出来る内にしとかないとね。
ここで少しオリジナルの話を混ぜます!
そしてあの人が少しだけ登場します。
とうじょう・・・だけにね!
「だから、氷月君に来てほしいんだってば!」
「だから別に俺じゃなくていいだろ」
曲が完成してから数日後。
後はライブだけだと思っていた俺に高坂さんからの着信があった。
最初は無視していたがあまりにもしつこいので仕方なく出てみると、私達のダンスを見てほしいと言ってきた。
振付けも纏まり練習中との事だが、どこが悪いかの指摘が欲しいんだそうだ。
そして俺は断り続けている。
「なんで嫌なの!?」
「だから、俺はバイトで忙しいし第一そんなの君らの女友達に頼めよ」
「えー、前は見てくれたじゃん!」
「あれはたまたまだ!俺がたまたま神田明神に立ち寄ったから見たんだよ」
「じゃあ今回もたまたま来てよー!」
「それはもう意味がわからない」
ていうか高坂さん会ったり会話する度にどんどん距離縮まってないか?
いや最初から近かったけどさ。
「とりあえず、俺は行かない!わかったな!」
俺は強制的に電話を切った。
全く、なんで俺がここまで面倒を見なくちゃいけないんだ。
ベッドに横になると、再び電話が鳴り響いた。
「いやしつこい!」
舌打ちしながら電話を取った。
「だから行かないって言ってるだろ!」
「お?お、おぅ・・・どうした冬夜」
今回の電話の相手は太陽だった。
「なんだ太陽か」
「いやービックリしたよ。まだ何にも言ってないのに行かないって言うんだもんな」
「あー、すまない」
「とりあえず、一緒にスクールアイドルショップへ・・・」
「行かない」
強制的に電話を切った。
乱暴に切ってから数時間。
高坂さんからも太陽からも音沙汰なし。
ようやく平和が戻った・・・
「・・・ん?」
と思った矢先スマホが震えた。
「・・・今度は誰だ?」
スマホを手に取りLINEの相手を確認する。
高坂さんだった。
「・・・なるほどそう来たか」
文章ではなく、一本の動画が送られてきた。
「そこまでして俺に評価してもらいたいのか」
どうやら踊っている様子を撮影したものらしい。
俺は溜め息をついた。
「・・・まぁこれならわざわざ神社まで行かなくてもいいし。仕方ないか」
俺は動画を再生した。
結果から言うと、まだまだだった。
オリジナルの曲と振付けなだけあって全体的にぎこちない。
歌詞の間違えなどもちらほら見受けられる。
ライブ本番まで後1週間程。
このペースじゃ間に合わない。
「一先ず意見を求められた以上正直に言うか」
俺は動画を見て感じた事を全て送った。
すると数分して【辛辣!?】と返ってきた。
君が感想を求めたんだろ。
しかし、黙ってこのまま見過ごすわけにもいかない。
この様子では他にダンスを評価してくれる人はいないっぽいし教えてくれる人も居なさそうだ。
このままじゃライブは間違いなく失敗する。
「はぁ・・・どうしたものかねぇ・・・」
まだ大きな問題点を抱えていた現状に溜め息をついた。
とは言っても俺はダンスを教える事は出来ないし・・・
どこかに教えれる人がいれば・・・
あ、いたわ。
「というわけでよろしく」
「いやいやいや!何がよろしくだよ!?」
俺は直ぐ様ダンス経験者の太陽に電話した。
こいつは小中とダンス教室に通っていて先生からお墨付きを貰っていた。
太陽なら教えれるだろう。
「だから、音乃木坂のスクールアイドルのダンスのコーチをして欲しいんだよ」
「なんでまた」
「1週間後にライブがあるんだけど、ダンスがまだまだで人前で見せれるレベルじゃないから」
「いやでも俺だってダンスやめてから日は大分経ってるし無理だよ!」
「大丈夫大丈夫。君の何でもこなせる主人公スキルがあれば余裕余裕」
「何だよ主人公スキルって!」
なんだよこいつ自覚してないのかよ。
自分が文武両道、容姿端麗、誰にでも優しい女好きな事以外が完璧なハーレム系主人公だって事に。
中学時代はファンクラブもあったっけ。
「うーん・・・でも、冬夜がそこまで言うならやってみるよ」
「よしそれでこそ太陽だ。じゃあ早速行くか」
「え?」
「ん?練習場所だよ練習場所!まだ練習してると思うから行くぞ」
「いやいやいや急すぎるって!?さすがに今からは行けない・・・」
「ちなみに練習場所は神田明神な」
「行こう今すぐ行こう」
やっぱやめようかな。
「さぁ行こう!神田明神へ!」
いつもより身だしなみに気合いを要れている太陽と合流した俺は、神田明神に向かって自転車を漕ぎだした。
「それにしても楽しみだなー。スクールアイドルのμ'sもそうだし、噂の美人の巫女さんに会うのも!」
そう。太陽が急に乗り気になったのはこれだ。
神田明神に凄い美人な巫女がいるという噂だ。
これは俺のバイト先でも話題になっている。
俺は会った事ないけど。
「それにしてもビックリだな。お前がμ'sとそんなに親しくなってたなんて」
「親しい・・・のか?とりあえずそれに関しては俺も疑問に思ってるからあんまり言わないで」
俺とμ'sの関わりについても話した。
そしたら案の定質問攻めに遭い、滅茶苦茶面倒くさかった。
「お、見えてきたな」
そうこうしてる内に神田明神に到着した。
自転車から降りると、太陽が口を開いた。
「どっちが早く階段登れるか競争しようぜ!」
「嫌だ」
小学生かよ。
「お、微かに音楽が聴こえるな。これがμ'sの曲か?」
「そうだ」
動画で初めて曲を聴いたが、なかなか良い出来だと思う。
明るく疾走感のある作曲に真っ直ぐな歌詞。
まさに最初に相応しい曲だと言える。
「お疲れー」
階段を登り終わると、俺は三人に声をかけた。
「あ!氷月君!来てくれたんだね!」
相変わらずの明るい笑顔の高坂さん。
まるで太陽だな。
「こんにちは氷月君!朝日さんも!」
「今日は朝日さんも一緒なんですね。お久しぶりです」
南さんと園田さんも練習を中断し、俺達の元に駆け寄った。
「こんにちは!南さんも園田さんも元気そうで何より」
そっか、太陽と二人はチャラ男襲撃事件以来会ってないのか。
「あ、もしかして朝日君って君!?」
ここで高坂さんが太陽に話掛ける。
そうか初対面か。
「うん。そうだけど」
「私、高坂穂乃果!ことりちゃんと海未ちゃんを助けてくれてありがとう!」
俺の時と同じように太陽の手を握るとぶんぶんと振りまくる高坂さん。
うん。変わらないね。
「お、おう!当然の事をしたまでで・・・」
さすがの太陽もグイグイ来られてて困惑してるな。
顔はちょっと嬉しそうだけど。
「穂乃果!振りすぎです!」
「あ、ごめんね朝日君」
園田さんの言葉を受け手を離す高坂さん。
「・・・結構フレンドリーな娘だね高坂さんって」
太陽が小声で俺に話しかける。
お前といい勝負だと思うぞ。
「で、どうしたの氷月君?さっきは行かないって言ってたけど」
「あぁ、動画見たら気が変わった」
「そうなんだ」
「ん?待て待て!お前連絡先交換してるのか!?」
面倒くさいな・・・
なんでこうゆう時だけ敏感なんだよ。
「まぁまぁそれはさておいて」
「さておかれた!?」
「ふふ、朝日君って穂乃果ちゃんと似てるね」
「ふふ、そうですね」
「おー良かったな太陽、笑われてるぞ」
「良くないよ!」
「え、私絶対こんなんじゃないもん!」
「高坂さんそれどうゆう意味!?」
あーこれ収集つかなくなるな。
早く本題に移らないと。
「とりあえず!本題に移るぞ?」
「うん」
「おうよ!」
「今回俺達が来たのは、君達のダンスについてだ」
「私達のダンス・・・ですか?」
「そうだ。ダンスを見た俺の感想はさっきLINEで伝えた通りだ。ちなみに太陽にもダンスを見てもらった」
「ああ、冬夜に頼まれて動画を見たけど、正直お世辞にも上手いとは言えなかった」
太陽も割りとハッキリ言うからなー。
今凄い申し訳なさそうな顔してるけど。
「やっぱり・・・まだまだなんだね」
「ライブに間に合うのでしょうか・・・」
俺と太陽の酷評にネガティブになる南さんと園田さん。
「だ、大丈夫だよきっと間に合うよ!」
高坂さんもフォローはするが、表情は暗いままだった。
「そこで、俺が一つの案を出した」
「・・・案?」
「そう。それは君達にコーチをつけるというものだ」
「コーチ?」
俺の言葉に高坂さんと南さんが首をかしげている。
隣で太陽が可愛いと呟いているが無視をする。
「ライブまで残り1週間。これ以上のダンスの向上は君達だけだと間に合わない。そこで、コーチを用意した」
ここまで言えばもうわかるだろう。
「まさか、そのコーチって」
「そう。こいつだ」
太陽が一歩前に出た。
「小中とダンス教室に通っていて先生からお墨付きを貰っている。実力は充分だと思うぞ」
「いやそんなにハードル上げるなよ。というわけで、μ'sのダンスコーチを務める事になった朝日太陽です。ダンスをやめてから2年程経ってるけど、出来るだけの事はします!よろしくお願いします!」
勢い良く太陽が頭を下げた。
少し沈黙が続き、高坂さんが口を開いた。
「ありがとう氷月君朝日君!とっても嬉しいよ!」
続いて南さん。
「まさかコーチについてくれるなんて・・・本当にありがとう!」
そして園田さん。
「助けてもらってばかりでお二人には頭が上がりません!本当にありがとうございます!」
三人とも、満面の笑みを浮かべながら喜んでいた。
「お、おぉ・・・」
「良かったな。歓迎されてるぞ太陽」
「こんだけ喜ばれると嬉しいよ・・・」
太陽は泣きそうになっていた。
そんな中、俺は淡々と話した。
「後は太陽に頼れ。アドバイス諸々。こうゆう事に関しては俺よりも詳しいし頼りになる」
「え?何それ聞いてないんだけど!?」
「言ってないからな」
太陽が驚いた表情で俺に話しかける。
驚いた表情をしているのはμ'sの三人も同じだった。
「これで俺に出来る事は何もない。まぁいわば役目を果たしたって事かな」
俺の言葉に高坂さんが反応した。
「なんでそんな悲しい事言うの!?これからも氷月君は来てくれるよね!?」
「さぁどうだろうね。ていうか元々そんなに来てないだろ」
続いては南さんが反応した。
「朝日君が来てくれたのは嬉しいけど、氷月君も来てくれなきゃ寂しいよ・・・」
「そこまで俺に依存する理由はないだろ。来た所で俺に出来る事なんてないし」
続いては園田さんが反応した。
「そんな事ありません!氷月さんは居てくれるだけで心強いんですよ?」
三人とも強い眼差しで俺の事を見つめる。
参ったな・・・これ以上関わるわけには・・・
「いい加減腹括れよ。もうここまで関わっちゃったんだからさ」
太陽が俺の肩に手を置き話しかける。
でも俺はこれ以上関われない。
これ以上関わると、より親密になれちゃう気がする。
そして親密になればなるほど・・・
全てを知った時のショックが大きいだろ・・・
「・・・ごめん。俺バイトがあるから」
「・・・冬夜?」
「応援してるよ、スクールアイドル。成功するといいな、ライブ」
「氷月・・・君?」
俺は四人に背を向けると、逃げるように走り出した。
「氷月君!」
「氷月君!」
「氷月さん!」
μ'sの声が聞こえる。
今なら戻れる。
でも、俺は止まらなかった。
「らしくないな」
神田明神の階段を一気にかけ降り、自転車に跨がる。
「ちょっと、わかりやす過ぎたかな」
何はともあれこれで終わった。
後は太陽に任せれば大丈夫だろう。
「さぁ、行くか」
俺はペダルに足を置き、走り出そうとした。
その時だった。
「君、面白い子やね」
背後から聞こえた声に俺は振り返った。
そこには、装束を身に纏った巫女さんが立っていた。
なるほど、これが噂の・・・
「何か用ですか?」
「ちょっと気になってね。うちは東條希。音乃木坂学院の3年や」
「・・・楠木坂高校2年。氷月冬夜です」
「氷月冬夜君・・・珍しい名前やね」
あー、これ俺の苦手なタイプだ。
こうゆう察しの良い全く読めないタイプは相性が悪い。
「よく言われます」
「やろうね。まぁそれはそうと、良かったん?」
「・・・何がですか?」
「あんな別れ方して」
・・・やっぱりこの人苦手だー!!
なんだよこの感じ!まるで全部知ってるかのような口振り。
「見てたんですか?」
「ちょっとね」
絶対ちょっとじゃないだろ。
「いいんですよ。μ'sの行方はもう太陽に任せましたし俺の出番は終わりました」
「それが君の本心なん?」
「ええ、本心です」
「そっか。じゃあそうゆうことにしとくね」
・・・本当になんなんだこの人。
「でも、君の言葉を借りるなら・・・
やりたい事はやった方がええよ?」
「・・・」
西木野さんのとこも見てたのか。
あー本当にやりづらい。
「アドバイスありがとうございます」
「いえいえ」
「でも俺はもう決めたので」
「だったら止めはせんよ」
表情を変えず微笑みながら話しかける東條さん。
その余裕そうな態度気に入らない・・・
このままやられっぱなしじゃ悔しいな。
「東條さん」
俺は東條さんから顔を背けると、最後に口を開いた。
「貴方がどこまで知ってるかはわかりませんが、全てが貴方の想像通りに進むとは思わないでくださいね」
「・・・ご忠告どうもありがとうね」
「それはそうと、スクールアイドルのμ'sという名前。学校に意見箱を設置して募集して決まった名前らしいんですけど、考案者の名前は書いてなかったみたいなんですよ」
「そうなんや。じゃあ誰が考えたかわからん名前なんやねμ'sって。で、君は何が言いたいん?」
「いえ、ただ貴方と今話してみて思ったんですよ」
そして俺は見えないように少し口角を上げ、放った。
「μ'sって、貴方が考えそうな名前ですね」
あそこまで自分に迫ったのは初めてだった。
ましてや初対面で。
この出会いは冬夜にも、希にも、ある意味衝撃的な出会いとなっただろう。
少しずつ姿が小さくなっていく自転車に乗った氷月冬夜を眺めながら、東條希は呟いた。
「ますます気に入ったわ。氷月冬夜君」
μ'sの初ライブまで、残り1週間。
ついに始まったμ'sの初ライブ。
もうμ'sとは関わらないと決めたはずの冬夜ではあったが、理事長からの許可が出てしまった為、太陽に無理矢理引っ張られる形で参加。
しかし、そこには厳しい現実が待っていた。
絶望、怒り、悔しさ、悲しさ。
交わる感情の末、穂乃果が出した答えは・・・
~次回ラブライブ~
【第7話 ファーストライブ】
お楽しみに。