっととおかえり、とでも言うかのようにしっ、しっ、と手を振る。
頭を下げて立て付けの悪い引き戸を開けて出て行く。
僕は、肩に下げた鞄に手を入れてその本を取り出した。表紙もない、裏表紙も何もないけど百科事典のように分厚い本で、ページも一ページしかなく、二ページ目も存在しなかった。
ともかく表紙をめくると、そこには全てがあった。 と書かれた二バイト文字一つで、人間が知る全ての文字と情報はもちろん、ありとあらゆる文字が表現されていた。
それどころか、 宙でつか れている文 をも表 し いた。もち ん、 くはそのげ 語を知って は もない 、何故 こと 文字を見 だけでそ が理解で た。なんてこ だ、ぼ はこ 文字の
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「おかえり、 、早かったじゃないか。あいつの言葉はうまかったかい?」
「そうかい、そりゃよかった。それで、いつになったらこんな店番から解放させてくれるのかね。こう見えてもあたしゃ親父の言う事をやらなきゃならないんだ……ああ、わかったわかった。もうしばらく店番してやるよ」
オリジナルの神性のクトゥルーものです。
まぁ、わけわかんないと思います。
自分の中にあるコズミックホラーの要素というものを露骨に出して表現するとこうなりました。
登場した神は、一文字で全宇宙全ての文字や情報を表現しているという神で、名前は存在しているのですが、人間には読めないのでスペースで処理しました。
気が向くと、登場した少年のように情報として取り込み、自分のものにしてしまうという、別段大したことのない神性です。