Infinite Days~獅子の姫達とその勇者~   作:のんびり日和

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12話

鈴が転入してきた翌日の放課後、一夏と鈴は訓練所でそれぞれ模造刀を持って相対していた。

その訳は昼休みの時間まで遡る。

 

~昼休み・食堂~

 

その時間、一夏は何時もと変わらずレオやダルキアン達と共に食堂で昼食をとっていた。その場所に昼食を載せたお盆を持った鈴がやって来た。

 

「やっほー。端っこの方いいかしら?」

 

「あぁ、いいぞ」

 

「構わんぞ」

 

「どうぞ」

 

「構わんでござるよ」

 

「どうぞ、どうぞでござる!」

 

鈴はお盆を机の上に置き、席に着く。そして5人と談笑をしながら昼食をとる鈴。

すると鈴はある事を思いついたのか、口を開く。

 

「そうだ一夏。アンタ、まだ剣術習い続けてるの?」

 

「あぁ。続けてるぞ」

 

「それじゃあ放課後、久しぶりに勝負してみない?」

 

「お、いいぞ」

 

「よっしゃ。それじゃあ放課後でね」

 

鈴の言葉に一夏はおう。と返し昼食を食べ終えそれぞれ教室へと戻って行った。

そして放課後、一夏達は教室から出て鈴が居る隣の教室へと向かう。

 

「おぉい鈴。武術勝負しに行くぞぉ」

 

「はいはい、ちょっと待ちなさいよ」

 

そう言いながら鞄に教科書などを詰め込んだ後一夏達の元に駆け寄る鈴。

 

「それじゃあ道場に行きましょ」

 

「道場? あそこは剣道部が使ってる場所だろ?」

 

「えぇ。でもうちのクラスにいる剣道部の子にお願いしてちょっとだけ使わせてもらえるよう頼んだのよ。そしたら上級生の人達に確認を取ってくれてね、見学させてくれるなら使っても良いって許可が下りたのよ」

 

「ほぉお~、気前のいい人達だなぁ」

 

「そうだな。以前の時だって突然の事であったのに、快く貸してくれたしの」

 

「そう言えばそうだったな」

 

「なにアンタ、他の奴とも勝負したことあるの?」

 

「勝負というか、ただの茶番だろあれ?」

 

「まぁ、端から見ればただの茶番でござったな」

 

「?」

 

疑問符を浮かべる鈴に、道すがらビオレとユキカゼが説明するのであった。

訳を聞いた鈴は

 

「…そいつは【私ツエェエエー!】って勘違いしてる馬鹿?」

 

と箒に対してそう感想を述べるのであった。

 

そして道場に着くと、前回審判をしてくれた上級生と他剣道部の部員と思われる生徒達が居た。

 

「お、来た来た。待ってたわよ」

 

「どうもっす。すいませんが、また場所お借りします」

 

「別に大丈夫よ。こっちとしては君の剣術を見て勉強できるからね」

 

「そうっすか。それじゃあ鈴、お邪魔になるといけないからサッサッとやるぞ」

 

「えぇ、良いわよ」

 

そう言いながら鈴は拡張領域から木で出来た柳葉刀を取り出し構える。一夏も模造刀を取り出し構える。

 

「それじゃあ両者見合って。……始め!」

 

そう合図と共に二人は一気に間合いを詰め、武器を振るう。

道場内は激しくぶつかり合う音と、激しく動く音が鳴り響く。

 

鈴は片手で扱える柳葉刀と呼ばれる中国刀の一種で、刃が広く、そして湾曲している。

刃が広い為重量は日本刀よりも重いが、その分振るった際の遠心力とそれに加わる重量によって威力は絶大である。

 

(一回一回の攻撃は中々重いな。まともにガードするとこっちが先に体力切れを起こすな)

 

鈴との戦いの最中、鈴の攻撃を分析した一夏はまともにガードせずに受け流す様に刀で防いでいく。

 

(流石一夏ね。中学の時に軽く相手にして貰った時も強かったけど、更に強くなってる。けど、あれからアタシだって強くなってるのよ!)

 

鈴は再び柳葉刀を構え間合いを詰める。そして上段から斬りかかる。一夏はそれを受け流す。すると鈴は斬った際の遠心力を利用して一夏に向かって蹴りを繰り出した。

一夏はその蹴りを咄嗟に模造刀の頭で防ぐ。

ガンッ!と鋭い音が鳴り響き、一夏はズズッ!と少しばかり後退させられた。

 

「あら、良く気が付いたわね。結構いいタイミングでお見舞いできたと思ったんだけど」

 

「流石に今のは胆が冷えたぜ」

 

笑みを浮かべながら返す一夏。すると審判役を務めていた上級生が狼狽えた様子で口を開く。

 

「ちょ、ちょっと大丈夫なの足?」

 

「あぁ、大丈夫ですよ。結構鍛えているんでこれ位問題ありませんよ」

 

「そ、そう。てか、蹴りは流石にやり過ぎじゃ…」

 

「先輩、これは勝負なんです。命のやり取りをしないとはいえ、相手は小学生の時に自身が習っている流派の武術を網羅した奴なんです。これ位本気で行かないと勝負の意味がありませんから」

 

「えぇ、鈴の言う通りです。勝負するなら互いのベストを出し尽くす勢いでやらないといけませんから」

 

そう言い合う二人に、上級生はそ、そう。と試合を再開させた。

しばらく膠着状態が続いたが

 

「はぁ…はぁ…はぁ。この勝負、アタシの負けだわ」

 

「はぁ…はぁ…はぁ‥、おう」

 

そう言い疲れ切った二人は互いに握手を交わして試合をし終えた。

鈴が降参を言った訳、それは体力切れであった。先に書いた通り一夏が持っている刀よりも、柳葉刀は模造刀とはいえ重量がある為振るうには相当な筋肉を使う。その上拳法と言った格闘技も使ったりする為体力消費は激しい。

その為体力切れを起こした鈴は棄権したのだ。

 

2人の戦いっぷりを見た見学者たちは拍手をして二人の頑張りを称えた。

 

「いやぁ、凄いわねあなた達。どう、剣道部に興味はない?」

 

「あぁ、すんません。俺はあんまり興味ないっすね」

 

「アタシも剣道はあんまり…」

 

「そう…、そりゃあ残念」

 

がっくりと肩を落とす上級生に再度すいません。と言葉を送り、一夏達は道具を片付けお邪魔しましたぁと言って道場を後にした。

 

因みに道場に居れば、何時もの如く絡んでくる箒はと言うと、

 

「ほら、早く解かんか」

 

「は、はい……」

 

授業中に当てられているにも拘らず、よそ見に人の話を聞かないという事を何度もしたため千冬に居残り授業を受けさせられていた。




次回予告
ダルキアンでござる。
先日の鈴殿と一夏殿の試合は良い物であったな。
さてさて、次の話でござるが間もなく学年別トーナメント戦とやらが始まるでござる。
一夏殿、慢心せずしっかりと勝利してほしいでござるな。
そう言えば、鈴殿の顔が何やら以前よりスッキリとした顔であったが何かあったのでござろうか?


次回
気持ちの整理

次回投稿してほしい小説(詳細は活動報告の「次回作一覧」を見てください)

  • ①IS×ウォーシップガンナー2
  • ②IS×メタルギア
  • ③IS×オリジナルストーリー①
  • ④IS×オリジナルストーリー②
  • ⑤IS×クロスアンジュ
  • ⑥IS×タイムクライシス
  • ⑦IS×オリジナルストーリー③
  • ⑧IS×人狼 JIN-ROH
  • ⑨IS×東方project
  • ⑩IS×オリストーリー④
  • ⑪IS×R-type
  • ⑫俺ガイル×IS
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