第2話、投稿します!
少々時間がかかりました…。先の展開の文考えないとな…。
それでは、どうぞ!
私達が泊まるタチバナ屋は4階建てで、ユクモ村の中では最も大きい旅館である。私達の部屋はその3階にあった。
部屋に到着してみると、ジークの言った通り、既に荷物が届いていた。荷物と言っても、ハンター活動のための装備やアイテム等が中心で、その他に着替えだの何だのが少しあるくらいである。
部屋は綺麗に整っており、置いてある家具は箪笥とベッドくらいしかないが、塵一つないくらい丁寧に掃除されている。部屋の外にはベランダが付いているが、よく見るとそのベランダは右方向に伸びて、そのままどこかへ通じる通路になっていた。恐らく浴場への直通通路なのだろう。
ベランダの向こうに目を向ければ、目に飛び込んでくるのは一面の緑。まだ雨期に入っていないため、鳥のさえずりが聞こえる程度である。耳に入る音全部を塗りつぶすくらい蝉が鳴きわめいている、なんてことはない。
木々の向こうに見えるのは、新緑に包まれた山と、どこまでも続く青空ばかり。画家が見れば、いい風景画になると喜ぶだろう。
荷物を確認し、梱包を解いて準備を開始する。すると、ケートが尋ねてきた。
「ねえ、今回の狩りの相手って、何だったっけ」
「聞いたところでは、夜の被害が多くて、何にやられたかわからないらしい。ただ、一部の人は、襲われた時に闇に赤い光が走るのを見た、と…」
「ナルガクルガ、か…」
「うん、あとはジンオウガによる被害も出てるって。それから、ちょっと前に木こりの一人が、山のようなデカいのが歩いていたのを見たそうだ」
「ってことは、ドボルベルク?」
「みたいだな。ただ、尾槌竜の被害は出てないそうだ。主に迅竜と雷狼竜が狩りの対象だな」
「そして狩猟環境不安定、と…。これは大変ね」
狩りをするにあたっては、当然だが狩りの対象となるモンスター以外とはぶつからない状況にするのが、一番望ましい。しかし、相手は大自然だ。何が起きるかなんてわからない。天気が崩れることもあるし、群れを率いるモンスターなら、己の手下を呼び寄せるし、狩猟中に別のモンスターが出ることもあり得る。別のモンスターが出る可能性があると、ハンターたちはそれを「狩猟環境が不安定だ」と表現するのである。
今や太陽は少しずつ西に傾きつつある。狩りに出る頃には夜になっているだろう。となると、夜行性の強いモンスター、はっきり言えばナルガクルガに遭う可能性が高い。音爆弾は持って行くべきだろう。それから、もし他のモンスターにあたった場合を考えて、ウチケシの実と閃光玉と、こやし玉と…。あ、そうだ。
「ケート、シビレ罠持ってるか?」
「ばっちりよ。捕獲もできるわ」
よかった、これで日が昇るまで延々と狩り場を走り回る、ということにはなりそうにない。大体、人間という生物は、太陽が空にあるうちに活動し、陽が沈めば寝る生き物である。夜にクエストに行くという行為自体が、人間の活動に合わないのである。そんなことをすれば、しんどくて仕方ない。故に、そんなものはなるべく早く終わらせたいものだ。そうだ、捕獲するという方針を、ジークと、あと1人のパーティメンバーにクエスト前に説明しないと。
「ベティ、捕獲にするの?」
「ああ、夜の狩りは長引かせたくないしね」
「なら決まりね、温泉行こ!」
言うが早いか、ケートは私の手を引っ張って歩き出す。既に温泉のことしか頭にないらしい。
「はいはい、全く…」
半ば引きずられるようにしながら、私たちは連れだって渡り廊下を渡り、浴場へと入っていった。
Now Loading…
「んー…」
ユクモ温泉。目抜き通りの突き当たりにそびえ立つそれは、温泉浴場と集会所の機能を兼ね備えた巨大施設である。その一角に設けられた露天風呂に、ケートの声が響いた。長旅の後の風呂というのは格別気持ち良く感じられるものである。露天風呂となれば尚更だ。
ついでに1杯やれれば至高…なのだが、クエスト前に飲もうという気は私にはないし、ケートに至ってはそもそも酒が飲めないときている。
なおこのユクモ温泉浴場、集会所を兼ねているためか、男女共用である。入浴者にはタオル着用が義務付けられるため、ポロリの心配はない…が、周囲にちらほらいる男の目線が私にしか向いていない気がする…。
「なぁ、ちょっと周りの目が…」
「当たり前でしょ、アンタなんでそんなデカいのよ」
「聞かれても…」
私がケートに勝てる数少ない要素である。実際、自分でも大きいとは思う。何がとは言わないが。一方のケートは…インナーが一番小さいサイズだという時点でお察しください…。
「それで?ナルガクルガとジンオウガはともかく、ドボルベルクが出たらどうするの?しかも相手は上位個体よ?」
ケートの不安も最もで、私たちは上位のナルガクルガとジンオウガの相手はしたことがあるが、ドボルベルクは未経験である。流石にギルドの資料や交戦記録は見てきたが。
「基本的には相手にしないことにしようと思ってるよ。それに、この時間帯だと、多分相手になるのはナルガクルガだろうし」
「そうね…」
と、その時。
「あの、貴女方はハンターさんなんですか?」
急に声をかけられた。そちらを見やる。
10代半ばくらいの少女だ。村の住人なのだろう。
「そうよ、今から狩りなの」
ケートが笑顔で答える。
「じゃあ、街道のモンスターを…」
「ええ、やっつけてくるわ」
「ありがとうございます!これで私たちも安心して出かけられます!」
とても嬉しそうだ。が、その表情は一瞬で真顔に戻る。
「どうか気をつけてください。モンスターくらいなら、いいのですが…」
何かあるらしい。
「?何かあるの?」
ケートが尋ねると、少女は少しの間、迷ったような様子を見せた。言うかどうか、決めかねたようだ。しかし、意を決したようで、「実は…」と言い始める。
「実は…出るんです、渓流一帯には」
如何でしたか?
最後の少女の言葉…一体何が出るんでしょうねー(棒)
ではここで、次回予告をば。
少女が語ったもの。それは、ユクモ村に古くより伝わる、「幽霊」の噂だった。
次回 「幽霊の噂」 乞うご期待!
…答え言っちゃってますねー(笑)