鎌鼬の航跡   作:玉霰
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毎度毎度更新が遅くなって大変申し訳ありません‼︎前にも書きましたがない文才を振り絞って書きました。お気に入り登録、並びに感想、評価ありがとうございます。これからもよろしくお願いします。


黒トリガー争奪戦
暗闘、開始


無人の住宅街が立ち並ぶ夜の警戒区域を黒トリガー奪取の指令を受けた遠征部隊及び三輪隊が疾走していた。

「目標地点まであと500」

通信回線を通してオペレーターの報告が伝わったのと同時に、街灯に照らし出された人影に全員が気づく。

「‼︎ 止まれ!」

部隊の指揮権を預かる太刀川の号令一下、急停止した部隊の行く手に立ち塞がっているのは、

「やあ、太刀川さん久しぶり。夜分、そんなに急いでどちらまで?」

いつものヘラヘラとした笑みを収め、代わりに不敵に口角を上げた首元にサングラスを提げた青年、

「迅……‼︎」

「なるほど、そう来たか」

ボーダー本部の誇る最精鋭部隊と規格外の性能を有する黒トリガーの使い手がここに向かい合った。

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予想外の事態に皆一様に口を噤む遠征部隊の面々だったが、当真が緊迫した雰囲気に似合わぬ呑気な口調で口火を切る。

「うおっ、迅さんじゃん。なんで?」

迅もまったく悠然とした調子で逆に問い返す。

「おう、当真か。冬島さんは?」

「隊長なら遅れて来るよ。ちょっと船酔…」

「余計なことは言うな」

気前よく答えようとした当真だったがかなり彼より低い位置から風間がそれを止めた。先頭で迅と向かい合う太刀川が代わって口を開く。

「こんなとこで待ち伏せてたところを見ると、俺たちの目的も分かってる…、ってわけだな?」

「うちの隊員にちょっかいかけに来たんだろ?」

「最近うちの後輩たちはかなりいい感じなんだ。ジャマしないでほしいんだけどなぁ…」

「悪いが断る…。と、言ったら?」

そう問い、迅と同じく口角を少し吊り上げた太刀川に迅は

「なら仕方ない。先輩として、このトリガーの使い手として、後輩たちを守んなきゃいけないな」

腰に収めた黒トリガー『風刃』に右手を添え、いつになく張りつめた空気を漲らせて啖呵を切った。途端、遠征部隊全員がいつでも動けるよう臨戦態勢をとるがまだ誰も動かない。

場に静かな緊張だけが満ちる。

「ほう、なんだ迅、珍しくやる気だな」

「もういい、太刀川」

そんな中一人この状況を楽しんでいるような太刀川を制していまこの場で最年長の風間が今度は迅を説得にかかる。

「そちらこそ邪魔をするな、迅。それに隊務規定を忘れてはいないだろうな?俺たちが戦えば明らかな規定外戦闘、厳罰処分が下されるだろう」

けれど迅はどこ吹く風で

「それを言うならお互い様だろ?風間さん。あんたたちがこれから殺すつもりだったのも立派なボーダー隊員だ」

「なに…!」

「ふざけるなっ‼︎近界民を体よく匿ってるだけだろうが‼︎」

押し黙る風間だが業を煮やした三輪の怒声が住宅地に響く。しかしそれでも迅は揺るがず

「隊務規定に近界民を入隊させるな…なんてルールはない。今度はおれが止めても文句ないだろ?」

「なんだと「いや、迅、そうはいかないぞ」」

腰の弧月を抜いて斬りかかって行かんばかりの三輪の後ろから普段通り落ち着いた太刀川の声がかかる。普段の知能指数に見合わず涼やかに抗弁した。

「そっちで入隊の手続きが済んでいても、本部で正式入隊日を迎えるまで…つまり1月8日までは本部はボーダー隊員とは認めていない。それまでは仕留めるのに何の問題もないという訳だ。さて迅、お前と戦いたいのも山々だが任務がある。そこをどいてくれるか?」

あっさりと説破されてしまったかに見える迅だが無論ここで退くつもりはない。

「わるいけどそれでも答えは一緒だね。退く気はないよ。けど本部と戦争する気もない。おとなしく撤退してくれると嬉しいんだけどな、太刀川さん」

これ以上の問答は時間の無駄と見たか風間はため息をつき、しかしなお一縷の望みをかけて

「あくまで抵抗するか…。だが迅、いくら『風刃』を持つお前と言えども俺たち四部隊全員を残らず退けられると思っているのか?」

忠告ともとれる発言をした。対して迅はゆっくりとかぶりを振ってふいに右上に視線をやる。

「残念ながらそりゃ無理だね…。おれ一人だったら」

その右上から複数の足音が立つ。思わず全員が迅の視線を追うと

「嵐山隊、現着した。忍田本部長の命により、玉狛支部に加勢する!」

「なに…⁉︎」

「嵐山隊…⁉︎」

民家の屋根に立っていたのは佐鳥を除いた嵐山隊の面々だった。意気揚々と敵対表明をして迅の側に降り立った三人に三輪をはじめ太刀川を除く遠征部隊も浮き足立ったが、まだ風間は冷静な思考を保っていた。動揺する面々を制して

「落ち着け、問題ない。まだ俺たちの優位は動かない。嵐山隊に一部隊足止めされたとしても十分な戦力が残る」

しかし動揺に追い打ちをかけたのは迅だった。

「さすが風間さん、まったくもってその通りだ。まだ嵐山隊だけじゃ決め手に欠ける。がーーーー」

そこで言葉を切り、今度は左上に視線を走らせる。そこからまたも別の声が投げかけられた。

「悪いが風間さん、いま一人援軍がいる」

光を投げかける街灯の上にいつの間にか立ち、夜風に白い長袖羽織をなびかせていたのはもちろん悟だった。

「上巣…⁉︎」

「悟…⁉︎」

「無派閥のお前がなぜ…?」

新たな敵の登場に顔を険しくする風間の横で嵐山隊の時にも増して三輪も驚いていた。三輪と悟は別に普段仲が悪い訳ではない。三輪は城戸派の筆頭だが悟は時によってどの派閥にもなる。むしろその実力を認めていた。

先日駅でも邪魔に入られたが三輪も馬鹿ではない。後で冷静を取り戻せばあの状況に勝ち目がなかったことくらいはわかる。何よりあの場では迅の物言いに腹が立って仕方がなかった。しかし今日この場に臨んでなお悟は自分たちに敵対するというのだ。三輪には悟の真意が読めなかった。

身を翻して自分たちの対面の道路に降り立った悟も三輪の疑問は察している。

「すまないな、三輪。けどお前に近界民を憎む事情があるのと同じようにこっちにもあいつを守るためお前らを止める事情がある。あいつは俺や迅さんたち旧ボーダーの最古参のメンバーの息子だ。つまりは俺たちにとって仲間であり恩人の息子でもある。それが理由だ」

加えて悟が迅に助太刀する事情はもう一つあるがそれは伏せておく。悟から予想外の事情を聞かされ、一瞬ひるんだ三輪だったがそれでも苛立ちを隠さず言い返す。

「だがどう言おうがやつは近界民だ!近界民である以上、排除するのがボーダーの責務だぞ!」

だが悟の返答は平坦な声のままだった。

「そう考えるのを止めはしない。しかしその責務でここをどくことはできない。今の事情で納得いかないなら俺たちを実力で排除してあいつを殺すなり黒トリガーを奪うなり好きにすればいいだろう」

その調子に三輪も話し合いはこれまでと悟り、着ていたバッグワームを解除する。

最後に迅が念を押すかのように問いかける。

「嵐山たちと悟がいればハッキリ言ってこっちの勝ちだ。どうする?太刀川さん」

しかし太刀川は迅の勝利宣言にむしろ笑みを深くして

「『未来視』か…。だがおもしろい。おまえの予知を覆したくなった 」

腰の弧月に手をかけ、引き抜く。迅も腰から『風刃』の緑に輝く刀身を抜き放ち、うそぶいた。


「やれやれ…、そう言うだろうと思ったよ」

それを合図に臨戦体勢を保っていた双方が一度飛び下がって距離をとる。夜の警戒区域に人知れずボーダー最高峰の戦いの幕が上がる瞬間だった。

||||||||||||||||||||||||||

先に動いたのは遠征部隊だった。No.2攻撃手風間の率いる近距離特化型ステルス部隊、風間隊が先頭を切って襲いかかる。嵐山と時枝の銃撃が迎え撃つがシールドで受けた菊地原を囮に風間と歌川が弾幕をすり抜けて素早い身のこなしでそれぞれ前衛の迅と悟に迫った。本来の射手の間合いには近すぎるが悟は全く距離を空けようとせず

「アステロイド」

右手に膨大な量のアステロイドを出現させるとサイドエフェクトを発動、もう一人の意識を集中させて自らの最も得意とする得物、鎌の形に圧縮して打ち掛かってきた歌川のスコーピオンを受け止めた。

「はっ‼︎」

なおもスコーピオンの両刃剣とアステロイドの鎌は甲高い音を立てて幾度も打ち合ったが数の有利を気にして片手を空ける悟に対して歌川は二刀の手数で上回る。一見互角の攻防だが悟はついに一歩後退した。歌川はそれに乗じて一歩踏み込み、一つの鎌では受けられないよう二刀を同時に繰り出す。しかし悟はこれを待っていた。鎌の形状を生かして、歌川のスコーピオンを二本とも引っかけ、左側に捻って歌川の体勢を崩す。踏み込んだ勢いのまま道路に膝をついた歌川に悟の一太刀が振り下ろされた。とっさにスコーピオンを掲げて受けたが

「く……‼︎」

悟のトリオン量から生み出されたアステロイドを圧縮した鎌は攻撃手用トリガーに比べてトリオン効率は非常に悪いものの攻撃手用で最も人気の『弧月』に迫る硬度と威力を誇る。歌川のスコーピオンは多少悟の一撃の勢いを殺しただけであっさりと砕かれ、トリオン体に切り傷が走った。しかしスコーピオンを失った歌川の頭にトドメを刺そうとした悟の頭上に影が落ちる。

「っ‼︎」

「あれ、気づいた?」

襲撃者に気づいた悟は右手の鎌を歌川から影の差した頭上ではなく何もないはずの背後に振り抜く。しかしその一撃はカメレオンで景色に紛れ、風間と歌川を囮に背後から攻撃した菊地原のスコーピオンを砕いていた。だが上から襲いかかった風間を囮にした奇襲を防がれたにも関わらず、菊地原には驚く様子もなかった。

「はい、おしまい」

「どうかな?」

迅を後続の太刀川に任せた風間のスコーピオンが無防備な悟の脳天を躊躇なく貫こうとしていた。しかし絶体絶命に見える悟にも焦る様子は微塵もない。

ギャリンッ!

「⁉︎」

その瞬間、菊地原のサイドエフェクト『強化聴覚』は悟の頭と風間のスコーピオンの間から発生した金属的な音をハッキリと捉えた。一転、驚きの表情を浮かべる菊地原とは対照的に必殺の一撃を防がれてなお風間はポーカーフェイスを崩さない。

「『片鎧』か…。相変わらず堅いな」

「それが唯一の売りですからね」

実際に悟の頭に展開され、風間の一太刀を受けた『片鎧』には傷こそついたがヒビも入っていない。しかしこの間にスコーピオンを再度形成した歌川も体勢を立て直している。さすがに風間隊の近接連携を正面から受けては三分ともたずに切り刻まれてしまうだろう。右手の鎌と頭の『片鎧』を消して今度は両足のユニットにトリオンを集中させる。

両機動(フルムーブ)

両足に纏った分割しないアステロイドに乗り、少し重心を傾けるだけで悟の体は一瞬で半円を描くかのような航跡を残して風間隊の間合いから逃れる。同時に迅と鍔迫り合いにあった太刀川も『風刃』を押し戻して距離をとっている。一度引いた弧月の刀身が輝きを増す。悟も両手にアステロイドで多数のクナイを作り出した。太刀川が弧月を振るい、悟も羽織の袖口を軽く振る。両者の攻撃は同時に放たれた。

「旋空弧月」

「アステロイド」

刹那、リーチの伸びた太刀川の斬撃が間合いにあるものすべてを両断し、悟の無数のクナイは前方の建物や道路の至る所に穴を開けていた。辺りに建物の破片と粉塵が舞い上がる。しかし迅、悟と嵐山隊、遠征部隊の全員が互いの攻撃を回避して手近な民家の屋根に上がっていた。さすがはボーダー最高峰の隊員たちで、まだ誰一人として離脱する者はいない。ひとまずは迅たちが遠征部隊の攻勢を凌いだ形になる。さしもの遠征部隊も一時攻撃を控えて作戦を練る。

「五人まとまってると厄介だな」

加えて風間がもう一つの問題点を口にした。

「しかも迅はまだ『風刃』を一発も撃っていないときている。このまま膠着状態が続くのは不利だぞ、太刀川」

当然太刀川もそれには気づいている。迅のことだ。また何か企んでいるに違いない。しかし一方で迅に加勢した悟の存在も無視できなかった。なにしろ忍田の『猛虎』と並び称される『鎌鼬』だ。おそらく単独ではこちら側の誰も勝てない。この部隊の最高戦力である自分をもってしても足止めがせいぜいだろう。かといって悟に人数を割きすぎれば黒トリガー使い、迅の相手が不足するおそれもある。何より迅は自分が相手したい、という思いもあった。

「よし、俺と風間さんと冬島隊で迅をやる。出水、お前は三輪、米屋、奈良坂と組んで嵐山隊を足止めしろ」

「えー、おれも悟と撃ち合いたかったんすけど…」

「バカ言え、あいつとまともに撃ち合ったら二宮でもハチの巣がオチだ。で、あとは…」

そこから太刀川の意図を察した風間が指示を引き継ぐ。

「歌川、菊地原、古寺で上巣に当たれ。撃破優先でだ。古寺!」

「は、はい!何でしょう!」

「上巣を撃破するまで歌川と菊地原の指揮権をお前に預ける。多少の被害は構わん。時間を最優先だ」

「はい、ですが…」

突然指揮官を任されて戸惑いを隠せない古寺だったが無線越しの風間の声はそれを意にも介さない。

「このメンバーでお前が適任だ。だから任せる。それだけだ」

風間は個人での実力もさることながら人材育成術にも長けている。かつてランクCのサイドエフェクトの持ち主、菊地原士郎の可能性を見越して自身の部隊にスカウト、隠密トリガー『カメレオン』との相乗効果を主軸に据えた戦闘で瞬く間にA級に登りつめたように、風間の慧眼は古寺のもつ特に地形戦を得意とする戦術力を見抜いていた。風間の物言いに古寺も迷いを捨てた。

「……了解‼︎」

「えー…、古寺、足引っ張らないでよ」

「そうじゃないだろ菊地原。よろしくな古寺、気にせず指揮してくれ。気楽にな」

風間以外の指揮を受けることにぼやく菊地原を歌川が根気よくたしなめる。古寺は面食らうがいつもの風間隊の光景であった。


一方、彼らからおよそ100mほど離れたアパートの屋根でも迅たちが今後の作戦を考えていた。虚空を眺めていた迅が一人頷き、口火を切る。

「次はこっちを分断しに来そうだな」

「それだとうちの隊を三輪隊で足止めしそうですね。仮に突破されても三輪先輩の『鉛弾』もある」

「ならどうする?迅。こちらも先に手を打つか?」

「いや、問題ないよ。三輪隊を止められるだけでかなり楽になる。幸い悟もいるしな」

それを聞いて悟の眉間にシワが寄る。

「まさか迅さん、俺にどれか一部隊丸投げしようってんじゃないですよね?」

しかし心配は杞憂に終わった。迅は苦笑して

「さすがにそりゃないよ。多分太刀川さんと風間さん、あと冬島隊はおれにかかってくる」

「となると俺は歌川と菊地原と出水を相手すればいいんですね?」

「いや、これからおまえが戦闘する未来にあいつは見えない」

「それなら三輪隊の加勢に回した可能性が高いですね。私達と三輪隊だと中距離火力に差がありますから」

「なるほど、確かにそうだな、木虎。ただあくまでうちを足止めするつもりなら…」

「わかってます、嵐山さん。多分俺の方に奈良坂か古寺を控えさせてトドメに使う算段でしょう。」

「おっ…、来たな。うまくやれよ悟、嵐山」

「そっちもな、迅」

「善処しますよ」

作戦はまとまった。遠征部隊はやや散らばってあえてレーダーに全員映ったまま迅たちのいるアパートに迫ってきている。そして全員分の反応点が止まった瞬間、灯りのないアパートの屋根に向かって数本の光の筋が曲線を描いて飛んできた。それと見るや迅、悟、嵐山隊は即座に相手の意図を読み、屋根から退避する。一瞬の間を置いて悟たちがいた場所が着弾した弾丸によって跡形もなく消し飛んだ。

(誘導炸裂弾……!出水か!)

悟も手近な民家の屋根に着地して、心中でかつて指導していた弟子兼ライバルの腕前を評価していた。迅が着地した道路を見るとすでに太刀川、風間が仕掛けていた。夜の闇の中、三人分の光刃だけが圧倒的な速さと重さを乗せてぶつかり合う。悟の鎌を用いた近接戦でもあれに交じっては見劣りしてしまうだろう。

三人がぶつけ合っているのは剣だけではない。攻撃手の一位と二位、そのかつてのライバル、各々が積み上げてきた経験と技量の全てを衝突させているのだ。近接戦は本業ではない悟でも見入ってしまうほどに三人の剣戟は見事なものだった。可能ならいつまでも見ていたいものだった。バッグワームでレーダーから消えた菊地原と歌川がまったく同じタイミングで屋根を駆け上がり、自身に向けて斬りかかってこなければ。

「っと…。危ない危ない」

先ほどの遠征部隊と同様あえてレーダーに映り、味方と合流せずに一人目立つ場所に突っ立っていたのだ。当然悟もサイドエフェクトを用いて警戒していた。素早く身を翻して隣の屋根に飛び移る。

「やっぱり俺の相手はお前らか」

「ちぇっ…、やっぱりバレてた」

「まあ仕方ない。なにしろあっちには迅さんもいるからな」

『よし、このまま二人ともなるべく屋根の上で戦闘してくれ。射線を通しやすい。あとはなるべく上巣先輩の視界を遮ってほしい』

無線を通じて古寺が今後の指示を出すと

『……了解』

『了解だ』

上巣に察知されないよう同じく内部通話で了承の返事が返る。約一名、不承不承な風ではあったが。古寺もスコープ越しに油断なく標的の隙を窺う。しかし悟は歌川たちの不自然な沈黙からかえって狙撃手の存在を確信していた。

「俺を狙い撃つ作戦はまとまったか?悪いが俺ものんびりはしたくない。なにせお前らや風間さんたち城戸さんのコマを止めるなんてのは規定違反のボランティアなんでな」

挑発とともに再び右手に鎌を出現させる。すると怒るより動揺する歌川と古寺をよそに菊地原の表情がわずかに固くなる。宇佐美を含む風間隊メンバーだけが知る菊地原の怒気の表れだった。

「ご心配なく…、さっさとズタボロにして本部に叩き返してあげますから‼︎」

普段の気だるげな雰囲気は鳴りを潜め、折らんばかりに両手のスコーピオンの柄を握りしめた菊地原がすさまじい音を立てて屋根を踏み込み、悟に向かっていった。

























ということで悟の相手は歌川、菊地原コンビと古寺に決まりました!これは書いてる途中で自分的にめっちゃいい奴で実力もあるのに目立たない歌川と地味に現役高校生最高の頭脳の持ち主なのに今一つ戦闘の見せ場がない古寺をなんとか活躍させたかったからです。この二人にそのうち出番があるといいなと思っています。