俺は、スーパーザンクティンゼル人だぜ?   作:Par

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いよいよキャラ崩壊著しくなってきます


星晶獣(笑)

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 一 星晶獣(笑)

 

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 今日の星晶獣。

 ザンクティンゼルはキハイゼル村から。今我が家には二体の星晶獣がいます。ええ、ええ普通居ませんよ、星晶獣二体が普通の民家になんて。しかも方や基本家でダラダラしてる星晶獣(笑)。方や表情筋ないのに表情豊かになった鉄巨人。

 なんだこれ?

 

「ドウシタ、モット走レ走レ。デナケレバ死ヌゾ」

 

 そして家じゃダラダラ女の星晶獣(笑)のティアマトが、今俺に向かって全力で紫光線を撃ちまくる。当然修行のためである。実質イジメだが。

 この時のティアマトはサイズアップする、と言うか通常の巨人モードになる。ただしマグナ形態ではない姿。ポート・ブリーズでのティアマトはこれがスタンダードらしい。しかしこの状態でもポート・ブリーズの土地神、風系星晶獣トップレベルの実力は伊達ではない。迫る光線の威力はマグナ状態の時に比べても遜色ない。しかも俺に負けた事を少し根に持ってるのか、攻撃に私怨を感じる。

 

「逃げるだけじゃ駄目だよ坊主。ちゃんと攻撃おし」

 

 この激しい攻撃の中、切り株に腰掛けて暢気に茶を飲み観戦するばあさんが俺に檄を飛ばす。そうは言うがこれでも必死なのだ。マグナで勝てたんだから楽なもんだろうと俺もちょびっと思った。思ったけどそんな事ないです。やめていいですか? マグナに一戦勝てた事とティアマトに常勝無敗である事はイコールでない事を痛感した。やめていいですか?

 

「あんたも刀剣類の扱いがやっと上手くなったんだ。感覚忘れないように死ぬ気でやりな」

 

 死にそうになったってあんたエリクシールぶっかけて特訓再走させるじゃないですかーやだー! しかもエリクシールハーフまでしこたま溜め込んで、ただの体力疲労はそれで回復させてくる。今ばかりは秘薬の高い効能が恨めしい。

 

「あと5分したらコロッサス追加だからね」

「デバン(゚∀゚)キタコレ」

「死ぬわっ!?」

「だからやるんだよ」

 

 この婆悪魔か何かじゃないだろうか。あとコロッサス、やる気出さないで。死ぬ。

 吹き荒れる暴風が炎の斬撃を飛ばし俺の周りには熱風が吹き荒れる。ティアマトのエリアルクラスターとコロッサスのフォースグラウンドで風が吹き荒れ大地が弾ける。ちくしょう、この野郎、馬鹿野郎。俺にも我慢の限界と言うのがあるんだ。

 

「一度とはいえ仮にもテメーらボコボコにしたんだからなっ!! 見とれこの野郎、馬鹿野郎っ!!」

 

 おそらく逃げ回ってもばあさんが終了を認めないだろう。倒すことでしか俺の安寧は訪れないのだ。見せてやろう、無駄に鍛えられた結果身に着けた秘儀・戦闘中の武器取り換えの術。

 

「ムウ、小賢シイヤツメ」

「うるせいやい」

 

 婆さん曰く。武器には、構成要素が幾らでもあると言う。単に火や水、風に土などの属性でなく、武器にこもった製作者の思いや時を経て宿った力など様々だ。それらを組み合わせ構成する事で、戦いを有利に進める事が出来るのだ。今俺はばあさん経由の武器しか持っていないが、それでも武器特有の特性がある。いつかもっといい(SR)武器、更に良い(SSR)武器を手に入れればその幅も広がるだろう。

 現状俺は今あるちょいいい(レア)武器で頑張るしかないが、戦う二体の星晶獣の弱点属性を個別でつければ幾分か楽になる。特にティアマト、テメーは許さん。

 

「お前いい加減俺の金で勝手に買い物すんな!!」

「ヨク寝レル枕ガ欲シカッタンダッ!!」

「だからって5万ルピもする枕勝手に買うなっ!!」

 

 5万ルピの枕。信じられるだろうか。5万ルピだ。この女、己が惰眠を貪るために家主の俺に黙って且つ俺の金で勝手に5万ルピもする枕を購入しやがった。「フカフカダゾッ!」と興奮気味に枕を見せに来て値段を聞いた時俺はぶっ倒れた。今月の生活費の殆どを枕一つに使いやがった。それが星晶獣のやる事か。結果両手足を縛り、長いアイツの髪を柱に括り付けて目の前でシチューを食ってやった時の悔しそうな表情を見て幾分か気は晴れたがそれでも許せん。なおニル達3匹に罪はない。許せる。

 

「(・ω・`) ケンカヨクナイ」

 

 コロッサス、君なんでそんないい子なん? もういいよ、ティアマトは祠の本体の方帰ってコロッサスだけいてよ。

 

「祠帰ッタラ、オ菓子食ベレナイジャナイカッ!!」

「子供かっ!!」

 

 星晶獣(笑)め、世俗に染まり過ぎだ。

 なお、この言い合いの最中でも戦いの手が緩められる事は無いので、やはり俺も大概おかしくなりつつある事を実感した。大変複雑な気持ちである。

 

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 二 二度ある事は、もっとある

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 毎日毎日修行とティアマトの勝手な買い物に怒り、ニル達の世話で少し癒され、ティアマトの一切家事をやらないスタイルに怒り、コロッサスとのコミュニケーションで癒され、ティアマトとの食事ではグルメぶったティアマトのうんちくに怒り、実は酒乱だったティアマトの暴走に怒り狂い、枕に加え安眠グッズを買おうとするティアマトに怒りの奥義をぶち込む毎日が数週間続いた。

 そしてまた来た。あの嫌な感覚。圧迫するような星晶の力。

 

「あって欲しくなかった」

「嘆いたって無駄だよ。この感じ、次は水かねぇ……土の武器を揃えておきな」

 

 相変わらずばあさんは冷静そのもので、戦いに向かう俺に武器構成をすすめる。

 

「あとあんたは基本戦術とか無い脳筋だから、今回は……そうさねぇ、ビショップあたりで攻めな」

 

 珍しくばあさんからのアドバイスが多い。脳筋は余計だが。こら、ティアマト笑うな。

 ばあさんによる地獄の特訓によって、俺の武器の応用力は高くなったと思う。少なくとも、帝国の雑兵よりは断然強いはずだ。今でこそ星晶獣(笑)となったティアマトであるが、星晶獣でもトップクラスのマグナ状態の彼女やコロッサスに勝てたのだからこれぐらいは自負してもいいと思う。と言うか思わせて。そんぐらいしか今のところ修行の意義を見出せない。

 そのおかげで俺は多くのジョブを選べるようになって来た。ジョブとはファイター、ナイト、ウィザード等、剣や斧に魔法等それぞれが武器や扱う技に特化した武器と鎧などの構成だ。ジョブそれぞれに色んな特徴があるが、今回ばあさんが勧めたビショップは、中堅かそれよりも有名な騎空団にも一人は欲しいサポート系ジョブである。

 

「そろそろ純粋な殴り合いでの勝負が難しくなりそうだからね、これも修行だよ」

 

 尤もである。尤もであるが、一つ聞きたい。

 

「基本サポートジョブ構成で俺一人?」

「当然」

 

 俺は逃げた。今度はあらかじめ用意した煙幕まで使用して逃げた。フハハ、とらえきれまい、この動き。

 

「戯ケメ」

 

 瞬間、ティアマトの風で煙幕は吹き飛ばされ、晴れる煙の中から飛び出たばあさんの拳が俺の意識を刈り取った。

 あのねー、僕この後の展開知ってる。

 

「UGYAAAAAAAAAAA!!」

「うるせえっ!!」

 

 バカでかい声で目が覚めたら水色の巨大な奴がいた。竜なのか、蛇なのか、魚なのか、それともそれ以外の何かなのか。全長であればティアマト・マグナを超すかもしれない巨大な怪物は、自ら生み出した水流で俺を飲み込んだ。

 

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 三 サンサンサン、さわやかリヴァイアサン

 

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 危なかった。死ぬかと思った。死ぬかと思った事は、もう既に経験済みだが今回は、またさらに死を覚悟した。クソデカ魚類のリヴァイアサン、水を司る星晶獣。もうね、水ヤバイ。あいつ水を引っ切り無しに生み出しては操り俺を溺死させようとする。やる事は単純だが一番きつい攻撃。水の中に入る事は、既にリヴァイアサンの腹の中にいるのと同意なのだからたまったものではない。土壇場の気合で取得したザンクティンゼル泳法で乗り切れなければマジで溺死したと思う。抉るような潜り込みに弾丸の如く進む泳法は、リヴァイアサンの水流に何とか打ち勝てた。ありがとうザンクティンゼル泳法。ひとえにばあさんに鍛えられた肉体のおかげで可能だったザンクティンゼル泳法、だけどこんな目に遭ってるのは、ほかならぬばあさんのせいなのでばあさんへの感謝の念はまるで無い。

 ザンクティンゼル泳法を会得した俺に最早水攻めは効かぬ。それでも阿保みたいに固いバリアみたいなのを張るのでビショップ怒りのディスペルで解除して最終的にボコボコにしてやった。魔法?最終的には物理だよ。杖でも殴れるから良し。サポートジョブとは、なんだったのか。

 でまあ聞きましたよ。ええ、事情をね。君なんでこんなとこいんの? 結局「Guaa……」とかしか呻けないリヴァイアサンに代わりティアマト通訳再び。

 リヴァイアサンは、通常水の島アウギュステ列島におり、そこで滾々と清らかな水を生み出し人々を見守る水の星晶獣。アウギュステの水、広大なそれは海と呼ばれこんな僻地のザンクティンゼルでは、縁も無い膨大な水の広野と俺は聞いている。その海が最近とにかく汚れてたまらなかったそうだ。汚い臭い気持ち悪いの3Kそろい踏み。めっちゃイラつきテンションアゲアゲ状態の時帝国に操られたそうで。

  また帝国か。

 アウギュステ消滅の危機(帝国原因による島消滅の危機今季3度目)であったが、現れた騎空団「ジータとゆかいな仲間たち団」を率いる団長ジータによって物理で止められた。

  またジータか。

 なんだろう、ジータが活躍するに比例して俺の心労と肉体疲労が蓄積されていく。あと「ジータとゆかいな仲間たち団」は無い。いくら何でもない。自己主張どころじゃない。きっとビィあたりが必死で止めた事は、想像に難くない。あの女は、捕まえた魔物のウィンドラビットをペットにしようとして、名前を「スーパーブリリアントマサムネ三世」にしようとした前科がある。なおそのウィンドラビットは、スーパーブリリアントマサムネ三世にされる前にあまりに不憫に思った俺とビィの手で解放した。心なしか目に涙を浮かべ俺達に礼を言いながら逃げていった気がした。

 はい。さて、もうね、この時点でもう俺は、疲労困憊であるわけ。なのにもうわかっちゃうのね。次の展開。予想するより早くわかってしまいます。

 

「バアサンニ頼マレテ、買ッテオイタゾ」

 

 我が家の庭に幅10mぐらいの巨大な生け簀が設置されました。ティアマトがばあさんに頼まれまた俺の金で買った工事費込み25万ルピの生け簀。うん、もっと安いのあったと思う。一番いいのでいいと思った?君もっと買い物と言うものを覚えようか。

 中身?うんうん、中身はなんだろうなぁ~俺気になるぅ~。

 

〈水は弱酸性で頼む〉

「こいつ、脳内に直接……っ」

 

 知ってた(覚り)。

 生け簀で悠々と泳ぐサイズダウンの省エネモードリヴァイアサン。図々しくも水の水質の注文をしてきた。しかも発声器官がないため念話で。むだに星晶獣っぽいことしやがって。水槽に入った星晶獣なんてもう(笑)だよ。星晶獣ならぬ水槽獣ってか、馬鹿野郎。お前ティアマトと同類だ。ちくしょう、いいじゃねえかどうでも。水なんてみんな一緒だよ。

 

〈我は敏感肌だ〉

「3枚におろすぞてめー」

 

 もう自分で調整しろよ水出せんだろお前。

 案の定リヴァイアサンは、ばあさん依頼での俺の監視兼修行要員であった。「これで三属性の攻撃への特訓ができるよ」とばあさんは満足げだが勘弁してほしい。ティアマトとコロッサスに加えリヴァイアサンの攻撃が入り混じる特訓をする事になるのだから。

 

「(´・ω・`)ダイジョウブ?」

 

 ほんとコロッサスは癒しやで。

 

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 四 風の噂は、ろくでもねえ

 

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 ザンクティンゼルに噂が流れてきた。月に何度あるかわからない行商の船が立ち寄り商人達から聞いた噂。

 

「なんでも、「ジータとゆかいな仲間たち団」とか言う新興の騎空団がえらい活躍しとるとよ。聞いた話じゃここ出身とか言うじゃねえか」

「名前はともかく、とにかくすげー活躍ぶりなのよ」

「おう、名前はともかくどんな星晶獣にも負けないとさ、名前はともかく」

「仲間も少数だが全員が凄腕。特に団長のジータは、一人であらゆる武器を扱って手のつけられない強さってな。名前はともかく」

 

 名前はともかく。

 ジータの活躍は、空に轟き始めたようだ。知ってるけどな。ティアマト始めリヴァイアサンの暴走まで止めたのだ。当事者から聞いたのだから間違いない。その活躍と同時に俺の命の危機が増えていくが。

 同時に壊滅的な彼女のネーミングセンスも広まりつつあった。きっと彼女は満足げだろうが他の団員のなんとも言えない表情も全空に広まってるだろう。たとえどんな凄腕でも噂される度「あの、ジータとゆかいな仲間たち団の」と頭についてしまうのだから当然だろう。

 

〈あんな酷い名前の団は、我も初めて聞いた〉

 

 湯に浸かるように優雅なリヴァイアサンがしみじみと言う。皆さん、庭の生け簀でくつろぐ星晶獣(笑)が見れるのは家だけですよ。

 そしてただ飯を食らわせる気は俺にはない。ただでさえティアマトの浪費癖が酷いので無理やりこいつら全員には、家事をやらせないと気がすまない。おうおうおう、働かないと無理やり祠にぶち込むからな。

 特に洗濯だ。リヴァイアサンの水流で衣類の汚れを吹き飛ばし、ティアマトの風で脱水、乾燥、コロッサスの熱い篭手でアイロンをする。なんだよ、なんだよこいつら便利すぎ。一家に一体星晶獣かよ。

  とにかくティアマトが嫌がるが菓子を没収するとしぶしぶ働くのでいよいよ子供みたいだ。リヴァイアサンもなんとなく嫌がったが、光属性武器で雷の力を持つナイフを水槽に入れたら言う事を聞いた。コロッサス?二つ返事で手伝ってくれました。おう、他の星晶獣(笑)、コロッサス見習えよ。

 

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 五 巨女、再び

 

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 麗かな午後。相変わらずばあさんの修行に悲鳴をあげティアマト達の3体の星晶獣から攻撃を受け必死に攻撃をかわしては、反撃してを繰り返すを行っていた時。

 

「おや、次が来たねぇ」

 

 皆が動きを止めた。

 

「コレハ、アイツダナ」

〈ああ、あいつだ〉

「(-ω- )ウン」

 

 どうやら皆この気配を知っているようだった。

 

「オイ、アイツハ、土ノ星晶獣ダ」

 

 まえのばあさんに続いて、ティアマトが珍しくまともなアドバイスをしてきた。驚きである。

 

「ダカラコレヲ使エ」

 

 ティアマト、と言うかニルが口に一振りの剣を差し出してきた。鍔近くの刃に鋭い返しがついた紫の剣。その意匠には、凄い見覚えがあった。

 

「え、これティアマトプレゼンツ?」

 

 ぶっちゃけティアマトの従えるニル達を剣にしたような姿だった。

 

「私ノ加護ヲ与エタカラ私ノ技モ使エル。今マデノニ比ベレバ遥カニ良イ武器ダ。役ニタツダロウ」

 

 ちょっと、ちょっと信じられます?あの、あの惰眠を貪り人の食料を勝手に食い、人の金で勝手に買い物をするあのティアマトがまるで威厳のある星晶獣みたいな事言ってますよ。ちょっとコレは、認識を改める必要があるかもしれない。

 

「相応ノ鍛冶家ニ頼ンダ。ソノ剣ヲ創ルノニカカッタ費用ハ、オ前ノ金カラ引イトイタカラナ」

「ぶっとばすぞてめー」

 

 やはり(笑)だった。

 まってまって、この剣幾らかかかったの?普通のやちょい良いのなら、安くて100か良くてまあ4、5000ルピで買えるよね?

 

「私ノ加護ヲ受ケルニ相応シイ剣デナケレバナラナイ。一カラ創ルヨウニ依頼シタ。シメテ12万ルピダ」

 

 クレイジー。

 

「もうやだ、俺帰るっ!!」

 

 俺の金勝手に使われてまで戦いたくない!やだやだ、俺もうやだ!!

 

「無駄だよ、無駄無駄」

「くそうっ!!食らえババア、怒りのドライブバーストッ!!」

「甘いよ坊主ッ!!」

「ぽへぇっ!?」

 

 逃走経路に立ちふさがるばあさんに我が怒り込めた斬撃を繰り出すがあっけなく躱されてしまい頚動脈辺りをクニッとされ俺の意識が途絶えた。知ってます。この展開、4度目。

 

「――――ッ!!」

「何言ってるか、わからねえ」

 

 コロッサスと同じ反応をしてしまう。

 目が覚めたら目の前にでかい女がいた。フワフワスカートをはいた耳鳴りみたいな声を出す女の星晶獣だった。

 

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 六 ユーグユッグユッグ ユッグドラッシル

 

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 強い。この女、土の星晶獣ユグドラシル強い。まあ勝ったがね。

 我が家の星晶獣の面子と比べても若い少女の容姿をした彼女だが、俺たちが暮らす島、即ち土を司る力は、尋常ではない。リヴァイアサンの時もそうだが、生き物が無意識に、そしてもっとも必要とする自然の物を司る者達は、強すぎる。まあ勝ったがね。

 大地をうねらせ盛り上がり襲い掛かる土の槍。吹き飛ばされたりしながらも戦うが、このユグドラシル草や木まで操れるときたもんだ。森の木々が俺を囲い襲いだしたのには、大変参った。まあ勝ったがね。

 やってられんので火属性のナイフで焼ききって、がむしゃらに突貫して、武器で焼ききって、突貫して、焼ききって、適当にティアマト剣(仮)を取り出し今必殺のエリアルクラスターで撃破。ボコボコにした。それでも俺の体もボロボロで帰ってからは、エリクシールハーフのお世話になった。まあ、勝ったがね。

 しかも今回俺が家に帰るともうユグドラシル居ました。展開速いね。と言うかなんかマグナ状態より縮んで衣装も大人しくなったユグドラシルが家で菓子食ってんの。ティアマトに薦められた?あいつ居候と言う立場をわからせてやる必要があるな。

 はい、それでこれも恒例のね。事情を聞いてみようのコーナー。

 彼女の場合ちょっと今までと事情が異なる。まあ大凡は、同じのようだが。帝国関係の奴が彼女の普段眠るルーマシー群島でシャレにならない悪戯して目が覚めて寝起き悪くて暴走して丁度いたジータの手で再び眠りにつかされた。けど眠りが浅いのか、今でもちょっと暴走気味でこっちのマグナも影響を受けたそうだ。低血圧かな?

 

「―――……」

 

 彼女は、基本しゃべらない。コロッサスのように奇天烈コミュニケーションも無ければ、ティアマトのように片言でなく、リヴァイアサンのように念話でもない。不快ではない耳鳴りの様な音を鳴らしているだけだが、それでも何故か彼女の意思はわかる。なんだろう、一番星晶獣っぽい。

  そしてえらい申し訳なさそうな表情で落ち込んでいる。暴走気味のまま俺を襲った事を悪く思っているようだ。「ソウ落チ込ムナヨ」とティアマトが彼女の口元にクッキーを運ぶと、申し訳ない顔でポリポリ食べている。まてまて、なにそれ可愛い。ちょっと俺にもやらせて。

 

「これもあげよう」

「―――」

 

 スティック状のチョコ付きビスケットを差し出す。

 

「――――――♪」

「そうかそうか、もっと食うといいぞ」

 

 お気に召したようなのでクッキーやらビスケットやら出す。喜べ俺、コロッサスに続く癒し枠だぞ。やったぞ俺。

 

「オイ、私ト扱イガチガウゾ」

「星晶獣(笑)は、黙っててくれませんかねえ」

「ヨーシ、表出ロ」

 

 本日第2ラウンド開催であった。

 

 ■

 

 七 家を作るなら、星晶獣(笑)のいない癒し系コロッサスとユグドラシルのいる家にしたいのであります。

 

 ■

 

 我が家のゆるキャラ星晶獣(笑)が4体になった。

 いい加減家のキャパシティーどころではない、家の中にティアマトとニル達3匹のチビ達。庭に生け簀にコロッサス。そしてユグドラシル。幾らなんでももう無理だ。だがユグドラシルを家の外に出すわけには行かない(使命感)。ならニル達だけ残してティアマトだけ追い出そうと思った。

 

「フザケンナ」

 

 却下された。

 しかし拡張するにも金がない。なんでないってそりゃもう言うまでもなくティアマトのせいである。枕の5万に始まり生け簀の25万、ティアマト剣(仮)の12万、その他勝手に注文したり盗み食いでの食費などで込々彼女だけで50万以上飛んだ。一人暮らしでほぼほぼ自給自足のキハイゼル村のためにそれなりの貯金があったはずが、どんどん溶ける。こうなるといくら自給自足可能な自然の村でも家を工事する金どころか、しばらく生活も危うい。

 

「――――!」

「お、おい?」

 

 俺の金への執念を感じ取ったのかユグドラシルがなにか決心をしたようで唐突に家を飛び出した。待つんだユグドラシル、癒し枠のお前を外に追い出すわけにはいかないっ!!

 

「ダカラ、対応ガ違ウ!!」

 

 うるさい、(笑)!!

 ユグドラシルを追いかけるとすぐ外で彼女は、なにか唸りを上げて両手を掲げていた。

 

「――――――ッ!!」

 

 彼女が雄たけびを上げるともりもり俺の家が建つ敷地が盛り上がる。するとどう言う事か、俺の家を取り囲むようにして大木が生えてきてグングン育つではないか。しかもそのままその大木は、形を蛇の様な動きで形を変えついにそこには、100%自然素材で出来たメイド・イン・ユグドラシルのログハウスが我が家を咥え込むようにして出来たではないか。

 なんということでしょう。あれほど星晶獣(笑)のせいで狭く住み辛かった我が住まいが匠の手で立派なお家になったではありませんか。

 

「―――♪」

 

 ユグドラシルが少し誇らしげに俺を見る。

 

「星晶の力の使い方、ナイスだね!」

 

 サムズアップ。

 ユグドラシルが来た事で我が家は、予想しなかったリフォームが行われたのだった。

 

 

 




ティアマトの扱いが酷いようですが、ストーリー初期での星晶獣だとティアマトが好きすぎてこんな(笑)になってしまいました。ティアマトファンの皆様ごめんんさい。きっともう手遅れです。

スーパーブリリアントマサムネ三世は、ブリリアント太郎マサムネの予定でしたが、この世界観に「太郎」が遭わないので断念しました。くやしいです。

ユーッグユッグユッグ ユッグドラッシル。大きなカメラのCMに乗って口ずさもう

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