ダンジョンに念能力者がいるのは間違っているだろうか? 作:気まぐれな暇人
最近全然筆が進みません、すいません。
代わりに全く違う話を書き始めてしまう体たらく。
そっちは流石に出したりしませんけどね。
あ、私はどちらかと言えばハーレムものよりも一途な話が好きです。前者も嫌いではないですが。
今回は多少フラグ臭い感じになってしまったので、先にへし折っておこうかと。
今回は、三人称視点とティオナ視点でお送りします。
ではどうぞ。
無事合流できたクラムとアイズを含めたロキ・ファミリアは、帰還への道について暫く。
現在彼らは、中層に位置づけられる17階層を歩いていた。
「それにしても、クラムはそんな危ないものを
「えぇまぁ、隔離空間じゃないとヤバいモノも幾つかありましてね…」
フィンの言葉に頭を掻きながらクラムは言い訳するが、危ないことをやっていることには変わらない。
後で間違いなくママこと、リヴェリアにシバかれるだろう。
だが彼女もそれはとりあえず帰ってからということにしたらしく、質問を重ねた。
「あんな密閉空間で作業して大丈夫なのか?
万一の毒が溢れたら一大事だろう?」
「それは大丈夫です。毒があふれた場合、扉を閉めておけばどんな毒でも数日で換気されますから」
「あそこってそんな高性能だったの!?」
ティオナが驚くのも無理はない。
なぜならあの『家』は、出入りするためのドア以外に外気と繋がる場所がないのだ。
「空気はずっと入れ替えるように作ったからね。
でないと普通に利用してても換気口がないから窒息しちゃうし。
結果的にそれが研究所として好条件となった訳だけど」
これは本人にも予期せぬ好都合であった。
換気口をつけられない以上、空気の入れ替えを考えるのは必須事項。
その結果、どんな毒物も気体であれば浄化してくれる部屋となったのだ。
等と、そんな話をしていれば、周囲の壁からパキパキと何かが割れるような軽い音が響き始める。
「『|怪物の宴<<モンスター・パーティー>>』か」
その言葉通り、生じた岩と岩の隙間から生み出された幾多の|ミノタウロス<<怪物>>たちが彼らの前を塞いだ。
だが第一級冒険者を前にするには、あまりにも弱いと言わざる負えない。
目で追うことすら難しいような、アイズの剣閃。
一瞬で幾多に切り刻まれた怪物は重力に従い崩れ落ち、塵となって消えていく。
目の前に立ち塞がり、これから喰らおうと思っていたちっぽけな存在からの思わぬ反撃は、
「「「ヴォオオッ!?」」」
「…逃げた!?」
そう、逃亡である。
冒険者がモンスターから逃げるということはあっても、モンスターが冒険者から逃げるということはあまりに異例。
その為アイズ達の初動も遅れてしまった。
「まずいぞ!あの先には上層への通路がある!
ほかの冒険者に被害を出す前に止めるぞ!」
「クッソ!面倒臭せェことしやがって!」
「よし、お前ら言ってこい!」
「何言ってんの、クラム!
クラムも行くんだよ!」
「(´・ω・`)そんなー」
ふざけてはいるが、クラムもちゃんと働いている。
早速、最後尾の一体に追いつき、一瞬で細切れにした。
「アイツら、分かれ始めたぞ!」
「アイズとベートは上層へ向かったのを!
私とティオナは右に曲がったやつを。
クラムは左に行って!」
「ちゃっかり俺に一番多いとこ振り分けたよね、ティオネさん!?」
その発言を無視し、妹ともに宣言した通路へと走っていくティオネ。
その様子にショボーンとなりながらも役割を全うするために、振り分けられた通路へ走り込む。
それから少しして、彼らは無事役割を果たした。
哀れな一匹の白兎の犠牲を出しながら
(ベル君は死んでません)
――――――
無事、ホームに帰還できた私達は、ロキのいつもの歓迎を受けた。
ちなみに今回の被害者はレフィーヤ。
あの子は何かと損な役回りが多い気がする。
その後、遠征報告や、片付け、獲得した魔石の換金などに追われて忙しい日々が続いたが、なんとかそれも落ち着き、今回壊してしまった私の|大双刃<<ウルガ>>も無事作ってもらえることになった。
…ローン組んだ上に、親方にえらく怒られたけど。
武器もないので手持ち無沙汰となった私が来たのは、クラムの部屋。
ノックをしても返事がないので覗いて見たら、部屋の真ん中に不自然な扉が鎮座していた。
遠征中、これのせいで身動きが取れないと愚痴をこぼしていたものだ。
だが中に入ってしまえばその制限も無くなるようで、最近はよく出したままであるのを見かける。
これがあるということは、恐らく彼は中に篭っているのだろう。
以前教えられた場所から、通行証代わりのネックレスを取り出し、扉を
黒い幕を通り抜けた先には、以前とは少し配置の変わった家具が並ぶ。
私はこの部屋が結構気に入っていた。
だがそこには目当ての人物の姿はなく、ならば上の研究室かなと思い、そちらへ足を向ける。
(いたっ!)
案の定、怪しげな機材や液体に囲まれて、彼はなにやら瓶に入れられた液体を振っている。
とても集中しているようで、私が入ってきたことにも気づいていない様だ。
「クーラム、何してんの?」
「…ティオナ、この部屋には不用意に入らないでくれって、前にも言っただろ?」
「あははは、ごめんごめん。
それで今何してるの?あと、その変な格好はなに?」
小言を言われるが、鍵を掛けていなかったクラムも悪い。
そう言い訳して、話を逸らす。
彼の現在の格好は、全身真っ白のエプロンの一種のような服を着て、手には白い手袋、マスクにメガネまで付けていた。
「これは白衣だよ。研究のときはこれを着ている。
万一毒がかかっても問題ないようにね」
「へぇー、なら今振っていた小瓶の中身は何?」
「これ?これは麻痺毒。
とある蛇の魔物から採取した麻痺毒をベースに、薬草なんかを混ぜてより効果を上げられないか実験してるんだよ」
「なにそれ!面白そう!」
是非やってみたいが、クラムの表情は優れない。
「効果が麻痺とはいえ、毒だからね。
素人が手を出さない方がいいよ。
もしこれの効果を受けたら、ティオナでも暫く身動き出来なくなるかもしれないし」
「私でも!?」
それは凄い。
私の”耐異常”のアビリティは筆頭するほど高くはないが、高レベルになればなるほど、毒への耐性も自然と上がる。
そんな私を暫く麻痺に出来る薬なんて、かなりヤバいものではないだろうか?
「ベースとなっている毒の元は『パラリシスサーペント』。知ってる?」
「深層で、壁に擬態して近くを通る冒険者に噛み付いてくる、アレ?」
「そう、それ。深層でも更に奥に進まないとあまり出てこない種だから、採取には結構苦労するんだよね。
あの蛇は知っての通り、強力な麻痺毒を持っていて、噛んで毒にやられた相手を捕食する。
しかも深層に出てくる程のモンスターだからか、その毒性もとても強いんだ。
それを更に強化しているっていうんだから、その程も分かるだろ?」
なるほど。確かに危なそうな感じだ。
だがそれくらいしないと、私達クラスの実用には足らないのだろう。
「この間使った毒は?」
「あー、あれね。残念ながらもう備蓄が無いんだよ。
近いうちにまた取りに行かないとなぁ」
どうやらかなり貴重な品だったらしい。
聞いてみれば彼の虎の子で、その筋に売れば1本100万ヴァリスは下らないだろうと言われた。
エリクサーですら1本50万ヴァリスであることを考えれば、その金額の大きさもわかろうもの。
あれだけの効果なら納得だが。
「売ったりしてるの?」
「しないよ。時々知り合いに簡単な麻痺毒なんかは売ってるけど、あれクラスの毒は完全に自分で使用する分だけ。
悪用されたらどうなるか分かったもんじゃないからね」
その通りだ。
もし街中で、深層のモンスターを狂わせたあの劇薬が使われるようなことになれば、悲惨の一言では済まされない被害が出ることだろう。
その様子を思い浮かべ、思わず身震いする。
「クラム、絶対あの薬は外に出しちゃダメだからね?」
「わかってるよ。誰が造ったと思ってるんだ」
その言葉で一先ず安心した。
「ティオナは毒は使うつもりは無いのか?
他にも各種毒物は勿論、眠り薬や、腐食毒、変わり種で狂化薬とかもあるけど」
…何か怪しげな名前が聞こえた気がした。
「毒は使うつもりは無いけど、狂化薬って、何?」
「狂化薬は、その名の通り対処を狂わせるんだよ。
この間使った混乱させる薬と似てるけど、大きく違うところは狂わせた相手を強化すること。
使い道は、敵の混乱を誘うことだけど、強化もされちゃうから使いどころが難しい薬でもある。
初心者にはオススメできないかな」
「ならそんな薬を出さないでよ!」
なんでも、この間の混乱薬が出来る前は、それが使われていたそうだ。
ただ今のものと比べて使い勝手は良くないらしい。
本当に素人にそんな物を進めないでほしいと心から思う。
「ちなみにティオネは、この間惚れ薬がないかって聞いてきたけど」
「ティオネなにやってんの!?」
姉の行動力は目を見張るものがあるけど、あのフィンへの恋心は最早執着の域に達してるのではないだろうか?
いい加減にしないと、フィンの胃が心配になってくる。
「勿論断ったけどね」
「それを聞いて安心したよ…」
ホッとする私を見て、クスクスと含み笑いをするクラムをジト目で睨む。
「ふふっ、ごめんごめん。
そう言えばティオナにはいないのか?そういう相手」
「そういう?」
「ティオネみたいに熱を上げる相手が、さ」
…あまり考えたことはなかった。
確かに、身も焦がすような恋に興味が無いと言えば嘘になる。
様々な小説、童話を読んできた私だけど、やはりラブロマンスには心打たれるものがあった。
「私はそういうのは良いかな。
興味が無いわけじゃないけど、相手もいない状態だからね」
だが私にはまだ恋という感情は分からない。
フィンやガレスなどは、家族であり異性として見ることは出来ない。
あのバカ狼は論外だし、ラウルも違う。
クラムも友人や仲間としての面が強く、そういう対象としては見られない。
「そうか。まあいずれ分かるんじゃないか?」
そう言って私から視線を外し、薬品へと興味を戻した彼を眺めながら、私は自問自答を始めた。
―私に幸せになる権利などあるのだろうか?
―生きる為に友人を手をかけた私なんかに?
その過去は今でも私を蝕んでいる。
いつか私にも、この鎖を断ち切ってくれる誰かが現れるのだろうか?
ティオナの過去は少し捏造が入ってます。
w〇kiで調べた範囲ではそれほど的外れなことでもないと思うんですけど、どうなんですかね?
今後自分でも原作を読んで、明らかに違っていたら修正します。
話は変わりますが、一度も小説を書こうと思われた方で、書き進めいくうちに予定と全く違うところに行き着いたり、考えていたキャラクターの性格が変わってしまう、なんてことになったことは無いでしょうか?
私は結構あるんですよね、この話を書いていて。
今回の話でも、どんどん横道に逸れていってしまうのを軌道修正しながら少しづつ書いていたら、こんなに遅くなってしまいました。
あ、言い忘れてましたが、ストックは切れましたです、はい。
今後は書き終わったものから投稿という形になるでしょう。
特に期待せずお待ちください。
ではまた次回。