Infinite Days~獅子の姫達とその勇者~ 作:のんびり日和
夕日が照らされる道をレオはトーマに跨ったまま城へと帰路についていた。行きとは違いその姿はラフな格好となっていた。彼女の防具と上着はシンクとエクレの二人によって破壊されたのだ。
「しっかし本当に面白い奴だった。久しぶりに熱くなった」
そう言い城へと着いたレオはトーマから降りると、ビオレが慌てた表情でレオの元に向かっていた。
「レオ様し、至急ご報告しないといけない事が……」
「報告? なんじゃ、それは「おい、姫さん」ムッ! 一夏、我の事は閣下と…あれほど…。お、お主何か怒っておらんか?」
また姫さんと呼んだ一夏に注意しようと顔を向けたレオ。だがその顔に笑みなどは無く、只冷たい視線だけがレオを見据えていた。
「ん~、そう見えるか? まぁその通りだが」
そう言いながらゆっくりと一夏はレオの方に近付く。レオは一夏から滲み出る氣に若干の焦りを感じ後ずさる。
「ゆ、勇者様! この度の事は我々がしっかりと調べていなかったことが原因なのは重々承知しております! どうか、どうか怒りをお鎮め下さい!」
レオを守る様にビオレは一夏の前に立つ。
「……そこをどけ」
「どけません! お願いです、怒りをお鎮め下さい!」
一夏の鋭い視線を受けながらもビオレは震える足で立ちはだかる。
しばしの沈黙が流れた後、一夏ははぁ~。と息を吐き氣をおさめた。
「分かったよ」
そう言われビオレは安心した表情を浮かべあげていた腕を降ろした。だが次の瞬間
「…甘い」
その一言が呟かれたと同時に頬を風が受け気付いたら、レオの前には一夏が移動していた。
(抜けられた!?)
ビオレは不味いと直感しレオを守ろうと動く。
「な、何を!?」
「覚悟しろ」
「ひぎゃーーーーー!?」
城中にレオの叫び声が響き渡り、城の中にいた者達は慌ててその悲鳴がした場所へ向かった。
「ヘ、陛下! 如何なされた!」
「姉貴! どうした!」
「レオ様!」
と続々と門の所に集結すると其処には
「てめぇ~、帰る方法が無いってどう言う事だぁ? あぁ?」
「
「止める訳ないだろうが、このあほんだらぁ!」
「
「あわわぁ、お、お止め下さい勇者様ぁ!」
門に集結した者達が見たのは、レオの両頬を目一杯ひっぱる一夏と、レオを助けようと一夏を引き剥がそうとするビオレの姿が其処に合った。
全員困惑した表情を浮かべている中、レオと同じ髪色をした少年が一夏に近付く。
「えっと、何やってるんだ?」
「ん? 誰だ?」
「ガウル・ガレット・デ・ロワだ。アンタが今頬を引っ張っている奴は俺の姉だ」
「そうか、俺は一夏だ。ちょっと待っててくれ、こいつにもう少しお説教したら訳を話すから」
「ふぎゃ~~~~~~!!!??」
「い、今すぐお放し下さいぃ~!」
暫く門前ではレオの悲鳴が鳴り響くのであった。
それから暫くして漸く開放されたレオは赤くなった頬に涙目になりながら摩っていた。
「うぅぅう~、い、いきなり何をするのじゃ一夏!」
「そりゃあ、お前が嘘をついたからに決まってるだろうが」
レオの問いに未だに不機嫌な表情で答える一夏。
「嘘? 姉貴が嘘つくなんてそんな訳が「いえ、恐らくレオ様も知らなかった事が…」ん? なんだよ、その知らなかった事って」
ガウルの問いにビオレは皆に説明できるように傍に居た黒髪の猫耳少女、ノワがその訳を語り出した。
「レオ様、勇者を召還した方法は御存じなんですよね?」
「無論じゃ。召喚方法が書かれた書物を読んで、それで一夏を呼んだんじゃ」
「では、その書物に帰し方は書いてありましたか?」
「ん? いや、書いておらんかった。しかし、2冊で一つの書物であったからな。もう片方の書物に帰る方法があるはずじゃ。心配せんでも「無かったんです」な、なんじゃと?」
レオは心配せんでも良い。そう言おうとしたのを遮る様にノワは懐から一冊の書物を出す。
「レオ様が言われている書物は此方の事ですよね?」
「う、うむ。確かにそれじゃ」
「この書物、残念ながら保護処理が上手くされていなかったらしく、中身が既に…」
そう言いノワは本を開けると穴あきの上にボロボロなっているページが現れ、更にシミもひろく広がっており解読が出来そうでは無かった。捲って行くだけでボロボロと紙がボロボロと零れている事からノワの言う通り保護処理が上手くされてい無い事がうかがえた。
「「「……」」」
全員唖然となっている中、一夏はジト目でレオの方に目を向けていた。
「どうすんだよ?」
「……むぅううぅぅ」
一夏の問いに何も返せず、只唸る声だけが零れるレオ。一夏ははぁ。とため息を吐いてビオレの方に顔を向けた。
「なぁちょっといいか?」
「は、はい。何でしょうか?」
「俺が帰れないという事は、向こうに居るシンクも帰れないって事だよな?」
「えっと、そうですね。恐らく向こうも帰れてないと思います。それが何か?」
「いや、こっちも帰れないって言いに行こうかなと思ってな」
一夏はそう言うとビオレは少し考える素振りを見せる。
「それはいいかもしれませんが、此処から歩いて行かれますと夜になってしまいます。ですから「だったら一夏用のセルクルを用意すればいいんじゃないのか?」ガウル様?」
「暫く此処に居るなら足があった方が良いだろ。そうだろ、姉貴」
ガウルの言いにレオは暫し目を瞑り考え込む。そして
「…分かった。一夏用のセルクルを用意しよう。それと此度の一件は儂の不始末じゃ。一夏、責任をもって必ずお主を元に居た世界に帰す。ガレット獅子団の王として約束する」
レオの真剣な表情での宣誓に、一夏も暫しレオの顔を見つめる。
「……分かった。その約束、ちゃんと果たしてくれよ」
「うむ、儂に二言は無い」
一夏が差し出した手をレオも同じく手を差し出して握手を交わした。
次回予告
ビオレです。勇者様こと一夏様のセルクルを用意して、ビスコッティの勇者様に会いに行かれました。
はぁ~、一夏様を本当に帰す方法はあるのでしょうか。
あら、レオ様と一夏様? こんな夜に何処に行かれるんでしょう?
え? アポなし宣戦布告? ミルヒ様誘拐!?
次回
アポなし宣戦布告勃発!~あの、阿呆共がぁ!~
次回投稿してほしい小説(詳細は活動報告の「次回作一覧」を見てください)
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①IS×ウォーシップガンナー2
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②IS×メタルギア
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③IS×オリジナルストーリー①
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④IS×オリジナルストーリー②
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⑤IS×クロスアンジュ
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⑥IS×タイムクライシス
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⑦IS×オリジナルストーリー③
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⑧IS×人狼 JIN-ROH
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⑨IS×東方project
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⑩IS×オリストーリー④
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⑪IS×R-type
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⑫俺ガイル×IS