私と旦那様と祝福された純白の日々   作:カピバラ@番長

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夜空って良いですよね。いろんな夢と希望が見えて不思議な気持ちになります。
でも、長い間見続けてると不安にもなるんですよね。
なんというか、あまりにも広大で永久な夜空は見上げているだけで吸われそうな気になってどんどんと恐ろしくなるのです。
えぇ、隣に別の人がいればそんなことはないんでしょうけどね!(半ギレ)

では、どうぞ。



第二十二話 白い息と煌めく空

ここは私達の家の庭。毎朝彼を送り出し、時に石碑の掃除をするために通る道。

なのに今は全く別の景色になっていた。

時刻は夜遅く。過ごしやすい季節のはずなのに吐く息が白い。

時折身震いする身体が求めるのは隣に座る彼の温もりと足元にある水筒の中のお茶。

 

「綺麗ねー」

 

「うん。

星を見上げるのなんてどの位振りだろう」

 

今日のお昼に作った即席の木製のベンチに仲良く座って身を寄せ合い、まばゆい星を眺める。

こんなにもロマンチックな夜空を静かに見上げられるのは、人里離れた場所に家を作ったから。

この星空は私達だけのもののように思えて気持ちがいい。

 

「…本当はね。私、夜が好きじゃなかったの」

 

思わず漏れた言葉に彼は不思議そうに首を傾げる。

 

「そうだったんだ。初耳」

 

「ふふ、誰にも言ってなかったからね。

…夜が来ると、眠くなるから、あいつらを追い詰められなかったし」

 

「…なるほど。

そう言うことなら、確かに僕も嫌いだったな」

 

「あら、似た者同士ね」

 

微笑みあって空に想いを馳せる。

星座と呼ばれるものに知識は深く無く、そこで綴られた物語は一つ二つしか知らない。

でも、そんなのは些細な事だ。

重要なのは何を見上げるのかじゃ無く、誰と見上げるのか、だから。

もちろん、知ってるに越したことはないけどね。

 

「ゼシカはさ、どうして星は輝いてるんだと思う?」

 

「え?」

 

ふとした質問に悩む。

星が光るのは恒星がどうのって話を聞いたことがあるけど、多分そういうことじゃない。

なんて答えればいいのか分からず考えていると。

 

「僕はね、人を導くためだと思うんだ。

ほら、道に迷った時は北斗星を探せって、聞いたことあるでしょ?アレと同じで、星の光にはそれぞれ意味があって、見た人が何かを感じて行動するんだと思うんだ」

 

言い合えて「なんて、変かな」と苦笑いを浮かべた。

 

「…私は、見守ってくれてるんじゃないかなって思うわ。

なんていうか、上手く言えないけど…。あなたの考え方に近いのかな。星の数だけ誰かの優しさがあってそれを見た人が勝手に見出すの。

そうすると、ほら、勇気が出てくるじゃない?あんなに光ってるんだから自分も負けないぞーって」

 

自分で言っててよくわからない言葉に、けど彼は笑顔を持って答える。

 

「…うん、確かにそうかも。こうやって星を見てると胸が高鳴るのはそういうことなのかも」

 

空に昇って霧散する彼の白い息。星を見上げる横顔はなんだかとっても綺麗だ。

 

「ねぇ、あなた」

 

不意に呼んで振り向かせる。

なに?と言わんばかりの唇に、私は言われるより早く塞いだ。

 

「…ん。

星空の下にするのも、中々良いわね。クセになりそう」

 

「…驚いた。

するならするって言って欲しかったな」

 

「あら?嫌だったかしら」

 

あっけにとられてぼうっとする彼の口元に人差し指を触れさせる。丁度、小さい子に、静かにするように、ってジェスチャーするみたいに。

すると彼はその手を取って自分の首の後ろに回すように私を引き寄せると。

 

「…お返し」

 

そのまま私にちゅーをした。

 

「…あ、あはは。思ったより心臓に悪いわね」

 

「嫌だった?」

 

なんて少し前の私のように切り返す表情は無邪気ないたずらっ子のようだ。

ふぅん、なるほど。仕返しってわけね。いいわ、それなら私だって。

 

「あなた?絶対私のこと、(離さないでね)」

 

抱き付き、耳元で囁く。息を多めにしてくすぐるように。ボソリと。

 

「…ずるいな。僕じゃ上手く真似出来ない」

 

「当然よ。やり返されない方法をとったんだから。悔しかったら、あなたも何かやってみたら?」

 

ふふん、と鼻を鳴らして胸を張る。以前彼がやったことの真似だけれど、どうやら覚えていないようだ。

やっぱりお酒の影響だったのかしら。

 

「だったらこういうのはどうかな。

…あったかいね(ゼシカは)」

 

「…!!」

 

彼はついさっき言ったことを忘れたのだろうか。私の背を彼の正面に来るように座り直させると、そのまま背後から抱き付き、あろうことか自分で否定していた〔耳元で囁く〕を実行したのだ。

…ヤバイ。これ、耳だけなのに、大変なことになる。

 

「…実は、あの日したこと少しだけ覚えてるんだ。夢だと思ってたから言わなかったけど、今さっきゼシカにして貰って現実だったんだなってわかった。

だから…うん。お返し」

 

「そ、そうなの。わわ、私はてっきり記憶に無いのかと思ってたわ」

 

荒ぶる心臓を必死に落ち着かせようとするけど、原因がすぐ後ろにいるんじゃ落ち着くものも落ち着かない。

それでもどうにか平静を装う。

 

「で、でも大したことないわね。もう少し頑張ってみたら?」

 

上ずりそうになる声を必死に抑えてダメ出しをするけど、本当はその真逆だ。こんなの、三日も連続でされたら私の心臓が破裂して死ぬ。

彼が味をしめないようにしなければ。

けれど、そんな必死の抵抗も虚しく、彼は再び私をしっかりと抱きしめると。

 

「そっか、残念だなぁ…。でもその割には(凄く白い息出てるよ?)」

 

「うっ…!そ、それは…」

 

忘れてた事実。それは呼吸の流れが全て露わになっているということ。どれだけ言葉で取り繕い、いかに行動で示そうとも自然現象までは偽れない。

虚しく闇に消えていく白い息を恨めしく思いながらも、とにかく心が落ち着くように努める。

 

「(どうしたのゼシカ?急に黙り込んで)」

 

「あ、ああ…えっと、その…」

 

彼の優しくて頼りになる落ち着いた声が散逸する事なく鼓膜を刺激する。鼓膜を揺らすのは彼の奏でる音だけでなく、その吐息。

こんなの、本当に死んじゃうっての…!

 

「あはは。ちょっとやり過ぎたかな」

 

「…へ?」

 

私の意識が落ちる直前、彼は抱擁をやめると私を向かい合う形に座り直させる。

 

「ごめんごめん。あんまり反応が可愛いから、つい。

…怒ってる?」

 

「…少しだけ、ね」

 

楽しそうな彼とは反対にそっぽを向く私。

つい、で殺されたらたまったものじゃない。

 

「そ、そっか。それは本当に、ごめん。もうしないよ」

 

申し訳なさそうに謝る彼に、けれど私は再びその唇を塞ぐことで答える。

 

「…でも、たまになら、許すわ」

 

「…はは、かなわないな」

 

一瞬、呆然とした後に緩む彼の頬。つられて笑ってしまう。

時刻はもう翌日へと針を動かしたことだろう。

そろそろ本格的に冷えてきた私達は、ベンチはそのままに家へ入ることにした。

こんなに寒かったのなら、先にお風呂に入るんじゃなかったな。

 

 

 

翌朝、二人仲良くくしゃみをして目を覚ました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

To be next story.

 

 

 





今日も一人見上げる夜空。光り輝く正体は単なる自然現象に過ぎず、そこに夢や希望を馳せるは単なる人の欲。
あるいは、満たされない寂しさ故なのか。

私の場合は寂しさですね(白目)
お星様?いつになったら私の傍にゼシカは現れるのでしょうか。
やっぱり、星は星でも7つ星の例の球を使わなきゃダメなんでしょうか。

それでは、また次回。
さよーならー。
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