Fate/eternal rising[girl or king] 作:Gヘッド
え、まぁ、非常に不定期に更新しておりますので、あれ?次話更新されてる?みたいになるかもしれませんが、はい、不定期ですいません。
今回はアーチャーらしい一面を書いてみました。
「はぁっ、はぁっ、なんで俺がこんな目に……」
汗が首筋を流れてゆく。膝に手を乗せて、腰を曲げて息を整えようとはしているのだが簡単には上がった息は元どおりにならない。小刻みに起伏する胸を押さえると心臓が尋常じゃないスピードで脈打っている。
「しょうがないだろ、最近ここに寄っていなかったからな。疲れてしまうだろう。それに、聖杯戦争……、そんな危ない戦いに身を投じるのだ。少しぐらいはきつめにした方がいいだろう」
少しぐらいはきつめ、そんなことを彼女は言ったが、俺にしてみればどこが少しぐらいなのかが気になる。
「はぁっ、わ、私も、少し疲れてしまいました……」
セイバーも疲れているだろう。なんせ鈴鹿とチャンバラをしただけでなく俺とも剣を交えたのだから。
鈴鹿とセイバーのチャンバラが早々に終わると、今度は俺とセイバーで一戦交えてみろと鈴鹿から指示があった。理由は俺の鈍った腕を取り戻させるのと、二人でやりあってみれば相手の力がどれくらいなのかが分かるからだと。で、やりあったのは良かったのだが、どういうことか一戦終えたら終えたでド真面目なセイバーは「もう一戦お願いします」とか言い出すし、鈴鹿も鈴鹿で「いいぞ、もっとやりあえ」なんて気軽に了承しちゃうから俺が休めなくなってしまった。
「いや、そもそもなんで俺がチャンバラしてんだよ。おかしいだろ、俺、もうそういうのいいから!ダルいから!汗かくから!」
「何を言っている?お前、自分の命が危うい状況なんだぞ。自分の命ぐらい自分で守れるようにしておけ」
「そうですよ、自分のことくらい自分で守っていただかないと」
「おい、お前、俺を守る
「でも私がいなかったら、ヨウ、死んでましたよ?」
「いや、割と今思えばイケたかなと。アーチャーをどうにかできたかもしんない」
「無理ですよ、それは無理ですよ。アーチャー、結構強かったですよ?」
「おう、余裕綽々の敵前逃亡だからな。あれがコテンパンにしての撤退なら良かったが、あいつの方が優勢だったからな。確かにあれは油断してたどころか、情けをかけられたな」
「だから無理なんですよ。勝てませんよ、ヨウは」
「いや、でも案外イケたわ」
「……その自信どこから来るんですか?」
「さぁな。でも、なんか、マジ、一回やり合ってみたかったとは思うよ。どうしてか、こう、ホント」
俺は自分の手のひらを見る。手を開いたり閉じたりしてみて、手にできる皺をじっくり見た。
「いや、マジ俺でも不思議だわ。なんであんなのに勝てるなんか思うんだろうな。でも、なんか、渡り合えるような気がすんだよ。どうしてかね」
視線を前に向ける。セイバーは俺の言葉をまったく理解していないようで首を横に傾けた。鈴鹿はそんな俺を苦笑しながら見ていた。
「いや、ホントにイケそうだなって思えたんだよ」
自分でも信じられない。あんな男と対等に渡り合える気がするだなんて。俺は見た。確かに今日の夜に見たのだ。あの男がセイバーに対して矢を向けていたあの姿は凛々しく猛々しかった。身体能力が高いセイバーでさえ勝てなかったかもしれないと言わせしめたあの男の強さを俺はしかと見たのだ。
だが、どうしてか、どうしてなのか。どうしてこうも俺はあの男に勝てたかもしれないなどと思うのか。あの男の強さは身を以てして体感したが、それでも俺はあれに勝てると思うのはおかしな話だ。
だって、それはあり得ないのに。あり得ないようなことなのに。無理なのに。なのにできたと思えてしまう。
ああ、そんなことは誰にもできやしないはず。それこそ神様ぐらいじゃないとできないのに。
「そうか、俺がそんなに簡単だと言うのか?」
突然声が聞こえた。嫌な声である。耳に聞き覚えのある、あいつの声がした。
「アーチャー‼︎」
セイバーが声を張り上げる。威嚇の意を込めてだろう、強く敵意を剥き出した彼女の尖った声は耳を突き刺す。しかし、アーチャーはその声を心地好さそうに聞き、笑みを浮かべる。
「なんだ、憎まれるようなことでもしたか?それはすまないな。
その不敵な笑みに神経を逆撫でされたセイバーは剣を手にする。すぐさま臨戦態勢というわけだろう。
しかし、彼女のその姿を見るなり、彼は手を頭より上げて彼女を止める。
「待て待て、どうして剣を持っている?」
「どうして?それは当然でしょう?だって私たちは敵同士。ならば、殺り合う。そうでしょう?」
「敵?それは誰が敵と決めた?そんな素直に聖杯戦争のルール通りにやれば何でもできるだなんて思っているのか?全員敵のバトルロイヤルだなんてルールにはあろうとも、結局は勝てばいいのだ。そうであろう?」
「……そうです。で、何が言いたいのですか?」
彼女がその質問を投げかけると、ポッケから封筒を取り出した。そしてそれを彼女に見せる。
「マスターから受け取った。見ろ」
彼はそう言ってセイバーに手渡ししようとしたが、一歩近づいただけで彼女の殺気がさらに高まる。アーチャーはやれやれと肩をすくめ、手にしている封筒を近くの切り株の上に置いた。
封筒からアーチャーが遠ざかるのを確認したセイバーはその封筒を手に取りこちらに戻ってきた。封筒から白い紙を取り出し、その紙に目を通す。
そこにはこう書かれていた。
『この聖杯戦争において、我々アーチャー陣営はそちらの陣営と戦う意思はない。無期限の停戦協定を申し出るーY.H』
その文書を見てすぐにアーチャーの顔を見た。
「これは……?」
「見ての通りだ。停戦協定、互いの陣営に戦う意義はなさそうなのでな。そうマスターが受け取ったんだよ、お前たちを」
「それはおかしくないですか?貴方のマスターは私たちが敵でないと、そういうことですか?」
「……まぁ、そうなるな」
「それはおかしいです。貴方のマスターが私たちを敵と見做さないのは。だって聖杯戦争ですよ?聖杯を求めた魔術師たちのサバイバル。たった一人だけの勝者のために他の参加者を蹴り落とすこの戦いで無期限の停戦?ありえません」
「ああ、だろうな。まぁ、だが、そうマスターが言ったのだ。ただの温情か、裏切りを前提での策略か、はたまたは別の意味なのだろう。だが、少なくともこれを許諾すればお前たちとは戦わない。どうだ、良い話だろう?」
「それは……」
セイバーは俺に視線を移す。そして俺のわき腹を小突きながら小声でこう尋ねてくる。
「ヨウ、どうしますか?」
これは実に悩ましい。「どうしますか」なんて言われても、どうすればいいのかさっぱり分からん。いや、確かにやり方は分かる。要するにこのアーチャー、及びそのマスターの提案に乗るか乗らないか。それぐらいなことは分かる。いや、それしか分からない。それ以外の方法が思い浮かばずにどうすればいいのか分からないのだ。
もしこの提案に乗るとしよう。つまりアーチャー陣営と停戦協定を結ぶ。それは別に悪いことじゃない。俺にとっては戦う相手が一人減るということだし、セイバーも勝てない相手と敵対せずにすむ。だが、俺は事がそう簡単に進むとは思えないのだ。
なぜか?それはそもそもこの聖杯戦争というシステム、及びその目的に関係している。この聖杯戦争では一つの陣営だけが生き残る事ができる。それはつまり、最終的にはお友達関係なんてそんな簡単な柔なお話にはならないという事。そしてこの聖杯戦争は生き残れば魔術師にとって悲願の成就を確実に達成できる場所である。そう、それは言ってしまえば、魔術師にとってこの聖杯戦争を本気でやらないより他にないということだ。
いや、もしものこともある。一応尋ねておこう。
「お前のマスターは魔術師か?」
「は?それは、まぁ、そうだが……、それがどうした?」
「いや、こっちの話だ」
ああ、嫌だ嫌だ。この男の話を全て信じるわけではないが、一応アーチャーのマスターは魔術師であると仮定しよう。となるとやはり、この聖杯戦争を勝つしかその人にとっては道がないはず。だとするとこの停戦協定には何の意味があるのだろうか。
パッと思いつくのは二つ。裏切るつもりでの協定か、もしくは俺たちを盾やかませ犬にしたいのか。可能性としては後者の方が高いだろう。だって俺たち相手に裏切りなんて手を使う必要はない。この男に対して俺たちは別にそこまで大して苦戦するような相手ではないだろう。普通に戦えばいい。
とすると、アーチャー陣営は俺たちと停戦協定をした暁にはそのような風に仕掛けてくるだろう。きっとそうだ。そもそもアーチャー陣営の方がよく分からないし、この男自身何を考えているのか皆目見当もつかない。だから、信用するに足りないのだ。
では提案に乗らない。そのようにするとどうか。まず考え得るのは敵がいきなり攻撃してくる。それはやめてほしい。それに俺の望んでいることこそ聖杯戦争から安全に抜け出すことであり、この停戦協定は実に俺の望みに叶ってる。
組むメリットがない、そう言えば嘘にはなる。だが、その分デメリットもあるし、それが俺たちの
俺はセイバーに尋ねる。
「お前はどうしたい?」
「私ですか?あ、私は……、そうですね、組んだ方がいいかなと思います……」
ああ、彼女はそう言うだろう。もちろんそれはそうだろうと思っていた。彼女にとってこの提案は実に都合がいい。勝てない相手と戦うのは無意味だと彼女でも分かるようだ。
彼女の意見も考慮する。するとやはり答えは一つに決まってしまった。
「……分かった。この提—————」
「いや、待て。それだけで決定などできるか」
鈴鹿は俺の返答を遮った。アーチャーは鈴鹿に目をくれるとにやりと笑った。
「お前は誰だ?用がないのなら立ち去ってもらいたいのだが……」
「私か?私はただの幽霊で、ヨウの知り合いだ。何だ?ここにいてはダメか?何か私がいて不都合なことがあるのか?私は幽霊で一般人ではないから聖杯戦争の話は聞けると思うのだが」
アーチャーは俺とセイバーの顔を見た。どうやら彼女を断れば協定が締結しそうにないと分かると、彼は渋々食い下がる。
「……まぁ、ならいいだろう。で、何が言いたい?」
「いや、そもそもこの話自体がよく分からない。私はセイバーと手合わせをしてみた。力やスピードもあるし、経験というものは少なく見えたが勘はよく効きそうだ。だが、お前と比べてみて分かる。やはりセイバーは勝てぬよ」
鈴鹿の遠慮のない言葉は鈴鹿の隣にいる彼女にグサッと刺さった。儚げにガラスのようなものが割れた音が聞こえたが無視しておこう。
「お前は今初めて見た。だが分かる、剣を交えずともお前は強い。例え運が良かったとしても、お前とセイバーの間にある技量差は天と地だ」
「……それで?それがどうした?」
「私は分からない。お前たちがこいつらに対してその協定を結ぶ意味が。だが、それをメリットデメリットで考えていては多分沼の中だろう。……誰だ?この話を提案したのは?本当にお前のマスターの仕業なのか?そして、お前のマスターの名も開かせ。さもなくばこの話は無しだ」
強気な鈴鹿の姿勢は後ろ向きな俺たちとは違った見方を提示してくれる。確かに彼女の言ったことは非常に大事である。しかし、俺とセイバーはそこに目を向けずメリットデメリットを考えていた。間違いではないが、そもそもこの話自体がおかしな話だ。その話自体に疑念を抱いていた方が適切であったのだろう。
どうやらアーチャーにその質問は少し都合が悪いようだった。余裕のある笑みが薄れた。
「……この話をやろうと決めたのはマスターだ。俺じゃない。だから俺はマスターの考えなんぞ分からん。どうしてこの提案をしたのかもな。それに、マスターの名前は教えられん」
アーチャーはこの状況でできるだけのことはしただろう。自身のマスターのことを守り、しかしこの提案がなるべく円滑に進むように逆らわず鈴鹿の問い質しにも合わせようとしていたのは誰もが分かった。多分ここで判断を決めるのが俺だったならOKと言ってしまうだろう。
だが、鈴鹿の表情は変わらなかった。凛としたその姿にアーチャーは「チッ」と舌打ちをした。
「ダメだな。内容はいい。だが、ダメだ。信用するには足らん」
「信用?だが、それを上回るほどの利益はあるはずだ」
「いや、だからこそ信用するには値しない。何を考えているのかは知らんが、どうも正直に頷けないな。まぁ、要するに勘だ、勘。腑に落ちない、お前の話は」
根拠はない。だが、それでも彼らの提案を拒むには十分な理由だった。俺もセイバーも鈴鹿の判断にとやかく言う気はなかったし、むしろ少し頷いたぐらいだった。
確かにこの提案は望ましいものではあったが、どうしても『腑に落ちない』という点があった。根拠はないが、自分の第六感を信じてみるのも良いかもしれない。それは鈴鹿の発言で俺とセイバー、二人が抱いた考えだった。
アーチャーは目をキュッと細めた。
「……そうか、分かった」
その時の彼の姿は一瞬脆く見えた。子供が作った土人形のように不出来でツンと指で小突いたらぼろぼろと表面が剥がれ落ちたり、ごつくて太い足から滑り落ちるような脆さがあった。
しかし、彼はすぐさま笑った。セイバーが剣を握り敵をじっと見つめていたことを横目で見ると、ふと少し口元が緩んだ。
「……ナメていた」
彼はそう言い残すと霊体化をし、その場から立ち去った。
セイバーは敵がいなくなったことを確認したあと、大きく息を吐き出した。
「はぁ〜、疲れた」
力んでいた身体を一気にだらけさせる。力を抜いてだらんと腰を曲げた。
「いや、息できなかったぁ〜。急に来られてそんな大事な話されても困りますよ〜」
「ああ、私も驚いた。お前たちから聖杯戦争の話を聞いていてまさかとは思ったが、あれほど手練れとは思わなかった。気迫が凄かったな」
「へぇ、分かるもんなの?そういうの?」
「まぁな。死線は何度も乗り越えるようなことをしたからな、ざっくりとだが敵の腕くらいは分かる。いやはや、中々だな。まぁ、弓兵というのは笑いどころだが……」
「ん?どういうこと?」
「いや、気にしなくてもいい」
鈴鹿はそう言うと、刀を鞘から抜いて素振りを始めた。
「あれほどのモノを見せられてはこちらもやってみたくなるな」
「じゃあ、いいよ。全然どうぞ。あの男、俺たちの手には負えねーから」
「何を言っている?あの男の敵はヨウたちだろう。なら、お前たちがやらずしてどうする?」
「だからその役目をお前にやるよ」
そう鈴鹿に全部やってもらえばいい。俺たちはアーチャーと戦いたくない。鈴鹿は戦いたい。なら、彼女がやればいい。
だが、好戦的な彼女にしてはらしくない言葉が口から出た。
「いや、それはいい。私はすることがあるからな」
「……ふぅん。そう」
鈴鹿のその言葉に俺は違和感を覚えた。それは何なのだろうかということだ。いや、その疑問だけでは違和感とはなり得ない。その疑問とその疑問に対する答えがどうにも彼女らしくないと思えた。
彼女は幽霊だ。いつから幽霊としていたのかは知らないが、彼女の身なりを鑑みると少なくとも数百年は幽霊としているのではないか。そして、その幽霊のしなければいけないこと、それは即ち未練というやつなのではないだろうか。
とすると彼女のそのしなければいけないことは数百年もの間できなかったことである。
「これまでできなかったんだから、無理じゃね?」
酷いことを言ったかもしれない。彼女に向かってその言葉は少々強過ぎた。
鈴鹿はぴたりと身体を止め、笑った。ぎこちない笑みだった。
「……そうかもしれんな。いや、きっとそうだろうな」
振っていた刀をじっと見つめる。その時の何とも言えない雰囲気は俺に少し罪悪感を抱かせた。
俺の隣にいたセイバーは鈴鹿に見えないように俺の足をコツンと足先でつついた。謝れと彼女がジェスチャーしてくる。
「ああ、その、わりぃ……」
「いや、別に大丈夫だ」
彼女のその言葉にまた罪悪感を抱いてしまった。
セイバーはその場を何とか持ち直そうとして話の話題を別のものに変えた。
「そういえば、鈴鹿さん、よくアーチャーの話を断りましたね」
「ん?ああ、すまん。当事者ではないのに」
「いえいえ、良いんです!感謝してます。鈴鹿さんがどうこうする以前に私たちたちは多分アーチャーの誘いを断るべきでした。それに、多分私たちだけじゃ、もしかしたらアーチャーの口車に乗せられていたかもしれないので……」
「まぁ、確かに信用をするには値しなかったからな。でも、よく勘だけであいつのこと断ったな」
俺のその言葉に彼女は「は?」と首を傾げた。
「いや、勘なわけないだろう。何だ、お前たち気づかなかったのか?」
「……え?気づく?何に?」
俺とセイバーが彼女の言っていることがさっぱり分からないので、彼女はやれやれと深いため息を吐いた。
「いや、お前たち、あのアーチャーは私たち三人に対して魔術をかけていたんだぞ?」
「え⁉︎それは本当ですか⁉︎」
「本当も何も、それぐらいのことさえ気づかなかったのか?」
セイバーは俺の方を見る。もちろん、そんなこと一切わからなかった俺は首を横に振る。
「はぁ、まさか、魔術師と英霊であろう者が魔術を使われたことに気づかないとは。これは重症だ……」
「いや、俺、別に魔術師じゃねーし」
「でも少しでも魔術を使えるんだろう?なら、少しぐらいは敵の魔力の変動やかけられたことに対しての認識ぐらいはできてほしいものだが……。はぁ、これは心配だな」
そう言って今度はセイバーを見る。
「ましてや英霊の存在であり、歴史に名を連ねるほどの者がな……」
「うっ、す、すいません……」
セイバーは肩身が狭くなったのか身体を少し丸めた。
「それより、鈴鹿さんはどうしてそんなことが分かったのですか?アーチャーが魔術を使ったって……」
セイバーの質問は重要だ。もしかしたら、俺たちにもそれができるようになるかもしれない。そしたら、この聖杯戦争でリタイアする確率は少しでも減るだろうから。
しかし、鈴鹿の答えは何ともあてにならないような答えだった。
「経験だ、経験。ほら、相手が魔術を使ったとき、あの、あれだ、オーラが当たるんだ。ふわっと不気味な風が相手から自分に吹いてくるんだ。多分それは相手の魔力が放出されたからなんだろうが……。まぁ、感覚だ。それを積み重ねたからできるんだ」
彼女の説明を聞いても、あんまりよく分からない。経験とか感覚とか、一番人に伝わりにくい言葉で言われてもピンとこない。
鈴鹿がとりあえずスゴイということは分かった俺たちは彼女に対して疑問を抱いた。
「鈴鹿さんって、本当は何者なんですか?」
それは俺が聞きたい。実は俺、あんまり鈴鹿のことには詳しくないのだ。幽霊、女剣士とは知っているが、それ以外は何も分からない。
……本当に、この女は何者なのだろうか。