私と旦那様と祝福された純白の日々   作:カピバラ@番長

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久々の投稿となります。遅れてしまい申し訳ない…

ええはいまぁ、非常に異常なまでにゼシカと旦那様がキャラ崩壊しています。
仕方ないと言えば仕方ないのですがね…

では、お楽しみ下さいませ。


第七話 私と旦那様と宿屋の御夕飯

「くっ…!こんなの…卑怯よ…!」

 

受付近くの地下階段を降りて食堂…もとい、酒場へと私たちは立っていた。

 

リズミカルな音楽。

充満するいろんなお酒の匂い。

男女問わず飛び交う酔った人の声に、ステージ上のバニーちゃん。

 

普段なら見向きもしない場所だけど、今回は違う。

ここは、そう。

部屋に現れた看板が示す場所だからだ。

 

「凄く、豪華だね…(ごくり)」

 

目の前に広がる光景に彼の喉が鳴る。

 

「ダメ、ダメよあなた…!これに何が入ってるかなんて分かったもんじゃ無いんだから…!」

 

木製で横長のテーブルに乗せられているのは、豪華に豪華を足して上から更に豪華を振りかけたかのような豪華な料理の数々。

そのテーブルの一番端っこに立てかけられている看板にはこう書いてある。

 

【勇者様御夫婦専用バイキング

お好きなだけお食べ下さいね♪】

 

「くっ…!誰がこんな、怪しさ全開の看板の料理を食べるもんですか…!」

 

なんて口ではそうは言っても、私も彼も今もの凄くお腹が減っている。

何故なら、お昼を食べずに来てしまったから。

ベルガラックの宿屋にならきっと美味しい料理がたくさん出ると思ってお昼を抜いて来てしまったから。

 

…予想通り、とっっても美味しそうな料理が目の前に並んでいる。

けれど、食べてはいけない。

食べたら最後。

竜骨の迷宮に挑む日の朝のように睡眠薬で眠らされてしまうかもしれないのだ。

 

こんな事ならちゃんと食べてくればよかった…!

 

「おや、二人ともどうした?何故食事に手をつけないんだ?」

 

背後から不意に聞こえた声に反射的に振り向く。

そこには、蒼白色の髪で右目を隠した真紅の服に身を包む青年ーーーフォーグが居た。

 

「そのテーブルに並ぶ料理は全て、君達二人のためにコックに作らせたものなのだから遠慮なく食べると良い」

 

偉そうに腕を組むフォーグ。

 

「イヤミな言い方は相変わらずのようね。

それで?この料理は何かしら」

 

「おっと?何を勘違いしているのかわからないが、そちらも以前と変わらず何よりだ」

 

なんて、挑発的な言い方も変わっていない。

 

「で、何故食べな…ああ、そうか!

何か仕込んでるのでは無いかと考えているのだな?」

 

「ご名答よ。ついさっきあんな事があったのに、無用心にご飯なんて食べられるわけないでしょ?」

 

「ねぇあなた?」そう言って彼の方に向いた。

 

「うん、ちょっと信用出来ないかな…

あ、そうそう、その件についてなんだけどさ。

流石にあれはやり過ぎだよフォーグ。僕もゼシカも君達を叱りつけたりはしたく無いから、今後はやめてよ?」

 

彼は苦笑いしながらそう言うと、ぽりぽり頭を掻いた。

 

「ははは、そうだな。少しばかり急ぎ過ぎたようだ。以後気をつけよう。

それより、やはり私達の用意した食事には手をつけたく無いか?」

 

フォーグは、テーブルの上の食事に視線を向ける。

やっぱり、用意した以上は食べてほしいのかな?

 

「前科のある私ではあるが…ここは一つ、私を信じてあれらを食べてはくれまいか?」

 

「あんたを信じて…って、信用に足りるだけの証拠が無いんだけど…?」

 

「む、痛いところを突くな。

しかしこの料理は、ベルガラックの宿屋が誇るコックたちが腕によりをかけて作ってくれたものだ。

いくら私でも、そんな芸術品とも言える料理に薬を仕込むと思うか?」

 

まるで展覧会の品を見せるかのように大袈裟な振る舞いをするフォーグ。

 

そりゃあ、確かに?

よくわかんない絵画とかに比べたら、芸術的にも見えるけど…

 

「そんな言い方したら、なんだか私たちが悪者みたいじゃない…」

 

私は思わず弱気な口調になってしまう。

そこを見逃すフォーグでは無かった。

 

「…以前に比べて食料の調達は遥かに容易になった。しかしな、それでも食料が行き届かない地域は多くある。そうなれば当然、満足な栄養も取れずに飢えて死んでしまう者も少なからずいる。

そんな中、だ。

そんな中、君達はその貴重な食料で作られた食事に手をつけないというのか?」

 

ヤンガスが使っていた【おっさん呼び】のような怒涛の物言い。

そりゃあそういう人だって沢山いるだろうし、私だって経験したことがないわけじゃない。けど。

 

「あんたねぇ…その言い方は、いくらなんでも卑怯じゃ無いかしら…?

それに、どちらにしたってあの量を私たち二人で食べ切るなんて無理よ?」

 

「いやそこは心配ない。

あそこに並ぶ料理は君達の食事の後、ここのコックやバニーちゃん達に食べてもらう予定だからな」

 

「だったら!別に私たちが食べなくても問題無いじゃない!

失礼しちゃうわ!」

 

胸の下で腕を組んで、フンッ!とそっぽを向く。

全く、さっきまでの口上はなんだったのかしら。

私たち以外にも食べる人がいるんだったら、それこそ私たちが危険を冒してまで食べる必要なんてないじゃないの。

 

「だが考えてもみてくれ」

 

「何よ」

 

「君はそこにいる勇者様や、あるいは他の仲間達に食事を振る舞う時、皆の為にととても美味い料理を作り上げ提供した。

しかし、誰もそれに手をつけなかった。

そうなった場合、君はどう考える?」

 

「へ?」

 

急な質問に戸惑いながらも、状況を思い浮かべてみる。

 

我が家にみんなが集まる。

テーブルに出された私の作った料理の数々。

けれど、みんなお酒とかばっかり飲んで誰も私の作った料理に手をつけない。

…彼でさえも。

 

「うっ…それはちょっと、耐えられないわね…」

 

「大丈夫ゼシカ。僕も他のみんなも、君の作った料理に手をつけないなんて事は絶対にないよ」

 

「あ、あなた…!」

 

「今はそういうのいらないからな、勇者様?

…話を戻すとだ。

君達が今やろうとしてるのは、宿屋のコック達に対してのそういう事なんだ。

わかるか?これがどれだけ罪深く、また許されない行為なのかを」

 

そう言うとフォーグは、背後のお酒の飲めるカウンターに視線を向ける。

そこには、コック帽を被ったちっちゃくてまるいおじさんがチラチラとこっちの様子を伺っていた。

 

「…ほらな?」

 

嫌らしい笑みを浮かべるフォーグ。

 

「ぐぬぬ…やっぱり、あんたって卑怯だわ…!

わかったわよ!食べれば良いんでしょう!食べれば!」

 

「ゼシカ!?」

 

「こうなったら仕方がないわ!

フォーグはムカつくけど…でも、コックのおじさんに罪は無いもの!

私たちで、出来る限り食べましょう!」

 

言いながら、怪しい言葉の書かれた看板の近くに置いてあるお皿を取る。

 

「だ、そうだ。勇者様はどうする?まさか、優しくてみんなのヒーローがそんな酷いことするはず無いよな?」

 

フォーグは再びカウンターに視線を向ける。

 

『(おどおど)』

 

やはりそこにはコック帽のおじさんが居て、こっちの様子を伺っていた。

 

「よーし、ゼシカ!夕飯にしようか!

見て、どれも凄く美味しそうだ!」

 

そう言って彼もお皿を手にする。

 

「ははっ!ま、安心するといい。そこの料理には本当に何も入っていない。

…父に誓ったっていい」

 

フォーグは自信たっぷりなセリフの最後に、そんな言葉を混ぜた。

教会の前に捨てられていた赤ん坊のフォーグとユッケ、実の子のように育てたギャリングさん。

そのギャリングさんに【誓う】とまで言うってコトは、本当に何も仕組んではいないんだろう。

 

「そこまで言うのなら…本当なのね。

…うん、なんか疑って悪かったわ。そこまで思い詰めさせちゃうなんて…

ちょっと、言い過ぎちゃった気がするわ。

その…ごめん、なさい」

 

「僕も、ごめん…」

 

「いやいいんだ。君達が僕を疑うのは当然だし、仕方が無いと理解している」

 

いつものように腕を組むフォーグ。

 

「だがな、もし悪いと思うのなら」

 

フォーグは近くを歩いていたバニーちゃんの運んでいた【シルバートレイ】に乗っている飲み物を二つ取ると。

 

「ここで提供している食前酒の味についても感想をくれないか?」

 

ニヤリと笑ってその飲み物を私たちに差し出した。

 

「あっははは、恐れ入ったわ。まさに筋金入りって感じね。

いいわ、普段あんまり飲まないけど…今日は特別」

 

「じゃ僕も、少しだけ」

 

私と彼はお酒のグラスを受け取る。

 

「そうか、それは良かった。

…そう言えば、二人は酒には強いのか?」

 

「えっ?ん〜どうかしら。

私も彼も人並みより少しだけ強いって感じかしら?」

 

「前にみんなで飲んだ時は、僕とゼシカが一番最初に潰れちゃったんだよね」

 

「そうそう。あの時は調子に乗っていっぱい飲んじゃったわ〜」

 

「…ふむ、まぁ、だからと言って別にどうと言うコトはないのだがな。

なんとなく気になったから聞いただけだ」

 

そう言うとフォーグは私たちに背を向け。

 

「では、楽しんでくれたまえ。

酒に関しては、近くのバニーちゃんの誰かに遠慮せず頼んでくれ」

 

「わかったわ、ありがと」

 

「では、また今度」

 

「じゃあね。ユッケにもよろしく」

 

頷くとフォーグは、階段を登っていった。

 

「さてと。それじゃ食べましょうか」

 

「だね。

…早いところ食べ出さないとコックさんも仕事に戻れなくて大変だろうし」

 

「そ、そうね」

 

そう言って私たちは、貰ったお酒を少しずつ飲みながら、思わずほっぺに手を当ててしまうくらい美味しい料理をお腹いっぱいになるまで食べた。

 

 

 

 

 

「うーん!すっごく美味しかったわねー!」

 

「だね。ゼシカの料理にも負けないくらい美味しかった」

 

「あら、嬉しいコト言ってくれるじゃない♪

おだてたって〜、何も出ませんよーだ」

 

満腹になった私たちは、バニーちゃんに渡された食後酒を持って部屋に戻ってきた。

廊下とかで飲んでしまったから、グラスの中身は殆ど空っぽだけれど。

 

「ってアレ?元に戻ってる…?」

 

部屋の中はいつの間にか普通の明かりに変わっている。

 

「多分、フォーグかユッケが直したんじゃないかな?

さっきも『やり過ぎた』みたいなこと言ってたし」

 

少し遅れて入って来た彼がそう言った。

 

「確かにそうかもね〜。

まぁ、わかってくれたなら良いのよ」

 

お腹が満たされて上機嫌な私は近くのテーブルに、持っていたグラスを置く。

 

「にしても、ここってお酒も美味しいのね〜。

あんまりお酒には詳しくないけど、アスカンタ城やトロデーン城で戴いたのと同じくらい飲み易くていいわ」

 

「そうだね。丁度良い甘さでスルスル飲める…

なんて言うお酒だっけ?」

 

「確か、カクテルとかって言ってなかったかしら?

ベースのお酒と、一種類以上のお酒かジュースを混ぜたとかなんとか、って」

 

「今度、みんなにも教えてあげようか」

 

「そうね。みんな喜ぶわ、きっと!」

 

話しながら部屋にある二人掛けのソファに腰を下ろす。

もちろん、隣には彼がいる。

 

「…なんだか、こういうの初めてな気がするわ」

 

くてっ…っと、横に座る彼に身体を預ける。

僅かに体温を感じた。

 

「二人だけでお酒を飲むのって、確かに初めてかもしれないね」

 

ピクリ、と身体が反応する。

彼の左手が私の左肩に触れたからだ。

そのまま彼は私の事を寄せる。

ほんの少しだけ空いていた二人の間が無くなり、完全に身体同士が密着する。

 

「どうしたの?なんだか今日は随分積極的じゃない」

 

「さぁ、どうしてかな?

…お酒の入ったゼシカが魅力的過ぎるから、かも」

 

なんて、本当に彼らしくないセリフを言う。

もしかしたらお酒が回っているのかも。

…な訳ないか。

あんなに飲みやすいお酒なら、そこまで強くないはずだしね。

 

それよりも…なんだろう。

何と無く視界がグラつくような…?

それだけじゃない。

なんだか、汗が酷いような…

 

「………この部屋、妙に暑い…?」

 

「そう?なら離れようか?」

 

「ううん、あなたが暑く感じないなら大丈夫」

 

「…なんだかすごい汗だね?

本当に大丈夫?」

 

言いながら彼は私の額を拭う。

心なしか気分がすっきりした気になる。

 

「ちょっと尋常じゃないな…

ゼシカ、先にお風呂入って来たら?このままだと風邪引くだろうし」

 

そんなに、酷いのかな。

少しだけぼんやりとする頭で考える。

 

「…そうね、悪いけどお先に失礼するわ」

 

お風呂に行くためにソファから立ち上がろうとした。

 

「あれ?なんか、足もほが…?」

 

中腰になった辺りで身体が前のめりになる。

脚に力が入らず、そのまま倒れそうになったところを。

 

「おっと!どうしたのゼシカ?」

 

彼の腕が入り、どうにか転倒だけは避けられた。

 

「ぅん、ちょっほね…あへ?なんか急にろれふが…?」

 

途端に視界が歪んで頭がぽわぽわとしてきた。

ナニ?ナニ?どういうこと?

 

「もしかしたら、お酒が回って来たのかも」

 

「ましゃか、しょんなわけ…」

 

自分でも驚く程口が回らない。

以前酔った時でもここまでじゃなかったのに。

 

「一旦座ろうか」

 

彼に身体を預けるしか出来ない私は、されるがままにソファに座り直す。

もちろん、力の入らない私は全体重を彼に寄せている。

 

「うーん…今日はもう、寝た方が良いかも。

変に起きてると、二日酔いで明日楽しめなくなっちゃうし」

 

「ふぇ?でも、まだお風呂にすら入ってにゃ…ない…」

 

「そんな事言われてもなぁ…

酔ってる時にお風呂に入ったら、危ないんだよ?

下手したら死んじゃうかもしれないし」

 

彼は諭すように言う。

 

「うぅ…

けど…それだと汗臭いままだし…」

 

「大丈夫だよゼシカ。汗の匂いくらいじゃ僕は気にしないし、むしろ、ゼシカが死んじゃうことの方が嫌だよ。

旅の時と違って、僕らにはもう神様からの加護が無いから復活系の呪文でも生き還れないから…」

 

「でもぉ…」

 

「上目遣いで頼んでもダメ」

 

「…ケチ」

 

ぷいっ、と明後日の方向に顔を向ける。

 

「あはは、嫌われちゃった。

…なら、嫌われたついでにどこかに行ってこようかな」

 

「へ?」

 

言い終わるよりも早く、彼はソファから立ち上がろうとする。

 

い、イヤ!

この状況で一人になるなんて、つらすぎる!

 

「ま、まっへ、きらいになんてなってないから!

いかないで…!」

 

彼にもたれかかっていた体重が、ソファの背もたれに移動するのが分かる。

そうなるように彼が移動したのだろう。

 

「あはは、わかってるって。

ちょっと水を持ってくるだけだから、待っててね」

 

「ふぇ?」

 

ふっ…と、私の頬に何かが触れた感触がした。

柔らかくて温かくて、ちょっとだけ湿り気のあるなにか。

 

「んー、もしかしたら僕も酔ってるのかもね。

…嫌だった?」

 

ぽりぽりと頬を掻いて、彼は恥ずかしそうに笑う。

 

…え?

 

「ちょ、まっ、な、なに…したの?」

 

「…水、持ってくるね」

 

サッ、と後ろを向いた彼は足早に洗面所に消える。

 

「も、もしかして…?」

 

『なにか』の触れた頬をさすってみる。

流石にさすっただけじゃ何をされたかなんてわからない。

けど、予想はつく。

 

「ほっぺに…ちゅー、された…の?」

 

考えるまでもなく、きっとそうなのだろう。

何をされたのかが分かった途端に、顔が熱くなる。

 

「いやいや、ふだんはもっとシゲキてきなのをしてるじゃないの…

にゃの…なのにいましゃら、それこそこどもみたいなコトで…」

 

なんで照れてるんだろう…。

どうしてこんなに胸がドキドキするのよ。

まさかお酒のせい…?

 

「お、お待たせ。これ…」

 

洗面所から戻って来た彼は、俯きながら手にしていた水の入ってるコップを私に差し出した。

 

「ん、あああ…ありがほ」

 

コップを受け取る手が震える。

 

なんでこんなに動揺してるのかしら。

どうしてこんなに胸の奥が切ないの?

これも、お酒のせい?

 

「そ、そうだ。ゼシカ、水を飲んだらちゃんとトイレに行ってね」

 

「へ?

…や、やだわ!わたし、そんなコトしんぱいされるほどこどもじゃにゃ…ないわ!」

 

「あ、いや、そうじゃなくてね」

 

「うん?」

 

「水を飲んでからトイレに行くと、身体に入ったお酒が外に出やすくなるんだ。

そ、そういう趣味とかじゃないからね!?」

 

「だ、だれもしょんなコトきいてにゃ…ないわよ」

 

どうやら彼も酔っているらしい。

よくわからないコトを口走ってる。

 

「それじゃ、もう少しだけ起きてようか」

 

そう言うと彼は、さっきのように私の隣に座ると。

 

「うわわ!」

 

ぐっ、と私の身体を寄せる。

 

「…たまには積極的な僕も、良いんじゃないかな?」

 

冗談ぽく、笑ってそう言う彼。

 

「…うん。わるくない…かも」

 

ぎゅっ、と。

静かに彼の腰を巻くように伸ばしていた右手に力を入れる。

当たり前だけど、全然力は入らない。

だから彼も気づいていないだろうと思った。

 

でも、違かった。

 

「やっぱり、ゼシカの手は柔らかいね」

 

そう言って、指同士を絡める…恋人繋ぎと言われる繋ぎ方をしてくる彼。

普段の彼なら、こんなコトは絶対にしない。

というか、彼がこの繋ぎ方を知っていたコトに驚いているくらいだ。

 

「…あなた、よってるでしょ」

 

「今のゼシカには言われたくない、かな」

 

「ふふっ、そうね。たしかにそう。

…ねぇ、あなた」

 

私は、彼の体温を半身で受けながら話しかける。

 

「なに?」

 

「今は、ずっとこのままでも…いい、かな?」

 

「もちろん。

でも、眠くなったら言ってね?ベッドでちゃんと寝ないと、疲れも酔いも取れないから」

 

「…うん」

 

そのまま私たちは、お喋りをするわけでも無く、天井を見上げたり窓の外を見たりしていた。

時折、彼の顔を覗いたりも。

 

何もしないでいるという贅沢。

 

ユッケは、もっと急いだ方がいい、みたいな事を言ってたけど…

私としては、こんな風に時間を使えるコトが嬉しくってしょうがない。

 

眼が覚めると、私はベッドで眠っていた。

足首や手には鎖は巻き付いていない。

代わりに、彼の身体がとても密着している。

きっと、鎖に繋がれて直ぐに私を抱き締めて、そのまま眠ってしまったんだろう。

 

心地の良い圧迫感に気を許した私は再び眼を閉じて、彼に起こされるまで眠った。

 

 

 

 

To be next story.




前回の話の引っ張りはなんだったんだー!

とは言わないでくださいませ。
一応、ラブコメ的感覚で描いてるので余り深くは考えずに描いております…
ゆるしてつかぁさい。

しかし、酔った女性って難しいですね。
特に話し方。
ろれつが回ってないって言ったって、どう回らないんだよって話です。
酔った女性と話したことなんて無いですし…

と、とにかく!
次回の更新でまたお会いしましょうゾ!

それでは、さようなら。
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