私と旦那様と祝福された純白の日々   作:カピバラ@番長

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ゼシカ可愛い(至言)

では、どーぞ。


第五十六話 私とみんなと日帰りの別世界

「さ、寒いわね…相変わらず…!!!」

 

吹き荒ぶ白い風。

それは私たちの生活圏では滅多に見ることの出来ない雪。

結局手に入れられなかったヌーク草の事がすごく悔しい。

 

「うぅ…。本当、余計かなって思ってたけど、持ってきてよかった…」

 

隣で身体を抱きかかえて震えてるのは普段の二倍くらいに膨れ上がった彼。私と同じように、普段着の上に追加で三枚服を着てる。

…それでも寒いんだからとんでもないところよね、ここ。

 

「…けど、ま」

 

彼とそれとなく顔を見合わせて氷の上を滑る二人の子を見る。

 

「凄い凄い!こんなに大きな氷があるんだ!!」

 

「みてみてお兄ちゃーん!!雪!丸められるよ!!」

 

氷の上を滑ったり、雪玉を作ったり、寝転がったりして忙しなく遊びまわるウェーナーとルイーサ。

オークニスに来て大体二時間。最初はぶーぶー文句を言ってたルイーサだったけど、オークニス地方に来て雪を見た途端に『遊びたーい!』なんて言い出して聞かなくなって。

 

「わーい!雪玉攻撃だー!」

 

「ちょ、ちょっとルイーサ!冷たいよー!!あははは!」

 

町の真ん中にある出た瞬間から、最初から楽しみにしてたウェーナーを引っ張って全力で遊び始めちゃった。

 

「ほら〜?あんまりやり過ぎないでよー」

 

「「はーい!」」

 

雪玉を投げる手を止めずに生返事を返す二人は、直ぐにお互いの顔面に直撃を受けて背後の雪原に倒れ込む。

 

「…あはは」

 

「…ふふ!」

 

「「あはははは!!!」」

 

本当なら痛いはずのことさえ楽しいのか、二人は空を見上げながら大きく笑いだした。

大きな家にも見える六角形の塀の中、ウェーナーとルイーサの笑い声が響く。

近くで遊んでいた村の子や、旅の人らしき大人の人たちはそんな二人を見て温かな微笑みを向ける

 

「…はぁ。後でアザだらけになっても知らないからね」

 

「あはは。そしたら少し押してあげよっか」

 

「意地悪なこと言うわねぇ。

…でも、言うことを聞かなかったお仕置きは必要よね」

 

大笑いしたままの子供達を見ながらそんなことを言い合う。

こうやって色んな人に見られるのは、自分のことでもないのにちょっと恥ずかしいけど、でも、今日この町に来たのはあの子達にもっと沢山の人や世界を知って欲しいと思ったから。

だから、こんな風に見守ってもらえるのもそんなに悪いことじゃない。

 

「…ん」

 

「う〜ん…」

 

子供たちは、お互いに寒さで少しだけ赤くなった顔を見合わせながらゆっくりその場に座る。肩や背中に着いた雪を払い落とし、ゆっくり立ち上がって屈むと、ごそごそと積もった雪をいじり始める。

 

「呆れた。きっと痛い思いをしたのに、二人とも懲りずにまた投げ合おうとしてるわ」

 

口ではそう言いつつも、口角がちょっとだけ上がってるのがわかる。

心にの中に、[楽しいならいっか]と思ってる自分がいるのね。

うん、二人が楽しいのならそれでいいわよね。ケガをしたら私たちが治す。そして二人はまた遊ぶ。今はまだ、それでいいわ。

 

「…あれ、なんだか変じゃない?あの二人」

 

「えっ?」

 

思わず閉じていた瞼を開き、彼の視線の先の子供達を見る。

相変わらずなにか忙しそうに雪をいじってるだけで特に変な感じはしないけど…

あれ、ちょっと待って?

 

よく目を凝らしてルイーサの辺りを見ると、雪玉みたいな物が何個か見える。不思議に思ってもう少し前に乗り出して見ると、どうやら二人は雪玉を沢山作っているらしいことがわかった。

さっきまでは投げては作って投げては作ってを繰り返していたから玉のストックなんて精々一つか二つだったのに、今は十個を余裕で超えてる。

作戦を[ガンガンいこうぜ]から[バッチリがんばれ]に変えたのかしら?」

 

「…あ、これマズイかも。

ゼシカ。伏せた方が…」

 

「へ?なん…痛っ!?」

 

少し緊張の篭った言葉を向けられ、迂闊に彼の方は顔を向けてしまう。

刹那。頬に、冷たくて微妙に硬い物がぶつかった。

その瞬間、あの二人がなにを企んでいたのか一瞬で理解できた。

 

「…やったわね!!!」

 

「「よーし!行くぞー!!」」

 

すぐに屈んで手頃な大きさの雪玉を二つ作り、ウェーナーとルイーサに向かって一つずつ投げる。

けど、どちらも避けられてしまう。

 

「やーいやーい。お母さんのへたっぴー!」

 

「そりゃー!」

 

一呼吸の間もなく仕返しの雪玉が飛んでくる。それは顔や肩とかの思わず当てたくなっちゃうような場所ではなくて…。

 

「くぅっ!

や、やったわねぇ!!」

 

白くてまあるい玉は、私のおへそより少し上の辺りにクリーンヒットした。

力はそれほどないからあまり痛くはないけど、三枚の布越しに冷たさを感じてる。

…実際は冷たくないんだけど、なんとなくそんな気がする。

 

「…よし、僕も手伝うよ!お母さん!」

 

私に雪玉が命中したからか、彼はとてつもないスピードで雪玉を量産していく。

…確かに、私を守る、とは言ってたけど、子供たちに対してまでそれを実行するのはどうなのかし…

 

「やったー!私も当てたー!」

 

私の中にあった小さな優しさ。それは、ルイーサの投げた雪玉が顔に当たることによって一瞬で溶けてしまう。

 

「…えぇ、頼むわよお父さん!あの子達に大人の強さを見せてあげましょ!」

 

「はい、一発目!」

 

手渡された雪玉を確かに受け取り、投げる構えを取る。

その途端、子供たちは手に持っていた雪玉を落として慌て始めた。、

 

「わわっちょっと待ってお母さん!」

 

「う、うん!は、話せばわかると思うな!」

 

「問答無用よ。

最近…特にルイーサは調子に乗ってるところがあったから、念入りにお仕置きね?」

 

「きゃっ…!」

 

「る、ルイーサ!!」

 

私の投げた雪玉は狙い違わずルイーサのおでこに当たる。

ああは言ったけど、もちろん本気で投げるつもりはない。

…たまには、童心に帰りたいもの。彼と一緒に、ね。

 

 

 

 

それから十分くらい私たちは楽しく雪玉を投げ合った。

みんながみんなびちょびちょになって、三枚目の服すら湿り始めた頃にようやく家へ帰ることになった。

 

 

翌日、元気な挨拶をくれた子供達とは真逆に、私と彼は少し風邪っぽかった。

 

 

 

 

 

 

 

To be next story.

 





と言うことで今回は旅行回でした。
あぶない水着を着せて雪国に赴いた紳士淑女の諸君はもれなく私の仲間です。
リブルアーチで買うべきものなんてアレくらいですからね(断言)。
嫁のために良い服を買う。それは何物にも変えがたい素晴らしき幸せ。
あぁ、可愛いよゼシカ。ライバルズのあぶない水着スキン本当に最高です。等身大パネルと掛け軸売ってください公式さん絶対買いますから。

それではまた次回。
さよーならー
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