ラブライブ!~太陽と月~   作:ドラしん

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自分の文章が好きになれない…

上手く書けてるかな…可愛くμ'sを表現出来てるかな?

既存ストーリーにオリジナル要素を入れる事が難しくて難しくて…

という事で第15話始まります。




こんなに長くなるとは思わなかったんです!気づいたらまた10000字超えちゃいましたすいませんっ!


第15話【ラブライブとレッドゾーン】

「大変です!!」

 

これからのSomedayをネットにUPしてから数日。

 

にこさんもすっかりμ'sに溶け込み、いつもと変わらない日々を過ごすμ's一同。

 

いつもの様に部室で過ごしていると、慌てた様子で小泉さんが部室に飛び込んできた。

 

「花陽ちゃんどうしたの?」

 

「じ、実は…」

 

急いできたのか息切れしている様子。

 

よっぽど大変な事が起こったみたいだな。

 

「小泉さん1回落ち着こう。深呼吸して」

 

「は、はい!すぅ………はぁ………」

 

「…落ち着いた?」

 

「はい!ありがとうございます氷月先輩。実は、開催される事になったんです!」

 

「スクールアイドルの全国大会…ラブライブが!!」

 

目を輝かせながら言う小泉さん。

 

どうやらスイッチが入ったらしい。

 

にしてもラブライブか。初めて聞いたな。

 

「…ラブライブ?」

 

高坂さんもどうやらピンと来ていない様子。

 

他のメンバーの表情を見ると、皆同じ感じだ。

 

「知らないんですか!?」

 

驚いた様子で小泉さんは言うと、そのままパソコンの前に座りマウスを動かし始めた。

 

何か初めて部室に来た時と似た光景だな。

 

「ラブライブは通称スクールアイドルの甲子園と呼ばれていまして、ランキング上位20組がスクールアイドルの頂点を目指してライブをするトーナメント形式のイベントになります!!このランキングだったら1位はA−RISEだとして2位3位は…ああ!なんて夢のようなイベント!チケット販売はいつでしょうか…初日特典は…」

 

パソコンとスマホを器用に操作しながら早口で説明する小泉さんは、凄く興奮している様子。

 

にしてもそんな大会があるとは知らなかった。

 

何故か小泉さんは見に行く前提で話しているが、どうやらネット中継もされるみたいだし参加しない手はないだろう。

 

「花陽ちゃん見に行くつもり?」

 

「はい!名だたる人気スクールアイドル達が集結する一大イベントですよ!?」

 

「てっきり、ラブライブ出場に向けて頑張るのかと思ったけど…」

 

高坂さんも同じ疑問を抱いていたらしく小泉さんにぶつける。

 

「ででででで出るなんてそんな恐れ多い!!」

 

分かりやすく慌てた様子で後退る小泉さん。

 

本当にスイッチ入ると180度キャラ変わるな。

 

「でも、俺達折角スクールアイドルやってるんだしさ、出場出来るか分かんないけど目指すくらいはいいんじゃない?」

 

「朝日先輩…で、でも確かにそうですが、ランキング20位なんてとっても」

 

「それなんだけど、どうやらμ's今めちゃくちゃ人気あるらしいんだわ」

 

俺はランキング画面を開いて見せた。

 

これからのSomedayが評判良く、メンバーが増えた事も功を奏しファンが一気に増えた。

 

後は何故かMVに太陽が出ていた事もあり女性人気も高い。

 

そして注目のランキングは…

 

「凄い!順位上がってる!」

 

「急上昇スクールアイドルにもピックアップされてます…」

 

「もしかして凛達人気者?」

 

園田さんと凛もまじまじで画面を見つめる。

 

こんな早く人気が出るのは予想外だが好都合。

 

この調子で出場まで出来れば廃校阻止が実現する可能性は高い。

 

「この調子で曲を上げ続ければラブライブ出場も夢じゃない。この短期間でここまで順位が上がったんだ」

 

「まさかここまで人気が出ているとは思いませんでした…でも、そうですね、ラブライブに出たいです!」

 

「よし、その意気だ」

 

「じゃあこの調子で順位を上げてラブライブ出場に向けて練習を頑張っていこう!!」

 

「「「「「「おー!!」」」」」」

 

太陽の鼓舞により士気が高まるμ's。

 

そのまま部室を出ようとしたその時、部室の扉が勢い良く開かれた。

 

「あんた達!ついに開催されるわよ!!」

 

「ラブライブですか?」

 

「…知ってるのね」

 

にこさんは相変わらずだった。

 

 

 

 

 

「で、どうする?生徒会室に行くのか?」

 

部室を出るもすぐに新たな問題が浮上した。

 

ラブライブエントリーには学校の許可が必要で勿論生徒会に話を通す必要がある。

 

しかし生徒会にはμ'sを嫌っている絢瀬さんがいる。

 

東條さんがいくらフォローを入れた所で許可はまず貰えないだろう。

 

「生徒会には絢瀬生徒会室がいる。断られるのは目に見えてる」

 

「学校の許可?認められないわぁ」

 

「ぷっ…」

 

凜が絢瀬さんのモノマネを披露する。

 

ちょっとだけ似てると思ったのは内緒だ。

 

「それ、絶対本人の前でやるなよ?」

 

本気で潰されるぞ。

 

「でも、どうしよっか…」

 

「うん。学校の許可は絶対必要だし…」

 

頭を悩ませるμ's一同。

 

すると西木野さんが何か閃いたのか自身有りげに口を開く。

 

「直接理事長に頼めばいいんじゃない?」

 

なるほど、その手があったか。

 

「確かに、理事長に直接頼んだらいけないとは規則に書いては無いですね」

 

どちらにせよ生徒会には話を通さないといけないがその順序は記載が無い。

 

つまり先に理事長に話を通してから生徒会に話を通しても良いって訳だ。

 

理事長からの許可さえ貰えばいくら生徒会長でも断れないだろう。

 

「いい案だ。それでいいんじゃないか?」

 

「よし、そうと決まれば早速行こう!」

 

「ここに親族もいるしな!」

 

太陽がニヤリとしながら南さんを見る。

 

そっか。そういえば南さんのお母さんだっけ理事長。

 

 

 

 

 

 

「到着!」

 

「しーっ。穂乃果声が大きいですよ」

 

「あ、ごめん」

 

そんなこんなで理事長室前へとやってきた俺達。

 

ここへ来るのは転入時以来だな。

 

「大勢で押し掛けても迷惑だろうから、1年生の3人はここで待機してて」

 

「分かりました」

「分かったにゃ!」

「分かったわ」

 

「よし、じゃあ行くか」

 

俺の予想では許可は貰えると思う。

 

何か条件を出される可能性はあるが、何より廃校阻止の大きな可能性を秘めているイベントだ。

 

理事長も分かってくれるはず。

 

期待と希望を膨らませながら扉の前に立つ俺達。

 

意を決してノックしようとしたその時、突然扉が開かれた。

 

 

 

「…何してるの?」

 

 

 

冷ややかな表情でこちらを見つめるアイスブルーの瞳。

 

そこにいたのは今一番会いたくない人物。生徒会長絢瀬絵里だった。

 

 

 

「タイミング最悪…」

 

思わずにこさんがぽつりと呟く。

 

静かだった為この呟きは絢瀬さんの耳に入っているだろう。

 

「何の用?部活の事ならまずは生徒会を通す決まりよ」

 

「私達は理事長とお話をしたいだけよ!」

 

西木野さんが一歩前に出る。

 

「真姫ちゃん。上級生だよ」

 

しかしすぐさま高坂さんが西木野さんを宥める。

 

こうゆう所はさすがはリーダーといった所だな。

 

「勿論生徒会にも話は通します。ですが、話を通す順番は決められていません。先に生徒会ですとまともに取り合ってくれない可能性があるのでまず理事長の許可を貰いにきました。ルール上問題無いはずですが」

 

俺は絢瀬さんの前に立ち淡々と説明した。

 

「…だけど」

「別にええんやない?」

 

「…希」

 

そう言い絢瀬さんの背後に現れたのは東條さんだった。

 

付き添いで一緒に来ていたのであろう。

 

「この子の言う通り先に理事長に話を通すのは問題無い。うちらがとやかく言う権利は無いよえりち」

 

「この子達の肩を持つのね。希は」

 

「別に肩を持ってる訳ではないよ。ただこの提案はルール上何の問題も無いから否定のしようが無いってだけや」

 

「…分かったわ。先に理事長と話す事は認めます。ですが私も同席します」

 

東條さんの言葉に渋々納得した様子の絢瀬さんは同席する事を条件に許可した。

 

好都合。その方が同時に許可を貰えるから手間が省ける。

 

「ええ、是非お願いします」

 

俺は絢瀬さんの出した条件をすぐ飲んだ。

 

 

 

 

 

「なるほど…ラブライブですか」

 

俺達は理事長にラブライブエントリーの件を説明した。

 

「ネット中継も予定されています。エントリーする事が出来れば全国にアピール出来て廃校阻止に大きく近づけると思うんです」

 

「お願いします!ラブライブエントリーの許可を下さい!」

 

「お願いします理事長!」

 

頭を下げる俺達。

 

少しすると、微笑みながら理事長が口を開いた。

 

「そうね、確かにそれはいいアイデアです。許可しましょう」

 

よし!許可貰えた。

 

これなら絢瀬さんも文句は無いはず。

 

だがその時、理事長の言葉を聞いた絢瀬さんは焦ったように理事長に詰め寄った。

 

「いいんですか理事長!彼女達はまだスクールアイドルとして未熟です。その状態でネット中継されたらこの学校の恥さらしになる可能性が高い…あまりにもリスクが高すぎます!」

 

「そうかしら?音乃木坂スクールアイドルμ'sの人気は私の耳にも入っています。練習だって毎日欠かしていないのよね?」

 

「勿論です!俺が責任を持ってコーチしてます。ラブライブ本番には更にμ'sを進化させてみせます!」

 

自信満々に太陽が答える。

 

「こうやって言ってくれている事ですし、認めてあげてもいいんじゃないかしら?」

 

「し、しかし…」

 

「それに、我が校はこのままいけば廃校になってしまいます。何かアクションを起こす事が必要不可欠で今は少しでも可能性があるならそれに賭けたい。これ以上落ちる人気も無いですからね」

 

「で、であれば私達の生徒会活動も…」

 

「それは認められないわね」

 

「…!…どうしてですか!?」

 

「私は廃校阻止したいとは思っているけどそれ以上に生徒達には悔いの無い楽しい学校生活を送ってほしいの。それは貴方もよ絢瀬さん」

 

「…分かっています」

 

「いいえ、分かってないわ。貴方全然楽しそうじゃないわ」

 

「…楽しそうじゃ…ない?」

 

「そう。その状態で学校の魅力を伝えても効果が無い。はっきり言うわ、今の貴方からは可能性を感じない」

 

「…!…」

 

理事長の言葉に絢瀬さんの表情が絶望した表情に変わる。

 

「今の貴方から変わらないと許可は出せないわね」

 

「…仰っている意味が分かりません」

 

「そう?簡単な事よ」

 

「…っ…失礼します」

 

絢瀬さんはそう言うと、東條さんを残し足早に理事長室を去っていった。

 

理事長の言葉がよっぽど堪えたらしい。

 

これが絢瀬さんを救うキッカケになればいいんだが…

 

「さて、ラブライブの話だったわね」

 

重々しい空気の中、理事長は明るい口調で話し始めた。

 

「ラブライブのエントリーは許可は出しましたが、1つ条件があります」

 

…条件?一体何だ?

 

「ラブライブがあるからといって勉学が疎かになるといけません。来週に期末テストがある事は知っていますね?その期末テストで赤点が無かったら正式に許可します」

 

なーんだ。何かと思えばそんな事か。

 

…と言いたい所だが実は赤点候補に2人心当たりがある。

 

よってちょっとマズイ条件かもしれない。

 

「なーんだ赤点回避なんて余裕余裕!なぁみんな…」

 

太陽が振り向くとそこには…

 

「「「…」」」

 

絶望に項垂れる3人の少女がいた。

 

「…マジ?」

 

ショックを受けたような太陽の声。

 

ぶっちゃけ高坂さんと凛は予想通り。

 

…でも、にこさんあなたもですか。

 

 

 

 

 

「「本当に申し訳ございません」」

 

部室に戻るやいなや申し訳無さそうに頭を下げる少女2人。

 

言わずもがなμ'sのリーダーである高坂さんとμ'sの元気印である星空さんだ。

 

「穂乃果…まぁ昔から勉強が苦手なのは知ってしましたが」

 

「…どうしても数学がダメで…」

 

「7✕4?」

 

「…26?」

 

「…それ数学じゃなくて算数なんだが」

 

とりあえずかなりの重症である事が分かった。

 

よく音乃木坂に入れたものだ。

 

「…凜は?」

 

「凜は英語!英語だけはどうしても肌に合わなくて…」

 

「た、確かに難しいよね」

 

小泉さんの言葉を受け、更に凛は畳み掛ける。

 

「そうだよ!大体凛達は日本人なのになんで英語を勉強しなきゃいけないの!?」

 

いるんだよな…こうゆう事言う人。

 

まぁ気持ちは分からんでもないが。

 

「屁理屈はいいの!!」

 

西木野さんが立ち上がり凜に激を飛ばす。

 

「わぁー…真姫ちゃん怖いにゃ…」

 

「これでテストが悪くてエントリー出来なかったら恥ずかしすぎるわよ!」

 

「そ、そうだよねー…」

 

「全く…折角生徒会長を突破出来たのに…」

 

まぁ言葉はキツイが西木野さんが言う事が最も。

 

これじゃあ廃校阻止は無理だ。

 

「み、皆しっかりしなさいよねー!」

 

熱心に数学の教科書を読むにこさんが口を挟む。

 

にこさん。あなたもだよ。

 

「にこ先輩…成績は…」

 

「に、にこ?………にっこにっこにー!赤点なんて取るわけないじゃない!」

 

「教科書…逆さまですよ」

 

「あ!え、…えーっとこれは…」

 

「…酷い焦りようですね」

 

やれやれといった表情でため息をつく園田さん。

 

気持ち凄い分かるぞ。

 

「とにかく、穂乃果の勉強は私とことりが見て凜の勉強は花陽と真姫が担当して弱点教科を何とか底上げしていく事にします」

 

「そ、それはそうだけど…にこ先輩は?」

 

そうだな。現状3年生はにこさんだけ。

 

教えられる人がいない。俺を除いて。

 

しゃあない。俺が教えるか。

 

「にこさんの勉強は俺が担当します」

 

「あ、あんたが!?」

 

俺の発言に太陽を除く皆が驚く。

 

「教えられるの?氷月君」

 

「ああ。高校で習う勉強は全て把握してる。問題ない」

 

こちとら小学校高学年から勉強だけしてきたんだ。

 

高3の数学なんて余裕だ。

 

「あんた本当に何者よ…」

 

「それは今はいいでしょ。そうと決まればやりますよ」

 

「ズルい!穂乃果も氷月君に教わりたい!」

「凛も凜も!!」

 

何でそうなるんだよ。

 

「こら、氷月さんに迷惑ですよ!」

 

「だって…」

 

「氷月先輩の方が優しそうなんだもん…」

 

いやそんなに優しくないけど…

 

あ、でも園田さんや西木野さんはめちゃくちゃ厳しそうだな。

 

「ていうかそもそもあんた達そんなに頭良いの!?」

 

俺と太陽を指差すにこさん。

 

後輩に勉強を教えられるのはさすがに嫌なのだろう。

 

「俺と冬夜は一応楠木坂の入試のトップ2なので頭は良いですよ。その後の期末テストも常にトップ2をキープしてますし。特に冬夜は毎回全教科満点です」

 

「おい。絶対最後の情報いらないだろ」

 

「こいつら…化け物か…」

 

「二人ともすごーい!!」

 

何か自慢ぽくなっちゃって嫌だな。

 

ていうか話逸れてるし。

 

「話の論点が違います。早く勉強しますよ」

 

「え?明日からじゃないの?」

 

「当然です!今日からに決まっているでしょう!」

 

「海未ちゃんの鬼!」

 

そう言いつつ筆記用具を渋々出す高坂さんと凜。

 

やっと勉強に移るのか…

 

後はにこさんだな。

 

俺がにこさんに話しかけようとしたその時、部室の扉が開かれた。

 

「どうやらうちの出番は無いみたいやね」

 

「東條先輩!」

 

入ってきたのは関西弁占いガール。東條希だった。

 

「にこっちも氷月君がいるなら安心やね」

 

…まぁそう言って頂けるのはありがたいんですけどね。

 

「だからにこは赤点なんか取らないって言ってるでしょ!」

 

とまぁこんな感じでプライドが高い為中々素直にならない。

 

成績悪いのはもう透けてるんだけどな…

 

「ふーん…」

 

その時、東條さんの表情が変わる。

 

それと同時に東條さんの両手がわしわしと動き始めた。

 

何だ?何をする気だ?

 

「にこっち…嘘つくと…」

 

東條さんは一旦言葉を切ると、凄い早さでにこさんの背後に移動した。

 

って早っ!?

 

「わしわしするよ!」

 

「ひいぃ!!」

 

いつの間にか東條さんの両手はにこさんの胸元に置かれ…というか胸を鷲掴みにしていた。

 

にこさんの表情は完全に恐怖に染まっていた。

 

「お…おお!な、何だそれぇ!」 

 

「「「「「「…」」」」」」

 

やべ、なんか太陽興奮してるし…

 

他のメンバー引いてるぞ。

 

「にこさん。もう一度聞きますね?成績は?」

 

「だ、だから…」

 

「にこっち?」

 

「ひっ…い、いつも赤点ギリギリです…特に数学…」

 

いやまぁ分かってはいたんだけどさ。

 

ようやく素直になってくれた。

 

「東條さん。にこさんの勉強お願いしていいですか?」

 

俺はここまでの一連の流れを見て東條さんに頼んだ。

 

俺が教えるより東條さんが担当した方が絶対良い。

 

「な、なんで急に希になるのよ!あんたが教えてくれるんでしょ!?」

 

「いや、やっぱり後輩に勉強教えられるってにこさんのプライドが傷つくと思いますし何より、東條さんの方が【効果がありそうなんで】」

 

「な、なんでそこだけ強調するのよ!?」

 

「分かった。そうゆう事ならうちに任せて!」

 

「引き受けるなー!!」

 

「うん?そんな事言うのはこの胸かなー?」

 

東條さんはそう言うと少しずつ指を動かし始める。

 

「ひ、ひぃぃ!分かったわ!分かったわよ!……勉強を、教えて…下さい…」

 

「よろしい」

 

やはり東條さんに依頼したのは正解だったみたいだ。

 

「じゃあ俺はバイトがあるからこれで失礼するけど、俺や太陽も皆の勉強はサポートするから頼れ。にこさんも」

 

「分かったわ…」

「分かったにゃ!」

「分かったよ!」

 

にこさんはダメージがデカイみたいだな。

 

目に見えて元気がない。

 

「赤点候補3人以外も遠慮なく聞いていいからな。じゃあまた明日」

 

俺はそう告げると部室を出て行った。

 

無事テストを乗り越えられるといいんだが…

 

 

 

 

 

冬夜が去って1時間程経過。

 

真面目に勉強に取り組むμ's一同。

 

しかしその空気は重々しいものだった。

 

「うー…これ毎日続けなきゃいけないの?」

 

ペンを走らせる音が響く中、一番最初に音を上げたのは星空さんだった。

 

「当然でしょ」

 

「むー…あー!!白米が外を飛んでるにゃ!!」

 

突然立ち上がると窓の外を指差す星空さん。

 

さすがにそんな子供騙しは…

 

「どこ!?何処に飛んでるの!?」

 

通用した…

 

嘘だろ小泉さん…

 

「逃げようたってそうはいかないわよ」

 

「真姫ちゃんの悪魔!」

 

「何とでも言いなさい」

 

良かった。さすがに西木野さんは騙されてないみたいだ。

 

しかし、星空さんの言動がトリガーとなったのか皆の集中力が切れ始める。

 

「穂乃果ちゃん、後1問だよ!」

 

「ことりちゃん…おやすみ」

 

「穂乃果ちゃーん!」

 

「穂乃果!起きなさい!」

 

あーあ…完全にスイッチ切れちゃったよ。

 

にこさんは…

 

「分かった?」

 

「わ、分かったわよ…」

 

「じゃあここの答えは?」

 

「え?え、えぇと…に、にっこにっこにー!」

 

「ふざけたらわしわしMAXやよ?」

 

「ひっ!…そ、それだけはやめて!こ、来ないで!」

 

こっちはこっちで悲惨だな…

 

しかもわしわしがグレードアップしてるし。

 

…見てぇ。

 

「炊きたてでしょうか…」

 

「花陽は早く戻ってきなさい!」

 

小泉さんまだ探してるのか…

 

これじゃ前途多難だな。

 

「…はぁ…本当にこれで身に付くのでしょうか…」

 

ため息をつく園田さん。

 

俺も同じ気持ちだよ…

 

「えっと…今の時間は…やべ!もうこんな時間だ」

 

ふと時計を見ると時間は17時を回っていた。

 

すっかり忘れてた…今日は荷物が届く日だったんだ。

 

18時には家にいないと。

 

「ごめん今日用事あるから帰る」

 

「え、朝日君用事あるなんて珍しい」

 

どうせいつも暇人だよ。

 

予定入る事ぐらいあるって。

 

「では私も家の用事があるので今日は帰りますね」

 

そう言い園田さんは立ち上がった。

 

「え、海未ちゃんも?まさか朝日君と…」

 

「断じてそんな事はありません!」

 

…いやそうなんだけどそこまで否定されると俺悲しいな。

 

「一先ずことり。穂乃果の事頼みますね?」

 

「分かった!」

 

本当に大丈夫だろうか?

 

まだ初日だし何とかなると思いたいけどな…

 

「じゃあ園田さん行くか」

 

「そうですね」

 

俺と園田さんは少し不安を抱えながら部室を後にした。

 

 

 

 

「朝日さんはどんな用事なんですか?」

 

「荷物が家に届く日なんだ」

 

「そうですか」

 

たまたま同じタイミングの帰宅となった為、方向が同じな事もあり一緒に帰ることにした俺と園田さん。

 

他愛もない会話をしながら校門を潜ると、聴き慣れた曲が耳に入った。

 

 

 

ーーーーー産毛の小鳥達もいつか空を羽ばたくーーーーー

 

 

ーーーーー大きな強い翼で飛ぶーーーーー

 

 

…あれ?この曲…

 

「これは…」

 

園田さんも気づいたのか足を止める。

 

 

ーーーー諦めちゃダメなんだ。その日が絶対来るーーーー

 

 

ーーーーー君も感じてるよね?始まりの鼓動ーーーーー

 

 

やっぱりそうだ。これはμ'sのデビュー曲、START:DASH!!だ。

 

ふと隣を見ると、そこにはイヤホンをしながら曲を聴く金髪でアイスブルーの瞳をした少女が立っていた。

 

あれ?この特徴どこかで…

 

「…ネットに上げてない部分まで…」

 

園田さんは少女の持つiPodの画面をジーっと見つめる。

 

確かに、こんなアングルの映像どこで手に入れたんだ?

 

「…?…うわぁ!」

 

二人で画面を見ているとその様子に気付いたのか驚いた様子で後退る。

 

「あ、すいませんつい…」

 

「ごめん!見入ってた…」

 

そりゃ知らない男女二人が画面覗き込んでたらビックリするわ。

 

俺達はすぐさま少女に頭を下げた。

 

少女は俺達の顔をジーっと見つめると、目を輝かせながら詰め寄ってきた。

 

「μ'sの園田海未さんと、朝日太陽さんですよね!?」

 

「え!?えーっと…人違いです…」

 

なんで嘘つくねん。

 

「えっ…」

 

ほら悲しそうな顔してるじゃんか。

 

「ごめん!園田さん恥ずかしかったみたいで。そうだよ、園田海未と朝日太陽本人です」

 

「やっぱり!」

 

俺が訂正をいれるとまた目を輝かせる少女。

 

「その映像はどこで?」

 

俺が質問すると、少女はニッコリと微笑みながら答える。

 

「これは、お姉ちゃんが撮影してくれたんです」

 

「「お姉ちゃん?」」

 

俺と園田さんが同時に声を上げる。

 

金髪にアイスブルーの瞳…もしかしてお姉ちゃんって…

 

「亜里沙」

 

「あ、お姉ちゃん!」

 

耳に入る声。

 

この声にはとても聞き覚えがある。

 

「…生徒会長…」

 

園田さんがぽつりと呟く。

 

こちらに向かって歩いてる少し険しい表情をした少女と同じ金髪でアイスブルーの瞳。

 

「…」

「…」

「…」

 

生徒会長。絢瀬絵里だった。

 

 

 

 

 

 

「これどうぞ!」

 

絢瀬さんと対峙した俺達は、一旦場所を近所の公園に移すことにした。

 

そして絢瀬さんの妹…絢瀬亜里沙さんは、自動販売機で買った飲み物を俺達に手渡す。

 

「…おでん?」

 

しかしそこにあったのはおでん缶だった。

 

…こんなの自動販売機で売ってるんだ。

 

それを見た絵里さんはすぐさま口を開く。

 

「ごめんなさい。向こうでの生活が長かったからまだ日本に慣れてないの」

 

「…向こう?」

 

「祖母がロシア人なの。だから私と亜里沙はロシアとのクォーター」

 

なるほど。金髪なのも瞳がアイスブルーなのもロシアとのクォーターだったからか。

 

「亜里沙、それは飲み物じゃないの。別の物を買ってきてくれる?」

 

「ハラショー…」

 

驚いた様子で声を上げる亜里沙さん。

 

ハラショーって了解とか素晴らしいとかそんな意味じゃなかったっけ?

 

…まあそこはいいか。

 

「それにしても、あなた達に見つかってしまうとはね」

 

亜里沙さんが自動販売機に走っていく姿を見ながら呟く絢瀬さん。

 

「前から穂乃果達と話していたんです。一体誰が動画を撮影してネットに上げてくれたんだろうって…まさか生徒会長だったなんて」

 

「あの映像が無ければ今のμ'sはありません。本当にありが…」

「やめて」

 

俺がお礼を言おうとしたその時、絵里さんが被せるように言った。

 

「別にあなた達のためにやったんじゃないわ。むしろ逆よ。いかにあなた達のダンスや歌が人を惹き付けられないか、スクールアイドル活動がいかに意味が無いかを知ってもらうために動画を上げた」

 

「そんな…」

 

「批判のコメントが沢山来ると思ったけど予想外だったわ。あそこまで人気が出る事。何より人数も減るどころか増えるなんて」

 

絵里さんの言葉にショックを受けた。

 

最初は実は陰ながらサポートしてくれていたと思っていた。

 

しかし、現実はそんなに甘くないと絵里さんの言葉で突き付けられた。

 

冬夜だったら、見抜けていたんだろうか?

 

「私は認めないわ。人に見せられるレベルになっているとは思えない。そんな状態で学校の名前を背負ってほしくないの」

 

その後に話はそれだけと付け足すと、絵里さんは立ち上がり歩き出そうとする。

 

すぐさま声をかけたのは園田さんだった。

 

「待って下さい!もし、私達が上手くいったら…人を惹き付けられる様になったら認めてくれますか?」

 

真っ直ぐ絵里さんを見つめながら言う園田さん。しかし対する絵里さんは背を向けたまま。

 

園田さんの問いに対し、絵里さんが発した答えは冷たい物だった。

 

「無理よ。私からしたらスクールアイドル全てが素人にしか見えない。一番実力があるA−RISEでさえも、素人にしか見えない」

 

絵里さんはそう言い放つと、公園を出て行ってしまった。

 

何故そこまで言い切れるのか。

 

絵里さんにそれ程の物があるのか。

 

俺には全く分からなかった。

 

「…!…待って下さい!」

 

「…」

 

園田さんが走り出し絵里さんに声を上げる。

 

その表情からは少しの怒りを感じ取れた。

 

「あなたに…私達の事そんな風に言われたくありません!!」

 

声を少し荒げながら言葉をぶつける。

 

「…」

 

しかし、絵里さんは反応せずに歩き出した。

 

「…」

 

「…」

 

訪れる沈黙。

 

絢瀬絵里という人物が俺には全く分からない。

 

冬夜…冬夜ならこんな時どうするんだ?

 

「あの…」

 

「…!…あれ、一緒に行ったんじゃ…」

 

俺と園田さんが酷く落ち込んでいると、亜里沙さんが二つの缶を持ちながら話し掛けてきた。

 

てっきり絵里さんと一緒に行ったと思ったんだけど…

 

「どうしても言いたい事があって…あ、後これどうぞ!」

 

亜里沙さんはそう言うとニッコリと笑いながら缶を手渡した。

 

「…おしるこ」

 

おでんよりはマシかもしれないがこれも違うな…

 

まぁでも亜里沙さんの笑顔を見てたらそんな事言えないけど。

 

「亜里沙、μ's…海未さん達の事、大好きです!」

 

満面の笑みで言う亜里沙さん。そして絵里さんの元へ走り出した。

 

…亜里沙さんのおかげで少しだけ暗い気持ちが晴れたような気がする。

 

姉妹なのに性格は真逆だな。

 

「…どうしますか?」

 

暗い表情で俺を見つめる園田さん。

 

絵里さんに言われたショックは大きいみたいだな。

 

しかし、このまま終わりたくはない。何かアクションを起こしたい。

 

こんな時冬夜ならってよく思うけど、冬夜の行動パターンや思考回路は俺でも理解出来ていない。

 

俺が今出来る事…

 

「園田さん。東條さんに会いに行かない?」

 

「…東條先輩に?」

 

「そう」

 

絢瀬さんをよく知ってるのは東條さん。

 

せめて絢瀬さんがあそこまで言える理由さえ分かれば見えてくるかもしれない。

 

「…朝日さんが何を考えているか何となく分かりました。行きましょう」

 

東條さんの話なら今日は巫女のバイトが18時からあったはず。

 

俺と園田さんは神田明神に向けて歩き出した。

 

…さらば俺の荷物。また次回だ。

 

 

 

 

 

 

「なるほどねえりちにそんな事言われたんや」

 

「はい。A−RISEのダンスや歌を見聴きしても素人みたいだって言うのはいくらなんでも…」

 

俺と園田さんは絢瀬さんの事を聞くため神田明神へとやってきた。

 

巫女姿の東條さんをあっさり見つける事が出来た為、さっきの出来事を説明した。

 

「えりちならそう言うやろうね」

 

やっぱり何か知ってるみたいだな。

 

「どうゆう事ですか?」

 

「えりちにはそう言えるだけの物がある。知りたい?」

 

東條さんはそう言うと、真剣な表情をしながらこちらを見つめる。

 

「…お願いします」

 

それを知る為に俺達はここに来た。

 

どんな現実でも受け入れる準備は出来ている。

 

「なら、これを観てもらった方が早いかな」

 

東條さんはそう言うとスマホを取り出し動画を俺達に見せてきた。

 

「これは…」

 

「えりちがまだ小さい頃。バレエをやってる時の映像や」

 

画面の中では小さな金髪の少女が笑顔を浮かべながら楽しそうに踊っていた。

 

俺達は見ている内に引き込まれていく。

 

そして気付けば動画は終わっていた。

 

「…」

「…」

 

言葉にならない。

 

絢瀬さんのバレエを見ると、今までのμ'sは何だったんだろうと正直思ってしまう程だった。

 

「これが…絢瀬会長…」

 

「分かった?これが理由や。だから正直歌やダンスでえりちを認めさせるのは難しい」

 

俺達のやろうとしている事は無駄だったのか…

 

全て、絢瀬さんの言うとおりだったのか…

 

いろんな憶測がグルグルと俺の頭の中を回る。俺も子供の頃ダンスを習っていて名のある先生に認められた。でも、それはあくまでも他の生徒と比べての実力…

 

動画の中の絢瀬絵里は間違いなくプロだった。

 

もう、正解が分からない…

 

そんな俺らの表情を見て東條さんが口を開く。

 

「でも、μ'sを諦めてほしくないんよ」

 

「…」

 

「μ'sにはμ'sの魅力があって、その結果があの人気やろ?君達がやってる事は何も間違ってないんや」

 

優しく東條さんが声を掛ける。

 

だが、俺はあまり飲み込めていない。

 

「…そう…ですね…」

 

それは園田さんも同じだった様子。

 

俺も笑顔を浮かべてみるが、自分でも分かるくらい弱々しい物だった。

 

「ありがとうございました。失礼します」

 

一刻も早くここを離れたかった。

 

今は東條さんの顔もまともに見れる気がしない。

 

μ'sを否定されたような気がして…

 

いや、東條さんはそんなつもりが無いのは頭では分かってるつもりだ。でも、俺達には飲み込む時間が必要だった。

 

「うん。期待してるで」

 

そんな東條さんの言葉も今は頭に入らなかった。

 

結局俺達はその後一言も交わす事がないまま帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

テスト返却日。

 

それから毎日勉強を欠かさず行い、赤点候補3人もスイッチが入り中々の集中力を見せていた。

 

何故か途中で、「氷月君!ここ教えて!」と皆俺に助けを求める事も何度かあった。

 

更には3人に向けて授業みたいなのを開く事もあった。

 

別に俺じゃなくてもいいだろうに…

 

赤点候補3人以外も、分かりやすかった。いい復習になったと好評だったみたいだ。

 

それだけは救いだな。

 

しかし、気になる事もいくつかある。

 

それはここ最近の太陽と園田さんの様子だ。

 

目に見えて表情に覇気が無くなっており、何かショックを受けているような様子が何日も続いている。

 

恐らくは生徒会長絡みだとは思うが、何があったのかは分からない。

 

何か言われたのかはたまた何かを知ったのか。

 

気付いているメンバーもいて南さんと西木野さんは二人を心配していた。

 

一先ずテストまでは時間が無いため二人の問題は後回しにしている状態ではあるが…俺も少し心配だ。

 

ようやく廃校阻止が少し現実味を帯びてきた所なのにこれ以上イレギュラーが起きては困る。

 

そんなこんなで勉強は順調に進み、運命のテスト返却日を迎えたわけだ。ちなみに勉強に集中する為練習は殆ど行っていない。

 

「落ち着かないわね…」

 

「緊張します…」

 

そう言うのはにこさんと小泉さん。

 

高坂さん以外は全員揃っており、星空さんとにこさんは無事赤点を回避出来た。

 

「そういえば朝日君と氷月君はどうだったの?」

 

「そうよ!まさか赤点なんて取ってないでしょうね!にこがこんなに頑張ったのに」

 

「俺はこんな感じだよ」

 

太陽はそう言うとテスト用紙を広げる。

 

現代文 95

数学 98

地学 97

化学 97

世界史 97

英語 96

家庭科 95

保健 100

 

見事に全教科95点越えだな。保健に至っては満点だし。

 

「す、凄っ…」

 

「天才ですっ!」

 

「こんな点数取ったことないにゃ…」

 

「でも、学年2位なんだよねー」

 

太陽はそう言うとチラッと俺を見る。

 

その振り方やめろ。

 

「え、これで!?」

 

「これより良い人がいるのかにゃ!?」

 

「誰よそれ!」

 

驚く3人に対し、俺をジーっと見つめるのは園田さん、南さん、西木野さんの3人。

 

どうやら俺が学年1位だと勘付いたらしい。

 

…いやそうなんだけどさ。

 

「氷月はどうなのよ」

 

「気になります!」

 

出さなければいけない流れらしい。

 

不本意だが仕方ないか…

 

「はいよ。これだ」

 

現代文 100

数学 100

地学 100

化学 100

世界史 100

英語 100

家庭科 100

保健 80

 

「「「「「「…」」」」」」

 

訪れる沈黙。

 

まぁ保健以外満点だからそりゃそうか。

 

ちなみに保健は唯一の苦手科目なのは内緒だ。

 

「もう、凄いを通り越して軽く引くわ」

 

「初めて見たにゃ…100点取ってる人…」

 

μ'sのメンバーが軽く引いていると、部室の扉が勢い良く開いた。

 

「お待たせ!」

 

「ほ、穂乃果!」

 

「遅かったわね!まさかあんた…点数悪くて先生から呼び出し食らってたんじゃ…」

 

ようやく登場した高坂さん。

 

その遅さに不安を覗かせる一同。

 

ちなみに俺も例外では無い。嫌な予感はしないから大丈夫だとは思っているが少し不安だ。

 

「えへへ、ごめんちょっといろいろあって…」

 

軽く笑いながらカバンをガサゴソ漁る高坂さん。

 

答案用紙を探しているのだろう。

 

「えっと…あった!もう少しいい点数だと良かったんだけど…」

 

高坂さんはそう言うと、数学の答案用紙を俺達に見せた。

 

そこには…

 

「でも、回避したよ!」

 

大きく53点と書かれていた。

 

良かった…一先ずこれで全員回避出来た…

 

「「「「「「「やったー!!!」」」」」」」

 

太陽を含む7人が喜びの声を上げる。

 

高坂さんより喜んでいる所を見ると、よっぽど嬉しかったみたいだな。

 

「よし、これで全員回避出来たな」

 

「という事はにこ先輩も凜ちゃんも回避出来たんだ!?やった!」

 

「じゃあこれで練習再開ね!」

 

「こ、これでラブライブにも…」

 

「まだ目指せるって決まっただけよ」

 

「そうだけど…」

 

とりあえずはこれで1つ大きな壁を乗り越えた。

 

ようやく次のステップだな。

 

「そうと決まれば早速理事長に会いに行こう!」

 

「うん!」

 

高坂さんの声を皮切りに次々と部室を飛び出すμ's一同。

 

太陽と園田さんも一先ずは明るくなったみたいで何より。

 

後は太陽と園田さんの悩みを突き止めるのと絢瀬さんと東條さんの勧誘のみ。

 

「よし、行くか」

 

俺はゆっくりと皆の後を追った。

 

 

 

 

理事長室前。

 

俺が到着すると、少し扉を開けながら中の様子を伺っていた。

 

…何してるんだ?

 

「どうした?」

 

「あ、氷月先輩…実は…」

 

小泉さんはそう言うと室内に再び視線を戻す。

 

俺も釣られて視線を移すと、そこには絢瀬さんと理事長が話し合っている姿を確認出来た。

 

「どうゆう事ですか理事長!説明して下さい!」

 

絢瀬さんの荒げた声が聞こえる。

 

一体何があったんだ?

 

絢瀬さんの声に続き発した理事長の発言は、衝撃的なものだった。

 

「ごめんなさい。でも、これは決定事項なの」

 

「音乃木坂学院は来年より生徒の募集をやめ…」

 

 

 

 

 

 

「廃校とします」

 

 

 

 

思ったよりも時間は、残されていなかったみたいだ。




「感動が出来ないんだ」

「ええ…まだまだです…」

絵里に翻弄される太陽と海未。

「2週間後のオープンキャンパス…もう時間は残されてない」

そして知ってしまったタイムリミット。

現状を打破する為に穂乃果と冬夜が提案した事は…

そして…

「今更私が、アイドルを始めようなんて言えると思う?」

「あなたが言えなくても、μ'sはあなたを必要としてます」




「もう答えは出ているでしょう。それが…あなたのやりたい事ですよ。絢瀬絵里」

最後のピースを埋める為、冬夜は絢瀬絵里と対峙する。




〜次回ラブライブ〜

【第16話 その手を差し伸べて】

お楽しみに。
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