私と旦那様と祝福された純白の日々   作:カピバラ@番長

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先に謝っておこうと思います。

ユッケファンの皆さん、本当にごめんなさい。
サブタイの通り彼女が出て来ます。
しかし、キャラ崩壊というか、何というか…
私の中であるユッケ像で描きました。
なので、カピバラ番長版ユッケと思って呼んでください。
反省はしていますが、後悔はしていません。

そうそう、今回に関しては(スマフォの方は)横にして呼んだ方が良いかと。

それでは、お楽しみ下さい…




第五話 私とユッケとオトナな話題

ふかふかのソファ。

いい匂いのする程よい温かさの紅茶に、ほっぺの落ちそうなくらい美味しいケーキ。

 

ここはベルガラックにあるギャリングさんの邸宅。

 

「それで、その後どうなの。

勇者様はあっちの方も勇者だったの?」

 

「ブフッ!?

な、なんの話かしら?」

 

「うっそん…

結婚式からどれだけ時間だったと思ってるのよ…」

 

少しだけ模様替えをしたギャリングさんのお部屋…正確には元・ギャリングさんのお部屋。

今はフォーグとユッケが共同で使い、私のような客人をもてなすための接客部屋になっていて、私はそこに通された。

 

「まだ、二ヶ月…かな?」

 

煌びやかなお皿とコップを、驚くほど豪華なテーブルの上に置く。

 

「呆れた…

『まだ』じゃなくて、『もう』でしょ?

初恋で新婚で二ヶ月って言ったら既に子供が二人くらいいないとおかしいでしょうに!」

 

「物理的に無理じゃないかしら!?」

 

現実離れした事を言うのは継承の試練の時に一緒に竜骨の迷宮を走り抜けた子、ユッケ。

今でも掌には【家長のあかし】がしっかりと刻まれている。

 

「まぁ、流石にそれは言い過ぎたとしても、よ。

まさか、本当に何にもしてないわけじゃないんでしょ?」

 

「う…うん、まぁ…その、ね」

 

「まぁ…その…何よ?」

 

「ま、毎日、ギュッて抱き締め合いながら、ち、ちゅーはしてる…わよ…?

10秒…くらい…」

 

「はぁー!?!?」

 

「な、なによ!自分で言うのすっごい恥ずかしいんだからね!?」

 

呆れて物も言えない…

そんな風に頭を抱えるユッケ。

 

「あのねぇ…はぁ…もう、なんて言うか…はぁ…

別にあんたらのペースでそういうことすればいいとは思うわよ?

でも、よくそんな少年少女みたいな恋愛してられるわね…発情しないわけ?」

 

「は、発情って!

そんな、動物じゃないんだから…!」

 

「するわけない?」

 

「うぐっ…!し、しないわよ…

したとしたって我慢するわよ…身体を洗いっこした時だって我慢…したんだし…」

 

「…今なんて?」

 

目を丸くして聞き返すユッケ。

絶対聞き返してくると思った。だから言いたくなかったのに。

兎に角一旦落ち着くために私は、半ば冷えている紅茶を一気に飲み干す。

 

「お風呂で一緒に…その、身体を洗いあったのよ」

 

「裸で?」

 

「服着て体洗うわけないでしょ!」

 

「ぶっ、あっはっはっはっは!!」

 

「な、なんで笑うのよ!」

 

私には全くわからないけど、どうやらユッケのツボに入ったらしく、しばらく笑い転げていた。

荒ぶる呼吸もそこそこに、落ち着きだしたユッケは涙を拭うとソファに座り直して。

 

「ひー、死んじゃう。ホンット、面白いわ〜。

あんたら、これからはそれネタにして世界中飛び回ったらどう?」

 

「ユッケ…?あんまりバカにすると流石の私も怒るわよ…?」

 

「冗談よ、冗談。

はぁ、それだけの事してるのにやる事ヤッて無いなら、まだ暫くは無理ね。

ま、彼とっても誠実そうだし、仕方ないと言えば仕方ないんだけど」

 

テーブルに肘をつつそんな事を言う。

 

「仕方がない、ってどう言う事?」

 

「わかりやすく言うとね、元気にならないのよ。

誠実すぎる人はね、きのこがおばけきのこにならないの。

そういう場面になるとね」

 

ユッケは、別に誰に聞かれているわけでもないのに身を乗り出して顔を近づけてくる。

もちろん私もユッケの動きを真似してテーブルに両腕をつく。

 

「え、そうなの?」

 

「うん、そうなの。

最初は元気一杯でマージマタンゴだったとしても、いざ入刀!ってなった時にはもう、見るシャドーもない…らしいわ」

 

「へ、へぇ…知らなかった。

でも、どうしてそうなるの?」

 

「聞いた話だと、急に責任感が出て弱くなっちゃうみたいね。

そんな事されたら相手は怒ればいいのか喜べばいいのかわからないわよね〜」

 

言い終えてソファに座るユッケ。

私もそれに習う。

 

「確かにねぇ…

…気になったんだけど、どうしてユッケがそんな話知ってるの?」

 

「どうしてって…どっかの王様もお忍びでやってくる、ベルガラックカジノのオーナーなのよ?

そんな私がちょーっと気にかければ今みたいな話幾らでも入ってくるわよ。

なんなら、男の人がスーパーハイテンションになっちゃう方法教えてあげよっか?」

 

「結構よ。

で、今頃本題だけど。どうして私を呼んだの?

まさか、さっきみたいな話しをするためだけに呼んだわけじゃないでしょう?

私だけならともかく、あの人まで」

 

「あっははは、バレた?

まぁ、久々に話をしたかったのと、二人がどこまで進んでたのかも確認したかったってのもあるけど…」

 

ユッケはそんな事を言いながら、ソファの端に置かれたままだった茶封筒から紙を二枚取り出す。

 

「実は、このカジノが次のステージに上がるための実験台になって欲しかったんだ」

 

そうしてテーブルに置かれたのは、二枚の契約書らしきもの。

 

「本当は今すぐ二人に書いてもらうつもりだったんだけど…

まさか旦那の方がお仕事してたなんてねぇ、盲点だったわ。

最後に会った時…と言っても結婚式の日を除いてだから、暗黒神を倒す前のちょっとした息抜きの時ね。

その時は結構ゴールド持ってる感じだったし、暫くは甘い蜜月を過ごすもんだと踏んでたのに…」

 

「あはは、彼もまだミーティア姫のコト、踏ん切りがつかないんでしょうね。

ある程度落ち着いてからだから…結婚してから半月と少しくらい経った頃かしら。

仕事の話が来たから言ってくるって言ってね、そのまま新米兵士の指南役になっちゃったわ」

 

「はー、立派なもんねぇ。

普通、嫁の恋敵だった相手のところで働くかね。

まぁ、あの勇者様に限っては浮気だの何だのはないと思うけど」

 

「そ。

私もそう思ったし、やっぱり、ミーティア姫に恨まれても仕方ないコトしちゃってるわけだし…

トロデーン城に関する話は、全部彼に一任してるわ」

 

「なーんか、ゼシカさんらしくない気もするけど、当事者になったらそんなもんなのかな、って思ったりもしたり」

 

頬杖をついて笑うユッケに、つられて私も笑ってしまう。

確かに、普通なら考えられない話なんだろうけど、そもそも私たちは生い立ちからして普通じゃないもの。

勇者様に姫様に賢者の子孫。

これだけの材料が揃えばイレギュラーだってあるだろう。

 

「で、それには目を通してくれた?」

 

「あ、ごめんごめん。すぐに見るわね」

 

私はテーブルに置かれた二枚の紙を持って、さっと読む。

どうやら書かれている内容は同じらしい。

持っていた一枚をテーブルに戻してさらに読み続けた。

 

「えぇと、なになに?」

 

『この度はベルガラックカジノにお越し頂きありがとうございます。

 

あなた方は、カジノ経営者である我々フォーグとユッケにとってかけがえのない存在であり、訪れたのならばどんなお客様よりも最上のおもてなしを致す所存でございます。

 

つきましてはこの度、新しく発表しようと思案しているプラン。

 

その名も。

 

【恋愛成就&ハネムーン大作戦(仮)】

 

の被験者となっていただきたく、お呼びした次第です。

 

カジノオーナー・フォーグ&ユッケ』

 

「なに…これ」

 

前後の文が繋がっていない…と言うか、繋げるつもりもない。そんな感じだ。

 

「書いたまんまよ。ま、簡単に言うと新しい宿泊プランね。最終目的はこうよ」

 

勢いよくユッケは立ち上がると、どこから取り出したのかわからない大きな紙を広げる。

そこにはこう書いてあった。

 

【恋愛スポットとして売り出して!

カジノの利益を更に上げたい!】

 

「なるほどね…

商売人の考えそうな事だわ…」

 

「ふふん、ありがと!褒め言葉として受け取っておくわ!」

 

正直に言って怪しい臭いしかしない。

商売人…しかもやり手の経営者の二人だ、きっと相当なのを試してくるはず。

 

「で、どう?受けるかどうかは旦那と決めるとして、ゼシカさん自身は乗ってもいいとか思ってる?」

 

薄ら笑いを浮かべて聞いてくるユッケ。

 

「そうね…」

 

実験台になれば間違いなく色んな事をしてくるだろう二人。

本来なら一蹴して断っているだろう。

けど、この企画を読んでからは心が揺らいだ。

 

【恋愛成就&ハネムーン大作戦(仮)】

 

恋愛成就はもう叶っているからいいとして、後者の【ハネムーン】という単語。

これには抗いがえない誘惑がある。

 

それは旅の途中に独り言のつもりで口にした言葉。

 

『こんな町ならハネムーンで来たいわね』

 

その気持ちは今でも変わってはいない。

それどころかむしろ、以前よりも強まっているのだ。

何故なら、私たちはまだハネムーンに行っていないのだから。

 

「…返事はいつまでにすればいいのかしら」

 

「そうね〜、来週までかしら。

企画自体は二人の都合に合わせるからいつでもいいし、やるのかやらないのかだけ早くわかればそれでいいわ」

 

いつの間にかユッケの顔は満面の笑みへと変わっている。

初めから私が乗るつもりだと思っていたのだろう。

 

「…彼の仕事の都合によるから何とも言えないわよ?」

 

「ま、期待して待ってるわ。

書類は持って帰っていいわよ〜。その方が承諾も取りやすいでしょうしね。

あ、何ならこのおっきい紙も持ってく?」

 

「い…らないわね。

特に役に立ちそうもないし」

 

「おっけ〜。

じゃ、いい報告待ってるわ」

 

慣れた手つきで書類を茶封筒にしまったユッケは、それと一緒にキメラのつばさを私に渡す。

 

「そろそろ夕飯をつくらないといけない時間じゃない?

早く帰ってあげたらどうかしら」

 

「ほんっとうに逞しく成長したわね。

その手のしるしは本当にただのしるしなんでしょうね?」

 

「さぁて、どうかしらねぇ」

 

「ふふっ」

 

「あははは」

 

少しの間笑いあってから、私は貰ったキメラのつばさで家に帰った。

それから夕飯を作り、お風呂を用意して、彼の帰り待った。

 

 

翌朝。

 

「あら、随分早いんじゃない?」

 

「はい、これ。それじゃ!」

 

私は何枚か持って来た内の一枚を空に放り、今度はリーザス村へと飛んだ。

 

「あらら、もう行っちゃった。

よっぽど嬉しいのね〜。

ま、こうなることはわかっていたけど」

 

【承認】に丸が付けられた二枚の書類を見て、最高の笑顔を浮かべるユッケを尻目に。

 

「お帰りなさいゼシカ。

お嫁に行っても、これと決めたら周りが見えないのは変わらないのね」

 

「何か言ったお母さん!?

それより、私が持って帰って来た旅の道具とかってどこにあるんだっけ!」

 

「はぁ…

屋根上部屋のどこかでしょう」

 

「ありがと!」

 

嬉しい。

楽しみだ。

まさか彼が、二つ返事で書類にサインしてくれるなんて。

 

泊まりに行くのは、彼の仕事がひと段落する四週間後。

とてもじゃないが、それまでじっと待って入られそうにない。

 

屋根上部屋に上がった私は小さな声で呟いた。

 

「さいっこー!」

 

 

 

 

To be next story.




と言うわけで、次回はゼシカ&主人公のラブラブハネムーン回。
となるわけですが、予告しておきます。
次回はフォーグがキャラ崩壊します(迫真)
え?ゼシカも主人公もキャラ崩壊してるんじゃないかって?
…ノーコメントで。

これではまた、次回の更新でお会いしましょう。
さようなら。
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