ラブライブ!~太陽と月~   作:ドラしん

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お待たせ致しました!

今回は夏休み回最後という事で前回一切μ'sが出なかった事もありμ's全員集合でお送りします!

キャラ多すぎて台詞に困る!11人もいれば台詞が少なくなるキャラもいるし皆に喋らせると誰が喋ってるか分からなくなる。

なので今回はめちゃくちゃ難しかったです。

でも、なんとか打ち込めたので是非ご覧下さい!

それでは第22話始まります。





あ、この話で平均文字数が10000字突破致しました。

1話1話文字数多すぎ!!


第22話【大ピンチ?μ'sの家庭訪問!】

A-RISEと知り合ってから数日。

 

あれから想像以上にA-RISEからの連絡が増え、毎日の様に電話が掛かってくる。

 

次はいつ練習を見てくれる?

新しい衣装を見てほしいんだけど…

作詞の参考にさせてほしい。

 

等様々ではあるがA-RISEからの誘いが絶えない。

 

夏休みだからというのもあるかもしれないがさすがにこれは異常だ。

 

最初の内は断っていたがあまりにも多すぎる。

 

一先ず何故か上がっている俺への好感度を下げる為にA-RISEからの誘いは全て断る事にした。

 

まぁそもそも都合が合わない日が殆どではあるが。

 

結果好感度が下がったのか、誘われる事は減っている。

 

「あー…久しぶりに1日家でゆっくり出来るぞ」

 

夏休み最終日。

 

殆どがバイトでありたまの休みも合宿だのA-RISEだのでイベント続き。

 

もうこうなったら一歩も外に出ず誰とも連絡を取らないと決めた俺は1日オフである数少ない日である夏休み最終日を、自宅でのんびり過ごす事に決めた。

 

ちなみにμ'sとは絵里を送り届けた日の次の日の朝練以来会っていない。

 

順調にμ'sとは距離をとれてる。

 

「昼寝でもするか」

 

昼下り。

 

日の光に照らされながら大きく伸びをした俺は、横になろうとする。

 

しかし、その時だった。

 

ーーーーピンポーン。

 

「…?…」

 

来客を告げるインターホンが鳴った。

 

一体誰だ?

 

俺の家のインターホンを鳴る事は殆ど無い。

 

あるとすれば唯一俺の家を知っている太陽くらいだ。

 

でも今日はμ'sの練習があったはず…

 

あ、いや夏休み最終日だから練習休みだったわ。

 

「はぁ…どうせ太陽の遊びの誘いだろ…」

 

LINEで済ませば良いものをわざわざ家まで誘いに来るとは中々ご苦労な奴だ。

 

だが生憎俺は今日1日家でゆっくりすると決めたんだ。

 

さっさと追い払おう。

 

太陽が来客だと思い込んでいる俺は、覗き口を見ずに扉を開けた。

 

しかし、それは間違いである事にすぐ気付いた。

 

「あ!こんにちは冬夜君」

 

「ごめんなさい。急に来てしまい…穂乃果が行くって聞かないもので…」

 

「何言ってるの海未ちゃん!海未ちゃんだって乗り気だったくせに!」

 

「一番乗り気だったのは希だったけどね」

 

「そうゆうえりちもノリノリやったやん」

 

「わ、私はただ暇だったから来ただけよ!」

 

「真姫ちゃん今はそうゆうのいらないにゃ」

 

「何ですって!?」

 

「まぁまぁ二人共…冬夜君の前だから」

 

「へぇー、意外と私の家から近いのね」

 

「…は?」

 

玄関を開けるとそこには、私服姿のμ'sが勢揃いしていた。

 

…OK。一旦落ち着こう。これは夢だ。そうに違いない。

 

俺はそっと扉を閉める。

 

「ちょっとちょっとちょっと!せっかく皆来たのに扉締めるなよ!」

 

太陽が直ぐ様扉を抑える。

 

…どうやら夢じゃないらしい。

 

あぁ…頭が痛くなってきた…

 

 

 

 

 

 

 

「意外と広ーい」

 

「何でこうなった…」

 

さすがに家の前で9人の女の子が居続けるのは目立って仕方が無いためしょうがなく家に入れた。

 

これは本当に現実か?何でこいつらがいる?

 

とりあえず希の鞄だけ大きいのは気になるが一先ず一つずつ整理する必要があるようだ。

 

「おい」

 

「冬夜君!来ちゃった」

 

「いや来ちゃったじゃなくて」

 

満面の笑みで穂乃果が言う。

 

まずここに来た目的よりも先にどうやって俺の家を知ったのか聞かなければいけない。

 

「どうやって来た」

 

「え、それは勿論…」

 

穂乃果が太陽の方に顔を向ける。

 

それに吊られ俺も太陽に目線を向ける。

 

太陽は視線に気づくと、軽く舌を出しながら少し笑いながら言った。

 

「ごめん。教えちった」

 

「教えちったじゃねぇよぉぉぉ!!?」

 

何こいつ平然と個人情報教えてんだよ!?

 

プライバシーって言葉知らないのかこいつ!

 

「やっぱり…迷惑でしたか?」

 

海未が申し訳無さそうに言う。

 

正直迷惑です。

 

…とはさすがに言い辛い。

 

「まぁまぁいいじゃんか。μ'sの皆に教えるくらい」

 

「良くねぇよ」

 

「でもさ、皆冬夜の家に来るの凄い乗り気だったんだぜ?」

 

「…そうかい」

 

別に家に来ても面白くなんて無いのに。

 

でもまぁ来てしまったものはしょうがない。

 

とりあえず来た目的を聞こう。

 

「で、目的はなんだ」

 

「目的?」

 

「目的だよ。こんな勢揃いで俺の家に来て何するつもりだ?ちなみに家何も無いぞ?」

 

ゲームは一応あるが全て一人用。

 

当然知り合いを呼ぶ想定もしてないから遊び道具も無い。

 

つまり大勢来られても娯楽が全く無い訳だ。

 

「あ、ううん。遊ぶ事が目的じゃないの」

 

ことりが口を開く。

 

「冬夜君の家に行ってみたかったっていうのが主だけど、実は…」

 

ことりはそう言うとちらりと穂乃果、凜、にこの3人も見つめる。

 

この3バカトリオがどうしたんだ?

 

「ほら。凜出しなさい」

 

「穂乃果も早く出しなさい」

 

「にこっち?出さないとわしわしするよ?」

 

「「「…」」」

 

真姫、海未、希の3人から圧をかけられた3バカトリオは、渋々鞄から沢山のプリントを出していく。

 

あれ?これってもしかして…

 

「宿題、まだ終わって無いんだよこの3人」

 

出たー!どの学校にもいる夏休み最終日まで課題終わらせてない人!

 

女子高にもやっぱいるんだな。しかもそれがこの3人…

 

あの赤点騒動を見れば納得っちゃあ納得だけど。

 

「…夏休み最終日だよな?」

 

「はい…実はこれ発覚したのが昨日の練習の時なんです。で、これはさすがにμ'sとしても問題になるんです」

 

海未が深刻そうに言う。

 

「なるほどな。もしμ'sから3人も課題を忘れた人が出たら大問題。ラブライブエントリーは取り消しで最悪スクールアイドル活動の休止になり兼ねないという訳だ」

 

そうなれば折角軌道に乗っていた廃校阻止も怪しくなってくる。

 

それは俺としても何としてでも避けたい。

 

「それで皆と相談したら、太陽君が提案してくれたんよ。冬夜君の家でやろうって」

 

…まぁ大体の事情は分かった。

 

そこで何故俺の家でやるという提案に結び付くのかは疑問ではあるが太陽の事だ面白半分の提案だろう。

 

にしてもあいつ俺がバイトでいなかったらどうするつもりだったんだ?

 

…まさか俺のバイトのスケジュールを把握してる訳じゃないだろうな?

 

「そうゆう訳で本当に申し訳無いんですが、宿題をやるのに家をお借りしても良いですか?」

 

海未が申し訳無さそうに聞く。

 

まぁこの問題は俺にも影響するかもしれないしな。

 

仕方ない。今回は大目に見よう。

 

…いろいろ納得はいってないけど。

 

「あぁ、いいよ。ただし宿題終わったらすぐ帰れよ?」

 

「分かりました」

 

「「「ご迷惑おかけします」」」

 

頭を下げる3バカトリオ。

 

いつものような元気さは失われておりダメージは大きいらしい。

 

さすがに今回はふざけてる余裕は無いみたいだな。

 

ただまぁ宿題やるくらいならそんな時間掛かんないでしょ。

 

…その思いは呆気なく崩れ落ちる事になる事を俺はまだ知らない。

 

 

 

 

 

 

 

 

「はい。まずは進捗確認するぞ」

 

早速宿題に取り掛かろうと俺は3人の宿題を見る。

 

今回の夏休みの宿題は全科目の問題集をやる事になっておりプリントが無数にある。

 

手付かずであれば到底1日では終わらない量だ。

 

「はい。これよ」

 

まずはにこから。

 

ふむふむ。見た感じはどの教科もちょくちょくはやってるみたいだ。

 

苦手な数学を除いて半分近くは終わっている。

 

これなら2時間程度で終わる。

 

更ににこは日中は練習で家では家事を殆どにこが行っているみたいだし仕方ない部分もある。

 

「分かった。次凜」

 

「はい」

 

続いて凜。

 

凜は…苦手な英語はほぼ手付かずだが他の教科は3分の1までは終わっているな。

 

日暮れまでには終わりそうだ。

 

「最後穂乃果」

 

一番心配なのはこいつ。

 

海未が穂乃果の妹さんから聞いた情報によると1日中μ'sの事しか考えていないらしく、勉強する素振りは全然無かったらしい。

 

これはもしかするかもしれん。

 

「こ、これ…」

 

震える手で自分の宿題を指差す穂乃果。

 

うん。この様子からしても間違いない。

 

さては全くやってないなこいつ。

 

「数学真っ白。現代文真っ白。地学真っ白。化学真っ白。世界史真っ白。英語真っ白…」

 

予想通りほぼ全滅。

 

途中一度だけスイッチが入ったのだろう他の教科と比較的プリントの枚数が少ない家庭科と保険のみ終わっている。

 

これ、今日中に終わるのか?

 

「…はぁ…」

 

「ちょ、ちょっと私の話を聞いてよ!」

 

俺がため息をつくと、穂乃果は焦ったように喋りだす。

 

「夏休み初日に家庭科と保険は終わらせたの!で、その後に合宿が始まったでしょ?それでμ'sの士気が凄い高まってそれからμ'sの事しか考えられなくなったの!私にもちゃんと理由があるんだよ!?」

 

「その合宿を提案したの穂乃果だろ」

 

「…」

 

俺の指摘に穂乃果の顔が青ざめる。

 

「安心しろ。別に宿題が終わってない事を責めたりしようとか思って無いから」

 

「「「本当!?」」」

 

俺の言葉に分かりやすく表情が明るくなる3人。

 

どうやら俺に怒られると思ったらしい。

 

「今は怒る時間さえ惜しい。早速始めるぞ」

 

やっていないものはしょうがない。

 

今はもう1分1秒を争う戦いだ。怒る時間があったら宿題をやる時間に回す。

 

ここで3人はようやく筆記用具を手にした。

 

「で、他の皆は終わってるのか?」

 

俺はその他のメンバーを見渡しながら言う。

 

そして俺の言葉に対し皆頷いた。

 

じゃあ宿題が終わってないのはこの3人だけだな。

 

ちなみに俺は宿題を貰った日から休み時間やバイトの休憩時間を利用して初日に終わらせた。

 

「全員終わってるんだな。じゃあ各学年でそれぞれの問題児を見てくれ」

 

「俺は?」

 

「太陽は全体の指揮を取れ。頭良いんだから」

 

「冬夜は?」

 

「俺は寝る。何か用事あったら起こせ。まぁ太陽に聞けば大体は解決すると思うけどな」

 

勉強面はとりあえず俺の出番は無さそうだ。

 

今回は場所を提供した所でお役御免だな。

 

太陽を含むμ'sの皆ははい、分かった、と各々返事をしながらそれぞれの宿題を見る。

 

起きた時には終わっててくれよ。

 

俺は静かに目を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「寝たね」

 

「寝たにゃ」

 

「寝たわね」

 

冬夜が眠りにつき、早速宿題に取り掛かろうとしたその時穂乃果、凜、にこの3人が目を光らせる。

 

…何か企んでるな。

 

「じゃあ、冬夜君のお家冒険しよう!」

 

筆記用具をテーブルに置くと、穂乃果が満面の笑みで高らかに言った。

 

宿題する気皆無かよ…さすがにやばいぞ?

 

「「おー!!」」

 

よっぽど宿題をやりたくないのか凜とにこも乗り気な様子。

 

これはさすがに止めないとマズイな。

 

俺が止めようとした瞬間、海未が先に動いていた。

 

「ダメに決まってるでしょう!宿題です!!」

 

さすがは海未だ。

 

これなら安心だな。

 

「凜も座りなさい」

 

「ダメよにこ。今は宿題の時間よ」

 

「言う事聞かない子はわしわしするよ?」

 

続いて真姫、絵里、希から激が飛ぶ。

 

しかし、穂乃果の一言で状況が一変する事になる。

 

「でも希ちゃん気にならない?冬夜君のお部屋」

 

「…!…」

 

穂乃果の言葉にあからさまに希の表情が変わる。

 

「冬夜君の秘密を知れる絶好のチャンスだよ!?冬夜君の私生活知りたくない?」

 

ジリジリと希に近付く穂乃果。

 

あれ、なんか雲行き怪しくない?

 

そして希はニヤニヤしながら口を開いた。

 

「知りたい」

 

「ちょっと希!?」

 

「そっち側につくのですか!?」

 

「だって皆は気にならない?冬夜君がどうゆう部屋で生活してるとか」

 

希の言葉に黙るμ's一同。

 

どうやら皆気になるらしい。

 

まぁ気持ちは分かるけど。

 

「それに、チラッと冬夜君の部屋を見るだけや。何十分もいる訳じゃない。それだったら別にええんやない?」

 

「…確かに、少しだけなら…」

 

「うん。私も見てみたいし…」

 

次第に揺らいでいくμ's達。

 

花陽とことりが少しずつ寝返り始める。

 

「ちょっと!そんな事してる場合じゃ…」

 

「じゃあ真姫ちゃんは行かないんやね?」

 

「そんな事別に言ってないじゃない!私も行くわよ!」

 

うわ、あっさり真姫が寝返った。

 

おいおい希が計算通りみたいな顔してるぞ。罠だと気付け真姫。

 

「えりちは?」

 

「わ、私は…」

 

「冬夜君の事…もっと知りたくない?」

 

やばい。ずっと希のペースだ。

 

この様子だと絵里も時間の問題じゃないか?

 

「知りたい…」

 

「じゃあ決まりやん」

 

「…す、少しだけだからね!」

 

あーあ…まんまとだよ。

 

てか希の誘導力半端ないな。穂乃果達に味方しだした瞬間皆寝返ったじゃん。

 

これを見越して真っ先に希を味方につけた穂乃果って実は頭良いんじゃないの?

 

「さて、後は海未ちゃんだけやね」

 

希の手により次々と引き込まれていくμ's。

 

気付けば残すは海未だけになっていた。

 

頑張れ!最後の砦!

 

「断りも無しに部屋を見に行くなんて冬夜に迷惑です!」

 

お、いいぞいいぞ。

 

海未の先制攻撃だ。

 

「大丈夫や。何も部屋を漁る訳じゃないしただ見るだけやから」

 

やばい、全然効いてない。

 

効果はいまひとつだぞ!

 

「いや、しかし…」

 

「別に無理強いはしないよ?海未ちゃんはお留守番でも良いし」

 

海未の言葉を遮って穂乃果が言う。

 

「うっ…それは…」

 

効果あり。

 

この戦い結果見えたな。

 

穂乃果の攻撃は続く。

 

「海未ちゃんは見たいの?見たくないの?冬夜君の事をもっと知りたくないの?」

 

「そ、それは…知りたくないと言ったら嘘になりますが…」

 

「じゃあ行こうよ!後悔するなら私は見ずに後悔するよりは見て後悔したい!知って後悔した方が絶対良いよ!だから、行こう海未ちゃん!」

 

「うううう……、行きます…」

 

「やったー!!」

 

勝負あったな。

 

効果は抜群だった様だ。

 

「という訳で、太陽君。冬夜君のお部屋教えて?」

 

全員冬夜の部屋を見に行く意思を固めたμ'sは俺に視線を向ける。

 

期待と好奇心を含んだ熱い眼差し。

 

でも、済まないが教える訳にはいかない。

 

「ごめん。教えられない」

 

俺がそう言うと、皆の表情が目に見えて暗くなった。

 

「ど、どうして!?」

 

「何故教えられないんですか!?」

 

穂乃果と海未が俺に詰め寄る。

 

海未に関してはさっきまで反対してたじゃん。

 

「宿題を終わらせた後なら分かる。でも今はまだ何も手を付けてない状態。第一ここに来た目的は宿題をやる為だろ?」

 

「おぉ…太陽君が真面目な事言ってるにゃ…」

 

OK。凛は俺の事を馬鹿にしてるという事が分かった。

 

真面目な事言う時ぐらいあるわ。

 

「それは、部屋を見たあとでやるわよ」

 

続いてにこが口を開く。

 

「ダメだ。俺が指揮を取ってる以上このリビングからは出さない。何をされても俺は教えない。分かったらさっさと宿題を」

「ことりちゃん」

「うん!おねがぁい?」

「こっちだ」

 

すまん…弱い俺を許してくれ冬夜…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ここが冬夜の部屋だ」

 

見事にμ'sに負けた俺は直ぐ様皆を部屋の前に案内した。

 

まぁ俺も入った事無いから興味はあったんだけどね。

 

「可愛い!ネームプレートあるにゃ!」

 

「本当だ!文字も可愛い!」

 

そう言い燥ぐのは凛と花陽。

 

その視線の先にはカラフルな装飾で【とーやのへや】と書かれていた。

 

うん。これは可愛い。

 

「よし、開けるぞ」

 

俺はドアノブに手を掛ける。

 

しかし、その時だった。

 

「おい。そこで何してる」

 

「「「「「「「「「「…!…」」」」」」」」」」

 

背後から聞こえる冷たい声。

 

俺達の表情が強張る。

 

やばい…殺される…

 

「そこで何してるかって聞いてるんだよ」

 

段々と顔が青ざめていく俺達。

 

これは怒っていらっしゃる…

 

「おい太陽」

 

ひぃぃ!無理無理無理無理!

 

振り向けない振り向けない!

 

「5」

 

「4」

 

何かカウントダウン始まってる!?

 

「3」

 

「2」

 

何!?何されるの俺!?

 

「1」

 

ああもうっ!

 

「すいませんでした!!でもこれにはそれはそれはナイアガラの滝以上に深ーーーい訳が…」

「いいから答えろ」

 

怖っ。

 

「えーっと…まず穂乃果の提案で始まってそしたら思いの外皆乗り気で俺は最後まで戦ったんだけど多勢に無勢で…」

 

「嘘だよ!ことりちゃんにお願いされたらすぐ乗ってくれたじゃん!」

 

あ!穂乃果のやつあっさりバラしやがった!

 

「ズルいよ!穂乃果達に押し付けようとして!」

 

「冬夜!これにも理由が…」

「もういい」

 

俺が言い訳しようとした瞬間冬夜は冷たく言い放った。

 

「これ以上は時間の無駄だ。皆戻れ」

 

冬夜の言葉に俺は目を丸くする。

 

あれ、意外とお咎め無し?

 

「…怒らないのか?」

 

てっきりこっぴどく怒られると思ったんだけど…

 

「…何?怒られたいの?」

 

「いやいやいやそんな滅相もない!」

 

「じゃあ早く戻れ。言ったろ今は怒る時間さえ惜しいって」

 

冬夜はそう言うと俺達に背を向けて歩き出す。

 

良かったぁぁぁ…宿題のおかげで怒られずに済んだ…

 

皆の表情を見ると全員安堵の表情を浮かべていた。

 

「ただし…」

 

しかし冬夜は立ち止まると、こちらに振り返り少しだけ殺気を放ちながら言った。

 

「次は無いぞ?」

 

前髪から覗かせるあの目は合宿の時と同じ鋭い目だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数時間後。

 

太陽から指揮が俺に変わり、ようやく宿題に取り掛かり始めた3バカトリオ。

 

面倒くさがって太陽に頼んだのが間違いだった。これなら最初から俺がやれば良かった。

 

あいつらが部屋を見に行こうとしていたのは筒抜けだった。

 

ていうか人が寝ている側であんなに騒がれたら嫌でも耳に入る。

 

だから太陽が何とかして逃れようとしているのは知ってるしことりに秒殺されたのも見ている。

 

まぁ特別見られて困るものは無いけど。

 

…後気になる事が1つ出来た。

 

花陽が一度トイレに行ったんだがそれを境に俺を見るやいなやうっとりとした表情でニヤニヤし始めた。

 

理由を聞いても「何でもないですよ?えへへ」と教えてくれなかった。

 

何でも無くないだろその反応。

 

とりあえず特別詰め寄る程の興味は無かった為そのままにしといた。

 

そして宿題に取り掛かり始めて数時間。

 

時刻は19時を回っており外は真っ暗。

 

しかし真面目に取り組んでいた甲斐もあり、凛とにこの宿題は終了した。

 

一方の穂乃果は…

 

「穂乃果ちゃん!後この1ページだけだよ!」

 

「ファイトです穂乃果!」

 

「うう…」

 

どこから用意したのか分からないファイトと書かれたハチマキをしながら穂乃果は最後の教科である数学に苦戦していた。

 

「もう少しや!」

 

「ラストスパートよ!」

 

他のメンバーからの声援もあり、何とかペンを走らせる穂乃果。

 

パッと見殆ど答えは間違っているが重要なのは全て自分で解いたという事だ。

 

目的はあくまでも宿題を終わらせる事。勉強会ではない。

 

そして数分後…

 

「〜っ!終わったぁぁぁ!!!」

 

無事穂乃果は宿題を終わらせた。やれば出来るじゃん。

 

「お疲れ様穂乃果ちゃん!」

 

「よく頑張りました!それにしても最後まで穂乃果の集中力が続くなんて驚きです」

 

「それだけ冬夜君が怖いんでしょ」

 

ちらりとにこがこちらを見る。

 

「疲れたー!もうプリント嫌だー!」

 

穂乃果はよっぽど疲れたのか床に寝転がっている。

 

「これに懲りたら次からは計画的に宿題やるんだな」

 

俺はそう言うとテーブルの上に麦茶をコップに入れ差し出した。

 

「ありがとう!」

 

穂乃果は目を光らせると喉が乾いていたのか一瞬で飲み干した。

 

…早っ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて、穂乃果そろそろ帰りますよ」

 

「えぇー…もうちょっとー…」

 

それから数分の休憩を挟んだ後、海未が穂乃果に言う。

 

まぁまだ動きたくないだろうな。

 

「これ以上はさすがに迷惑です。もう時間も遅いですし…」

 

確かに時間は20時前。

 

遅くなることはそれぞれ親御さんに連絡はしている様だがもう深い時間。

 

さすがにそろそろ帰らなくてはならない。

 

「そうよ穂乃果。これ以上遅くなるとご両親も心配するわよ?いくら遅くなるとはいえ」

 

「うー…」

 

名残惜しそうにこちらを見る穂乃果。

 

よっぽど帰りたくないらしい。

 

「帰りたくない気持ちは分かるけどそろそろ帰らないとマズイわよ?明日から学校なんだし」

 

「真姫ちゃん気持ち分かるんだ?」

 

「え?…えーっと…それは言葉の文で…」

 

凛の指摘にしどろもどろになる真姫。

 

ちょいちょい本音駄々漏れなんだよな。

 

「凛だって本当はまだ帰りたくないよ?でも今日は仕方ないにゃ」

 

「うん。私もまだ居たいけど目的は宿題だもんね」

 

続いて凛と花陽が言う。

 

何で皆まだ居たい意思をわざわざ言うんだよ。

 

「穂乃果ちゃん」

 

ことりが穂乃果に近付く。

 

「私も同じ気持ちだよ?でも、帰ろう?」

 

優しく語りかけるように甘い声で言う。

 

毎回思うんだが地声がこれって本当に凄いよな。

 

声優でも活躍出来るだろ。…あ、関係なかったね。

 

「大丈夫だ穂乃果」

 

続いて太陽が穂乃果に話し掛ける。

 

なんかやけに自信満々なのが気になるが。

 

「また来れば良いじゃん!」

 

いやそれ俺の台詞だろ。

 

何で家主の俺じゃなくてお前が言うんだよ。

 

「うん、そうだね!帰ろう!」

 

ことりと太陽の言葉によりようやく帰る意思を見せた穂乃果。

 

次があるかは分からないけどとりあえず良かった。

 

帰り支度を各々し始めるμ's。

 

帰宅ムードになりつつあるその中、ただ一人全く動かない者がいた。

 

「…?…どうした希?」

 

俺は一向に手を動かさない希に声を掛ける。

 

すると希は神妙な面持ちで口を開く。

 

「1つ聞いてもええ?」

 

「…何?」

 

俺がそう聞くと、少し頬を赤らめながら予想外の一言を放つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

「冬夜君。今日、泊まってもいい?」

 

「…え?」

 

 

 

 

 

 

 

訪れる静寂。驚きの表情に染まったまま口を閉ざしたμ's。

 

…今希何て言った?

 

泊まっても良い?って言った?

 

どこに?え、ここに?

 

待て待て。何で俺にこんなイベントが発生するんだ?

 

確かに希からの好感度が高い事は気づいてたさ。

 

気づいてたけどまさか異性の家に泊まる程高いとは思わなかった…

 

ていうか普通こうゆうのって太陽に来るもんじゃないの?

 

そもそも宿題も太陽の家でやれば良かったしその方が太陽自身も好感度が上がるチャンスが広がるから絶対その方が良いのに。

 

一先ず希の爆弾発言でフリーズしてしまっているこの状況をどうにかしなくては。

 

そう思い口を開こうとしたその時、沈黙を破ったのは絵里だった。

 

「ちょ、ちょっと希!今の発言…本気で言ってるの!?」

 

「…?…勿論本気や」

 

絵里の質問に対し当たり前やん?と言わんばかりの表情で答える希。

 

俺はそこまで好感度を上げた覚えは無い。

 

「ダメよダメ!認められないわ!第一あなた明日から学校よ?準備とか諸々…」

 

「それなら大丈夫や。持ってきてるから」

 

希はそう言うと鞄の中から制服と教科書を取り出す。

 

希のだけ大きいとは思ってたけどまさか最初から泊まる気だったのかよ…

 

「と・に・か・く!異性と1つ屋根の下で二人で泊まるなんてダメよ!」

 

「ええやん。うち一人暮らしでお家に帰っても寂しいし」

 

「うっ…で、でもね」

 

まずい。絵里が押され始めた。

 

中々折れない希に次々とメンバーからの声が飛ぶ。

 

「さすがにやりすぎよ希。…積極的すぎ…何でこんなにモヤモヤするの…」

 

まずはにこ。最後ら辺は声が小さくて聞き取れなかった。

 

「希ちゃんズルいにゃ!…じゃなかった希ちゃん泊まりはダメだよ!」

 

続いて凛。本音漏れてるぞ。

 

「全く…わ、私は泊まらないわよ…持ってきてないし…」

 

今度は真姫。荷物があれば泊まるともとれるその発言に関してはあまり深追いしないでおこう。

 

「いきなりはさすがに…ねぇ?」

 

「うん…急に泊まるって言われても…ねぇ?」

 

ことりと花陽は何やら期待を込めた眼差しで俺を見つめている。

 

この二人が何に期待してるのかは薄々分かるが気付いてないふりをする。

 

絶対に泊まらせないぞ。

 

「私も泊まりたーい!」

 

穂乃果は論外。

 

「希。突然じゃ冬夜に迷惑ですよ?」

 

さすがは海未だ。

 

やはりこうゆう時の海未は心強いはμ'sの真面目担当なだけはある。

 

俺は関心した目で海未を見つめた。

 

「いきなり家に押しかけただけでも…っ!…と、冬夜!何故そんなに私を見つめるのですか!?も、もしかして私にも泊まってほしいのですか!?…でしたら、考えてあげても…」

「待て待て待て!そんな目で見てねぇよ!」

 

前言撤回。

 

「何やかんや言って皆泊まりたいんやね」

 

結果希にはノーダメージ。

 

8人掛かりでこれては情けないものだ。

 

仕方ない、ここは俺がきっぱりと言おう。

 

「あのさ…」

「やめとこう」

 

「…太陽」

 

俺が話しかけたその瞬間、真面目な顔をした太陽が口を開く。

 

「元々俺が提案して押しかけた冬夜の自宅訪問は、本当に突然で迷惑だったと思う。まずは冬夜ごめん。そしてありがとう」

 

「は、はぁ…」

 

どうしたどうした急に?

 

いつもの太陽じゃないな。明日は雪か?

 

「そんな俺が言える事じゃ無いんだけどさ、今日はこれ以上はやめよう。明日から学校だしもう迷惑は掛けちゃってるから」

 

…まぁ言ってる事は正論だな。

 

もう迷惑掛けちゃってるからっていう言い方だけ気になるけど。

 

別に1回までなら迷惑掛けていい訳じゃないからな?

 

「「「「「「「「「…」」」」」」」」」

 

太陽の言葉に沈黙が流れる。

 

皆の表情を見ると少なからず太陽の言葉は刺さっているようだ。

 

その様子を見た太陽は更に畳み掛ける。

 

「もしかしたら、冬夜に嫌われちゃうかもよ?」

 

「「「「「「「「「…!…」」」」」」」」」

 

その瞬間、μ's全員の表情が分かりやすく変わった。

 

「そ、それは困るわ!」

 

「嫌や!分かったうち今日は諦めるから!」

 

「冬夜君に嫌われるなんて…ぁぁ…」

 

「そんなの嫌だよ!」

 

「私も嫌!」

 

「今すぐ帰りましょう!」

 

「嫌っちゃダメにゃー!!」

 

「あぁ…目眩が…」

 

「それはさすがに嫌…かも…」

 

上からにこ、希、絵里、穂乃果、ことり、海未、凛、花陽、真姫の順番で口を開く。

 

皆の変わりようが凄い。

 

顔を青ざめる者から体調不良を訴える者まで様々。

 

どんだけ俺に嫌われたくないんだよ。

 

気付けば涙目になりながら皆俺を見つめていた。

 

「「「「「「「「「嫌いにならないで!」」」」」」」」」

 

「ならない!ならないからそんな目で俺を見るな!」

 

もう軽く恐怖だわ…

 

 

 

 

 

 

 

「冬夜君。今日は本当にありがとう!」

 

「冬夜君ありがと!」

 

「ありがとうございました」

 

それから皆の動きは早かった。

 

希もあっという間に帰り支度を済ませた。

 

玄関を出ると、まずは2年生組が頭を下げる。

 

「急にごめんね?凛達の為にありがとう!」

 

「ありがとうございました」

 

「…ありがと」

 

2年生組に続いて1年生組。

 

真姫はメンバー内では素直になってきてるが俺に対しては相変わらず。

 

髪の毛をクルクルさせる癖も変わらない。

 

「ごめんなさいね?突然押しかけちゃって。本当にありがとう」

 

「今日は助かったわ。ありがとう」

 

「いろいろ我儘言っちゃってごめんね?今日はありがとう」

 

そして3年生組。

 

希の泊まりたい発言は是非ともネタであって欲しいものだ。

 

…ほぼ本心なんだろうけど。

 

「さっきも言ったけどごめんな急に。楽しかったわありがとな」

 

最後に太陽。

 

相変わらずのイケメンスマイルを意味も無く俺に見せながら言う。

 

「いいよもう」

 

何だかんだいってあっという間だった気がする。

 

μ'sと勉強するのは新鮮で何だか不思議な気持ちだ。

 

…もしかして俺楽しんでた?

 

まさかな。

 

「なぁ冬夜」

 

太陽が今度は真剣な面持ちで話し掛ける。

 

「また、【皆】で来ていいか?」

 

【皆】を強調して言う太陽。

 

μ'sも期待の眼差しでこちらを見つめている。

 

…全く。俺の家のどこがいいんだか。

 

俺は少しだけ考える素振りを見せると、皆に言った。

 

「【次は】ちゃんと前もって言えよな」

 

ただまぁ、悪い気はしない。

 

たまにはアリか。こうゆうのも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰り道。

 

俺は冬夜の命令によりμ's全員を送り届けている。

 

まぁ言われなくもそうするつもりだったけどね。

 

俺達は歩きながらさっきの冬夜について話していた。

 

「それにしても良かったね!冬夜君が次って言ってくれて」

 

「うんうん!すっごく嬉しかった!」

 

穂乃果とことりが少し燥ぎながら言う。

 

他の皆も嬉しそうだ。

 

確かに俺から質問しといて何だけど冬夜がああ言うのは予想外だった。

 

断られるかなと思っていただけに凄く驚いた。

 

これも少しずつ冬夜が変わってきている証拠だろう。

 

それを知れただけでも今回無理矢理冬夜の家に押し掛けて正解だった。

 

「そういえば皆、意外と乗り気やったね。皆冬夜君の事そんなにお気に入りやったっけ?」

 

続いて希が言う。

 

皆の冬夜に対する好感度が高いのは感じてたけどまさかあそこまでとは思わなかった。

 

特に冬夜に嫌われるかもと心配する皆の姿は凄まじいものだった。

 

そして思い出すのは俺が冬夜の家に行く事を提案した時の皆の反応だ。

 

 

 

 

 

 

 

「えーっ!?冬夜君のお家に!?」

 

「そうだ穂乃果。明日冬夜の家で宿題をする」

 

「え、何でまた」

 

「いい質問だ真姫。冬夜の家を知りたがってた人もいたし、これを機会に冬夜との交流も深めようと思ってな。ほら、あいつ最近練習に顔出さないし」

 

「…確かにそうですが、バイトがあるのでは?」

 

「それなら大丈夫だ海未。明日冬夜が1日フリーである事は調査済みだ」

 

「…何故それを太陽君が知ってるのよ」

 

「絵里。それも良い質問だが企業秘密だ」

 

「でも、凛宿題どうしようか悩んでたんだにゃ。とうくんお家でやるの賛成!!」

 

「うん楽しそう!穂乃果も賛成!」

 

「…遊びに行く訳じゃ無いのですよ穂乃果」

 

「分かってるよ海未ちゃん」

 

「私も行くわ。あいつの家気になってたし宿題も終わらせれるし一石二鳥ね」

 

「これで宿題が終わって無い組は皆行くで良いな。他の皆は任せるよ。行くなら行くで…」

「「「「「「行く!!」」」」」」

 

「は、早っ…」

 

 

 

 

 

 

 

まさかあんな食い気味で来るとは思わなかった。

 

でも順調に皆が冬夜への好感度が上がっているみたいで良かった良かった。

 

「…で、花陽ちゃんはスマホ見て何ニヤニヤしてるん?」

 

ここで希がずっとスマホを見つめ恍惚の表情をしている花陽に話し掛ける。

 

「あ、えっと…実はこれ…」

 

花陽はそう言うと、スマホの画面を見せる。

 

そこには、誰かの部屋だろうか。無数の可愛らしいぬいぐるみに囲まれたベッドが写っていた。

 

「可愛い!!」

 

ことりがすぐさま声を上げる。

 

他の皆も可愛いという声が飛び交う。

 

花陽の部屋だろうか?

 

「これ、花陽ちゃんの部屋?」

 

穂乃果が尋ねる。

 

「ううん」

 

それに対し花陽は首を降ると、頬を赤らめながら言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「これ、冬夜君の部屋なの」

 

 

 

 

 

 

 

「「「「「「「「「えぇぇぇ!!!?」」」」」」」」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

マジか!?これが冬夜の部屋!?嘘っ!?

 

めちゃくちゃ可愛いじゃねぇか!!

 

「冬夜君可愛い!」

 

「いけない…何か今凄いキュンとしちゃったわ…」

 

穂乃果は写真を見ながら燥ぎにこは胸を押さえながら悶絶。

 

その気持ち凄い分かるぞ。

 

「これは予想外ね…可愛い…」

 

「とうくん…」

 

絵里と凛はうっとりとした表情で写真を見つめる。

 

完全に自分の世界に入っているな。

 

「こ、これは反則やん…」

 

「ええ、これが俗に言うギャップというものなのでしょうか…」

 

希と海未も頬を赤らめながら写真を見つめていた。

 

確かにあの様子からは予想出来ないよな。ぬいぐるみで溢れてるなんて。

 

「まさか冬夜君にこんな一面があったなんて…」

 

「か、可愛いわね…」

 

ことりも恍惚な表情で写真を見つめ真姫も本音を漏らさずにはいれないようだ。

 

これは凄い発見だ…新しい冬夜の一面をまさかこのタイミングで知れるなんて…

 

…でも、その衝撃でスルーしそうになったけど気になる事があるぞ。

 

「花陽、どうやってその写真を?」

 

「そ、そうだよ!花陽ちゃん部屋に入ったの!?」

 

「「「「「「「「「どうなの!?」」」」」」」」」

 

全員で花陽に詰め寄る俺達。

 

「ひ、ひぃ…」

 

あまりの迫力に後退る花陽。

 

直ぐ様詰め寄る俺達。

 

周りからすれば凄い変な集団に見られている事だろう。

 

でも、今はそんな事どうでも良い。まずはこの写真の入手方法だ。

 

やがて花陽は真相を話し出した。

 

「実は…1回トイレに行ったタイミングで冬夜君の部屋が視界に入っちゃって…ダメだって頭では分かってるのに、好奇心に負けてつい…」

 

「入ってあまりの可愛さに写真を撮っちゃったと」

 

「…はい」

 

「花陽…あなた中々勇気あるわね」

 

ああ、真姫と同感だ。

 

まさか穂乃果でも希でも無く花陽がそうゆう事をやるとは…

 

意外と積極的なのか花陽は。

 

「花陽ちゃん…」

 

希がゆらりと花陽に近付く。

 

「ひぃ!」

 

表情の見えない希にまた怯える花陽。

 

そして希はガシッと花陽の肩を掴むと、顔を上げ真剣な表情で言った。

 

「花陽ちゃんお願い。その写真うちに送って」

 

「…へ?」

 

「お願い!!花陽ちゃん!」

 

おお…1年生に頭を下げる3年生の図がまさかここで見れるとは…

 

「の、希ちゃん!頭上げて!写真なら送るから!」

 

「本当!?」

 

顔を上げた希はまるで欲しいおもちゃを親が買ってくれる時の子供の様に嬉しそうだった。

 

そしてそれを皮切りに…

 

「私も欲しい!」

 

「かよちん!凛にも送って!」

 

「わ、私も!」

 

μ's全員がスマホ片手に花陽に写真欲しさに迫り出した。

 

海未や真姫も写真を欲しがっている所を見ると、相当花陽の写真が魅力的だったらしい。

 

「じゅ、順番に送るから!」

 

写真を撮ってと迫られる有名人のような人気っぷり。

 

傍から見たら不審者の集団。

 

俺は通報されないように祈りながら成り行きを見守った。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、冬夜の部屋では。

 

「誰だよ俺の部屋に入ったの」

 

抱きしめられた形跡が僅かに残ったぬいぐるみを見つめたまま、冬夜は呟くのだった。

 

 

 

 

 

 

こうして、氷月冬夜の激動の夏休みが幕を閉じた。

 

そして2学期。μ'sにとって大きな転機になる事をまだ誰も知らない。




「名前は?」

「こたろー」

始まった2学期。

学校の無い昼下り。冬夜に再び訪れる新たな出会い。

それは、子供?

「ここあ!」

「矢澤こころです」

ひょんな事から迷子の世話をする事になった冬夜。

その出会いを通じてμ'sとの距離は縮まっていく。






〜次回ラブライブ〜

【第23話 冬夜と3人の迷子】

お楽しみに。
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