マブラヴオルタネイティヴ The root of tree 作:ゲス猫1229
マブラヴファンの誰もが求めているであろう3度目のループを題材として、世界を納得のいく形で救うストーリー展開になっています。
本作では主を含めたTwitter上のフォロワーを登場人物として扱っています。
また、主は素人なので誤字脱字や、文章力の低さが目立つと思いますが、どうぞ、温かい目で見守って下さい。
武「・・・・・・・・・」
いつものように目覚めた朝、静かにまぶたを上げあたりを見渡す。
見慣れた天井に朝日が差し込むカーテン、頭の真上に設置されたエアコン、いつもと変わらない風景のはずなのに俺は違和感を感じた。
武「・・・・・・・ここは?」
武「ここは・・・・・どこだ?」
飛び起きて再び部屋を見回す。何も変わらないいつもの部屋だった。ロケットのポスターがでかでかと壁に貼っていて、若干整理されていない机、しかし、自分の中の何かが俺を焦らせていた。
武「この違和感・・・・・、前にも一度感じた気が・・・」
時計に目をやると現在の時刻は朝の8時、学校に行く時間だ・・・。
でも、やっぱりなにか違和感がある。いい加減家を出ないと遅刻するっていうのに・・・・・、ちがう・・・・・・、そういう焦りじゃない、考えがまとまらず、昨日のことを思い出そうとすると頭にズキリと痛みが走った。
武「ぐっ・・・、なんだ・・・、急に頭が・・・」
頭痛はすぐに治まった、しかし一瞬とはいえかなり激しい痛みだったと思う。
武「そうだ・・・、純夏だ・・・、あいつ、今日は珍しく起こしにこないな」
純夏にかぎって寝坊はないだろう、俺を起こすのが日課になっているようなやつだ、でも、いい機会だ、今日はこの俺が起こしに言ってやろう。いつものように制服に着替えて玄関へと向かうが、その足取りが重いのが自分でもわかる。ただ予感がするんだ・・・・。嫌なものなのか良いものなのか、自分でも今抱いている気持ちがどうなのかあやふやな状態だ、でもひとつだけはっきりしていることがある。
武「今、俺が外に出ようとしているのは・・・・、純夏を起こしに行くためじゃなくて、外へ出ればこの気持ちがなんなのかはっきり分かるってことだ!」
思い切り玄関のドアを開け放つ、まぶしい太陽の光・・・ではなく、雲に覆われた空がそこにはあった。そして見下ろした先には当たり一面の廃墟、後ろを振り返り自分の出てきたはずの家を見上げるために、体を後ろに向けたいが、言うことをなかなか聞かずにじりじりと首から振り向いていく、そこにあったのはいつもの家ではなく、ぼろぼろになった俺の家だった。まさに迎えに行くつもりだった純夏の家はF-4ファントムの下敷きになってつぶれている。
武「F-4ファントム・・・・、口から自然に戦術機の名前が出るとは・・・、戻ってきたみたいだな・・・・、俺・・・・・・」
この世界に戻ってきたと分かり、自然と涙が浮かんでくる。戻ってきた、戻ってこれた、何度も呪文のように心の中で唱えて気持ちを落ち着かせる。頬をつねってみるがしっかりと痛みがある。夢じゃない・・・・・。
武「帰ってきたぞーーーー、俺は、帰って来たんだーーーーーー!!」
拳を握り締め両腕を上げ、天を仰ぎながら俺は思い切り叫んだ、帰ってこれたんだ、もう一度、やり直せる。そう思うとまた熱いものがこみ上げてきたが、何とか押しとどまった。
武「おっと、こうしちゃいられない、早く横浜基地に行かないと」
一度家に入ろうとしたとき、遠くから何かが、こちらに土煙を舞わせながら向かっているのが見えた。
武「あれは・・・・、軍のジープか?」
そこそこ距離はあるが平たくならされたここではよく見えた。見間違いようのない、あれは国連軍基地にあったジープだ、でもなぜここに?前に来たときはこんなところにジープなんて走ってこなかったはずだ、そうこうしているうちにジープは俺の前で止まり、銃を装備している歩兵の格好をした二人の男が降りてきた、一人は色白の日本人らしき男と、色黒の体格のいい男だ、この二人には見覚えがある。この世界で一番初めに会うのは最初も2回目もこの二人だった。
色白の軍人「まさか本当にこんな場所で待っているとは・・・」
色黒の軍人「お前が白銀武だな、一緒に来てもらおうか、香月副指令からの使いだ」
わけがわからない、前に来たときはこんなイベントなんてなかったはずだ・・・、でも、ここで抵抗してもおそらく意味は無い筈だ、夕呼先生の名前も出てるしここはおとなしくついていったほうがよさそうだ。それとなく状況を読めている振りをして返事をしてみる。
武「お迎えごくろうさん、おたくらにも悪いね、こんな辺鄙なところまでご足労いただいて」
色白の軍人「なに、お前さんに比べれば楽なもんさ、荷物はあるか?」
武「無いよ、この身一つできたもんでね」
嘘は言ってない。
色黒の軍人「こんな場所に銃の一つや警護もなしで来る重要人物なんて・・・、怪しいな・・・」
まずい、疑われているみたいだ、くそう、この展開といい夕呼先生先生からの謎の扱いといい、なんなんだ今回は、わけの分からないことが多すぎるぞ、とりあえず話題を振って話を進めさせよう。
武「香月博士に関係あるものはすべて連絡しろって言われてるだろ、それにおたくらも軍人なら分かるだろう、Need not to knowってな」
色白の軍人「分かってるさ、俺達も軍人だ、副指令のもとへ連れて行くだけ、それが俺達の任務だ」
武「話が早くて助かるよ」
なんとか丸め込むことに成功したみたいだ、前の世界じゃ自分が嫌というほど聞かされて思い知らされたからな、この言葉の意味は自分でも身にしみるほど理解してる。
俺はそのままジープの後部座席に乗せられ家を後にする。先に着替えてから家を出たのは正解だったな、まさかこんなイベントが待ち受けていたとは・・・・、もしかいたら3週目のこの世界は前の世界とは少し違う箇所が多いのかもしれない・・・・・・・・・、そんな考えが甘かったのに気づくのはすぐのことだった。
色黒の軍人「ついたぜお客さん、運賃はこれから世界を救ってくれるあんたに対してのサービスとして、今回はただにしとくぜ」
武「何のことだよ・・・・、世界を救うって・・・・・」
何でこいつらがそんなことを知っているんだ・・・・・、2週目の夕呼先生の言葉を思い出そうと考えるとまた激しい頭痛に襲われた。今度はさっきよりも少し長い気がする。
武「っつ・・・・・・・!ぐうっ・・・・・・!があっ・・・・・・!」
色白の軍人「お、おいどうした!?」
色黒の軍人「なんだ、どこか打ったのか!?」
頭痛はすぐに治まったがさっきよりも少し長かった気がする。そういえばこのおかしな頭痛も前の世界では体験したことがないきがする。
武「わ、わるい・・・・・、大丈夫だ、ただの偏頭痛だよ・・・・・」
色白の軍人「それにしちゃあ随分きつそうだったが・・・・・・・」
色黒の軍人「副指令にはこのままお前を通すように伝えられているが・・・・、念のために医療班のところへ行った方がいいんじゃないか?」
武「大丈夫だって・・・・・・・、それに今回は時間が惜しいんだ、とにかく夕・・・、香月博士のところへ連れて行ってくれ・・・。」
あぶないあぶない・・・、危うくこいつらの前で素で夕呼先生って言うところだった、いろいろ面倒なことになりそうだし気おつけないと、それにこの頭痛がループの影響によるものなら夕呼先生も何かわかるかもしれない。
色黒の軍人「そうか・・・、とりあえずこれが副指令の部屋までいける専用のIDだ、悪いがここから先は一人で行ってもらう事になる。門の警護をほかのやつに任せたままなんでな」
色白の軍人「道は・・・・・、わかるよな?」
武「ああ、大丈夫だ、じつはここには一度来たことがあるもんでね・・・・」
色黒の軍人「わかった、それじゃあ達者でな、世界を頼むぜ」
色白の軍人「気をつけて行ってくれよ、英雄さん」
武「・・・・・・・・・・・・・・・」
二人はそう言い残すと門のほうへ言ってしまった、結局世界を救うだの英雄だの聞きそびれてしまった。過ぎてしまったことはしかたない、とりあえず夕呼先生のところへ行こう・・・。
歩いて数分、大型エレベーターでIDを使い地下深くまで下っていく、懐かしいな・・・、ここにくるまでに少し寄り道をしてみたが何も変わってない、少し気になるのは2度目の世界であった多くの検査をすっ飛ばした上にここまでこれるIDを渡されて一人でここまで来ていることだ、今までの夕呼先生だったらありえないレベルの信頼度だ、まだあってもいない人間にここまで自由を許すだろうか・・・・、考えても仕方ない、とにかく今は直接あって話を聞くほうが早いだろう、そうこうしているうちにエレベーターは目的の階に到着、ドアが開くと無機質な壁の廊下が出迎えてくれた。
武「特に変わったところは・・・、無いな・・・」
夕呼先生がここまで自由を許しているんだからここで何かあるかとも思ったが何事も無く部屋の前まで来てしまった、何度も入ったことのある部屋だが、今回はなんともいえない緊張を感じる。
武「白銀武です。入りますよ?」
女性の声「いいわよ~、入って~」
夕呼先生だ、いつもの!
帰ってきた返事に何の違和感も無い、むしろここは初対面のはずなのに軽い返事をして来たんだから違和感を覚えるべきなんだろうが、今の俺にそんな余裕はないらしい。
ドアが開き中へと入る。部屋の中には多くの棚があり資料やらの入っているであろうファイルが満載していて、正面の机には多くの書類やらが積み重なっており、そしてその机の向こうの椅子に、今自分の会うべき人物を見つけた。
武「・・・・・、これはどういうことですか・・・・・」
安心した気持ちで部屋へと入った俺だが、夕呼先生の顔を見てすぐに冷静さを取り戻した。
そして、まず今までの不可解な現象について問い始めた。
夕呼「何がよ?」
武「とぼけないでください、今日、俺がここに来るって何でしっていたんですか・・・?」
夕呼「まだ前の世界での癖が抜けてないんじゃないの~?聞けば何でも答えが返ってくると思った?」
依然とぼけた様子の夕呼先生に俺は少し強く質問をした。
武「なぜ、世界を救うために来たと知っているんですか・・・?」
夕呼「それとも何かしら?もしかして1回目の白銀武なのかしら?だったらその甘さもうなずけるわね~」
武「っ!?」
2週目と1週目の区別がついている!?どういうことだ、なんでこの世界の夕呼先生はそんなことを知っているんだ!?わけがわからない、今回のループはイレギュラーが多すぎる。いったいどうなってるんだ・・・。正直これ以上何を言ったって夕呼先生がその気にならなければ話してもらえないのはよく分かってる。半分あきらめかけて少し黙っていると、夕呼先生が話を振ってきた。
夕呼「あんた・・・、本当に白銀武なのよね・・・・・」
武「そうですけど・・・・、何言ってるんですか?」
夕呼先生は険しい表情をしながら、ふぅん・・・・・と言いながら俺の全身をしたからうえへ向かって何度も見てくる。
夕呼「なんか・・・・・、私の記憶のイメージと違って・・・、覇気が感じられないのよね~」
武「は?覇気?」
夕呼「ああ、こっちのことだから気にしないで・・・・・・・、それにしてもあんた、2週目の世界で成長したと思ったら何にも変わってないのね、それとも・・・・・・・、やっぱり元の世界に戻った影響で色々な自事象が修正されたせいかしら?」
武「夕呼先生は・・・・・・、いったいどうやって・・・・・・」
夕呼「あ~、はいはい、今答えるから少し黙ってなさい、じゃないと何も話さないわよ」
武「わ、分かりました・・・・」
夕呼先生は椅子から立ち上がり、近くの棚を見つめながら話し始めた。その空気は若干重苦しく感じた。どうやら俺が思っている以上に事態は複雑なのかもしれない。
夕呼「まず、なぜ私が白銀のことを知っていたのか、知っているのか、これを簡潔に言ってあげるわ」
夕呼「記憶の流出よ、前の世界でもあったでしょ?ああ・・・、それを説明したのは元の世界のわたしだったかしら・・・・?」
武「記憶の流出!?そ、それって・・・、確かこっちの世界の俺の因果が元の世界に影響を及ぼしてうんたらってあれですか!?」
夕呼「そうそう、そのうんたらよ」
なんてこった、複雑どころじゃない、俺がまたこの世界に来たせいで元の世界が・・・・、最悪だ・・・・・、またやっちまったのか・・・、俺は・・・。
夕呼「そんなに気を落とさなくても大丈夫よ~、今回はこっちで先に手を打っといたから」
武「は?それってどういう・・・・・」
夕呼「めんどくさいからそこはすっ飛ばして重要なとこだけ順を追って話すわ」
武「いやいや、すっ飛ばしちゃだめでしょ、そこもかなり重要なんですから!」
夕呼先生は俺の言葉を無視してそのまま話し始めてしまった。
夕呼「今回のループも原理はおんなじなの、でも・・・、あんたを因果導体にしたのは00ユニット・・・、鑑純夏じゃないわ、今回はね、あんたの強い意志がこの世界に影響を及ぼしたの・・・、だから、元の世界じゃなくて、問題が起こるとしたらこっちの世界になるってわけ」
武「問題ないなら紛らわしい言いかたしないではじめからそういってくださいよ・・・・・・」
夕呼「さっきも言ったじゃない、準を追って話すって・・・、とりあえず聞きたいならこれから話し終わるまで黙ってなさい、いくらあんたがここに早く来たって時間はおしいんだから」
武「うっ、すみません・・・・・・・」
俺が黙ると、夕呼先生は再び話し始めた。
夕呼「とにかく、記憶の流出による因果の流出については問題ないわ、ただ、今回はさっきも言ったようにあんたの意思が大きく関係してるわ、あんたはこっちの世界に来る前に、かなり前からこっちの世界の記憶を夢として見ていたのよ、無意識にね、それをこの世界のセンサーのようなものがこちらの世界の因果情報が漏れたと認識して、その情報をひろってしてしまった・・・、その結果、こちらの世界にはまだ無いはずの記憶と情報が流れ込んでしまい、その記憶と情報に対応する人物の中にまで入ってしまったのよ」
夕呼「今回入った人物の一人がこのあたしってわけ、だからその記憶を自分のものと認識したあたしは、前の世界の香月夕呼と一体になったあんたに近い存在といってもでも過言ではなくなったのよ、だから前の世界の記憶を保持してるの、でも、前の世界でも言っていたように、記憶や経験を見ても、それが自分のものだと認識できなければただの夢と思いこんで流してしまうって話はしたわよね?」
武「あ、はい、確かに聞きました、でも夕呼先生は因果律量子論・・・、とかいうやつを研究してたから、記憶のこともありえるから自分のものって認識したんじゃないんですか?」
夕呼「白銀・・・・・、黙ってなさい・・・」
うぐっ・・・・・・・、夕呼先生から睨まれ今まで感じたことの無い圧を感じた・・・・。
夕呼「話をつづけるわ・・・、あたしの場合はそれを教えてくれる子が近くにいたからよ」
武「えっ!?そんなやつがいたんですか!?どうやってそいつは俺のことを・・・」
夕呼「・・・・・・」
武「ほんとにすいません・・・・・・」
怖い、無言で睨む先生こわいよ!許してくれたのか、ため息をついて話に戻ってくれた。これからは本当に黙っていよう・・・。
夕呼「その人物についてはまだ教えるわけには行かないわ、だから次の話しに行くわよ」
分かってはいたけどやっぱり教えてもらえないのか、でも、純夏のほかに俺を因果導体にできるやつなんているのか・・・・、俺をここに呼ぶことができるやつの条件・・・、確か純夏のときは・・・、記憶を思い出そうと再び考え込むと、また例の頭痛がおそってきた。
武「ぐっ、あっ、がああああああああああああ!!」
これは痛いなんてものじゃない、まるで、ペンチでも使いながら頭をつぶされてちぎられるような激しい苦痛が、俺の頭部を襲う。
夕呼「!?」
夕呼「白銀!?どうしたの!?何!?」
珍しく夕呼先生が叫びながらあわてているが、今の俺にそんなことに驚く余裕は無い、今度はさっきよりも激しい、時間も長い、早く終わってくれと必死にたえる。
武「ぐあああああ!ぐっ、うううう・・・・・、はあ、はあ・・・・・・・」
武「なんなんだよこれは・・・・・、こっちの世界に来てからずっとだ・・・・・・、はあ、はあ・・・」
夕呼「なんなんだよはこっちのセリフよ・・・、それに、今こっちの世界に来てからって言ったわよね・・・」
武「もう・・・大丈夫です。俺のことは良いですから・・・、まずは状況説明を続けてください、そっちのほうが重要なはずですよね・・・」
夕呼「・・・・・・・・・・、分かったわ・・・、でも、あんたには後で精密検査を受けてもらうから」
武「わかりました・・・」
正直、今すぐにでも調べて欲しいレベルに苦しい状態だ、何がトリガーになっているのかも正直はっきりしない。
夕呼「話をもどすわ、今回はその人物の力も使ったんだけど、前の世界であんたを元の世界に送るために装置をつくったでしょ?それを今回も用意して、あんたをこっちに呼ぶために作動させたわけよ、いや~、うまくいってよかったわ~、まさか一発で上手くいくなんて、あたしはやっぱり天才ね!」
武「失敗したら俺どうなってたんですか!?」
夕呼「失敗はおもにあんたの思いの強さにもよったんだけど、まあ・・・・、情報体になって色々な確立の世界をさまようことになってたでしょうね~、あはははは!」
武「冗談じゃないですよ!理不尽すぎますよ!」
夕呼「あら、良いじゃない、数え切れない量の世界を見て回れるのよ?面白そうじゃない」
武「人事だとおもって・・・」
この人はそういう人だって言うことを忘れてた・・・、これからは気おつけなければ・・・、今度は何の実験の被検体にされるかわかったもんじゃない・・・。
武「とりあえず・・・、俺が何でこの世界にまた来て、どうして夕呼先生に記憶があるのかはわかりました・・・
それで、俺に何をして欲しいんですか?」
夕呼「あら、そこは成長してるじゃない、なにをすればいいのかを聞くんじゃなくて
ちゃんと自分がここに呼ばれてきたのを自覚してるようでけっこうけっこう」
武「夕呼先生は用も無いのに無駄なことをするような人じゃないのはどこの世界もおんなじですからね。で、今度はなんです?また新OSの開発ですか?」
夕呼先生は椅子に座りなおすと、背面の壁に埋め込まれたモニターを起動した、そこには見たことの無い戦術機の画像が映し出されていた。
夕呼「新型OSはもう開発して実装済みよ、もちろん、開発者はあんたの名前でね、それに、これの搭載を目的に開発した最新鋭の戦術機もあるわ、まあ・・・、これはほとんど新OSっていうよりも、あんたとあんたの所属する部隊のために作ったようなものなんだけどね・・・」
武「XM3がもうできてる上に専用の新しい戦術機まで作ってあるって・・・、いったいいつから記憶の流出があったんですか・・・・」
夕呼「それもおいおい話してあげるわ、今はこれと、あんたのこれからが重要なんだから」
そういって夕呼先生は俺にいくつかのファイルと、IDらしきカードを渡してきた。
夕呼「あんたのここでの身分はね、あたしの直属の特務部隊、プラチナ・コード中隊の隊長、白銀武少佐よ、これかから長い付き合いになる権限と責任の総称だから、心しておぼえなさい」
武「特務部隊・・・、A-01じゃないんですね・・・、それに、少佐って・・・高すぎませんか階級・・・」
夕呼「成長してないところは本当にだめなのね、あたしは言ったはずよ、己の有用性も分からないやつが情報や権力を有効活用できるわけないわ・・・、自分の価値の大きさを覚悟しなさい・・・、そして実感するのよ」
くそっ、また夕呼先生になめられるわけには行かない、ここでは最初からかなり強い信頼をもらってるんだ、同じ鉄は絶対踏まない!
武「白銀武少佐、ただいまより、特務部隊 プラチナ・コード中隊隊長として着任します!」
手を額に当て敬礼の姿勢をとる。それに満足したのか、夕呼先生は真顔で結構・・・。と、言い残し話を続けた。
夕呼「それじゃあ隊長さん、部隊員のところに案内するからついてきなさい」
武「分かりました」
夕呼先生は部屋からでるわけでもなく、すぐ横にある前の世界では存在しなかったドアの前に立ち、その扉を開けた、中はかなりの広さで大型のモニターと機材が多く設置されていた、おそらく特務部隊のブリーフィングルームなんだろう、ヴァルキリーズのときとは比べ物にならない設備の量だ・・・、奥には10人ほどの人影が見えた、おそらく俺がこれから命を預かることになる部隊員だろう。
夕呼「待たせたわね・・・、ああ、敬礼はいいわ」
規律やら面倒くさいのが嫌いなのはここでもやはりかわらないらしく、敬礼を辞めるよううながしている。先生はそのまま大型スクリーンのある壇上にあがると、堂々と話始めた。
夕呼「設立したのに任務も隊長もいなかったあんたたちに朗報よ、ようやく来たわ!あんたたちの・・・、人類の待ち望んでた人物が・・・、入ってきなさい」
俺は夕呼先生に呼ばれ、室内に入る。ようやく全員の顔が見えたが。全員知らない顔ばかりだ。
だが、なぜか5人ほど懐かしさを感じるのはなぜだろう・・・?
夕呼「ほら、隊長さん、挨拶挨拶」
挨拶をるよう手招きされ同じく壇上に上がると、そのまま回りに気づかれない程度に先生が耳打ちしてきた。
夕呼「あんた、これから人の命を預かる立場の人間なんだから、あんまりふざけた態度で挨拶したら即刻部屋からたたき出すからね」
先生は俺に念を押してきたが、覚悟も力もある今の俺なら大丈夫さ・・・、分かっていますよ、今の俺には力も覚悟もある。やってやりますよ、と、聞こえないように言葉を返し、壇上の前に出て胸をはり皆のほうをむいた。
武「ただいまより特務部隊 プラチナ・コード中隊に着任し、部隊長を務めることになった白銀武少佐だ、よろしく頼む」
特務部隊一同「・・・・・・・・・・」
夕呼「まあ、及第点かしらね・・・」
武「きびしいな~、これでもかなりがんばったんですけどね」
挨拶が終わると、再び先生が前に出て話を始める。これからの簡単なスケジュールと部隊の目的の再確認、略式だが多くのことをてきぱきと説明していた。
夕呼「それじゃあここで質問タイムといきましょうか、誰か部隊長に質問はあるかしら?何でも良いわよ、あたしが許可してあげる」
そこですばやく手を上げた一人の男性がいた、短髪のブロンドヘアーに眼鏡をかけた、いかにもアメリカから来ましたという感じの容姿をしている。
武「じゃあそこの・・・ええと・・・」
ブロンド眼鏡「ナフト・アーリスト大尉であります。質問よろしいでしょうか、隊長」
武(委員長みたいなやつだな・・・)「ああ、じゃあナフト大尉、どうぞ」
ナフト「失礼ですが・・・、隊長は今おいくつでしょうか?我々は急な招集で資料などをまだ受け取っていなもので・・・」
「ああ、それなら・・・」と、答えようとしたところで後ろから先生に引っ張られ、再び回りにばれない程度に耳打ちされる。
夕呼「言ってなかったけどこの部隊員は全員あんたより年上よ、あんたは立場上の問題で実年齢ってことにするのはまずいから、戸籍のデータをいじって21歳ってことになってるわだから、その手の話が来たらばれないようにしなさい・・・、いいわね・・・?」
武「き、聞いてないですよ・・・!しかも21なんて無茶すぎですって!」
夕呼「無茶でもやりなさい、あんた世界を救うんじゃないの!」
夕呼先生からの無茶振りはいままで何度も聞いてきたが、今回ばかりはさすがにだませるものなのかと不安になってくる。
武「あ、ああ・・・、21だけど問題ある・・・?」
ナフト「いえ、もうしわけありません、あまりにも若く見えたもので・・・」
武(夕呼先生!もろばれだよ!だませてないよ!)
武「先生・・・、やっぱりこの設定は少し無理があるんじゃ・・・・・・・・」
後ろを振り返り、やはり無理があるのではと先生に言おうとしたが、すでにその姿は部屋に存在しなかった。
武「って、いねーし!あの人いつの間に消えた!?」
目つきの悪い女「副指令ならさっき部屋を出てったわよ、隊長さん」
武「まったくあの人は~って・・・、君は?」
教えてくれたのはうれしいんだが、上官に対してその態度はひどくない?俺は別に気にしないけど。
むしろその方が気が楽でいいか・・・と、すこししょんぼりしていた俺に、今度はグラサンの男が助け舟を出してくれた。
グラサンの男「白銀少佐、とりあえず俺達も自己紹介は必要だろう?名前も知らないと何かと不便だろうしな」
武「助かる・・・、ええと・・・」
グラサンの男「ちょうどいい、まずは俺からだな」
亞魏斗「俺は神楽 亞魏斗大尉だ、コールサインはプラチナ・コード03、年は・・・、隊長より二つ上なんだが・・・、気にせずため口でも良いぞ」
この人とはうまくやっていけそうと本能的に感じたとき、亞魏斗大尉の隣に立っていた、いかにも大和撫子という言葉が似合いそうな女性が会話に割り込んできた・・・、すごい剣幕で・・・。
大和撫子「神楽大尉・・・、相手は上官です。言葉を選んでください・・・」
亞魏斗「硬いこと言うなよ唯依姫~、これから仲良くしていく仲なんだしさ~」
唯依姫「姫は余計です」
なるほど、この人は唯依って言うのか・・・、ナフトに亞魏斗に唯依・・・、よしっ!覚えたぞ!
それにしても亞魏斗大尉の言葉は本当にありがたい、さすがに年上にため口を使って逆に敬語を使われるのは違和感がぬぐえない、皆にもため口を使ってもらおう・・・。
武「いや・・・、いいんだ、俺も今同じことを言おうとしてた、皆聞いてくれ、この隊の中では上下関係を優先するのは任務中か戦闘中だけにしてくれ、皆とはわきあいあいとやっていきたいと思ってるからな、これは隊長命令だ!!」
亞魏斗「お、さすが隊長・・・、いや、武と呼ばせてもらおうか、分かってるね~、これからよろしくたのむぜ」
唯依「・・・善処します・・・」
亞魏斗「んじゃ・・・、武からのお許しも出たことだし、自己紹介続けますか!次は空気も読まずに質問をぶつけてくれた、ナフト・アーリスト、こいつは簡単に言えば自分に厳しいやつだ、武も気おつけろよ~」
ナフト「し、質問のことは今は関係ないだろう・・・、ええ・・・、おほん!改めまして、ナフト・アーリスト大尉です。コールサインは、プラチナ・コード02、出身はアメリカです。近接格闘戦と戦術理論には自身があるので、隊長さえよければ部隊編成など相談にのりますよ」
武「頼りにしてるよ、よろしくな」
堅苦しくてうるさい委員長みたいなタイプと思ったけど、わりと柔軟性は高いのかもしれないな・・・、早速新隊長のサポートをするあたり面倒見もよさそうだ。
亞魏斗「続いては、我が隊でも謎の多い不思議ちゃんを達をまとめるC小隊小隊長、でも戦闘の腕は格闘射撃とどれも平均以上、紅月 叶理だ、年齢は隊長と同じだから仲良くはできると思うぜ」
叶理「紅月 叶理大尉だ・・・、コールサインはプラチナ・コード04、日経ドイツ人だ、同い年同士仲良くやろうぜ、うちの小隊メンバーが迷惑かけると思うけど・・・、まあ、よろしくしてやってくれ」
武「ああ、よろしくな・・・」
つかみどころの無いやつだな・・・、それに・・・この感じどこかで・・・、とりあえず後で夕呼先生に全員分のデータをもらおう。
亞魏斗「それじゃ次だ、味方の支援ならお手の物、でも前に出したら敵をぶった切りまくる荒ぶり姫、有銘 紅雪!」
紅雪「荒ぶりは余計だ、後で唯依と一緒につぶしに行くから逃げるなよ・・・」
紅雪さん・・・、なにを潰すんですか・・・。
亞魏斗「・・・、ごめんなさい・・・」
紅雪「ふんっ・・・、改めて隊長さん、有銘 紅雪大尉だ、コールサインはプラチナ・コード05、年は亞魏斗と同じ だ・・・、あんたがどの程度の腕をもってるのか知らないけど、隊の錬度を下げるようなら副指令に頼んでくびにしてもらうから、お前も覚悟しとくんだな」
武「あ、ああ・・・、がっかりさせることはないと思うけど迷惑はかけないさ・・・」
かなり気の強い女性みたいだけど・・・、今のところこいつが一番不確定要素の気がする・・・。背中に気を付けよ・・・。
亞魏斗「まあ・・・、紅雪については運がなったと・・・、なんでもない・・・、次だ次!」
亞魏斗「こいつはまさに元祖日本人って感じだな・・・、普段はおとなしいけど怒らせると怖いから注意な、名前は霧雨 叢雲、唯依も俺もそうだけど、近衛から副指令に引っ張られてきた」
叢雲「怖いとは侵害だな、過ちを起こさなければいいだけだ、安心していいぞ武、あと近衛だからって分別して対応しなくていいからな、今の俺達は国連軍人だからな」
叢雲「おっと、自己紹介を忘れるところだった、俺の名前は霧雨 叢雲大尉だ、コールサインはプラチナ・コード06、名前のせいで近接戦が得意って思われてるんだが、めっぽう狙撃のほうが得意でな、期待に添えないかもしれないが、よろしく頼む」
武「ああ、よろしくな、今度射撃の腕前を見せてくれ」
射撃か・・・、たまを思い出すな・・・、あいつら今頃どうしてるんだろうな・・・、後で訓練場でも除いて見るかな。
亞魏斗「んじゃ次だ!我らが唯依姫!」
唯依「神楽大尉、後でお話があります」
亞魏斗「・・・もう勘弁してくれよ・・・・・・・・、まあ!とにかく料理が美味い!これはやばいぞ!しかも腕前は京塚のおばちゃんにもひけをとらない!特に肉じゃがが絶品でな!」
武「ああ、そういえば日本には肉じゃがの美味い娘と結婚しろって昔から言われてるもんな」
亞魏斗「お、さすが武、わかってるね~、まったく・・・、お嫁に欲しいぐらいだぜ・・・」
隣の唯依さんから「貰ってくれてもいいのに・・・」って聞こえたのは気のせいだな・・・、うん、気のせいだ、俺の心の中にしまっておこう・・・。
唯依「ええ・・・、篁 唯依中尉であります。コールサインはプラチナ・コード07です。武隊長より年は4つほど下ですがもと近衛として恥じぬ行動を心がけるつもりです。」
しっかり敬礼もしてくるあたり、しっかりしてる印象もあるけど・・・、どこか冥夜と似たようないいところのお嬢様的なかんじがするな・・・。
亞魏斗「え~続きましてはうちの隊のファッションクイーンことアルテミシアだ、見ての通り外人さんだ、スタイルいいよな~、本当に・・・、やっぱり今度お茶どうよ?」
アルテミシア「それは何度もことわってるんだけどね?あ、わたしはアルテミシア・ポワニャール中尉だよ。名前が長くて呼びにくいと思うからアルシアでいいよ、皆からもそう呼ばれてるしね。コールサインはプラチナ・コード08、好きなことは訓練生の子達と夜のトラックを走ること!よろしくね武」
亞魏斗「つれないな~アルシア、初めて会ったときから誘ってるのにぜんぜん反応してくれないんだぜ?」
唯依「大尉、戦術機の機動特性を図るためにモデルになっていただけませんか?」
亞魏斗「やだよ!前に一度受けて間接をあらん方向に曲げようとしたろ!」
叢雲「ふふふ、にぎやかな連中だろ?亞魏斗のやつもあきないからな・・・、まあ、この茶番を眺めるのが俺の楽しみの一つでもあるんだが」
叢雲はにこにこしながら、目の前で唯依中尉と紅雪に拘束されている亞魏斗を眺めている。
武「ああ、そうだな・・・」
訓練時代を思い出すな・・・、2週目の世界じゃこんなふうにゆっくり自己紹介をする暇や余裕も無かったっけな・・・、俺・・・じつは自分で思ってたよりも周りに甘えたかったのかもしれないな・・・。思い出にふけていると、唯依中尉と紅雪の拘束から逃れてきた亞魏斗が再び紹介を始めた。
お前・・・、本当にいつか戦場以外で死ぬぞ・・・。
亞魏斗「よし!次はさっき言った我が隊の不思議ちゃん一号!だまっていればただの美人!クリスカ・ビャーチェノワだ!」
クリスカ「不思議ちゃんとはなんだ・・・?まあいい、後で叶理にでも教えてもらうとしよう、隊長、クリスカ・ビャーチェノワ中尉だ、コールサインはプラチナ・コード09、叶理の小隊に編成されている。よろしく頼む」
・・・・・・・、え、それだけ?今までの中で一番そっけない紹介だったんだが・・・、あの紅雪ですらまともにしゃべった・・・、気がするのに、俺、嫌われてる・・・?いきなり
叶理「クリスカの言動はあまり気にするな、本人に悪気があるわけじゃないんだ・・・、これでもましになった方でな、不器用なんだよ」
武「ああ・・・、彩峰みたいなもんか・・・」
叶理「彩峰・・・?」
武「ああいや、こっちの話だ・・・」
叶理とは似たような仲間がいるみたいだから話が合いそうだ・・・、彩峰の場合は計算してわざとやってるぶんたちが悪いが・・・。しかし、クリスカは霞に似てるな~。
亞魏斗「そんで、最後がその子、不思議ちゃん二号でうちの隊の妹みたいなもんだ、エレクシア・カーチスちゃん」
ん?どこだどこにもいないぞ・・・?まわりを見るがどこにもいない、キョロキョロしていると、後ろから袖を引っ張られる感覚が・・・。
エレクシア「・・・ここ・・・です・・・」
後ろを振り向くと・・・、そこには霞が・・・、あれ?大きくない?背丈はクリスカ達と似たようなもんだけど・・・、まさかこの世界の霞は大きいのか!?
エレクシア「エレクシア・カーチスです少尉です。コールサインは・・・、プラチナ・コード10・・・、皆さんからはエクシアと呼ばれています。」
武「おお~そうかそうか・・・、大きくなったな~霞、いや~すっかり大人っぽくなっちゃって・・・」
頭を撫で回す。霞という唯一会ったことのある人物に会えたうれしさで手が勝手に動く、しかし頭のうさ耳もなくなって少し大人っぽさが増したか?頭を撫で回し続けると、だんだん彼女の顔が赤くなっていく・・・、そして一瞬にして頭を抑えながら飛びのきクリスカの後ろに隠れてしまった。
エレクシア「わたしは・・・、姉さんじゃありません・・・」
武「・・・え?」
今、なんと?姉さん?・・・・・・・・・・・・・・・・。
武「・・・・・・・・・・・・・・・・」
PC中隊一同「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ブリーフィングルームの空気が寒くなった気がするし、皆の視線がいたい気がする。
紅雪「そうか・・・隊長はロリコンだったのか・・・」
亞魏斗「あ~なるほど、だから唯依達見ても興奮しなかったのか」
唯依「神楽大尉後でお話が」
クリスカ「叶理、ロリコンとはなんだ?」
叶理「お前もエクシアもしらなくていいことだよ」
叢雲「いけないな~」
エレクシア「・・・・・・・・」
まずい・・・、このままでは俺は変態さんのレッテルをはられてしまうっ!誰か!誰でもいい!助けてくれ!衛生兵!!まりもちゃん!この際夕呼先生でもいい!誰か!!このままの状態で部隊を指揮するとか無理すぎる!!
絶望の中、頭を抱えていると、願いが届いたのか部屋のドアが開き夕呼先生が入ってくる。
が、その表情は険しい、皆もそれを感じ取ったのか、一瞬にして表情が真剣なものに変わる。
そして・・・、無言で入ってきた夕呼先生の第一声は俺を含めた全員の背筋を凍らせた。
夕呼「にぎわっているころ悪いわね・・・、あんたたちに最初の任務を持ってきたわ、内容は・・・、この基地の奇襲よ!!」
第二話に続く
今回はマブラヴオルタネイティブTROTを読んでいただきありがとうございます。
誤字脱字や低い文章力がめだったと思いますが、自分も成長するために皆さんからの意見感想お待ちしておりますので、暖かい目で見守ってください。
今回の登場人物
神楽 亞魏斗役
@Raven00Fさん
ナフト・アーリスト役
@naito0710さん
有銘 紅雪役
@Strikerflugelさん
霧雨 叢雲役
@murakumo_mk19さん
紅月 叶理役
@kaguya4203
でした。