こちらもできるだけ更新していくのでよろしくお願いします。
「それで話ってなんだ明久?」
「話しっていうのは教室のことについてなんだけど、なんとかならないかな?」
「ああ、Fクラスのことか。あれは思った以上にひどいもんだよな」
「やっぱり雄二もそう思うでしょ?だから僕たちがなんとかしてやりたいんだけど・・・」
「まったく・・・Aクラスと比べるとほんとに悲惨だよな。この学園長はほんとに勉学に励ませるようにしようとしてるのかわからんぞ」
ひび割れた黒板に腐ったたたみ、手をのっけただけで壊れる教卓、さらにはチョークすらないFクラスと、黒板ではなく何万するかわからないプラズマディスプレイや、その他もろもろ。こんなの不満を持たない人間がいたら、それは単なるバカではなく大馬鹿野郎だろう。
「雄二も不満あるでしょ?だから僕提案があるんだ。これから試召戦争をやらない?」
「明久それは本気で言っているのか?」
「もちろん。相手はAクラスだよ。冗談とかじゃないからね?」
「・・・それで、なんで試召戦争がしたいんだ?理由を言ってくれ」
雄二は僕に眼光を鋭くして言ってくる。理由?そんなの決まってるじゃないか。
「ぼ、ぼくはべんきょうがしたいんだ。だからせつびがととのわないと・・・」
「声を震わしてなにを言うかと思えば、お前が勉強?はっ、バカも休み休み言いやがれ。さっさと言わないと試召戦争に協力してやらんぞ?」
「だあああ!わかったから!いうよ!・・・はぁ、瑞希ちゃんは体弱いからさ、あんなところにいたら体調崩しちゃうでしょ?それに病み上がりだからさ。また風邪がぶり返しちゃうよ」
「やっといったか。理由はわかってるがやはり本人の口から言ってもらわんとな。しかし、明久はそんなに姫路のことが好きだったんだな」
やれやれといった感じで言った後、みるものをイラつかせるようなニヤニヤした顔をして僕を見る雄二。相談する相手を間違えたかな?
「まあ、嫌いではないよ。どっちかっていうと好きかな?」
溜息を吐き、呆れ顔で姫路もたいへんだなと言われた。む、なにが言いたいのさ。
「まあいいさ。あとな、お前に言われる前にAクラスに試召戦争を仕掛けようと思っていたところだったしな。ちょうどいい」
「え?そうなの?雄二そんな勉強してないよね?多少してたみたいだけど」
「ああ。ちょっと・・・な」
急に哀愁に満ちた目と死んだような顔に豹変した。翔子さんとなにかあったのだろうか?
「どうしたのさ?もしかして翔子さんとなにかあったの?」
「・・・そうだ。笑っちまうよな・・・。確かに翔子は綺麗で俺に尽くしてくれる。だがな!俺はもう少し遊びたいんだ!ほかの女とも付き合ってみたいんだよ!」
「その言葉モテない男の前で言ってみたら?間違いなく殺されるよ?それに若干キャラも崩壊してる」
「ああ。自分でも思ったが別に思ったことを口にしただけだ。後悔はない。話は戻すが、Aクラスに勝つ作戦も思いついている。任せろ。そうこうしてるうちに先生が戻ってきたぞ。中に入るか」
「あ、うん」
雄二との話は終了し、僕たちは教室に入っていく。そして、自己紹介が終了し最後僕らのクラスの代表雄二の番になった。先生に名前を呼ばれた後、席を立ち教壇に歩み寄る。いつものふざけた感じではなく、クラス代表としての顔付になっていた。この顔を見た翔子さんの反応はきっと顔を赤くしながら写真を撮って待ち受けにしそうだ。
雄二は教壇にあがり僕たちのほうに顔を向けた。
「俺はFクラス代表の坂本雄二だ。俺のことは代表、雄二、坂本等呼び方はなんでもいい。好きなふうに呼んでくれ。それでだ、俺はお前たちに問う」
雄二が教壇に上がる前はざわざわと話声やゲームをしていたバカの集団のやつらがいまでは雄二のほうに注目している。雄二はみんなを仕切るのは得意だ。いつもなにかあったときとか、なにが一番効率がいいとかを考えてみんなに仕事を分担させるのがほんとにうまかった。下手すれば先生より頼りになるかもしれない。
みんなの様子を確認したあと、雄二の視線は教室内を見回す。
かび臭い教室、古く汚れた綿もない座布団、薄汚れたちゃぶ台。
つられて僕らも雄二がみたところをみてしまう。
「Aクラスは冷暖房完備、座席はリクライニングシートらしいが、お前らはこの現状に不満はないのか?」
「「「「「「」大ありじゃああああああ!!!!!!!!」」」」」
F組の、みんなの不満を外に絶対聞こえる音量で叫ぶ。
「そうだよな?俺も不満だ。代表としてこれはどうにかしたいと思っている」
「そうだそうだ!」
「いくら学費が安いからと言ってこの設備はあんまりだ!改善を要求する!」
「それにAクラスのやつらの学費って俺たちと同じなんだろ?あまりに差がひどすぎだろ!そくったれが!!」
「みんながどう思っているのかよーくわかった。そこでだ」
級友たちの反応を見て満足したのか、よく言えば自信に満ちた顔、悪く言えば、これから悪いことを考えている顔で不敵に笑みを浮かべて彼らに言う。
「俺はお前らの要望に応えてやろう。この現状を打破する方法は一つだけある」
「なんだそれは!?はやくいえよ!」
「それはだな・・・Aクラスに試召戦争を仕掛けて勝利することだ!」
充分に間をあけた後Fクラス代表でもあり、僕の親友でもある坂本雄二がみんなの不満を叶えてやると啖呵を切った。が、これの本音は自分の自由が少しでも長くするためのいわば自分勝手な行動だ。そんなことを知らない彼らはどんどん雄二の策略に嵌っていく。だが、まだ雄二の言ったことができるわけがないといっているやつらも少なからずいた。
「いくらなんでも勝てるわけがないだろ」
「これ以上設備を落とされることは避けたいよな」
「姫路さんがいるなら他はなんにもいらない」
そんな悲鳴がポロポロとあちこちから聞こえてくる。おい誰だ、最後に言ったやつ。表でろ。瑞希ちゃんに手を出すやつは許さない。
AクラスとFクラスの戦力差は誰が見ても明らかだ。簡単に言うならば、赤ちゃんが武器を持った大人に勝負を挑みに行くものだ。だからみんなが言いたいこともわからないでもない。
「そんなことない。必ず俺が勝たせてやる」
どんなに圧倒的な戦力差でも僕たちFクラスが勝たせると宣言した。
「なにをバカなことをそんなの無理に決まってるだろう」
「何を根拠にそんなことをいってるんだ」
みんなから否定的なことを言われ続けているが、それでもなお雄二は自信満々の表情でいる。よほどその考え付いた作戦はいいんだろう。
「根拠ならある。このクラスには試召戦争で勝つことができる要素が完璧に揃っているんだからな。」
がやがやとみんながなんだそれ?と疑問の声が飛び交う。
「まずは、おい、康太―――ムッツリーニ。畳に顔を付けて姫路のスカートをのぞいてないでこっちこい」
「・・・そんなことしてない」
「ひゃわっ!」
「ちょっと待て、ムッツリーニ。雄二のところに行く前に僕のところに来てほしい。さあはやく!!」
必死になって手を左右にぶんぶんと否定のポーズをとる土屋康太―――ムッツリーニで僕の友人だ。だがいまは友人ではない!瑞希ちゃんのスカートの中を覗こうとした罪・・・その身をもって償うがいい!!
「ムッツリーニ、いますぐ明久のところいって謝ってこい」
「・・・わかった」
ムッツリーニはこちらに歩み寄ってくる。ふふふ・・・瑞希ちゃんのスカートをのぞくなんてうらやま・・・じゃなくてうらやましい!そんなことをするやつはこの僕が・・・ムッツリーニが僕の耳元でなにかを呟いた。
「・・・許してくれるなら、姫路瑞希の写真集1セット5000円のところ3000円で売る」
「よし買おう。あとで払う」
仲直りの握手をしてムッツリーニは雄二のもとへ。うん、ちょっと出費がいたいけど、これでまたコレクションが増える。ありがたきムッツリーニ様!
「なにを話していたんですか?」
「え!?な、なんでもないよ!瑞希ちゃんには関係ない話だから!」
「でも、私がどうとかって・・・」
「ほんとになんでもないんです。あ、ほら雄二がなにか言ってるから聞こう!」
無理やり瑞希ちゃんとの会話を終了させる。危なかった・・・これ以上詮索されたらボロがでるところだったよ・・・。
そんな瑞希ちゃんとやり取りをやっていたらムッツリーニの紹介は終わっていたようだ。
「姫路のことはいまさらいわなくてもいいだろ?みんなも彼女の力は知っているはずだ」
「え?わ、たしですか?」
「ああ。Fクラスの主戦力だ。期待している」
みんなからすごい期待されてるような視線・・・ではなくほとんどの人は熱い視線を送っている。
「そうだな。俺たちには姫路さんがいる」
「彼女ならAクラスにも引けを取らないな」
「彼女がいればなにもいらないしな」
「誰ださっきから瑞希ちゃんにラブコール送っているやつは?」
「抑えろ明久。そんなに怒りを全面にださなくてもいいだろうが。誰もお前の姫路をとらんから安心しろ」
雄二からまさかのニヤニヤしながらの茶化し発言。この発言に僕は顔が熱くなり、なぜかなにも言い返せなかった。
「・・・!くっ!」
「な、なにをいっているんですか坂本君!・・・もぅ・・・」
彼女も恥ずかしかったのか顔を赤くしながら反論したがすぐに引っ込んだ。チラチラとこっちを見てくるが僕は恥ずかしくてそんなこともできなかった。いうまでもないが、さっきから雄二、ムッツリーニ、秀吉以外の人たちから殺気が主に僕に集まっているのは言うまでもない。
「さあ、いじるのもこれくらいにして、話しの続きだ。木下秀吉もいる」
学歴は結構上位にいつもいるんだけど、そういえばなんでこんなところにいるんだろう?それに演劇部のホープという噂もあるね。
「ああ、確か木下優子の双子の・・・」
「当然俺も全力でやるつもりだ」
「確か坂本は小学のとき神童だったってきいたことあるぞ!」
「そうなのか!?じゃあ、坂本も振り分け試験の時は体調不良だったのか!」
「実力はAクラス並なのか!これは期待できるぞ!」
どんどんクラスの士気がが確実にあがっているのを感じる。さすが雄二だ。すごいや。
「それに、吉井明久もいる」
雄二が僕の名前を言ったとたんに教室が静かになった。
「なんで僕の名前を言うのさ!僕の名前を言う必要なんてなかったよね!?」
「吉井明久というのかあいつ」
「いつも姫路さんとイチャイチャしているうらやましいやつ」
「でも、確か坂本と比べると学力は劣るがそれでも力はあるんだっけか。だけど、観察処分者っていう残念なやつ」
あれ、最後の人以外の人が殺気が・・・。
「そうだ。こいつはバカだが、戦力に数えるくらいには役に立つ。これが俺の、俺たちの仲間であり、戦友だ!力を合わせてAクラスの設備を俺たちの手に!」
「おおおおおおおおぉぉぉぉぉぉぉおおお!!」
「いくぞ!全員ペンを執れ!出陣の準備だ!」
「うおおおおおぉぉぉぉぉぉ!!」
「お、おー?」
クラスの雰囲気が最高潮に盛り上がり、瑞希ちゃんも圧されたのか小さく拳を握りしめて揚げていた。かわいいな。よし、これから戦争できついこともあるだろうけどがんばろう!
「ということだ、明久。お前にはDクラスへの宣戦布告の使者になってもらう。安心しろ、俺もついていくからよ」
・・・は?なにか知らない間に僕はDクラスの使者にならないといけないようです。なんで僕がそんなことを・・・。まあ、雄二が行くならいくけどさ・・・。
ここできらせてもらいます。
キリが悪いですけどね・・・。
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