ダンジョンに念能力者がいるのは間違っているだろうか?   作:気まぐれな暇人

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時系列は原作開始直前
ベル君が、オラリオに到着したのと同じくらいか、少し前。

また、この作品では、『神の恩恵』と『念能力』は別物であり、ステータスに念能力は表示されない、という仕様になっています。
あらかじめご了承ください。

あと原作と異なる点が出てくると思いますが、作者の知識不足故の場合と、故意にそうしている場合があります。
そのどちらでも、独自設定、独自展開としてお楽しみください。


その1 プロローグの様な何か

 迷宮都市『オラリオ』

 都市の真ん中にそびえ立つ、巨大な白亜の塔バベルが象徴的なそこは、世界有数の大都市である。

 そして1000年前、天界で暇を持て余した神々が地上へ降り立った地でもある。

 

 神は娯楽に飢えていた。

 そのためその地にあったダンジョンを封じんと奮起する人間に『神の恩恵(ファルナ)』を与えた。

 やがてそれは神と人との絆となり、ファミリアとして体を成していった。

 

 さて神々が地上に舞い降り約1000年。

 オラリオは発展し、その中で現在は二つのファミリアが名を馳せている。

 

 一つは【フレイヤ・ファミリア】

 

 一つは【ロキ・ファミリア】

 

 この物語はその片割れ、【ロキ・ファミリア】の団員の1人。

二つ名に【秘剣】を持つ者の物語である。

 

 ――――――

 

 諸君は『念能力』というモノを知っているだろうか?

 今更言われるまでもないと、多くの方は思われるだろう。

 そう、有名な漫画『HUNTER×HUNTER』で用いられている特殊能力の事である。

 

 念能力を使う者、念能力者は人の持つエネルギー、オーラと呼ぶそれを使い、超人的な能力や摩訶不思議な現象を起こしている。

 

 何故俺が今こんな説明をしているのかと言えば、これが物語に大きく影響するものだからだ。

 詳しく知らないという人は、是非ググってくれ。

 

 俺こと『葉山誠』は、建設中のビルの足場が倒壊し、その下敷きになり死亡した。

 だが運の悪いことに即死ではなく、下半身が潰されはしたものの落下物が血止めとなり、無駄に長く生き延びてしまったのだ。

 

 あの体験はもうしたくない。痛みもそうだが、じわじわと体温が下がり身体が死んでいくのを感じるのはかなりの恐怖だった。

 まぁその残された時間の中で、俺は現実逃避としてこう願ったんだ。

 来世は念能力を使えるようになりたい、と。

 はは、それがまさかこんな形で叶うとは思っていなかったが、これも神様に感謝した方がいいのかね?

 

 長くなったが、これが俺の前世での出来事だ。

 諸君らも、死ぬ時は何か願い事をしてみてはどうだろうか?

 もしかしたら俺のように叶うかもしれないからな。

 

(この作品は他者の自殺、他殺を推奨するものではありません)

 ――――――

 

「クラム、そっちは終わった?」

 

「あぁ、問題ないよ。アイズ」

 

 私の言葉に答えたのは、クラム・アルベルト。

 綺麗な銀髪をもち、海のように深い蒼をしている瞳は、いつもにこやかに細められている。

 中性的な顔立ちをしている彼は、その柔らかな物腰から他の女性冒険者から人気が高い、らしい。

 私にはよく分からないが。

 

「それにしても、アイズが俺を誘うなんて珍しいね?何かあったの?」

 

「…その剣が見たかった」

 

 クラムには色々と秘密があると言われている。

 

 例えば戦闘中、まるで『神の力(アルカナム)』を発動させた神を前にしているような威圧感を感じたり。

 彼のレベルからは想像も出来ない力を出したり、信じられないくらいの速度で動いたり。

 

 そしてなにより…、

 

「…やっぱり、ダメ?」

 

「ははは、可愛らしい上目遣いをされるとコロッと落ちちゃいそうだけど、ダメだよ。これは俺の奥の手だからね」

 

 いつもこうしてはぐらかされる。

 

 彼の武器は特殊だ。

 今彼の手には一本の刀と、腰には『二本の鞘』が付けられている。

 これが彼の二つ名【秘剣】の由来。

 いつもは普通の刀で戦っているが、もう一つの太刀、それがひとたび抜かれれば、相手はいつ切られたのかもわからず切り捨てられている。

 その刀を誰も見たことは無いらしい。

 

「その刀は魔法では無いんでしょ?」

 

「うん、魔法ではないね。リヴェリアさんからも聞いてるんじゃない?」

 

 彼のその力は魔法でもないらしい。

 オラリオ随一の魔法使いであるリヴェリアがそういったのだから間違いないのだろう。

 

「なら、それは何?」

 

「ふふふ、秘密だよ」

 

 クスクスと笑いながら前を歩く彼の背中を私は追いかける。

 

 彼、Lv.6の【秘剣】クラム・アルベルトには秘密が多い。

 

 ――――――

 

 アイズをからかうのは楽しいね〜。

 まぁあんまりやるとベートや、ロキ・ファミリアのママこと、リヴェリアさんに怒られるから程々にしないとだけど。

 

 それにしてもアイズも随分熱心に聞いてくるよなぁ…。これで何回目だっけ?

 まぁ気になるのも仕方ないか。

 本来この世界にはないだろう力なんだから。

 

 俺が生まれ育ったのは、とある片田舎の辺鄙な村だった。

 両親は、かつては冒険者をしていたらしいのだが、引退して母方の実家に身を寄せたのだとか。

 そんな二人の間に生まれたのが俺、クラムだ。

 

 俺の自我が目覚めたのは3歳の頃。

 最初はかなり混乱した。身体が縮んでしまっていた!なんて何処の名探偵だって話だからな。

 そして俺を混乱させたもう一つの理由。

 それはどういう訳か、念に関する知識をかなり詳細に知っていたからである。

 

 最初俺は「HUNTER×HUNTER」の世界に転生したのかと思い、急いで念の修行を開始した。

 だってあの世界、場所によっては人の命が紙屑より軽いところもあるんだよ?

 こいつぁヤベぇってことで修行しまくるに決まってんじゃん。

 

 そして数年して、ここが想像していた世界とは別物だってことを知った。

 いくら先入観があったからとはいえ、何年も気付かなかったのはかなり恥ずかしく、一人ベットの上で悶えた。

 

 そんなこともあったが、修行は順調に進み、13歳で家を出てオラリオに行く時には、それなりに戦えるようになっていた。

 両親が稽古を付けてくれたお陰でもある。マジ感謝。

 

 そしてオラリオに着いて、入団試験を受けたのがロキ・ファミリア。

 本来は試験の時期ではなかったらしいのだが、俺が行った時たまたまロキの目に入り、気に入られたことで、特別に入団試験を受けさせてもらったのだ。

 この時のことは、あのセクハラ神に感謝している。あとこんな綺麗に産んでくれた両親にも

 

 んで試験官だったのが、団長のフィンさん。あの人マジおっかない。

 念があるとはいえオラリオ最強の一角である彼に敵うわけないと、最初から本気でいったのだがこれが悪かった。

 

 恩恵も貰ってない人間がかなりいい動きをしたもんだから、彼の闘争心に火をつけちゃったらしく、半殺しの目にあった。

 何?『堅』で守ってたのに肋ボッキボキだったんだけど?どんな筋力してんすか?

 リヴェリアさん居なかったら死んでたかもしれないって、どんだけ容赦ないんすか?

 

 ま、まぁそんなこんなで無事試験にも合格し、はれて入団することが出来ました。

 

 ではそろそろ俺の能力を紹介しよう。

 俺の念の系統は変化形だった。

 個人的には結構気に入っている。

 ↓こちらをどうぞ↓

 

 ―――――――――――

【変幻自在】

 

 ・オーラを固形にすることが出来る

 ・強度は込めたオーラの量に比例する

 ・自分のオーラの届く範囲(例えば円の中とか)ではどこでも出せる

 

 制約

 ・体から離れた物は強度が落ちる(円の中でも同様)

 ・能力で創り出したものは物理法則に従う

 ・1度固定した物を解除すると、そのオーラは戻らず消える

 ・1度固定した後、形状を変えることは出来ない(解除してもう1度作り直す必要がある)

 ・体から離れたモノは、最後に体に触れてから三十分で消滅する

 ・今後一切自分は他人の精孔を開くことは出来ない

 

 ――――――

 

 こんな感じ。

 この能力で生み出せる物は、あくまで固形。

 例えば某死神ピエロのように伸縮性、粘着性をもたせたり、盗賊団の色っぽいお姉さんのように柔軟性を持たせたりすることは出来ない。

 

 だが汎用性は高く、俺がオーラで形作れるものはなんでも作れる。剣でも盾でも槍でも。

 あとこの能力で創り出したものはその大きさに関わらず、質量がほぼない。良くも悪くも

 まぁこの点はメリット、デメリット両方あるので後にしよう。

 

 そしてなにより、忘れてはならないのがこの世界には、俺以外の念能力はいない(と思う)のである!

 つまるところ俺の作った剣やら盾やらは不可視。

 これが【秘剣】のカラクリなのだ。

 わざわざ鞘を付けているのは居合抜きのためと、刀しか生み出せないという先入観を与えるための布石だ。

 

 ……【秘剣】の二つ名がカッコいいからそれに合わせたとかではない。断じてない。ホントだよ?

 

 あと一つ能力はあるが、それはおいおい語るとしよう。

 

俺とアイズは、ダンジョンの闇の中へと潜っていく




如何だったでしょうか?
作者は所詮ニワカですので、能力の細かい設定までは管理しきれないかも知れません。
極力矛盾点のないよう努力していきますが、あくまで雰囲気を楽しんでいってもらえればと思います。

ではまた次回お会いしましょう
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