ダンジョンに念能力者がいるのは間違っているだろうか?   作:気まぐれな暇人

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…サブタイ、もう少しなんとかならなかったのか。

今回は主人公視点とティオネ視点でお送りします。
ほぼ同時に『その7』も投稿いたしましたので、まだの方はそちらからどうぞ。


その8 彼の気持ち

 あ”あ”〜〜〜、ヂがれた〜〜〜。

 

 最近こんなことばっかのような気がする。

 運気が落ちてんのかな?

 

 アイズとの模擬試合だが、あのお嬢ちゃん、本気できたよ!?

 殺す気だったよね!絶対!!

 目がマジだったもん!

 

 あの試合を振り返るが、俺の能力はアイズの魔法と相性が悪い。

 以前も言った通り、俺の能力で創り出すモノは良くも悪くも、ほぼ重量がない。

 で、今回はそのデメリットが大きく出た。

 

 通常、俺が能力で創った剣を振るう場合、その比類なき軽さによって、圧倒的に速さを活かせることがアドバンテージだった。

 他にも投げナイフを創ったり、撒菱(まきびし)を巻いたりといった使い方もするが、今は置いておく。

 

 しかぁーし、軽いということは他の物質などの影響を、大きく受けることを意味する。

 例えば風などだ。

 

 まぁここまで言えば猿でもわかると思うが、俺の創った剣だと、軽すぎてアイズの風の防御壁を抜けないのだ。

 

 だから初撃で、まだ風が荒ぶってないウチに流れを掴もうと思ったのに、アイズの奴、いきなり受け流しやがった!

 

 普通最初は避けない!?

 

 仮にも不可視の攻撃だ

 よ!?

 

 慎重になって避けるだろうから、そこを追撃、って考えてたら、初っ端から目論み外されたよ!

 

 しかも!目の前に迫った時、アイツ俺の喉を狙ってきやがった!

 殺す気だったんですね、分かりたくありません。

 

 いやー、余裕そうに振舞ってたけど、あん時冷や汗ダラダラでしたわ。

 あと一瞬、防御壁の展開が遅れてたら、今頃天に召されてただろうなぁ(遠い目)

 

 その後、出番がやってきたのは俺の頼れる相棒«氷刃»!

 その見た目が、非常に鋭く、氷のように見えたことからこの名前を付けた。

 まぁ、どっかのモンスターをハンターしちゃう系のゲームの影響を、多分に受けていることは否定しないが。

 

 能力の相性が悪い以上、氷刃に『周』を施して接近戦に持ち込むことに。

 アイズの魔法って遠距離にも対応出来るからね。あれほんと便利だと思う。

 

 んで斬り合ってたら、案の定風の強化してきよるし。

 もう氷刃が風で流れちゃって振りずらいのなんの!

 

 そしてあの瞬間、絶対あの子『リル・ラファーガ』打とうとしたよね?

 俺、死ぬよ?死んじゃうよ?

 あんな至近距離でぶち込まれたら、最悪下半身しか残らんよ?

 それくらい凶悪なんですよ、あなたの魔法は。自覚してください(切実)

 

 そうしたら運のいい事に、アイズちゃん、俺の魔法のこと忘れてたみたいで、物の見事に引っかかってくれた。

 

 …うん、良かったんだよ?

 でもね、お気に入りの魔法が忘れられてるっていう事実に、ちょっと切ない気分になったのは内緒。

 

 

 

 

 ――ちなみにあの魔法、キルアさんの影響を大いに受けております、ハイ。

 

 最初、俺の系統が変化系だとわかった時は、本気でキルアと同じにしようか悩んだくらいだもん。

 勿論、周囲に発電施設もない場所、でそんな能力があっても充電できないし。

 それ以前に能力開発すら出来ないし。

 という訳ですっぱり諦めました。

 拷問まがいの訓練とかしたくなかったしね、流石に。

 

 次に俺が希望を見出したのは魔法の存在。

 だがLv.4になっても一向に発現する気配すら見せず。

 なら強制的に発現させてやろうジャマイカ!と、くっそ高い金払って魔導書を買ったのだ。

 

 その結果、念願叶って俺は運良く『鳴雷』を習得することが出来たのである!

 

 

 

 閑話休題

 

 

 

 魔法でなんとか体制を立て直した俺は、もういい加減決着を付けることにした。

 こんだけ付き合ってあげたんだからもういいでしょ、アイズさん!?

 

 とはいえ、天才剣士であるあの子と純粋に剣で勝負するのは部が悪い。

 という訳で一計を案じることにした。

 

 やることは別にそれほど凝ったものでは無い。

 オーラを背中から放出して距離を詰める、ただそれだけである。

 だが、一瞬の出来事が勝負を決める世界において、その意味は測りしれない。

 

 なにより彼女は、透明だったとはいえ俺の居合をみている。

 なら距離感や攻撃の軌道は幾らか目星が着くだろう。

 そこを逆手に取って、意表を突く。

 

 若干小ずるい手に見えるかもしれないが、本気の殺し合いならもっとえげつない手を使えるのだから、この程度は勘弁して欲しい。

 

 

 

 結局目論見は成功。

 やっぱりあの子、俺の間合い見切ってたね、ほんと恐ろしい。

 勝てたから結果オーライだけど。

 …次戦うってなったらどうしよっかな。

 

 

 

 そして最後に。

 この戦い、俺は戦闘中はほぼ刀の刃を潰して戦っていたのだ!\_(・ω・`)ココ重要。

 

 だってね?ファミリアのアイドルとも言えるアイズを、万が一傷物にしようものなら、ファミリアの半分が本気で俺を殺しに来かねないんだよ?

 そんな人相手に刃物なんか向けられるわけないじゃん!

 

 

 なので俺が創ったオーラの刀も、氷刃も、刃が出ないように刃を潰したり、オーラでカバーをかけたりしてたんです。

 ほんとあれはしんどかった。

 バレると手加減したんじゃないかってうるさく言われるだろうから、無駄に神経使うし。

 

 とはいえ!俺は無事、生きてこの修羅場から抜け出せたのだ!

 だからティオナ、そんなキラキラした眼差しでこっちを見ても、相手はしないからな!?

 これ以上やったら俺マジで死んじゃうからな!

 という訳で、逃げるんだよォォォォ!

 

 

 

 ――――――

 

 

 

「チッ、あの野郎。さっさと出て行っちまいやがって。次は俺が相手してやろうと思ったのによ」

 

「えーっ!ベート、次は私だからねっ!!」

 

「うるせぇ、お前はミノと戯れてろ。このまな板が」

 

「なんだと、このヘタレ駄犬がァァァ!!?」

 

 はぁー…。

 この二人、またやってるのね。

 我が妹ながら頭が痛いわ。

 

 それにしてもクラムの奴、あれだけの激戦だったのにまるでまだ余裕みたいな顔してたわよね。

 やっぱり念能力っていうのはそんなに凄いものなのかしら。

 後で団長からも意見を聞いてみようかな。

 

「ティオネは、先程の戦いをどう見る?」

 

「なかなか見応えのある試合だと思いましたけど、どういう意味です?団長」

 

「なんというか、彼が僕達に黙っていた理由がわかったような気がしてね」

 

 アイツが私達に黙っていた理由。

 

 たしか、騒動を巻き起こす火種になるからと、私達に失望されたくないから、だったか。

 

 

「彼の能力が他の神々に伝われば、以前の騒動が比じゃないくらい大きな事が起こりかねない」

 

 それは…、確かに不味いかもしれない。

 オラリオでも最大規模の勢力を誇るロキ・ファミリアだが、他のファミリアが結託して敵に回った場合は、決して楽観視できない。

 

「そして何より…、ボクは彼の力に少し嫉妬してしまった」

 

「嫉妬?団長がですか?」

 

「あぁ。神の恩恵以外に、アレだけの力があればボクの夢が叶うかもしれないのに、ってね」

 

 団長の夢。

 それは信仰の対象を失い、衰退していってしまった小人族(パルゥム)の復興。

 団長はその旗頭になろうと、奮闘している。

 

 

 確かに、アレだけの力があれば尚いっそう、その名声は高まり、この人の夢に近づくかもしれない。

 

 だけど私は、今の彼が好きなのだ。

 その小さな勇者を、私はそっと抱きしめる。

 

「団長は団長のままでいいじゃないですか。貴方が努力し闘ってきたことを、私はちゃんと知っています」

 

「…ティオネ」

 

「団長はあんな力に頼らなくとも十分に強いです。だから自信を持ってください」

 

「…ありがとう」

 

 …嗚呼、私の『全て遠き理想郷(アヴァロン)』はここにあった。

 団長、団長、団長団長団長団長ダンチョウだんちょうダンチョ…

 

「…おい、自分の姉だろ?

 アレ何とかしてこい。

 つうかゲシュタルト崩壊起こしてねぇか?」

 

「…私じゃアレは無理そうかなぁー。

 あと私もそう見えるよ」

 

 駄犬と愚妹が何か言っているが、今の私はそんなことより、この至宝を愛でる方が重要だ。

 

 

 …フィンはその後、ティオネにお持ち帰りされることだけは何とか回避したという。




結構蛇足が多かった気もしますが、それもご愛敬ということで。

さて、この作品はこの後、原作の流れに入っていくわけですが、作者はソード・オラトリアの原作を知りません。(アニメ撮り忘れて見られなかった…)
他の方の創作品を読んで勉強していますが、恐らく別物になってしまうかと。
大筋は同じようにしようと思ってますが、それもどうなるか、今のところ分かりません。
四苦八苦した努力の痕跡を、今後ともお楽しみください。

ではまた次回
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