Infinite Days~獅子の姫達とその勇者~ 作:のんびり日和
飛行機に乗って数時間後、ドイツへと到着した一夏と千冬。
「それで、大会は何時始まるの?」
「明日だ。今日は特に何もないから私が取ったホテルに連れて行く。明日私は迎えに行けないから、私の後輩を迎えに行かせる」
「あいよぉ」
そう言い2人は空港近くに停まっていたタクシーに乗り込みホテルへと向かう。
翌日一夏は部屋で着替えと食事を終え、部屋から出てロビーへと向かうと緑髪の日本人女性が立っていた。
「すいません」
「え、あっ! えっと、君が織斑先輩が言っていた一夏君ですか?」
「えぇそうです」
「そ、そうでしたか! あ、私織斑先輩の後輩に当たります山田真耶です! 先輩とは同じ大学を出て教員研修でも同じになって「あ~はいはい。姉ちゃんとの付き合いとか、そんなのはいいので大会会場に連れて行ってもらってもいいですか?」わぁ~す、すいません! それじゃあ此方にどうぞ!」
照れ顔を浮かべた真耶の案内で一夏は真耶が用意した車へと乗り込み大会会場へと向かった。
大会会場には数十分程で到着し、一夏は建物内へと入り奥へと行くと日本代表のジャケットを着た千冬が現れた。
「来たか、一夏」
「おう。で、姉ちゃんの試合の時間は何時なの?」
「私は第1ブロックだから、すぐだ。ほら、こっちだ」
そう言われ一夏は千冬の後に続き中へと入って行く。そして選手家族専用の個室ルームへと連れて来られる。
「選手の家族それぞれに個室の観戦ルームが設けられているらしくてな。で、此処は日本代表の私の家族、つまりお前の観戦ルームだ。飲み物とか軽食が其処の棚に入っているから自由に食べていいぞ」
「へぇ~、至れり尽くせりなんだな」
「そうだな。それじゃあ私は試合の準備があるから行くな」
「ん。頑張れよぉ」
軽~い感じの応援を受けながら千冬は観戦室から出て行く。
それから時間が経ち、試合が開始された。
どの国も白熱した戦いを見せ、観客達をおおいに賑やかせた。特に賑やかせたのは第1回の大会を優勝した千冬だった。近接戦を得意としている千冬は、一気に間合いを詰め反撃を与えることなく倒していく。多くの国はまた日本の勝ちかと思い、自国の代表を応援する声を強くする。
そして遂に決勝戦となり、残ったのは日本とカナダだった。
「流石姉ちゃんだなぁ。……さて、次は決勝だし飯でも食うか」
そう言い棚の中に入っている食べ物に手を付けた。1口口にした瞬間一夏はその食べ物の異変に気付いた。
「チッ! ……食べ物位、持ってくりゃ、よかっ・・・た」
そう言いバタンと倒れ込み、寝息を立てる一夏。すると扉が開き数人の男達が一夏を袋へと詰め込み部屋から出て行った。
「……うぅ~ん、ん? 此処何処だ?」
目を覚まし開口一番一夏は自身が置かれている状況を確認しようと、辺りを見渡す。周囲には窓等無く、薄暗いコンクリートの部屋で机が一つだけあり、その上には自身のスマホが置いてあった。そして自身の体は椅子に座らせられ、縄で縛られていた。
「ふぅ~ん。まぁ、目的は姉貴の優勝妨害かな?」
一夏はそんな予想を呟きながら、縛っている縄をどうしようと考えながら使えそうな物を探す。だが手近な所に使えそうなものが無く、大人しくしておくか。そう思いジッとする一夏。
「まぁ、いいか。多分姉ちゃんの事だ、束姉辺りに頼んでるだろうな」
そう思いジッとしていると、突然部屋が赤く光り出す。
「おいおい、何だよ!」
そう思い足元を見ると、漫画で見る様な魔法陣が現れていた。咄嗟に一夏はズリズリと音が立つのを気にせず、机の方へと近づき机の上に置いてあったスマホを背中に回っている手で必死に取ろうとする。
「あと、少し!」
そう言い必死に伸ばし、遂にスマホを取ったと同時に目をくらむような激しい光に包まれる。そして光が止むと其処には一夏の姿は無かった。
突然の光に一時的に目が見えなくなった一夏。暫くして目が元に戻り始め状況を確認しようと辺りを見渡すと、自分が居たコンクリートの部屋ではなく石煉瓦でつくられた内装だった。そして床には赤い絨毯が敷き詰められている。
「何処だ此処?」
そう呟くと目の前に誰かが立っている事に気付く。其処には頭に猫耳?みたいな物が付いており、下にはホットパンツをはいて、お尻には尻尾?が付いたホワイトプラチナの女性が立っていた。
「……誰だお前?」
「まずは自分から名乗るもんであろう?」
そう言われ自身が縄で囚われている為、素直に従った方が良いかと考え名を名乗った。
「……一夏だ」
「儂はレオンミシェリ・ガレット・デ・ロワと言う。お主を此処に召還したのはこの儂じゃ」
そうドヤ顔で言われ、一夏は心の中で一瞬殴りたい衝動にかられたが一応命の恩人として感謝した。
「そうか、それはどうも。それじゃあ俺を日本帰してくれ」
「それは無理じゃ」
一夏のお願いを即却下したレオに一夏はオデコに青筋を浮かべながら訳を聞いた。
「そりゃ何で?」
「お主には儂らが今行っている『戦興業』に参加してもらう」
そう言われ一夏は戦興業?と頭に疑問符を浮かべていると、レオは笑みを浮かべつつ戦興業、そしてこの世界について説明を始めた。
一夏が召喚された世界、フロニャルドは国同士で戦争と言う名のスポーツ、戦興業が行われている。この戦興業は戦う国同士の国民がお金を払って参加するもので、勝てば報奨金などが貰える。勿論スポーツなのに剣や弓で戦うこともあるが、戦う場所は戦災守護のフロニャ力と言う物が働いている場所で行われるため、ケガや死んだりすることは無いらしい。
そして一夏を召還した国、ガレット獅子団領は現在ビスコッティと言う国と戦興業を行っている。そんな時ビスコッティ共和国領主のミルヒオーレが勇者を召還し、窮状を打開しようと考えたのだ。
その為レオは同じように勇者を召還しようとその候補を探していたところ、以前星詠みと言う遠い世界などが見れる術を余興で見ていた所、政宗と剣術の訓練を行っていた一夏の姿を思い出し、それで召還したのだ。
「―――と言う訳じゃ。分かったか?」
レオは理解したか?と確認の為一夏の方を見ると、
「くぅ~、かぁ~」
と、一夏は寝息を立てながら寝ていた。それを見たレオは顔に怒筋を浮かべ拳骨を作り一夏の頭に叩き落した。
「起きんかーーーー!!」
「ゴヘッ!??!!」
一夏は突然の拳骨に目が覚める。
「いってぇ~。本気で殴るかよ!?」
「お主、人の話を聞いておったのか?」
「あぁ。簡単にまとめれば戦興業は国民の娯楽で、今戦っている相手が勇者って言う物を召還したからこっちも召還する際俺を選んだと。そいう訳だろ。おぉ痛てぇ」
なんじゃ、ちゃんと聞いておったのかと言わんばかりの呆れた顔を浮かべる。
「で、その戦興業と言うのを終わらせたら日本に帰してくれるのか?」
「うむ。約束しよう」
そう言われ一夏は(まぁ、今日一日くらいなら問題無いだろ。姉ちゃんに適当な言い訳考えねぇとな)と楽観的に考える。
「分かった、参加してやる。その前にこのロープ切ってくれね?」
そう言われレオは笑みを浮かべ、近くに居た紫髪の女性に少し顔を向け頷くと、紫髪の女性は短剣を取り出しロープを切る。そして自由になった一夏は落とさずずっと持っていたスマホをポケットに仕舞う。するとレオはある物を一夏の前に差し出す。それは西洋風の剣だった。
「なんだこれ?」
「神剣エクスマキナだ。わがガレット獅子団の宝剣の一つじゃ」
そう言われ一夏は鞘から剣を抜くが、少し嫌そうな顔だった。
「西洋タイプの剣って使いづらいんだよな」
そう言うと、突然エクスマキナは変形し日本刀と同じような形になった。
「へぇ変形できるのか」
そう言い試しに構えて振ってみる。日本刀の様になったエクスマキナは一夏の手にしっかりとなじむような感じで一夏は良い刀だと褒め、鞘に仕舞った。
「さて、それじゃあ先にお主の服装を換えよう。その格好じゃあ動きずらいだろ?」
そう言われ一夏は自身の今の格好を見る。動きやすい半袖のミリタリージャケットに下はジーンズで、靴は動きやすいスニーカーだった。
「別に問題無いが?」
「いや、言い方を変えよう。その格好は勇者として恰好が合わん。ビオレ、例の物を!」
レオがそう言うとビオレと呼ばれた女性が服を持って来る。
「勇者様、此方をどうぞ」
そう言われ一夏は、呼び方如何にかならないのか。と思いつつ服を受け取る。受け取った服装は黒を基調とした制服の様な物だった
一夏はある漫画のマヨラー達が着ていた物と似てるな。と思いつつ服を着替えに仕切りの方へと向かった。着替え終えた一夏を見たレオはうむ。と納得したような表情を浮かべていた。
「よしそれじゃあ今から戦地へと向かってもらう」
一夏に付いてくるよう言いレオと一緒に一夏は外へと行くと、某ゲームに登場してきそうな鳥の様な生物が居た。
「こいつはセルクルと言う生き物じゃ。ほれ、儂の愛騎トーマに乗って行くぞ」
そう言いレオは眼帯をした黒いセルクルに跨り、手を差し出す。一夏は歩くより早く行けるかと割り切り手を掴みレオの後ろに跨る。
「よし、それじゃあ行くぞ!」
そう言いレオはトーマを前線へと走らせた。
次回予告
レオの愛騎に乗せられ、戦地へと向かう一夏。道中でルールをレオから聞き、戦地へ到着して早々に実力を測る為、敵と対峙することに。そしてビスコッティ側の勇者と対峙する。
次回
勇者対勇者
次回投稿してほしい小説(詳細は活動報告の「次回作一覧」を見てください)
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①IS×ウォーシップガンナー2
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②IS×メタルギア
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③IS×オリジナルストーリー①
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④IS×オリジナルストーリー②
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⑤IS×クロスアンジュ
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⑥IS×タイムクライシス
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⑦IS×オリジナルストーリー③
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⑧IS×人狼 JIN-ROH
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⑨IS×東方project
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⑩IS×オリストーリー④
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⑪IS×R-type
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⑫俺ガイル×IS