脳内ピンク色の姉にピンクな果実系青年ゲットの恋愛指南をするお話。
ブラダマンテ実装前にやってしまえ。的な勢いで。
12しかない一席を埋める紅一点。
儚さを感じさせる女性にして聖騎士。
奇人・変人しかいない騎士団の委員長―――
全く、姉さんの本性とはかけ離れた風評だ。
ボクの従姉は儚い女委員長では無く、奇人変人類、奪還系の凄女型マッスルゴリラだっていうのに。
「今、不敬な事を考えている顔をしていましたね? 殴りますよ」
痛い…。
…ほら、殴ってから言うあたり、思考より行動が先立つ所は解ってもらえたと思う。
しかも、趣味は読書だとか言ってるけれど、本は読むよりもボクを殴る事に使ってる方が多いという始末。
そんな姉さんは、同じシャルルマーニュ十二勇士のメインヒロインであるルッジェーロの事がお好きな様子だ。
一思いに告っちゃえばいいと言うと、
「そんな恥ずかしいことできませんっ!!」って照れ隠しに殴られるので黙っておくことにする。
ボクに対する遠慮が蒸発している人に余計な事はしてはいけない。
理性が蒸発しても命の危険ぐらいは解るさ。
ルッジェーロは高貴な家柄のせいか、しょっちゅう攫われている。
最初は巨大なゴリラだっただろうか、その次は亀の化け物。ヒゲ面の親父に誘拐された事もあった。
宇宙人や魔女や影や王様に誘拐されることもある被誘拐体質。
そんな彼を姉さんを除く仲間達は裏で『お姫様』と呼んでいる。
髪がピンク色のボクと違って、服がピンク色な彼は害虫に集られやすい桃にすら見える時がある。
まあ、そんな彼も普通に武名は通っているし、背は高く顔立ちも知的で凛々しい。
それでも偶に忘れてしまうけど、彼は男性だ。
「いたいのとんでけー」と可愛しい回復魔術を使ったり、狙ったようにフライパンであざとく敵を攻撃するけど男性だ。
もう一度言っておこう。敢えてボクが言う。紛れも無く彼は―――男性だ。
その上で騎士団内でヒロイン扱いな彼の扱いは言うまでもないから置いておくね。
さて、乱暴者でその性格を知る男からは求婚される事は無く、
寧ろルッジェーロに求婚者が流れた上に彼を誘拐されて、力づくで取り返しに行く姉さん。
そんな姉さんの操縦方法は、正しく姉さんの望む事を薦める事。
「姉さん、ボクの魔導書に載ってある恋愛指南試してみない?」
「…本当に万能ね、その魔導書は。
でも、その魔導書の恋愛指南に従ったローランも、アンジェリカに、
あなたって最低の馬鹿ねっ、って振られたでしょう?」
うん、姫にして騎士の様な佇まいのアンジェリカさんは、基本的に潔癖症で気が強いんだ。
よく、「あなたになんて屈したりしないわっ!!」って甘味の前で意気込んでは、
「やっぱり甘いものには勝てなかったよぉ…」って堕ちてるけど、男性相手にはちょろく無い女性で、
恋愛指南を
「……でも、どうしてもっていうのなら話くらいは聞いてあげても良いわ?」
えっ、姉さん今なんか言った?
「…こほん、もう一度言うわ。恋愛指南位聞いてあげても良いのよ?」
うん、めんどくさそうだからここら辺で聞こえない振りは止めておこう。
決して、ボクに叩き付けようとしてある身の丈3倍ほどの槍に屈したわけじゃないのは、ボクの名誉の為に言っておくよ。
「…読んでみるね。
え~っと、突っ走って突っ込んで彼にこう言いましょう。『抱いてホールド オン ミー』。
さすればハッピーなサマーのウェディングに。ラヴ魔神な貴女に掛かれば恋愛だってインフレしちゃいます。
今すぐ恋愛革命を巻き起こしましょう…」
「…少し時代を感じる様な、時代が先の様なフレーズの言葉ね。そして頭が悪そう…。」
「うん、良くはわからないけど、要するに当たって砕けろって事じゃない?」
「当たっても砕けたくは無いわ…」
大丈夫だよ姉さん。当たった時に砕けるのはルッジェーロの方だから。
そして姉さんと別れてから数週間がたった。
「アストルフォ、やりました」
姉さんが人差し指と中指をたててボクに報告してくる。
横には照れたように顔を逸らす
ホントに せいこう したんだ。
うん、やっぱり彼はヒロインでも男性だったわけで、結局最後は色仕掛けか。
ヘタレヒロイン、略してヘタレインな彼でも やる ときは やった 訳だ。
おめでとう姉さん。
後はルッジェーロとお幸せに。