Infinite Days~獅子の姫達とその勇者~   作:のんびり日和

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3ヵ月近く更新を止めててすいません(;´Д`)

久しぶり過ぎて内容がほぼスカスカかもしれません。



15話

一夏が風月庵で泊ってから4日経ったある日、今一夏は愛騎であるサーペントに跨ってガウルとジュノワーズ達と共にビスコッティ側の砦、スリーズ砦に向け進軍していた。

何故彼等がスリーズ砦に向け進軍しているかと言うと、それは一夏が風月庵から帰って来た翌日の日の事だった。

レオが突然ビスコッティに対し、自国の宝剣を掛けた大戦を開催すると宣戦布告したのだ。

突然の事だった為、何も相談を受けていないガウルは宣戦後のレオに何故宝剣を掛けた戦いなんかするんだ?と問いただすも、レオは何も言わず早々に自室に戻って行った。一夏はそんなレオの背を見つめながら言い知れぬ不安を覚え始めていた。

それは、何か良からぬことが起きそうな予感であった。

そして翌日、ビスコッティ側の姫、ミルヒオーレから受けて立つという返答が届いた。

 

そして開戦当日、レオは一夏をガウルと共にスリーズ砦に向かい敵大将を討ち取れと言い伝え、自身はミオン砦から指揮すると言い一夏を送り出した。

一夏は送りだすレオが一瞬悲痛そうな表情を浮かべたのを一夏は見逃さず、スリーズ砦に向かう中、ずっとその顔が頭の中に引っ掛かっていた。

 

(あの時、何故姫さんはあんな表情を浮かべたんだ? 今までそんな表情を浮かべた事が無かったって言うのに)

 

そう考えながら進軍していると、隣にいたガウルが一夏に話しかけてきた。

 

「なぁ、一夏」

 

「ん? なんだ、ガウル」

 

「今日の姉貴、何か様子が変だったよな?」

 

「あぁ、そうだな。そう言えば、朝からビオレの姿が無かったよな?」

 

「そう言えば、居なかったな。何でだ?」

 

一夏の指摘にガウルは首を傾げていると後ろに居たジュノワーズの一人、ノワールが手を挙げた。

 

「そう言えば、ビオレ様が戦闘衣装を着て今朝早く何処かに行きましたよ」

 

「何? アイツが戦闘衣装を着るなんて珍しいな」

 

「へぇ、ビオレも戦えるのか。それでビオレって何が得意なんだ?」

 

「ビオレ様は隠密強襲が得意なんやで。やから陛下の懐剣なんて呼ばれているんや」

 

ジョーヌの説明にふぅ~ん。と返す一夏。そしてふとある仮説が一夏の頭に過った。

 

(まさか。……いや、でもそうする理由はなんだ?)

 

突然一夏が難しい顔を浮かべる光景にガウル達は首を傾げる。

 

「どうしたんだよ、一夏? 難しい顔なんか浮かべてよ」

 

「……今朝からビオレの姿が無い事。そして戦闘衣装に身に着けていた。そう考えるとビオレの奴、俺達が知らない作戦を実行しているんじゃないかと思ってよ」

 

「……確かに、今考えたら可笑しいな。自分の懐剣を近くに置いておくのが普通だよな」

 

「あぁ。それに、ビオレの戦い方は隠密強襲だろ? つまり隠密に特化しているという事だ。そして今回の懸賞は…」

 

「っ!? まさか、姉貴の奴!」

 

一夏の説明にガウルが何かを察し驚愕の表情を浮かべる。若干お頭が弱いジュノワーズ達はチンプンカンプンなのか首を傾げたままだった。

 

「どう言う事ですか、ガウル様?」

 

「姉貴は、ビオレにスリーズ砦に居るミルヒオーレ様のエクセリードを直接奪取するよう指示したかもしれねぇ」

 

「「「っ!?」」」

 

「ま、待って下さい! それは戦興業の道義に反している行為です! 何でそんな事を!?」

 

「分からねぇ。クソッ、直接問いただしたいが今から砦に戻ってる時間もねぇってのによ」

 

苛立ちの表情を浮かべるガウルに一夏は暫し思案に耽った後口を開く。

 

「ガウル、俺が砦に戻っても今いる戦力で砦攻略は可能か?」

 

「? そりゃあ戦術次第だが可能だが…まさか」

 

「俺が戻る」

 

真剣な表情でガウルを見つめながら砦に戻ると言う一夏にガウルは一瞬険しい表情を浮かべるも、直ぐにフッと笑みを零す。

 

「分かった。一夏だったらすぐに姉貴から問いただせるな」

 

「わりぃな」

 

「いや、構わねぇよ。…姉貴を頼むぜ」

 

「おう」

 

ガウルと会話を終えた一夏は、すぐさまに来た道をサーペントに急かすように戻って行った。

 

「頼むぜ、一夏」

 

遠くなっていく一夏の背に、ガウルはそう小さく声を掛け砦に向かって進軍を再開した。それと同時にスリーズ砦の方角の空に信号弾が打ち上がった。

 

 

ガウル達と分かれた一夏はサーペントに急かすように砦に向かわせていた。

 

「急げ、サーペント。どうも嫌な予感しかしねぇ!」

 

「クェー!」

 

一夏の思いに答えるようにサーペントは急ぎ足でミオン砦に向かう。暫し走り続けると、ミオン砦が遠目ながら見え始める。

 

「よし、あと少し…ん? 曇り始めてきた?」

 

突如晴れていた空が、突如として漆黒の雲に覆われ始めた事に訝しんでいると、突如ミオン砦の上空に雷鳴と共に丸い球体が現れた。

 

「な、何だ、あれは?」

 

そう零している内に砦へと到着し、一夏は中に入るとビスコッティ側の兵士達がそれぞれ困惑の表情を浮かべながら立っていた。

 

「おい、上で何が起きている?」

 

「そ、それが分からないんだ。ミルヒ様がエレベーターに乗って上にいかれ、その後勇者様とエクレール隊長が城壁をよじ登って上にいかれました」

 

「そ、それと何か、フロニャ力が弱まった気がするんですが…この状態で戦は流石に危険なんで、一時休戦しているんです」

 

兵士達も何が起きているのか分かっておらず困惑した状態であった。一夏は急ぎエレベーターに向かいボタンを押し最上階へと向かう。

 

「早く、早く!」

 

昇っていくエレベーターに苛立ちの声を漏らしつつ待っていると、到着を知らせる音が鳴り響き、一夏は急ぎ外に出ると其処には傷を負ったレオとシンクとエクレールと

 

「な、何だよあのバケモンは?」

 

上空に漂う巨大な化け物が居た。化け物は突如現れた一夏に目もくれず何処かへと飛び立っていく。

その化け物にレオは手を挙げながら止めようと声を上げる。

 

「み、ミルヒィ―!」

 

「はぁ!? ミルヒって、まさか!?」

 

「アイツに姫様が囚われたんです! 僕達は奴を追います!」

 

シンクの説明に一夏は驚愕の表所を浮かべながらも口を開く。

 

「分かった。無茶はするなよ! フロニャ力が弱まっているらしいから怪我のリスクが高まっているからな!」

 

そう伝えると、シンクは頷きながらもエクレールと共に化け物を追いかけるべくトルネイダーに乗って追いかけて行った。一夏は倒れているレオに急いで駆け寄ると医療箱を持ったルージュも現れた。

 

「み、ミルヒが、ミルヒがぁ!」

 

「分かったから、落ち着け! ルージュ、急いでその包帯とガーゼを寄越せ!」

 

「は、はい!」

 

一夏はルージュから包帯とガーゼを受け取ると、出血している患部にガーゼで抑えながら包帯を巻いて行く。

レオの処置をしながら一夏はルージュに事のあらましを問いただし始めた。

 

「なんで、向こうの姫様が此処に居るんだよ? スリーズ砦に居たんじゃないのか?」

 

「そ、それがどうやら向こうは影武者らしく、閣下に直接今まで事を聞きたく此処まで来られたらしいのです」

 

「行動力ありすぎだろ。よし、出血は大体抑えた。それとあのバケモンは一体なんだ?」

 

「わ、分かりません。恐らく魔物かと思われます」

 

「デカすぎるだろが」

 

そう言いながらも今度はレオの方に顔を向ける一夏。レオの表情は悲痛に満ちており涙が流れていた。

 

「やはり、運命は変えられぬのか」

 

「はぁ? 運命だと?」

 

レオの口から出た運命と言う言葉に一夏は怪訝そうな顔つきになる。

 

「まさか、星詠みですか?」

 

ルージュがそう零すと、レオがぽつりぽつり零し始めた。

 

「そうじゃ。星詠みで、勇者とミルヒが死ぬ運命が出たんじゃ。そんな運命、儂は到底受け入れられなかった。じゃからミルヒから宝剣を奪取し、運命を変えようとしたんじゃ。じゃが、それは失敗した。もう、何もかも終わり《バチン‼》――ッ!?」

 

悲観にくれるレオに、一夏は躊躇いも一切ないビンタをレオにぶつけた。ビンタを受けたレオは突然の事に茫然とした表情を浮かべ、一夏を見つめる。一夏の顔は憤怒に染まっており、殺気も若干零れていた。

 

「悲観にくれるのは自由だ。だがな、まだ終わってもいないのに悲観に暮れてんじゃねぇよ!」

「それに、なんでそんな大事な事を黙っていやがった!」

 

今まで見せた事ない怒りの表情にレオ達は驚きと戸惑いを隠せない中、レオは涙を流しながら答える。

 

「い、言える訳なかろうが。儂は王じゃ。そんな気弱な事、家臣たちに「それこそ愚者の考えだ! 少しでも周りに相談するなりすれば、未来は変わっていたかもしれなかっただろうが!」そうかもしれん。じゃがもう!」

 

諦めかけているレオに一夏はそれ以上は何も言わずスッと立ち上がりエレベーターの方に向かう。

 

「い、一夏様、何方に?」

 

「あの化け物を追いかける。姫さんは任せるぞ」

 

そう言い歩き続ける一夏。レオは目を見引きらきつつ痛む体を無理矢理起こしながら手を伸ばす。

 

「よ、よせ一夏! お主まで死ぬ気か!」

 

「はぁ? 何言ってんだよ」

 

レオの言葉を蹴る様に言う一夏。その顔は真剣そのものであった。

 

「俺は死ぬ気はない、生きて帰る。それとあいつ等を無事に連れて帰る」

「それと、未来なんざ一人で変えようとするなんて不可能なんだよ。誰かの協力無くして未来なんざそう簡単に変わるか」

 

そう言い一夏はエレベーターに乗り込んで下へと下りて行った。レオはルージュに支えられながら下りて行った一夏に心配そうな表情を浮かべていた。

 

下に降りた一夏は急ぎサーペントに跨ると魔物が飛んで行った方向に向け駆け出し始めた。

サーペントに跨って走り続けていると前方に魔物の姿を捕らえ、一夏はエクスマキナを抜き、刀身に輝力を纏わせようとするも上手く纏えなかった。

 

「チッ。周辺のフロニャ力が低いのが原因か」

 

そう零しながらも一夏は飛んでいる魔物に対して有効打を与える方法を考えていると、突如魔物が苦しみ始めた。そして一夏は目を凝らすとシンクの腕にうねうねと動く何かが見えた。

 

「あれが化け物の本体か? ……やれるか?」

 

そう零しながら一夏は再度輝力をエクスマキナの刀身に纏わせる。だが今度は全体ではなく、一部分に集中する形でだ。

 

「上手く行けよ!」

 

そう言いながら一夏は揺れるサーペントの背に立ち上がるとエクスマキナを構え、そして

 

「はぁあぁぁ、厄港鳥(やっこうどり)!」

 

そう叫びながらエクスマキナを振るうと小さな三日月状の斬撃が飛び、そのままシンクの腕に絡まっている化け物を貫いた。

 

「えっ!? い、一夏さん!」

 

「シンク! 早くそこから逃げろ!」

 

一夏が居る事に気付いたシンクは一夏に声を掛けるもすぐに逃げる様言われ、シンクは急ぎミルヒを抱え魔物から脱出を図る。すると、

 

「姫さまぁぁ!!」

 

そう叫び声が聞こえシンク達は声の方に顔を向けると、ミルヒの愛騎、ハーランに乗ったリコッタとエクレールだった。シンク達はそれに急ぎ飛び乗り崩れる魔物の残骸から難を逃れた。一夏もそれを確認したと同時にその場から離れた。

 

こうして魔物騒動は無事に終わりを迎えた。

 

 




次回予告
一夏だ。戦も中止となってビスコッティの姫さんの特別ライブコンサートが開かれることになった。はぁ、色々あり過ぎて疲れた。ん? よぉ、姫さん何か用か? ってビオレにダルキアンさんにユキカゼも、一体何の用だ?

次回 第1章最終回
夜空に輝く花びらと、恋する乙女たち
~な、なんでおぬしらが居るのじゃ!~

次回投稿してほしい小説(詳細は活動報告の「次回作一覧」を見てください)

  • ①IS×ウォーシップガンナー2
  • ②IS×メタルギア
  • ③IS×オリジナルストーリー①
  • ④IS×オリジナルストーリー②
  • ⑤IS×クロスアンジュ
  • ⑥IS×タイムクライシス
  • ⑦IS×オリジナルストーリー③
  • ⑧IS×人狼 JIN-ROH
  • ⑨IS×東方project
  • ⑩IS×オリストーリー④
  • ⑪IS×R-type
  • ⑫俺ガイル×IS
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