ダンジョンに念能力者がいるのは間違っているだろうか?   作:気まぐれな暇人

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皆様、お久しぶりです。

三の丸様、前回の誤字の報告ありがとうございました。

やっとこさ原作開始部分に差し掛かりました。
結構あっさり風味。
私も出来にはあまり納得していませんが、書いては消し書いては消しを繰り返してもこの出来なので、ここらが私の才能の限界なのでしょう。
期待せずお読みください。(予防線)

ではどうぞ


その11 遠征と新種

まだか。

 

「ティオナ!前に出すぎ!」

 

「そおー?」

 

まだか!

 

「レフィーヤ、大丈夫?」

 

「は、はい!ありがとうございます、アイズさん!」

 

まだなのかっ!?

 

「フィンさん、いい加減俺も前に出たいんですけど!?」

 

「ダメだ。君に万一のことがあった場合、その損失は計り知れない。

君は前衛が抜かれた場合に出てもらう」

 

「アイツらが全力で暴れてんのに、後ろに流れてくるとは思えないんですけどね!

さっき流れてきたのも、出る前にアイズにやられちゃったし!」

 

現在俺達がいるのはダンジョンの49層。未踏破階層に向けて遠征中だ。

今の相手は、無限に湧いてでるのではないかと思うほど現れる、人と山羊を合わせた様な見た目の悪魔の化身たち。

下層への道へ向けて、群がってくる有象無象共を蹴散らしながら進んでいるのだが、問題が発生していた。

 

俺の出番がない!

 

いや、フィンさんの言い分はわかるよ?

もし俺が死んだりしたら、『家』に貯蔵してある備蓄品が全部パァーになってしまうんだから。

分かっている。分かってはいるんだが…!

どうしても前に出たくなってしまう!

 

「そろそろリヴェリアの魔法が完成するから、突入の準備をして」

 

「結局出番なしなんですね!」

 

そんな俺の言葉が虚しく宙に消えていった時、前方が紅く染め上げられる。

…相変わらず、ちまちま狩ってる俺たち前衛が馬鹿馬鹿しく思えるほどの威力。

 

「今だ!突き進め!」

 

フィンさんのそんな掛け声とともに、下層への道へ突き進む前衛たち。

 

そのまま俺たちは50層のセーフティエリアに到着した。

 

――出番なかったよ。グズン

 

――――――

 

「ガハハハ!何をそんなに落ち込んでおるか。若いもんが情けない!」

 

儂はなにやら落ち込んでおるクラムに声をかけたのじゃが、どうにも反応が悪い。

 

「俺見てるだけだったんですもん」

 

ムスっとした表情のままそう言うクラムは、まるで子供の様じゃ。

今までこんな表情を見せることは無かったということは、やはり何処か遠慮があったのじゃろ。

 

「しかもまた本陣で留守番だし」

 

「仕方あるまい。お前の能力が無ければ、ベースキャンプを構築するのにも差し障るのだ。

だが次の階層からは前に出せないかフィンにも話してやるから、元気をだせ」

 

「…了解」

 

リヴェリアのフォローもあまり効果が無い様じゃのぉ。

やれやれ、こうして本音が出るようになったのも善し悪しという訳か。

 

儂らは依頼された51層にあるカドモスの泉から湧き出す水を、指定量採取しなければならない。

しかし、その泉というのが中々の曲者で、湧き出す水の量がそれほど多くない上に、その泉をカドモスという大変強いモンスターが縄張りにしている。

 

その為、フィンは遠征部隊を、儂ら50層に建築中のベースキャンプと、泉から水を回収する2組の、合計3班に分けた。

 

アイズやベート、ティオナ等は水の回収班として、迷宮の奥へと向かったのじゃが、置いてけぼりを食らったクラムはこうしてご立腹という訳じゃ。

 

「しかもここから動くことも出来ないし!」

 

「それはお主の能力の性質故じゃろ。まさか5m離れた程度で扉が消えるとは思いもよらなかったぞ」

 

「俺だって扉出しっぱなしで彷徨(うろつ)くことなんて無かったんで、すっかり忘れてましたよ!

まさかこんな所に伏兵が紛れ込んでいるとは…」

 

そう言って忌々しげに黒塗りの扉を睨むクラム。

いや、お主の能力じゃろうに。

 

「仕方ないので、念の訓練でもしときます」

 

「ほう?どういうものか聞いてもよいかの?」

 

「今やろうとしてるのは『円』と呼ばれる応用技術で、自分の周囲にオーラを薄く球体のように伸ばし、それに触れた存在を感知するというものです。

ただこれ、かなり難しくって未だに10m程度しか広げられないんですよね」

 

「ほう、そりゃ凄いのぉ」

 

詳しく聞けば、目をつぶっていても周囲の状況が手に取るようにわかるという。

使い所次第では、とてつもなく有用な能力じゃろう。

その分扱いも難しいようじゃが。

 

「まぁ一通り物資も運び出したからの。一応コレ(ドア)を出しておいてくれると助かる」

 

「了解でーす。なんかあったら連絡下さい」

 

そのまま瞑想するような体勢に入ったクラムをその場に残し、休憩していたリヴェリアの方へ向かうことにする。

 

「クラムはまだ不貞腐れているのか?」

 

「みたいじゃの。今は『エン』とかいう能力を訓練しとるんじゃと」

 

話を聞きたそうにするリヴェリアに、先程聞いた説明をしてやる。

 

「それはまた何とも有用な技術だな。

つまりその中では不意打ちが出来ないということだろう?」

 

「他にも暗闇などの視界の悪い場所でも有用らしいぞ」

 

「本当に、我々が覚えられないのが残念な技術だ。

是非とも私も使ってみたいものだ」

 

「それは無理だということで話が纏まったじゃろう。

今更蒸し返すのはアヤツもいい顔をせんぞ」

 

「分かっている。だがどうしても考えてしまうのは仕方あるまい?」

 

まあリヴェリアの言い分もわかる。

儂とて使えるものなら使ってみたいと思うほど、魅力的な力じゃ。

 

「だからこそ、このことは他の方ファミリアに漏らすわけにはいかんな」

 

「あぁ、クラムが我々を面倒ごとに巻き込まないよう、気を使ってくれていたのだ。今度は我々がアイツを守らねばな」

 

やっと儂らを対等な仲間として、家族として頼ってくれるようになったあの子の信頼を裏切るわけにはいかん。

クラムを守るためならば、フレイヤの所にも喧嘩売ってやるつもりじゃわい。

 

「珍しく好戦的な表情をしているな、ガレス?」

 

「なぁーに、今一度覚悟を固めただけじゃよ」

 

「ふっ、そうか」

 

そんな話をしておると、なにやらベースキャンプの一角が騒がしくなるのがわかった。

 

「…何か問題か?」

 

「一応ここは数少ないセーフティエリアなんじゃがのぉ。

ここでモンスターが産まれるとかは無しにしてもらいたいわい」

 

騒動のあった方からかけてくる人影。

伝令役じゃな。

 

「リヴェリアさん、ガレスさん!奥からモンスターが押し寄せてきます!恐らく新種かと思われます!」

 

「わかった、すぐに向かう。彼処でクラムが待機しているので、アイツにも事情を説明してすぐに向かわせろ」

 

「りょ、了解しました!」

 

「やれやれ、厄介事の匂いしかせんの」

 

「あぁ、間違いない」

 

急いで向かった先には、なにやら巨大な芋虫のような形をしたモンスターが蠢いておった。

大きさはおおよそ4m前後といったところか。

上半身と思われる部分には、なにやら指のような器官が付いている。

 

「また随分面妖な姿じゃのぉ」

 

「呑気に言ってる場合か。

すぐに守りを固めろ!

キャンプ地には1匹たりとも通すな!」

 

リヴェリアの指示でキビキビ動きだす団員達。

 

「まずは様子を見るとするかの。

お、クラム、来たか」

 

「ただ今到着しました。

んで、問題の敵というのはアイツらですか」

 

そう言って芋虫を指さすクラムだが、その姿をみて気持ち悪がっている様子。

あの外見では無理もないがの。

 

「そうじゃ。とりあえずクラム、お主ちょっと行って、つついてきてくれんかの」

 

「あ、俺が試金石替わりなんですね、わかります」

 

「さっきまであれほど前に出たがっておったじゃろ。

ほれ、望み通り行ってこい」

 

「あんな気持ち悪いの切りたくないのにぃー!!」

 

等と文句は言うが素直に行ってくれるのは、あ奴の良いところじゃな。

文字通り様子見なのか、刀は抜かず、念で切るつもりの様子。

まぁ儂にはただモンスターの近くで、腕を振るっているようにしか見えんのじゃが。

 

クラムの腕が振り下ろされると、その前方にいた芋虫が豆腐のように切り裂かれ…、体液を撒き散らしながら破裂した。

 

「うわっ!キモッ!!」

 

そんなクラムの意外と余裕そうな声とは裏腹に、あ奴の周囲に落ちた液体は地面に触れると白い煙を吐き出した。

 

「あれは…、酸か!?」

 

その液体がかかった場所が溶けていく様子からも、恐らくあれは消化液や、腐食液の類だと推察できる。

 

「リヴェリアさん!この液体、金属も溶かすみたいなので、普通の武器だとやばいかも知れません!」

 

腰に下げていた金属の短い棒を敵に投げつけたクラムの言葉に、思わず唸る。

通常の武器が使えないとなると、撃退は難しいかもしれんな。

 

「クラム!お前は大丈夫なのか!?」

 

「俺の能力で創ったモノは溶けないみたいなので大丈夫です。

さっき飛んできたのも防ぎました!」

 

「ならばもう暫く持ちこたえてくれ!すぐに防御を固める!」

 

「了解!」

 

とはいえクラムもたった一人ではそう長くは持たないじゃろう。

現在フィン達を呼び戻しに、ラウル達に走ってもらっているが、間に合うかどうかは不明。

まったく、こんな時に団長であるフィンが不在とは、少し迷宮を舐めておったかもしれんの。

 

「ガレス、お前が防御の要だ。頼むぞ」

 

「誰にモノを言っておる。わかっておるわ」

 

周囲の者に指示を出し、陣を組む。

そう易易と突破される訳にはいかんからの。

 

「クラム!もういいぞ、戻ってこい!」

 

「了解しました!…っ!ちょっと待ってって!」

 

そう言って、なんとあの小僧、今切った芋虫の中に手を突っ込みおった!

溶けても知らんぞ!あのバカタレ!

 

「…これは」

 

「クラム!いいから戻ってこい!」

 

なにやら取り出した掌の物を眺めている様子だったが、今はそれどころではない。

見たところ治療は必要ないようじゃが、あのまま囲まれればどうなるか分からんからな。

 

クラムが盾を構えた儂らを飛び越え、陣の後ろに着いたとき、異形の虫と不動の盾とが衝突した。

 

――――――――――――

備考

クラムの円は、せいぜい10m程度だが、それは自身の周囲に満遍なく拡げた場合で、1箇所だけに伸ばせば、最大30mほどまでは伸ばせる。

しかし結構神経を使う技術で、歩きながらなど、他の動作と併用することは出来ない。

 

クラムが持っていた金属の棒

クラムの能力はご存知の通り、質量が無い。その為、投げナイフなどを創っても、重さがない故に弾かれてしまう時がある。

そんな時に、その棒を重しとして埋め込んだモノを創ることで、不可視ではなくなってしまうが、より重い一撃を与えることができるようになる。




ここで皆様にお知らせです!
作者は、ようやくソード・オラトリアの原作を手に入れました!
大人買いはできないので、まだ2巻だけですがとりあえず読んで作品に反映させていきます。
既に書いてしまった分は、すいませんがこのままで。
ヘタにいじると、ゴチャゴチャになりそうな気がしますから。

ただ最近筆記活動の時間が少なくなってまして、ネタが浮かんでも書き続けられるかなぁー、と微妙な感じになってます。
できるだけ頑張りますが。
ではまた次回。
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