ダンジョンに念能力者がいるのは間違っているだろうか? 作:気まぐれな暇人
まずは、誤字報告を下さった三の丸様、ありがとうございます。いつも助かります。
最近は買ってきた原作を読んで、細かい所の訂正を行ってるところです。
地味に多くてしんどいです…。
いや自業自得なんですけどね、はい。
今回はフィン視点。
まだ原作を持っていない時点で書いたものなので、色々と違いますが、勘弁してください。
「状況を報告!」
「はい!ここ本陣にて、15分ほど前に新種と思しきモンスターが下層より現れ突撃してきました。
敵はどうやら腐敗液を吐き出し、死亡時にも周囲に同様の液体をばら撒くことが確認されています。
これにより通常の武器での対応が難しく、既に多数の負傷者が出ています」
予想通り、カドモスの泉に現れた芋虫のモンスターが、こちらにも襲撃を仕掛けたようだ。
状況は芳しくない。
僕がここを離れたのは下策だったかっ!
「リヴェリア達は?」
「副団長は、ガレスさんやクラムさんと共に防衛に当たっています。
ガレスさんを防御の軸とし、腐敗液の影響を受けにくいクラムさんが攻撃を担当しているようです。
副団長はその後方にて魔法の準備中とのこと」
「了解した。ティオナ、ラウルは負傷者の救護。ティオネとアイズ、ベートは僕と一緒に防衛陣へ向かうよ!」
『了解』
まったく、いくら迷宮は未知が多いとはいえ、こんな時に新種なんて現れなくてもいいじゃないか。
本当にボヤかずにはいられない。
そして到着した最前線は、モンスターの腐敗液の影響だろう、かなり混乱しているのが見て取れた。
まずはアイズ達に行動してもらわねば。
「君達は前線を押し上げてもらう。
だが敵の攻撃は非常に厄介だ。
特にベート、君は注意してくれ」
「わかってる」
そう言って走り去っていく3人の背中を見送りながら、戦況を回復するため指揮を執りはじめる。
「リヴェリア、魔力は?」
「もう少し待て。
あの大軍を一掃するにはまだ足らない」
「わかった。
だができるだけ急いでくれ。
前線がどこまで持つかわからない」
「わかっている」
これは本気で撤退を考えるべきかと考えていると、悲鳴のような声が飛び込んでくる。
「ティオネさん!武器が!」
「わたしの事はいいから、目の前の敵に集中しなさい!」
どうやらティオネの武器まで溶かされてしまったようだ。
――このままでは前線が崩壊してしまう!
だが運命の女神もそれほど意地悪ではないらしい。
「ティオネ!コレを使え!刀身が見えなくても間合いくらいはわかるだろ!」
そう言って、クラムが彼女に投げ渡したのは、金属の棒…?
いや、違う!
「っ!そういう事ね、感謝するわ!」
ティオネがその金属をひとたび振るえば、触れていないはずのモンスターが切り裂かれる。
あれはクラムの能力で創り出された剣という事だ。
恐らく彼女の愛剣のいずれかを模したものだろう。
「でもこれ、重さがなくて振りづらいんだけど!」
「文句言うな!
得物があるだけましだろ!」
「クラム!それは他のメンバーには回せないのか!?」
「すいませんフィンさん!今の俺が、同時に創って維持できるのは8本が限界なんです!
今ので全部回しちゃいました!」
そこまで上手くはいかないか。
だが確実に戦況は回復しつつある。
このままリヴェリアの魔法が発動出来れば!
「魔法の詠唱を開始します!」
今はレフィーヤのその言葉が福音に聞こえる。
恐らく詠唱を始めたリヴェリアの代わりの言葉だろう。
なんとか間に合ったか!
「聞こえたかっ!?
あとひと踏ん張りだ!何としても戦線を持ちこたえさせろ!」
各団員たちのさらなる奮闘により、迷宮の闇から現れたモンスター達の勢いも無くなり、溜まり場のような有り様になっている。
「『……焼きつくせ、スルトの剣
――我が名はアールヴ』!」
「総員、撤退!!」
「『レア・ラーヴァテイン』!」
避難したメンバーの背後で、彼女の魔法により、世界が紅蓮に染まる。
…何とかなった、か。
光が収まった後には、黒く炭になり崩れ落ちていく新種のモンスターの姿が。
だが油断はできない。
次の波が来ようものなら、今度はどうなるか分かったもんじゃないからだ。
「まずは状況を確認!怪我人の治療を急がせろ!」
慌てて動きだす団員達。
怪我人の数もかなり増えてしまったようだ。
ここは一度撤退するべきだろう。
「リヴェリア、今回は撤収する。クラムに頼んで荷物を片付けてくれ。大至急だ」
「わかった。深手を負った者を『家』に入れておくのはどうだ?アソコならば安全だろう」
エリクサー等の
重傷者の負担は、肉体的にも精神的にも大きいだろう。
「確かに。クラムにそのことを伝えてくれ。中に入れる人数は怪我人10名に、介護者1名だ。選別を頼む」
「了解した」
その背中を見送って、ボクは焼け残った魔物を確認する。
「…やはり見たこともない魔物だ。
未到達階層から上がってきたものか?」
「おい、フィン。面白いものがあるぞ」
そう言うガレスの言葉に近寄ってみれば、彼の手から掌サイズの魔石が出てきた。
しかし普通のものと違い、中央部分だけが極彩色となっている。
なにやら不気味な印象を受ける物だった。
「これは?」
「クラムの奴が、例の魔物の中から取り出した物らしいぞ。あやつ儂に押し付けていきおったわ」
ガハハと笑う彼から渡されるソレは、今回の事態に大きな影響を持つものであると考えて間違いないだろう。
「わかった、預かっておこう。今、他の面々には撤収を指示したから、もう暫くここを見張っていてくれ」
「わかってるわい。それにしてもこやつら一体何だったんじゃろうな?」
「わからない。だがコイツらが今後、僕達の遠征での障害になることは間違いないだろう」
「うむ。どうやらデュランダルを付与した武器は壊れることがないようじゃから、どこまでそれらの武器を集められるかが課題じゃな」
そうだな、と返事をしようとしたところで、なにやら巨大なモノが這いずるような気配が現れた。
「…もうお出まし、か」
「想像以上に早かったのぅ。これは物資の回収は諦めた方が良さそうじゃぞ」
「あぁ、スグに撤退だ。
総員!最低限の荷物だけ回収!
すぐさまこの場を撤収する!」
やれやれ、本当に運命の女神様というやつは、僕達を退屈させてくれないらしい。
考察
クラムの能力は、その性質上30分経過しなければ、手から離れたモノは消失しない。
しかし相性の関係で、放出系統の能力が不得意であることから分かる通り、離れた場所にあるモノを維持するにはそれなりの気を使う。
形がより複雑で、オーラの込められた量が多く、大きく、能力者本人からより遠いものほど維持が難しくなる。
剣程度は、最大でも同時に8本を維持するのが現在の限界である。
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3000字前後を目指してたんですが、今回短くなっちゃいました。
原作との矛盾点を出来るだけ消していったら、いつの間にかこんなに短く。
とりあえず、相違点はあっても矛盾点はなくなってると思います。多分、恐らく…。
次は早めに出せるよう努力します。
それではまた次回。