Infinite Days~獅子の姫達とその勇者~   作:のんびり日和

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33話

旅館にて、一夏達の帰還を待つ千冬と真耶、そして専用機持ち達。すると、一夏を先頭に帰ってくる集団が見え一安心する一同。ダルキアンとユキカゼに肩を担がれ、引き摺られながらも篠ノ乃もいることにもホッとする。

 

「無事だったかお前達」

 

「おう、遅れてすまん姉貴」

 

「先生と言え。まぁ今は良い。それで」

 

千冬はダルキアンとユキカゼに引き摺られてきた篠ノ之に目線を向ける。

 

「生きてるのか?」

 

「一応な。けど…」

 

そう言い一夏は持っていた袋を見せる。

 

「それは?」

 

「篠ノ之の腕」

 

「「「っ!?」」」

 

一夏の言葉に真耶や専用機持ち達は驚愕の顔を浮かべ、千冬は眉間にしわを寄せる。

 

「斬り落としたのか?」

 

「そうしないと、こいつの命が無かったからな」

 

「どういう「あの、織斑先生。少々いいでしょうか?」ん? 清洲さん何か?」

 

旅館から女将の清州が来て、千冬に声をかける。その背後には一人のお坊さんが立っており、千冬にお辞儀する。

 

「どうも、私この近くで住職をしている拓成と申します」

 

「はぁ、それで何か御用ですか? 今こちらも問題を抱えておりまして」

 

「こちらもです。実はそちらの生徒がもしかしたら我が神社で封印していた刀を盗んだ恐れがあるのです」

 

拓成と名乗った住職の言葉に千冬や真耶たちは驚きの顔を浮かべる。そんな中一夏が口を開く

 

「刀って、これですか?」

 

そう言うとビオレが持っていた刀をそっと住職に差し出す。

 

「えぇ、それです」

 

住職は刀を受け取る際、怪訝な顔を浮かべ鞘から刀を抜く。刃は途中で折れた状態で現れる。

 

「これは…」

 

「すいません、そいつを振っていたヤツを止めるために刀を叩き折りました」

 

「…なるほど。しかし、この刀からではないとすると、一体どこから…」

 

住職のブツブツと零す言葉に千冬や真耶達が首をかしげる中、一夏達はどういうことなのか察し一夏が持っていたビニール袋を見せる。

 

「住職さん。もしかして、刀の呪いの事か?」

 

「っ。そうだ、この刀に憑りつかれていた呪いは綺麗に無くなっている。だがこのあたりから禍々しい雰囲気を感じるが…、もしやその袋の奴か?」

 

「えぇ、こいつの右腕です」

 

住職は鋭い顔を浮かべながら一夏からビニール袋を受け取り、中身を取り出す。巻かれたタオルを剥がすと、禍々しく黒色の腕が現れる。

 

「…なるほど、察するに呪いを阻止するために斬り落としたのか」

 

「えぇ、そうするしかないと思ってやりました」

 

「…確かにその子を助けるのはそれしかないな」

 

そう言いながら黒色の腕にお札を張っていき、全体を張り終えると念仏を唱え始める。するとその場にあった重い空気が若干和らぐ。

 

「これで封印は出来た。あとは時間を掛けて呪いを消していくしかない」

 

そう言い重い息を吐く住職。すると真耶がそっと手を上げる。

 

「あ、あの。もう、篠ノ之さんの腕はどうにもできないのですか?」

 

「出来ん。この腕はもはや人ならざるものに変わってしまっている。戻せば、その子の魂はあの世に行ってしまうぞ」

 

そう言われ青い顔を浮かべる真耶。

すると今度は千冬が口を開く。

 

「住職、その刀はうちの生徒が盗んだとのことですが、その刀は一体何なのですか? そいつを持っていたアイツはまるで何かに憑りつかれた様な雰囲気で斬りかかってきたのですが」

 

千冬の質問に住職は真剣な表情を浮かべながら語りだす。

 

――その昔、このあたり一帯を治めていた豪族に一人の子が生まれた。しかし生まれてきたのは女子。豪族の当主は妻にもう一人生んで貰おうとするも、既に妻には子を産む能力が無くなっておったそうだ。新たに妻を娶ることもできない当主は女子を男児として育て始めたのだ。背が伸びるにつれ、女子の顔になるも当主は男児として剣術、乗馬、弓捌き、男の当主として必要なことを教えていった。

そんなとき、豪族の治めている村に一人の男が住んでいた。その男に女子は恋に落ちた。しかし、女子としての教育を受けてこなかった女子はどうすればいいか分からず、男勝りの感じで話しかけることしか出来なかった。それでも男は当たり障りなく接した。女子はそれで自分に好意を持ってくれていると勘違いしてしまった。

それから暫くして男が隣村の女性と結婚すると知った女子。女子は直ぐに男に問い詰めたが、男は

 

「悪いが、お前とはただの友人程度しか思っていない」

 

そう言い去っていった。女子はショックを受けた。それから女子は現実を見るのを止め、妄想に逃げた。だが男が結婚するその日、女子は刀をもって男とその相手を斬り殺した。その際女子は

 

「この人は私のだぁ! 誰のものでもない! 私だけのものだぁ!」

 

と叫んでいたそうな。そして女子を止めようと何人もの武者が送られるも、女子はその者達も斬り捨てた。そして遂に討ち取ろうとした際、女子は

 

「私はが死んでも、私の思いは消えん。何時までもあの人の傍にいるのは私だけだぁ!」

 

と叫んで死んでいったそうだ

 

「ーーーそしてこの刀はその女子が使っていたモノなのです」

 

住職の説明に険しい顔を浮かべる一夏達。特にレオ達の顔は厳しかった。その訳は篠ノ之が一夏に好意と言う名の依存していたのを知っていたからだ。

 

「では、私はこれで失礼します」

 

「…はい」

 

住職は一礼後、刀と封印した腕をもって去っていった。千冬は重い息を吐いた後一夏達のメディカルチェックを受けさせるべく旅館内に入るよう指示するのであった。

 

 

 

 

それから時は流れ、日が沈みあたりが暗くなった頃。千冬は旅館から少し離れた崖の上に来ていた。其処にいは崖の上に座って足をぶらつかせる束が座っていた。

 

「お前が箒にISを渡したのか?」

 

束の背に向かって質問を投げる千冬。

 

「確かに渡したよ。でも、まさか悪霊に憑りつかれていたなんて思いもしなかったけどね」

 

「まぁ、そうだろうな。…渡した理由はいい加減実力を分からせるためか?」

 

「それもあるね。箒ちゃんの腕で、いっくんやダーちゃんたちに敵うはずが無い。そのうえISの腕でも勝てないって分からせて、いっくんに依存するのを止めさせたかったんだけどね」

 

「…そうか」

 

束の横に立ち海を眺める千冬。

 

「…どうするんだ、箒の事?」

 

「どうもしないよ。今回の一件は箒ちゃん自身が招いたこと。いわば自業自得なんだから、束さんは何もしない」

 

「そうか」

 

「そうそう。さて、そろそろ束さんは帰るね。ダーちゃんたちの物がもうすぐ完成するからね」

 

「そうか。気を付けて帰れよ」

 

「ほぉ~い」

 

そう言い去っていく束。千冬は去っていった友人を眺めた後、しばし海を眺めた後旅館へと帰還した。




次回
~帰還~

次回投稿してほしい小説(詳細は活動報告の「次回作一覧」を見てください)

  • ①IS×ウォーシップガンナー2
  • ②IS×メタルギア
  • ③IS×オリジナルストーリー①
  • ④IS×オリジナルストーリー②
  • ⑤IS×クロスアンジュ
  • ⑥IS×タイムクライシス
  • ⑦IS×オリジナルストーリー③
  • ⑧IS×人狼 JIN-ROH
  • ⑨IS×東方project
  • ⑩IS×オリストーリー④
  • ⑪IS×R-type
  • ⑫俺ガイル×IS
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