Infinite Days~獅子の姫達とその勇者~   作:のんびり日和

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2話

5年ぶりの実家に、一夏は懐かしい思いを抱きながらリビングへと入る。

リビングには洗濯物の山と不格好ながら折り畳められた服が置かれていた。

 

「形は悪いが、ちゃんとやってるんだな」

 

「これは一夏殿の姉上がやっていたものでござるか?」

 

「あぁ。姉貴、家事が苦手だったんだ。最近はマシになって来てるらしいけど、まだまだな」

 

そう言いながら一夏は折り畳められた服を端の方に避け、洗濯物の山も籠の中に戻し同じく端の方に置く。

そしてキッチンに向かいキッチンラックからコーヒーと緑茶のパックを取り出し、手早くコップに準備する。そしてポットのお湯を注ぎ、コーヒー3つと緑茶3つをつくると、リビングへと持ってくる。

持ってきたと同時に千冬も家に上がってきてリビングへと入って来た。

 

「ほい、姉貴はコーヒーで良いよな?」

 

「あぁ、すまんな」

 

「レオとビオレもコーヒーでいいか? ダルキアンさんとユキカゼは緑茶にしたが」

 

「はい、それで構いません」

 

「拙者もそれで構わんでござる」

 

それぞれコップを受け取りながらリビングに置かれたソファーに座る。

 

「さて一夏。相談事の前にこの者達の紹介をしてくれるか?」

 

「先に自分の自己紹介をしてからだろ」

 

「む? そうだな。 私が一夏の姉、織斑千冬だ」

 

「レオンミシェリ・ガレット・デ・ロアじゃ」

 

「ビオレ・アマレットです」

 

「ブリオッシュ・ダルキアンでござる」

 

「ユキカゼ・パネトーネでござる」

 

「そうか。それで、一夏。相談事はその者達の事か」

 

「…姉貴、今から言う事は絶対に他人には言わないって約束できるか?」

 

普段とは違う真剣な表情を浮かべ問うてくる一夏に、千冬もスッと真剣な表情を浮かべる。

 

「ほぉ、其処までの事か?」

 

「あぁ。もし漏れた場合は、俺は彼女達を連れて束姉と一緒に逃亡生活をする。そうなった場合姉貴とは縁も切る覚悟もある」

 

一夏から湧き出る気迫から千冬は其処まで覚悟をする事か。と内心大人びて行く一夏に感心と一抹の寂しさを感じる。

だがその思いを直ぐに引っ込めフッと笑みを浮かべる。

 

「弟からの真剣な相談事だ。おいそれと他人に喋るような口をした姉ではないぞ」

 

「そうか。わかった、それじゃあ話す前に4人共帽子とか脱いでくれ」

 

一夏がそう言うとレオやビオレ達はスッとかぶっていた帽子を脱ぐ。4人の帽子の下から現れた耳に千冬は怪訝そうな顔付となる。

 

「それは、つけ物か?」

 

「いや、本物だ。尻尾もあるぞ」

 

そう言うと4人は服の下に隠していた尻尾が現れ、千冬は更に困惑した表情を浮かべる。

 

「えっ? あっと、ど、どいう事だ? ほ、本物か、それは?」

 

「うむ、この耳と尻尾は本物じゃ」

 

そう言いレオ達は耳をピコピコと動かしたり、尻尾をゆらゆらと動かす。その光景に千冬は口をあんぐりと開け、呆然と言った表情を浮かべた。

それから一夏は4人の事を説明し始めた。フロニャルドの事やら、自身がドイツで何があったのかなど。

 

「―――という訳だ、分かったか?」

 

「あ、あぁ。何とかな。しかし、本当に異世界が存在するとはな」

 

一夏からの説明に困惑する頭を何とか整理しながらも、千冬は渋い顔を浮かべる。

 

「それにしても、済まなかった一夏」

 

「なにが?」

 

「ドイツにお前を連れて行ったせいで、誘拐などという事態に巻き込まれて」

 

「別に。つうか、気にしてねぇよ」

 

「…そうか」

 

気にしていないと言う一夏に、千冬は少しばかり安堵したような表情を浮かべコーヒーを口にする。するとあっ。と何かを思い出したかのような声を上げる一夏。

 

「そう言えば誘拐した連中、全員束姉にボコボコされたんだろ? しかもその後も政府の連中をボコした後の姉貴もやってきて、誘拐犯たちをまたボコボコにしたって聞いてるだが」

 

「当たり前だ。大事な弟を誘拐した奴など、万死に値する」

 

「さいっでか」

 

相変わらずだな。と呆れた思いを浮かべながら一夏は持っていたコップに残ったお茶を飲み干す。

 

「そう言えば4人は今後どうするんだ? 土方夫妻には流石にこの4人が異世界人だと説明するわけにはいかんだろ?」

 

「あぁ、取り合えず今日は此処で泊まって貰って明日束姉の所に戻るって計画してる。俺は父さん達の所に帰るけど……」

 

突然言い淀む一夏に、千冬は何となく嫌な予感を浮かべつつも一夏に問う。

 

「どうした?」

 

「実は、束姉が4人の為に耳と尻尾を隠すものを開発してるらしく、明後日には渡すんだと」

 

「……それは良いことだが、まさか」

 

「そのまさか。ISだと」

 

一夏からの返答に千冬ははぁ~~~。と重いため息を吐く。

 

「なんでISを使うんだぁ」

 

「エネルギー関連だとか、拡張性だとか、そんな事言ってたぜ」

 

「はぁ~。民間人がISを所持しているなどバレたら面倒ごとが増えるだけじゃないか。主にわたしの!」

 

「どゆこと?」

 

いきなり自分の仕事が増えると言う千冬に一夏は怪訝そうな顔を浮かべると、千冬は再度重いため息を吐く。

 

「実は日本代表を辞めたんだ」

 

「はぁ。それは、まぁ、束姉から聞いてるが」

 

「その後、元々就職予定だったIS学園に就職したんだ」

 

「あぁ、あのISを学ぶための学校にか。てか、よく中途で採用されたな」

 

「元々其処に就職予定だったんだ。だが、今年のモンドグロッソに再度選ばれてな。内定を取り消してもらおうと思ってたんだが、向こうの学園長からモンドグロッソが終わるまで保留にしておきますって伝えてくれたんだ」

 

「はぁ、それはお優しい事で」

 

「全くだ。お陰で就職先を再度探す手間が省けた」

 

苦笑いを浮かべながら言う千冬に、一夏はそれで先程千冬が言った仕事が増えると言う意味を理解した。

そしてふと一夏は壁に掛かっている時計に目をやると、時刻が夕方の5時を指そうとしていた。

 

「さて、もういい時間だし夕飯作るよ」

 

「一夏が作ってくれるのか?」

 

「久々に帰って来たんだ、別に良いだろ」

 

「フッ。あぁ、構わん。冷蔵庫の中身は好きに使え」

 

そう言われ一夏はキッチンへと入って行った。その日千冬は久々に食べた一夏の手料理に至福のひと時だったと零していた。




次回予告
やっほ~~~!束さんだよぉ! 今日はレーちゃん達のISをお披露目する日なのだぁ! と言って耳と尻尾を隠すくらいにしか使わないから武装とか載せてないけどね。
おりょ、なんか騒がしいって、な、何じゃありゃぁぁ!!?

次回
動き始めた物語

次回投稿してほしい小説(詳細は活動報告の「次回作一覧」を見てください)

  • ①IS×ウォーシップガンナー2
  • ②IS×メタルギア
  • ③IS×オリジナルストーリー①
  • ④IS×オリジナルストーリー②
  • ⑤IS×クロスアンジュ
  • ⑥IS×タイムクライシス
  • ⑦IS×オリジナルストーリー③
  • ⑧IS×人狼 JIN-ROH
  • ⑨IS×東方project
  • ⑩IS×オリストーリー④
  • ⑪IS×R-type
  • ⑫俺ガイル×IS
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