涼風青葉がもしも、意識高い系だったら……どんな仕事ぶりになるのでしょうか。

青葉ちゃんが、雑誌のインタビューに答える形式で書いてみました。

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私、涼風 “意識高い系” 青葉ですっ!

え、えへへ。

なんだか緊張しちゃいますね。

こんな、密着インタビューだなんて、初めてだから。

お兄さんの雑誌は、『働く女の子の特集記事』を書いているんですよね?

私、まだ社会人一年目ですけど……お仕事、頑張りたいって思っています。

インタビューも、頑張っちゃいますね。

 

え?

そろそろ開始ですか?

わかりました。

まずは、自己紹介からですねっ。

 

※※※

 

こんにちはっ。

私、涼風青葉です。

 

この春、憧れのゲーム会社に入社することができました!

イーグル・ジャンプっていって、私が子供の頃に大好きになったゲームを作った会社です。

 

せっかく、ずっと夢見ていたお仕事に就くことができたんです。

失敗しないように、頑張らなきゃって思ってます。

少しでも自己能力を高めて、会社に貢献したいと思っています。

 

※※※

 

私の朝は早いです。

学生時代は、ぐーたらとギリギリまで寝ていたのですが、今はもう立派な社会人です。

ちゃんと余裕をもって起きるようにしています。

朝からお風呂に入って、髪をきっちりとセットして、昨日のうちにアイロンをかけておいたスーツに身を包みます。

お気に入りのスーツは、銀座のトゥモ○ーランドで購入したセミ・オーダースーツです!

え?

高かったんじゃないかって?

いえいえ、これは自己投資ですよ。

ボーナスをつぎ込んじゃいました。

あはは。

でも、やっぱり、いいスーツってこう、自分の体を包み込んでくれるみたいなんです。

スーツは社会人の戦闘服だってよく言いますよね。

それなら、いいものを着ておかないと。

生地にはこだわっていますよ。

REDA社の柔らかくて光沢のあるものなんです。

Super180sって、さすがに柔らかすぎてデイリーユーズには向かないけど、これは120sだからちょうどいいっていうか。

銀座以外にもトゥモ○ーランドはあるけど、ですか?

そこはほら。

同じ服でも、買う場の空気って大切だと思うんです。

銀座の空気をはらんだスーツが買いたくて。

もちろん青山でもよかったんですけど、ビジネスユーズのスーツを買うなら銀座かなって。

私、そういうフィーリングは大事にしたいんです。

そうそう。

髪をセットするのには、パ○ソニックのナノイーを使用しています。

普通のドライヤーの3倍ぐらいのお値段がするんですけど、マイナスイオンを豊富に含んだ風が送られてくるので、しっとり、ふんわりとダメージをケアしてくれるんです。

 

家を出るときには、バッグにお気に入りの水素水のペットボトルを一本忍ばせます。

コンビニではあんまり売っていないんですよね。

ゲーム開発は過酷なお仕事ですから。

普段から、体を気遣っていたいっていうか。

 

さて。

余裕を持って家を出ると、駅前のスターバックスでモーニングコーヒーを飲みます。

もちろん阿佐ヶ谷の駅前ではありませんよ。

会社のそばのスターバックスってほら、なんだかほかの社員さんに出会いそうじゃないですか。

そういうのってちょっと違いうなっていうか。

仕事を目一杯やる前の、自分だけの時間を大切にしたいんです。

それで一日の元気をチャージする感じ。

カップはもちろん、マグカップをオーダーします。

紙のカップって、結局エコじゃないから。

今の時代、地球のこともちゃんと考えていきたいんです。

ちょっとお財布に余裕があったら、リザーヴを利用しますね。

スタバのコーヒーってお手軽だけど、それだけじゃ満足できない時もあるから。

いい産地のいい豆って、やっぱり違うんですよ。

こう、香りとか、味とか、すべてがエクスクルージヴなんです。

 

※※※

 

通勤電車の中は、大切な勉強時間です。

イヤホンで英語の語学学習データを聞いたり、自己啓発書を読んだりしています。

え?

ゲーム開発に英語は必要あるのか、ですか?

もちろん、今すぐは必要ないと思いますよ。

でも、これからってグローバルの時代でしょ?

職場が英語で会話することが前提になるかもしれないし、海外人材も増えてくるかもしれない。

そういう時、やっぱり英語って、共通言語になると思うんです。

TOEICにも近いうち、挑戦したいと思っています。

いざというとき、即戦力になれる人材でありたいですから!

え?

読んでいる本ですか?

アハハ、ちょっと照れちゃいますけど、教えちゃいますね。

最近読んでいるのは、これです。

『もしもあなたが部下を持ったら』

まだ新米の私ですけど、いつかは部下を持つことになるだろうし、そういう時、素敵な上司になりたいですから。

え、えへへ。

 

※※※

 

会社に着くと、まずは自分のデスク周りを綺麗にします。

主に、小物類の配置場所の再整理ですね。

こういうのも、仕事を効率よくやっていくうえですごく大事なんです。

道具って自分の手足ですから。

一番最適な位置に置いておきたいじゃないですか。

最近よく、ゆんさんが睨んでくるんですよね。

先日なんてひどいんですよ。

 

「モノいじって遊んでないで、はよ作業しぃや!」

 

とか言ってくるんです。

関西弁ってちょっと苦手なんですよね、私。

自己主張が強すぎるっていうか。

自分の視点を押し付けられても困っちゃいますよね。

私は、デスクを最適化しようとしているのに、そのことを理解せずに勝手に怒っているんですから。

今度、自己啓発本でも貸してあげようかな。

効率的仕事術とか、タスク管理とか、そういうの。

え?

ほかの社員さんですか?

そうですねぇ。

気になるのは、ひふみ先輩かな。

あの人のところで、連絡ごとが止まっちゃうことが多いんです。

あの人ってほら、何事にも慎重慎重でしょ。

頭の中でシミュレーションしすぎて、情報の共有化とか、素早い伝達とかがちっともできていないんですよね。

自分で勝手に処理しちゃおうとするっていうか。

それって結局、彼女がボトルネックになっちゃうと思うんですよ。

わかります?

ボトルネック。

情報って鮮度が大切じゃないですか。

早い段階で共有することで分かってくる問題もあると思うし。

そういうこと、あの人には理解してほしいですね。

あとはまぁ、はじめさんですかね。

あの人の、仕事に対する姿勢そのものがちょっと気になっちゃって。

 

「これは資料だぁ!」

 

とか言ってるけど、おもちゃを振り回して遊んでいるのは、ちょっとどうかなと。

あの人見てると、趣味とお仕事と、どっちにプライオリティおいてるんだろう?って疑問を感じちゃうんですよ。

デスクがほら、自分の趣味のものでいっぱいになってるでしょ?

あぁいうのって、製作チーム全体の士気を下げる要因にもなると思うんです。

デスクの私用化はよくないですよ。

一人やりだすと、ほかの人もみんな「それじゃ自分も」ってなっちゃいます。

え?

私のデスク?

このアロマディフューザーですか?

えへへ、可愛いでしょ。

フラン・フランで買ったんですよ。

ハードワークに疲れちゃったとき、このアロマで頭をほぐすんです。

空気を清浄化する効果もあるんですよ。

 

※※※

 

お昼は、いつも外に食べに行きます。

気分をリフレッシュしたいですから。

大体いつも、野菜をふんだんに使ったランチを食べています。

そのあとは、本屋さんかな。

ざっとビジネス書のコーナーを見渡して……。

あ、これ、役に立ちそう。

これも。

こんな風に、ついつい数冊買っちゃうことも多いんです。

また見せるんですか?

しょうがないですねぇ。

はい、この3冊を買っちゃいました。

 

『人を動かす言葉』

『アジェンダですべてが決まる』

『世界最強の広報。僕はこうして売れない商品を売れる商品に変えた』

 

※※※

 

午後は、会議が入りました。

会議はいつも緊張します。

けれど、これも勉強の場ですからね。

自分を磨くんだっていう気持ちで積極的に発言しています。

そもそも、ゲーム会社って、ほら、専門職の集まりじゃないですか。

それぞれのラインが自分のところの主張ばっかしちゃってる。

それじゃだめだと思うんですけどねー。

本当はね、そういうのって、全体を見回せるプロジェクトリーダーが必要だと思うんです。

横の会話を成立させるっていうか、責任の所在をきっちり決めておくっていうか。

でもほら、例えば八神さんって、グラフィッカー上がりの人じゃないですか。

前のめりになりやすい性格だし。

技術屋さんとしては素晴らしいし、もちろん尊敬しているんですけど、ディレクションを行えるかどうかは疑問ですよね。

この間も、制作進行マターのタスクをプログラマーに投げちゃってたみたいだし。

そこじゃソリューションできないでしょっ!って突っ込みいれそうになっちゃいました。

 

会社がね、もっとリーダー育成に力を入れるべきなんですよ。

現場から上がるにしても、PTを引っ張るためにどうするべきかとか、その辺のことは研修会とかきっちりとやるべきじゃないかな。

私ですか?

実は先日も、休日を使って、自分で研修に行ってきたんですよ。

恵比寿で、ビジネススキルを上げるためのセミナーがやっていたから、会費20000円払って参加してきました。

もちろん自腹です。

でも、すっごく勉強になりましたよ。

テレビとか雑誌に出ているような人がマイクを持つときもありますし、大学の教授さんがお話しすることもあるんです。

え?

この人は大学の教授じゃない?

何言ってるんですかー。

ほら、書いてあるじゃないですか、ここに。

慶○大学、特別非常勤臨時講師って。

自治体のコンサルティングとかもやってる人なんですよ。

すごいですよね。

ご自身の団体も設立しているそうです。

公共総合経済研究所って書いてあります。

なんかカッコいいですよね。

何の研究をしているのでしょう。

分からないけど、きっとすごいと思うんです。

 

※※※

 

さて、今日は早めにお仕事を上がることにしました。

サボっているわけじゃありません。

メリハリをつけて仕事するのって大事なことなんですよ。

やるべき作業がないのにだらだらと会社にいるのは、会社にとっても迷惑ですし、自分自身にとっても時間の浪費です。

ゲーム会社って、繁忙期とそうでない時の差が激しいんです。

開発のタイミングとか、どれだけのラインが動いているかとか、そういうので泊まり込みになったり、すっごく暇だったりするんです。

まぁ、“上”のスケジュール管理に問題があるような気もするんですけどね。

企画の通し方がおかしいんですよね。

グランドデザインが描けていないっていうか。

場当たり的に企画を通すから、スケジュール管理が成り立たなくなってくるんです。

私、いつかは自分が経営してみたいですね。

今の“上”みたいなのじゃなくて、ちゃんとタスク管理して、全体を見渡したスケジューリングをしていきたい。

あ、これは内緒ですよ。

今日はちょっと、話しすぎちゃってますね。

あなたが聞き上手だから……。

 

このあとですか?

そうですね。

いつもなら、ビジネス書を読んで自己研鑽をするんですけど、今日はちょっと特別です。

学生時代のお友達と会うんですよ。

ねねっちって言って、とってもかわいい子です。

でも……。

最近はちょっと、会話がかみ合わないんですよね。

彼女、まだ学生なんです。

大学に行っていて、働いたことがないっていうか。

そうするとほら、やっぱり、お仕事の厳しさとかそういうの、わからないじゃないですか。

時々、会話がちんぷんかんぷんになるんです。

私とか、毎日お仕事して、その間を縫っていろいろなセミナーとか通って、自己啓発本を読んで、どんどん自分を高めようとしているわけじゃないですか。

それに対して、ねねっちは、こう、モラトリアムなんですよね。

本気度が足りないっていうか。

この間も二人で喫茶店でお話ししていて。

大学の知り合いの根拠のないコイバナの噂話みたいなのを楽しそうにダラダラと話すんです。

それで私、

 

「そんなの水掛け論だよ。エビデンスを示してくれなくちゃ」

 

って言ったら、むすっとして睨みつけてくるんですよ。

 

「あおっち、変わったね……」

 

とか言ってくるんです。

私、ちょっとむっとしちゃって。

思わず、

 

「リテラシーが欠如してるんじゃない? 私の言ってることが理解できないなんて」

 

って意地悪言っちゃいました。

今日は、仲直りしようと思います。

ねねっちはまだ学生なんだから、世間知らずで当たり前ですもんね。

私が、広い心で受け止めなきゃ。

そうでないと、いい社会人にはなれませんから。

 

※※※※※※※

※※※※※※※

※※※※※※※

 

「それではっ」

 

インタビュアーのお兄さんに、私は笑顔で元気よく手を振りました。

お兄さんも、微笑んで手を振り返してくれます。

初めての体験でしたけど、とっても楽しかったです。

あっ。

もうこんな時間だ。

待たせたら、ねねっちが怒っちゃうかも。

私は、ぺこりとお辞儀をして、走り出しました。

ふと振り返った時、お兄さんはまだこちらを見ていました。

笑顔だったんだけど、なんだか憐れむような目つきで。

 

う~ん……。

どうしてだろう?

 

ま、いいか。

 

明日からのお仕事もがんばるぞい♪




ニューゲームで、職場が意識高い系ってIFを前々から書いてみたかったので、手始めに青葉ちゃんを意識高い系にしてみました。
本当は、全員意識高い系で、延々とそういう会話を続けるってのにしたかったんだけど、映像がないと成立させるのは難しいなと。
映像があれば、シュールなギャグになりそうなんだが。
しかし、意識高い系な言い回しって書いてみると難しい。
これでいいのだろうか?

ちなみに、僕は過去にゲーム製作会社に勤めていたことがあるのですが、ニューゲームの一巻を読んだ時、「え? この作者さんって、まさかうちの会社に勤めてた人じゃないよね?」と思ってしまいました。
キャラを美少女として描いていますが、人物造型的には割とリアルな部分があるんですよね。
こういう奴、いたよ!的な。

ボーナスは・・・出るってことにしといてください・・・出るってことに・・・。

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