Infinite Days~獅子の姫達とその勇者~ 作:のんびり日和
訓練所から食堂へときた一夏達はそれぞれ夕食を食堂のスタッフから受け取った後、全員が座れる席へと着き、夕食をとり始めた。
食べている最中、鈴は疑問に思っていたことを口にする。
「ところで、ラウラ」
「なんだ?」
「どうして剣術を習おうと思ったのか聞いて良いかしら?」
「あぁ、別に構わんぞ」
そう言いボーデヴィッヒは喉を潤すためにコップに入った水を口に含んだ後語りだした。
「私は生まれた頃から両親が居なくてな。孤独だった私を引き取ってくれたのが、私の所属する隊の上官だった。引き取ってくれた父に少しでも恩返しができればと、私は父と同じ軍に入隊した。周りよりも身長は低かったが、しっかりと結果を出していて常に好成績を収めていた。だが、ある日そこから転落したんだ」
そう言いながらラウラは自身の左目の眼帯を触る。その様子にダルキアンが口を開く。
「その左眼と関係しているのでござるか?」
「うむ。詳しいことは言えないが、とある手術を受けることになってな。その手術でミスがあって私の左目はオッドアイとなったのだ」
「そうだったの。それで眼帯をしてるわけね」
「あぁ。オマケに左目と右目とで見え方が違ったりするから上手く動けなかったりしたんだ。その結果私の今までの成績から転落し、常に最後尾だった」
鈴の言葉にラウラは懐かしそうな感じで語り、そして続きを口にする。
「成績が著しくなったことを聞いた父がどうしたものかと悩んだ末に、ある人を私に会わせてくれたんだ」
「ある人って?」
「織斑先生だ」
「はぁ? 姉貴に? 何時?」
「ドイツのモンドグロッソが始まる数日前だ。織斑先生がホテル滞在時に数時間程な」
「当時警備主任だった父が休憩していたら、織斑先生と会ってな。其処で私の悩みを零したらしい。そしたら一度本人と話させてほしいと言われたらしくて、それで是非という事で父が私を呼んで織斑先生と話させてくれたんだ」
そう言いラウラは懐かしむように口を開く。
時は遡り数年前のモンドグロッソ
選手村として使われているホテルの会議室の一角に千冬と養父と共に来たラウラが居た。
「織斑さん、申し訳ない。練習やら色々あるにもかかわらず」
「いえ、お気になさらず。1,2時間程度休憩をとったところで誰にも怒られませんよ。それで、彼女が例の」
「えぇ、私の娘です」
「初めまして、ラウラ・ボーデヴィッヒと言います」
敬礼しながら挨拶するラウラに千冬は内心でラウラの第一印象をとらえる。
(これは、彼が言っていた以上に深刻だな)
そう思いながら千冬はあることを質問する。
「それでボーデヴィッヒ、お前は将来どんな人間になりたいのだ?」
「自分はだれにも負けない強い人間、織斑さんのような人間になりたいです」
自信たっぷりでいうボーデヴィッヒに千冬は
「馬鹿者か貴様は」
「っ!?」
千冬の静かな怒り声にボーデヴィッヒは驚き肩を跳ね上げる。
「ボーデヴィッヒ、貴様は他人と同じようになってそれで満足か?」
「ですが「そんな考えを持っているから、お前は強くなれないんだぞ」っ!?」
「ボーデヴィッヒ、誰かの様になりたいと思うのは誰しも最初に抱くことだ。だがな、その目標となる奴と同じようにしたところで上手くいかず、結局中途半端な奴にしかなれない。それどころか、現状よりも酷い結果になるかもしれない」
千冬の説明にがっくりと肩を落とし落ち込んだ表情を浮かべる。
その姿に対して千冬はふぅ。息を吐きながら口を開く。
「誰かの様になりたいのではなく、誰かを超えたいという気持ち」
「え?」
「その昔、私が剣術で悩んでいた時に友人にそう言われた。当時の私もお前の様に誰かの様になりたいと思っていた。だがな、その友人から誰かのようになるのではなく、その誰かを超える人物になりたいと思えばいいとな。無論超えるとなればもちろん大変だ。だから小さな目標を幾つも立てた」
「小さな目標ですか?」
「そうだ。日本のことわざに塵も積もれば山となると言うのがある。これは小さなことをコツコツこなせば大きな山となるという意味だ」
「塵も積もれば、山となる」
小さく零したラウラは自分の手を見つめる。
「ボーデヴィッヒ、昨日の自分は今日の壁だ。その壁を越えいけ。そしていずれは私を超えるような兵士になれ」
「はい!」
千冬のアドバイスにラウラは元気に返事を返し父親と共に礼をした後、ホテルを後にした。
基地に戻った後、ラウラは千冬のアドバイス通り、昨日の自分の記録を超える事を目標にしながら訓練を始めた。
そのおかげかいつも訓練ではドンケツだったラウラが、上位に入るようになった。
だがラウラは一つある悩みを抱えていた。
それは平常心だった。
そう感じたのは訓練中にトラブルが起きた時の事だ。
隊員同士でいざこざを起こして喧嘩が起きたのだ。ラウラはその喧嘩を仲裁するべく入ったものの、冷静に対処できず力技で押さえてしまったのだ。
その所為か、隊員の一人が怪我をしてしまい、ラウラはそれに責任を感じていたのだ。自分が冷静に対処できていれば怪我をさせずに沈静化できたのではないか。と。
そこでラウラは常に冷静に、そして平常心を保つ訓練はないかと方法を探し始めた。だが、どれもしっくりとくるものが無く半ば諦め掛けていた時の事だ。
何時もの訓練を終え兵舎に戻ろうとしていた時の事。
「ラウラ」
「お疲れ様です、中佐」
「いや、今はプライベートだ。堅苦しくしなくていい」
「わかりました、父上。それで、どうしたのですか?」
「いや、お前が平常心を鍛える方法を探していると聞いてな。これならどうかなと思ってな」
そう言い父親が差し出したのは一冊の本だった。
「これは?」
ラウラは首をかしげながらもそれを受け取ると、其処には『剣術の極意』と書かれていた。
「俺なりに平常心を鍛える方法を探していたところ、日本の剣術が良いと思ってな。タグが付いているページに詳細が書かれている」
そう言われラウラはタグが貼られているページを開く。其処には一本の丸めた茣蓙を斬る絵が描かれていた。
「これならだれでも出来そうですね」
そう言っていると父親が刀を差し出す。
「え? どうしたのですか、それ?」
「特別に用意してもらった。こっちにこい」
そう言いラウラに刀を渡した後ラウラを連れて外へと出る。
人気が少ない場所に連れていくとそこには茣蓙を丸められたものが立てられていた。
「絵のようにやってみろ」
父親にそう言われラウラはまぁ、これで平常心が鍛えられるなら簡単かと思いながら刀を構え、振るう。だが
「っ!?」
振るった刀は途中で止まってしまい斬り落とせなかった。
「難しいだろ?」
「はい。簡単にできると思ったのですが、こうも難しいとは思いませんでした」
「いい訓練になるはずだ。しっかりとやれよ」
「はい、ありがとうございます!」
そう言いラウラは剣術について学び始めた。
そして知れば知るほど奥深い事に感銘を受け、ラウラは自身に合う刀は何だろうと思い色々と試し始めた。そして出会ったのが大太刀であった。
「―――と言った感じだ」
「なるほどねぇ」
ラウラの話にそれぞれ感心した表情を浮かべながら茶を飲む一夏。
「でしたらぜひ手合わせしていただきたいですわ」
「うむ、構わんぞ」
「だったらアタシも混ざろうかしら」
と言った感じで話はワイワイと盛り上がり、その後一夏達は部屋へと戻っていた。
次回予告
ビオレでございます。
ラウラ様が剣術を学ばれたのはそういう訳だったのですね。
あら、あちらはデュノア様? どうしてここにおられるのでしょう?
次回
帰ってこれたデュノア
次回投稿してほしい小説(詳細は活動報告の「次回作一覧」を見てください)
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①IS×ウォーシップガンナー2
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②IS×メタルギア
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③IS×オリジナルストーリー①
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④IS×オリジナルストーリー②
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⑤IS×クロスアンジュ
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⑥IS×タイムクライシス
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⑦IS×オリジナルストーリー③
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⑧IS×人狼 JIN-ROH
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⑨IS×東方project
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⑩IS×オリストーリー④
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⑪IS×R-type
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⑫俺ガイル×IS