Infinite Days~獅子の姫達とその勇者~ 作:のんびり日和
レオとのデートから翌日、一夏は再び正門前にて立っていた。
そう、今日はダルキアンとのデートの為である。
本人にはデートと言うよりもレオ達の異世界探索の付き添いと言った思いだが。
正門で待っている事数十分後
「一夏殿、お待たせして申し訳ないでござる」
そう声を掛けられた為、一夏は声を掛けてきたダルキアンの方へと振り向くと其処には
淡い藍色に花の模様が描かれた着物の姿のダルキアンが居た。
「どう、だろうか? あまりこういった着物は着慣れてござらのんだ」
「あ~、その、凄く、綺麗です」
一瞬見染められていた一夏は、うまく言葉が出ず、ありきたりな言葉だなと思いながらもそう返す。
「そ、そうでござるか? なら、嬉しいでござるな」
そう言い頬を赤く染めながらにこりと微笑むダルキアン。
その姿に普段と違うダルキアンにドギマギし、一夏は視線を外す。
「そ、それじゃあダルキアンさん、いきま「ちょっと待って欲しいのでござる」どうしましたか?」
「実は、その、一つ頼みがあるのでござる」
照れた表情を浮かべながらもダルキアンは口を開く。
「その、今日は拙者の事を『ヒナ』と呼んで欲しいのでござる」
「ヒナ、ですか? でもダルキアンさんって名前が…」
「ブリオッシュ・ダルキアンという名は拙者が騎士になっときに、当時の領主から頂いた名前なのでござる。本名はヒナ・マキシマなのでござる」
「そうだったんですか。でもどうしても本名を名乗らないのですか?」
「その…その名で呼ばれると恥ずかしくてな。だから普段はダルキアンの名を名乗っているのでござる」
「そう言う事ですか。…分かりました、それじゃあ今日はヒナさんって呼びます」
「うむ、よろしく頼む」
一夏からヒナと呼ばれ頬を赤く染めながらも笑顔を浮かべるダルキアン事ヒナ。
そして二人は正門から出てモノレールに乗り込んだ。
モノレールから電車に乗り換えて行き、二人がついたのは都心から離れた少し和のイメージが強い街だった。
「ほぉ、この様な街があるとは、凄いでござるな」
「都心の方は開発が進んでいますが、少し離れた場所ならまだ其処まで開発も進んでいませんし、こういった昔ながらも街並みが残っているところもあるんですよ」
「そうでござるか」
そう言いながら歩く2人。すると通り過ぎていく観光客が
「ねぇねぇあの二人みた?」
「見たぁ! すっごいお似合いだったよ!」
「そうそう! 男の人はイケメンだし、隣の着物を着た女性は凄いお淑やかそうだったよね!」
そう語り合いながら歩いて行く観光客。
「フフフ、お似合いらしいでござるよ一夏殿」
「そ、そうですか。あ~、其処の喫茶店に行きましょうか」
すれ違って行った観光客の言葉にヒナは笑みを浮かべ、一夏は照れた表情を必死に隠しながら、気持ちを落ち着かせるために喫茶店に行くことを提案し中へと入る。
中は和をイメージした喫茶店であった。
「いらっしゃいませ」
「二人です」
「では此方にどうぞ」
店員に案内され奥にある席に着く2人。
そしてメニュー表を開き、注文する物を決める。
「ヒナさんは何にしますか?」
「ふむ、ではこの餡蜜と抹茶を」
「じゃあ俺はわらび餅と抹茶のセットで」
「畏まりました」
そう言い店員は厨房へと向かって行った。暫くして店員が餡蜜とわらび餅、そして抹茶をもってやって来た。
それぞれの前に置き、一礼した後店員は離れ二人はそれぞれ注文した物を食べ始めた。
「ふむ、冷たくて美味しいでござるな」
「そうですね。確かに冷たくて美味しいです」
そう言い食べ進める一夏達。そして注文した餡蜜とわらび餅を食べ終え二人は残った抹茶を飲みながらゆったりと寛ぐ。
気持ちが落ち着いた二人は喫茶店を後にし、ゆっくりと歩き始める。
暫く歩き始めた時、ヒナはある事を思い出し口を開く。
「そう言えば一夏殿」
「なんですか?」
「昨日閣下と逢瀬に行かれた際に手をつないだとお聞きしたのでござるが、真実でござるか?」
「まぁ、確かに手は握りましたね。人混みも多かったし離れる恐れがありましたからね」
そう言い返すと、ヒナは暫し思案に更け込んだ後、うむ。と何かを決めたのか声を出した後、一夏の腕に手を通す。
その行動に一夏は驚き目を見開く。
「えっと、ヒナさん?」
「何でござるか?」
「何故腕に抱き着くんですか?」
「閣下と手をつないだのであれば、拙者は腕に抱き着くでござる」
「どういう事です?」
「細かい事は気にしないのでござるよ、一夏殿」
そう言い笑みを浮かべるヒナ。
一夏はなんすかそれ。と思いながらも普段と違うヒナにドキドキしながら歩いて行く。
しばし歩いた後、竹林に到着した二人。
「なんだかよい雰囲気がある道でござるな」
「ですね」
竹林の中を石畳で舗装された道を歩く二人。風で揺れる笹の音と二人の足音しかしない空間に二人は心地よく感じながら歩を進める。
しばらく歩いた後竹林を抜けた先にいくつかの露店が並んでいた。
「ほぉ、これは賑やかでござるな」
「そうですね。少し見ていきますか」
そう言って一夏とヒナは露店が並ぶ道へと進んでいった。
色々なものが売られている露店を見ながら二人は進んでいくと一夏一つの露店の前で足を止めた。
そこは藍染めなど染物の商品を販売する露店であった。
「へぇ、藍染めってこんなにキレイなものなのか」
「ふむ、確かに美しいでござるな」
二人が感心しながら見ていると、店主と思われる年配の女性が声をかける。
「よかったらおひとつどうですか?」
「そうだなぁ。ヒナさんはどれがいいですか?」
「拙者でござるか?」
一夏に問われヒナはしばし考え込んだ後、苦笑いを浮かべる。
「拙者は遠慮しておくでござる。お洒落とは無縁の生活を送ってきたから、どういったものがいいかわからないのでござるゆえ」
そう言い断るヒナに一夏はそうですか。と零す。すると、ヒナの後ろで結んでいるリボンに目が行く。
ヒナは長い髪を後ろで編み込み、それをリボンで結んでいるのだ。
そして目線を再度露店の商品へと目を向け見ていく。そして一つの染物商品に目が行き
「すいません、この藍染め商品をください」
「はい、髪留め用ですね。少々お待ちください」
そういい女性は商品を丁寧に畳み直し、それを崩れないよう入れ物に仕舞い一夏たちの前に差し出す。
商品を受け取り、一夏はお金を支払いヒナとともに店を後にした。
二人が店を去っていく姿に女性は、朗らかな笑みを浮かべながら見送る。
「若いころの私と主人みたいだねぇ」
そう零しながら若かりし頃の自分たちの後ろ姿と重ねながら見送った。
そして露店が並ぶ道にあったベンチに腰掛け一息つく二人。
するとヒナが先ほど一夏が買った髪留めについて口を開く。
「それで一夏殿、先ほど買った髪留め、いったい誰に送るのでござるか?」
「ん? そりゃあヒナさんにですよ」
「せ、拙者にでござるか?」
「えぇ。ヒナさん、髪留めにそのリボンを使われているでしょ?」
「まぁ、確かに拙者はこれ以外使っていないでござるな」
「だからどうかな?と思ってかったんです」
「そうでござったか」
頬を赤く染めながら笑顔を浮かべるヒナ。一夏はその表情に照れながら視線を外し、買った染物の髪留めをそっと差し出す。
ヒナはそれを受け取り、箱から髪留めを取り出すとそれを自身につけていた髪留めと変えて一夏に見せた。
一夏がヒナに送った髪留めは青紫色の矢羽の模様のものだった。
「どうでござろうか?」
「きれいですよ。着物ともマッチしているみたいでよかったです」
「そうでござるか? なら、うれしいでござる」
笑顔を浮かべながらそっと髪留めをなでるヒナ。
そして二人は学園へと帰っていった。
次回予告
次デート相手はユキカゼ。
ユキカゼとともに一夏はどこに行くのか?
次回
ユキカゼとの逢瀬
次回投稿してほしい小説(詳細は活動報告の「次回作一覧」を見てください)
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①IS×ウォーシップガンナー2
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②IS×メタルギア
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③IS×オリジナルストーリー①
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④IS×オリジナルストーリー②
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⑤IS×クロスアンジュ
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⑥IS×タイムクライシス
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⑦IS×オリジナルストーリー③
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⑧IS×人狼 JIN-ROH
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⑨IS×東方project
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⑩IS×オリストーリー④
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⑪IS×R-type
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⑫俺ガイル×IS