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一 団長ガロンゾ帰還より数週間後。ある記者の手記、および作成された記事より
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「ええ? 取材って、俺を……ですか?」
彼は意外そうに驚いていた。彼は我々が今回注目した人物。極めて控えめな印象を抱く少年。【星晶戦隊マグナシックスとB・ビィくんマン&均衡少女ZOY】の団長であった。
星晶戦隊(以下略)、その名が広まりだしたのは最近であるが、しかしこの名を知らぬ者は居ないのではないだろうか? それ程にこの騎空団は異質とも言えた。
知らぬ者は居ない、と書いたがしかし基本情報を載せるのであれば、この騎空団はあまりに強く、そして多くの騒動の中心にいるとされ、その主要メンバーが星晶獣であると言う事だ。更に付け加えるならば、彼らより先に活動を始め名を轟かせた騎空団【ジータと愉快な仲間たち団】の団長と友好的な関係にあると言う事だろう。それだけでどれ程この騎空団が異質かお分かりいただけるのではないだろうか。
今その騎空団の団長である少年は、とある事情から我々の住まうガロンゾへと訪れ、さらに驚いた事にそこで大工に弟子入りを果たしている。
その不思議な噂を聞いた我々は、さっそく彼に取材の申し込みを行った。
「いや、取材ったって……俺なんか取材しても面白くないですよ」
そう話す団長であったが、今彼らの特集を組めば【ジータと愉快な仲間たち団】の特集と並んで“ハズレは無し”と同業者の間では言われている。勿論、特集を組めれば……であるが。
だが幸いに我々ガロンゾ島の小さな新聞社にも好機が訪れた。取材するにも追いつくのも一苦労、しかし下手に近づけば星晶獣との戦いに巻き込まれると言われる彼らがガロンゾにいるのだ。これを逃す手はない。
星晶獣との戦いに巻き込まれる、と言うのは眉唾にとらえていたが、しかし実際彼は少し前に星晶獣に攫われ九日も姿を消している。それもあって取材を申し込むのに時間がかかった。どうやら星晶獣を引き寄せると言う稀有な体質の噂は真実らしい。
我々は熱心な交渉の末、ついに取材許可を得た。
「いやぁ~俺なんか特集してもねぇ。いや、まあいい感じに書いてくれれば、まあね、まあ……うん、嬉しいと言えば嬉しいけど、そりゃあね? まあそこら辺、良い感じに、ね?」
取材の了承を得た時、彼は我々取材班を緊張した様子で見ていた。短期間で幾つもの修羅場をくぐり、星晶獣を相手に何度も戦ったと言うが、しかしまだ年若い少年らしさを感じ取れた。その様子に我々取材陣は、ある種の安堵感を得た。
我々が住まうガロンゾにも島と契約した星晶獣ミスラがいるが、その存在は神そのものである。彼の存在失くして、このガロンゾは成り立たないだろう。
そんな存在と戦えると言う彼の事を噂で聞いていたので、こちらこそ緊張したものだがそれは憂いであったようだ。噂を鵜呑みにするならば、なんとも恐ろしい屈強な男を想像したものだが、しかし目の前に居たのは極めて控えめな少年だ。これは嬉しい誤算と言えよう。
後日よくよく噂を整理すれば、“恐ろしく強い集団に混ざる極めて控えめな印象の少年”の話も多々あり、その類の噂は信ぴょう性が高いと思えた。確かに彼は、極めて控えめな印象を抱かせる。また彼に関しての噂はそれに以外にも色んな噂があるが、列挙しだせば切りがないため何時か機会がある時にしたい。
さっそく次の日から取材は開始された。
まず記事にできる範囲で説明するならば、団長が船大工に弟子入りしその腕を振るっている理由は、彼が彼自身の騎空艇を修理するためとの事だ。
「まあ……面倒な事がちょっと前にありましてね。面倒な事態が面倒な方向に転がって、面倒な集団が出てきて、面倒な集団が面倒な星晶獣を出してきて、その面倒な星晶獣の相手をしてたら、最終的に面倒な結果が残ったんです」
まるで要領を得ない説明であったが、星晶獣との戦いが多いとされるこの騎空団の事を考えれば全てを聞かずとも納得も出来る。激戦多き騎空団であれば、騎空艇もまた修羅場をくぐり翼が折れる事もあろう。
しかし彼はその折れた翼を再び羽ばたかせようと奮闘している。
「まあウチの騎空艇、エンゼラは家みたいなもんですから。今更新品買う気も無いですし、今後の事考えると造り直した方が良いってアドバイスも貰ったんで……あとうちの面子に耐えれる騎空艇の新品買うと、お金が……うーん」
最後の方はあまり聞き取れなかったが、彼の騎空艇への愛情と取れる想いが感じられた。
その後彼は黙々と騎空艇“エンゼラ”の修理を始めた。
ガロンゾに住む者にとってなじみ深い騎空艇の建造過程。だがこの現場は何かが違うと我々は感じた。
――人が多いのだ
場所はガロンゾの誇る巨大船渠である中央船渠。人が多いのは当然であるが、今回は訳が違った。一隻の騎空艇を修理するために集まるにしては人が多すぎる。不思議に思っていたが、ある事に気が付く。エンゼラの改修現場に複数の船大工の組が来ていたのだ。
一隻の騎空艇にこれ程複数の組が関わるのは珍しい。その真相を聞きに我々は総指揮を執っている人物を訪ねる。
「そりゃあ通常こんな新造レベルの改修数年単位で組み上げ完成させるさ。早くて一年、二年ってところだ。だが今回はあらゆる事が例外だ」
そう語るのはエンゼラの改修を担当する組の親方であった。彼は続けて語る。
「今回の艇の改修では、星晶獣の力が大きい。この艇、エンゼラを組み上げるためにこの場には二人の星晶獣がいる。一人は……ほれ、そこで方々指示出してる小僧さ。艇造りの星晶獣ノア。見た目は小僧だがすげえよな」
この場に似合わない華奢で色白の少年。見た目からは想像もできないが、彼もまたミスラと同じ星晶獣。名は星晶獣ノア、彼は的確に大工達へ指示を出していた。
本当に星晶獣を騎空団の仲間にしていたのか! 取材班のメンバーは湧き上がったが、直ぐに親方に「違う」と言われた。彼は星晶獣であるが、親方の知り合いだったのだ。
「初めて出会ったのは、前に【ジータと愉快な仲間たち団】って騎空団が来た時だったが……いや、もしかしたらもっと以前にも出会ってたのかも知れねえ。艇に関わるなら、どこかで……。なんにしても、ジータって団長さんが切欠で出会ったのさ。以降こんな感じでたまに手伝いに来たりする。あいつが居るだけで作業効率は格段に上がるのさ」
艇造りの星晶獣と言っても、無から騎空艇を生み出すわけではない。彼とて独りでは何も出来ないが、しかし今ここには必要な物と人が全て揃っている。ノア氏の実力は十二分に発揮されている。そう親方は語る。
「それであっち、あのユグドラシルって嬢ちゃんが坊主の仲間の星晶獣な。あの嬢ちゃんが居なけりゃ、そもそもこの作業は始まらなかった」
次に親方が指さした方向に視線を向ければ、屈強な大工達の中にノア氏以上に目立つ存在が居た。“可憐”と言う言葉が似合うその少女は、ユグドラシルと言う星晶獣だった。
まさか彼女も星晶獣とは……そう思わずにはいられない。眩しい笑顔を振りまく彼女は、それだけで美しい。だからであろう、船大工達も傍を通る度彼女に挨拶をした。すると文字通り“鈴の音の様な声”と共に彼女は笑顔を向けてくれる。そうすると船大工達は喜び仕事へと向かった。
男ばかりの仕事場に咲いた一輪の花、まさに彼女は今この作業現場のアイドルだった。
「現を抜かされると困るが、あれで士気上がってるからな。まあ花も必要だろ」
親方の言うように彼女の笑みを受けた者達は、非常にやる気に満ちていた。元より島内外で“仕事一徹”のイメージがあり事実その通りの職人達であるが、そんな彼らが更にやる気に満ちて働くと言うのだから、いっそ恐ろしいとも言える。
だが彼女の美しさだけでこれ程の人数が集まるのか? いやそもそも、彼女は何をするためにこの場に居るのか? そんな疑問を口にする前に答えは訪れた。
笑顔を浮かべるばかりであった彼女が、ふと我々に顔を向けると“見ててくれ”と言うように頷きそして両手を広げ掲げた。何をするのかと思ったが、次の瞬間彼女の脚元からひょっこりとカワイイ木の芽が生えだした。我々はギョッと驚き呆然とするが、彼女は更に気合を入れるとそれは一気に成長しだす。うわぁっ! と取材班の一人が声を上げた。それはみるみる成長して、あっと言う間に一本の成熟した木となったのだ。
「――――!」
ふんすっ! と、彼女は胸を張った。まるで子供が親に褒めて貰いたい様にする姿に心奪われる。仕事の疲れや仕事柄不摂生になる生活でのストレスが吹き飛ぶかのようだった。
そう和んでいる間に彼女の生み出した木は男達の手で運ばれた。聞けば船の材料として加工するらしい。それを聞いて我々は驚くばかりだった。しかもその後も彼女は、生み出した木や蔦を器用に動かし、形を整え船大工達の指示に従い騎空艇のパーツを繋げたりと活躍する。
その活躍を見て“なるほど”と、ここで合点がいった。多くの船大工達が集まる理由は彼女と彼女の生み出す木や術だったのだ。
「星晶獣の生み出した木材が使えるって話を聞いて、他の組なんかからも“手伝うから触らせろ”って人手が集まりだしてる。あいつら暇なはずねえのに態々来るんだよ。まあ気持ちはわかるさ、俺だって逆の立場ならそうしたさ」
船大工達は新しい技術に目がない。日夜新型騎空艇を造る事に奮闘するならば、星晶獣が生み出す木材と聞いて興奮しないと言う方が嘘であろう。そんな男達が何かと理由を付けて集まった。それが答えだったのだ。改めて星晶獣の力の凄さを目の当たりにし、ただ可憐であるだけではない彼女に畏怖の念を抱いた。
またそれによって彼女もまた助かってるらしい。船大工達からその仕事のいろはを学び、彼女自身の力で材木の加工等を出来るよう奮闘している。
だが別に彼女はノア氏のように艇造りの星晶獣と言うわけでは無い。そこである質問をした。
この仕事にやりがいを感じているのですか? そう聞くと、彼女は勿論と答えた。
「――――!」
彼女の声は正しく鈴の音の様な綺麗な音色そのもの。我々が話すような言葉ではない。だが不思議とその意味はわかる。念のため本人に確認を取りながら文章に起こさせてもらった。
彼女は今の騎空団が大好きなのだと言う。楽しい仲間と楽しい旅が出来る事が嬉しいと。そしてその旅で無くてはならなかったのが、騎空艇エンゼラであった。そのエンゼラが壊れた時、自分の力を使って修理する事も提案されたが、結局それは叶わず何もできなかったらしい。その事がとても悔しかった。だから今こうやってエンゼラを直す仕事に関われる事が嬉しいと言う。
何て素晴らしい、いや、なんと美しい心を持った星晶獣なのだろうか。取材班の中には、その穢れの無い心に触れ感動のあまり彼女を拝み出す者もあらわれた。
星晶獣なので拝むのもあながち間違いでは無く、そしてその気持ちもわかる。
団長にも後ほど話を聞くと、彼女の存在は団内でも非常に助かっていると言う。
「癒しですね。癖の強い団員が多い中で、彼女の様な存在は貴重です」
仲間にしようと直ぐに思ったのですか?
「直ぐに、と言うかうちの星晶獣達は仲間になる経緯が滅茶苦茶で……ただユグドラシルが仲間になる事に迷いはありませんでした。彼女だけではありませんが、癒しになる人が仲間になるのは決して悪い事ではありません」
なるほど、“癒し”があの騎空団での活動で欠かせないと。
「はい」
そう答える彼の表情は真剣だった。この若さで団員をまとめると言う苦労多い団長の身、色々とストレスも多い事だろう。
我々は彼だけでなく、他の人達にも彼女の評価を聞いてみた。
「ユグドラシルかい? 勿論助かってるよ。親方さんも言ったように、今回の改修は彼女ありきだからね。僕も艇造りの星晶獣としてやる気が出ると言うものさ」
「星晶獣の力を借りての仕事は何度も出来る事じゃねえ。これほど規模ならなおさらだ。同じ状況は二度はない、恐らくは今回限りの仕事になる。貴重な体験さ、しっかり仕事させてもらうぜ」
「ユグドラシルは……時間があれば遊んでくれる……ルーマシーの森でも遊んでくれた……」
「良い子だよねぇ~。可愛いし団長君羨ましいよほんと。ところでここに猫のぬいぐるみ持った女の子来なかった?」
「呑気に答えてるんじゃないっ!」
「いったぁっ!?」
話を聞いた全ての人々は彼女の事をべた褒めだった。
また通りすがりの少女とコメディアンらしきコンビも彼女の事を知っていたらしく話を聞けた。大工達だけでなく、多くの人に好かれている事がうかがえる。
最後に彼女自身にエンゼラ改修に向けての意気込みを聞いてみた。
「――――!!」
“当然、あらゆる困難に立ち向かい仲間を護れる騎空艇にする事”、そう彼女は答えた。そして更に付け加える。
“仲間を護れると言う事は、その騎空艇も護れなければいけない。艇が無事であれば、仲間も無事であるのだから。空に住まい、空で生きる上で騎空艇は単なる移動手段では無く、もう一つの家として考えなければならない。それが星晶獣として、一つの土地で過ごすだけだった自分が旅に出て学んだ事の一つ。そしてその学んだ事を実践していきたい。自分にはそれが出来る術がある。これが仲間と艇を護る事に使えるなら、そうしていきたい”と。
今回の取材を通して、我々は雲の上の存在と思っていた星晶獣と言う存在の意外な一面を見る事が出来た。
崇められる神、悪戯に起きる天災の如き存在。あらゆる側面を持つ星晶獣であるが、しかし存外我々と星晶獣は深くわかり合えるのかもしれない。そんな希望を抱かせる取材であった。
なお、このメモの追記として書くが……今回の取材で当初の予定の団長氏の特集であったが、ほぼ取材の資料が星晶獣の彼女、ユグドラシルの事で埋まってしまった。再度取材は難しく彼にはそれとなく……記事内容が少し、ほんの少し変わる事を伝え取材料を多めに出す事にする。
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二 以上、記者手記と『取材班は見た!! 中央船渠に可憐な星晶獣!? その美しさはミドガルド級!!』(ガロンゾ島某新聞社発行紙)より抜粋
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「おいおいおいおい」
ある夕刊を読み、そして机において思わずうろたえる。
なんか俺までエンゼラ改修の仕事に混ざる事になり、エンゼラの完成の目途がたち出した頃。ガロンゾのローカル新聞を発行する新聞社から取材をしたいと言う話が来た。お金も出ると言う話だったので、まあいいかと思って取材を受けた。
そして更に日数が経ち、本日大工仕事の休みをもらいのんびり過ごし宿で夕食をとっていたら、食堂に俺が受けた取材の記事が載った夕刊が既に置かれたので、皆で読むかと手に取って広げたらこれである。
「俺の特集は?」
「これやろ」
「いや、特集……」
「ユグドラシルの?」
「俺のっ!!」
「ちゃんと出番あったやん」
「あったけども! これもう完全ユグドラシルの特集じゃん! まずタイトルに俺の存在無いよね!?」
予想外の記事内容に頭を抱える。そんな俺を見てカルテイラさんは、あははと笑っていた。
「取材受ける話聞いた時からこんな予感したわ。まあ元気だし、取材料も予定より多く貰ったんやろ?」
「そりゃ貰いましたけどお~……ああ、そうか。お金貰う時あの人達なんか申し訳なさそうだったのこう言う事か……」
取材陣の責任者が「記事の構成が少し変わりました」とえらくすまなそうに言いつつ、俺にお金を渡して来たあの時の顔。あの時は何も思わなかったが、記事が少しどころか大幅に変わった事を悪く思ったのか。
「言ってくれよぉ……」
「団長の出番もあるし、一応団長の取材って言う所は嘘じゃないから言わなかったのかもねー」
カルバさんの言うように俺の出番はある。だがあわよくば俺の本当の真面目な姿を特集してもらい、それによって空に広がりつつある碌でも無い噂を払拭しようと考えたのだが当てが外れた。
「あとこの“極めて控えめな印象”ってなんだよ!?」
「言葉を選んだのだな」
「選ぶ必要ないよね、別に控えめな印象だけでいいよね、極めてとかいらないよねっ!? しかも何度も出て来るよこのフレーズ! お気に入りか!?」
「ある意味印象は残ってるぞ」
「印象が薄いと言う印象がなっ!! ちくせうっ!!」
頷きながら呟くシュヴァリエの言葉。まったく同意したくないぞこの野郎め。
「あはっ。団長さん、今とっても困った顔してるね」
「あっ!? また人の困った顔を肴にしてるな!」
「ふふふ、これはお酒でなくココアだけどね」
甘いココアを飲みながらフィラソピラさんは言う。
「ちくせう、何故にこんな事に……」
「相棒がのせられて取材OKしたからだろ」
「のせられたとか言うな!」
「目立つの嫌うくせに、特集を組みますって煽てられながら言われて調子に乗ったんだろどうせ」
「……ち、ちがうよ?」
「相変ワラズ、チョロイナァオ前ハ」
「ちょろい言うなっ!?」
あとお前さっき記事呼んでゲラゲラ笑ってたなティアマトこの野郎。くそう、許さぬ。
「団長、読んだなら次見せてよ」
「あ、うん」
プリプリ怒っているとマリーちゃんに急かされ新聞を渡す。すると彼女はスラスラと素早く記事を読んだ。
「ふーん? けど内容自体は良いんじゃない?」
そう、内容は悪くないのだ。むしろユグドラシルの特集として見るとむしろ良い。島のローカル新聞であるが、かなり作り込まれている。しかも“写真”入り。新聞にはセピア調で印刷され、微笑みを読者へと向けるユグドラシルの写真が載っていた。
「ほーう? これが写真か。なるほどこりゃ面白いな」
当然写真は覇空戦争時代には無い技術だ。だからかカリおっさんが印刷されたユグドラシルの姿を興味深そうに見ていた。
「カメラって機械で撮ったものを、そっくりそのまま印刷出来るんだな?」
「らしいっすね」
「いいじゃねえか。欲しいな」
「なんでさ?」
「オレ様のカワイイ姿を残す手段の一つにするんだよ」
またかこの人は。ほんと自分大好きだな。
「鏡でも見てればいいでしょうに」
「それはそれだ。写真なら色んな衣装の姿を一枚ごとに残せる。一々着替えなくて済むから楽だぜ」
「あっそ……」
「だからぁ~団長さん?」
「はい?」
「カリオストロ~、カメラ一台買って欲しいなぁ~☆」
「駄目です」
「即答かよ」
当たり前だ馬鹿野郎、見た目美少女め。
「ぶーっ☆ 買ってくれたらカリオストロの写真特別に団長さんに上げるのにぃ~!」
「いらんよそんなもん」
「そんなもんとはなんだっ!?」
「大体いくらすると思ってんだ。写真印刷だって最近出て来た技術だぞ。カメラだって取材の時初めて見たんだからな俺」
「報道関係者が主に使っているものだね。リュミエール聖国でも騎士団広報で導入するか議題に上がる事があるよ」
「一応帝国でも軍で実用化されてますが、高価ですのでまだ一般に普及していると言う物では無いかと……」
コーデリアさんとユーリ君が言うように、カメラを個人で持つのはまだまだ稀だ。結構最近の技術だからな。新聞社の様な報道関係者でも全てが持っているわけじゃないし、そもそも商品として流通してるのを見た事がない。個人で所有してるとしたら、それは余程のマニアかなにかだ。
「ちっ! ならしょうがねえか。その内ポーション売った金で買う」
「そうしなさい」
個人の楽しみは個人で稼いだ金で買う。俺の金で買おうなんて言語道断なのだ。
「んにゃ? ところで団長きゅんは、写真撮られてなかったのかにゃ?」
「……ここ」
「にゃ?」
写真はユグドラシルの一枚のみ。不思議に思ったラムレッダだったが、俺がその写真の隅を指さすと、彼女だけでなく他の面々もジッと目を凝らして確認した。
「にゃぁ~……も、もしや、この後姿が?」
「うん」
「この……材木を運んでて顔の隠れた後姿が?」
「うん」
俺である。それが俺である。その上半身だけ写り込んで、肩に材木担いで移動してる顔の隠れた後姿の男が俺だ。以上、俺の写真終わり。
「あははっ! んはっ! こ、これは残ね……ぶはっ!? あはっ! はあぁ――――ッ!! あ、あまり、気を落とさ……ぶふうっ! ふ、ふふっ!?」
「うーん、悪気無いのは分かるけどむかつくぞーう」
「ご、ごめ……あひひっ! あはーっ!」
相変わらず常時発作気味のルドミリアさん。気を遣おうとしてるのはわかるが、発作のせいでもう無茶苦茶である。
「んもぉ~……そりゃねえぜって感じだわ、んもぉ」
「ミミミンッ?」
「うむぅ……ミスラ旋毛で回るな、くすぐったいから……」
深いため息を吐いていたら頭部でクルクルする歯車がいた。省エネミスラである。ホニャホニャ髪が舞い上がってむずがゆい。
「相棒を慰めてくれてんだよ」
「わかってるよ。ありがとな、別にそこまで気にしてないから。だから旋毛はやめい」
「ミーン!」
納得したのかミスラはクルクル頭から退くとフラフラと俺の周りを漂っていた。ガロンゾに戻ってからと言うもの、ミスラは俺の周りを漂いながら偶に頭頂部でクルクルしてる。どうも気に入られてしまったらしい。
「それに、ユグドラシルの特集として出来も良いしな。これ以上もう言う気も無いよ」
新聞はクロエちゃん達の手に渡り、女性達で盛上っていた。
「ユグユグちょ~写真映りぃぃじゃぁ~んっ! ゃば、めちゃかゎ~っ!(。≧∀≦)ノノ」
「ちょっとぎこちなさが残ってるのがまた初々しいわぁ」
「――――!」
「ケケッ! 照れてるのかぁ~? そんなところもラブリィ~だぜぇ~!」
「――!!」
ユグドラシルが女性陣にナデナデわちゃわちゃされていた。写真と言う物をよく理解していなかったのか、ユグドラシルは新聞に載っている自分を見て非常に驚き照れてしまっていた。
はぁーカワイイ・オブ・カワイイですわ。不満も怒りも消え去ったね。
「そうやって可愛い何か見てスッキリする所がちょろいんだぞ相棒」
「聞こえんな」
「ところで団長殿。この……後半のインタビューの三人って」
シャルロッテさんがインタビューに答える通りすがりについて尋ねる。まあ考えるまでも無いだろう。
「あんま触れない様にしてたけど、まああの三人でしょう」
「やはり……」
『あちらもあちらで、毎度大変そうだな』
なんかガロンゾ帰って来てから「帝国戦艦がしょっちゅう騒がしい」とか「女の子が帝国兵と鬼ごっこしてるのを見た」と言う噂を聞いてはいたが、最近ではかなり脱走の技術が上がったようだ。
「来た……」
「ぁっ! オルオルばんゎーっ!」
「ばんわー……」
「オウ、モウ注文シテオイタゾ。ハンバーグステーキ大盛ダナ」
「ありがとう……」
そうこのように夕食時俺達の所に来てクロエちゃんと挨拶を交わして席に着き、ティアマトなりが既に彼女の注文を済ませておくのが当たり前になりつつある程度である。いやー自然自然!
「限度があるわっ!!」
「お兄さん……高血圧?」
「ちゃうわい!」
また来たよこのお嬢ちゃんは。何度目だよガロンゾ帰ってから!
「オルキスちゃんまた脱走したの!? 俺警備厳重になったって聞いたよ!?」
「うん……手強かった……けど、まだ甘い……」
「手練れみたいな事言ってるよこの子! どうしてこうなった!?」
『やはりジータとお前の影響か』
「俺を混ぜるな、俺を!」
リヴァイアサンの言うようにジータの影響はあるだろうが、俺がどんな影響を与えたと言うのか。万が一それが本当だと俺はまた黒騎士さんに小言を言われてしまうのだから勘弁して欲しい。
「と言うかマジで脱走じゃなくてだね……君が脱走して来ると、最近じゃあもう間違いなく」
「おい」
「そうこうやって黒騎士さんが……うおおおっ!?」
後方に現れた気配、同時に殺気。咄嗟にフォークを二本掴み上げると、強烈な衝撃と金属がぶつかり合う音が食堂に響いた。
恐る恐る視線を上に上げると、フォークの隙間にガッチリ挟まりキラリと光る刃が俺の頭上にあった。
「きょ、今日はお早いですね……」
「……」
「……アポロ」
笑み一つ浮かべず、刃を振り下ろした人物。兜のスリット越しでもわかる。黒騎士さんは疲れた目で俺を見ていた。
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三 艇の完成まで会わないだろうとキッパリ言ったのに…… スマンありゃウソだった
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おい、の一言と共に大剣を振り下ろされた俺。そして振り下ろしたのはオルキスちゃんの保護者黒騎士。
食堂内での唐突な抜刀であったために、一時騒然となったのだが店員とお客揃って俺と黒騎士さんを見るや「やっぱりあの二人だ」「仲いいねえ」「程ほどにしとけよぉー」と非常に緩い反応であった。解せぬ。
「貴様……フォークで受け止めるか」
「わは……ははは。て、手加減してくれたから、かなぁ?」
「そうかそうか、私は両断するつもりだったがな」
「ま、またまたぁ……」
「……」
黙られてしまった。恐ろしいので何か喋って欲しい。
「ま、まあお座りになられたら……」
「……人形は?」
「あー……」
「お待たせしましたぁー! ハンバーグステーキ大盛り、お待たせお嬢ちゃん!」
「ん……ありがとう……」
そこに、と言おうとすると現れたあのテンション高い店員によって運ばれてきたハンバーグステーキ大盛り。そして静かにテンションを上げるオルキスちゃん。
「……見ての通り今料理が来てまして」
「ちっ!」
「ひえっ!!」
黒騎士さんは強く舌打ちをすると、オルキスちゃんを睨む。マジ舌打ちだけでも怖いなこの人。
一方オルキスちゃんは特に怯えていない。熱々で肉汁溢れるハンバーグステーキ大盛が楽しみで気になっていないようだ。黒騎士さんはプルプルと震えていたが、諦めた様に俺が隣に用意した席に座った。
「……食ったら帰るぞ」
「ん……」
既に両手にナイフとフォークを握っているオルキスちゃん。説得は無駄と覚ったのか、黒騎士さんから諦めのオーラが出ていた。
「な、何か食べます?」
「いらん」
「飲み物とか」
「いらん」
わかってたけど話題を振ってみたが一言で断られる。
「えーと、その……今回はどうやって」
「……扉にな、鉄の格子窓を付けさせた」
「へ?」
せめてオルキスちゃんが今回どうやって脱走したのか聞こうとしたら、黒騎士さんは勝手に話し出した。
「こ、格子窓ですか?」
「お前が島に帰還した頃だ。その前に中の確認をしようとして扉を開けた所為で逃げられた。それで外から確認できるようにした」
「はぁ、それでなんでまた……」
「格子を利用された。ベッドのシーツやカーテンを結んでロープにして重量のある家具と格子を結び、それを窓から投げ落としてその衝撃で格子ごと扉を外された」
「方法がガチじゃないっすか」
小さな体でやる事が派手だ。あの子は何を目指してると言うのか。
「あれ? けど見張りがいたんじゃ……」
「前の脱走時に睡眠効果のある薬を手に入れて、あのネコの人形の帽子に入れ隠し持っていたらしい。格子から散布したのか兵が扉の前で眠り込んでいた」
「君そんな方法どこで覚えたの」
とてもこんな少女が自力で思い付く方法ではない。そんな発想の元を確かめようとしたのだが……。
「もしもの時のためにって……ジータが教えてくれた……」
「あのバカちんが……」
案の定だった。もしもって何を想定して教えてるんだあの暴れん坊は。見ろ、黒騎士さんの俺を睨む視線がまるで針の様に刺さってるじゃないか。心なしか痛みすら感じ……かん、感じ。
「いや本当に痛い、いったっ!? く、黒騎士さん! 貴方傾くと、いてっ!? 兜の角が刺さって!? 顔に押し付けな、いたいってっ!?」
「知らんな」
「ちょ、角刺さないで! あんたの兜幅あってちょっと傾くだけで、あだだっ!! 頬が、頬がいた、んがががっ!?」
「はははっ! 変な顔、変な顔よっ!」
「メドゥ子てめえ笑ってんじゃ、んだだっ!?」
「うわぁーっ! く、黒騎士殿その辺で、その辺でストップでありますぅ!」
「だ、団長さんの顔が釣られた魚みたいになってるですっ!?」
笑うメドゥ子、慌てるシャルロッテさん達、無言の黒騎士さん。ここ最近よく見る光景である。
黒騎士さんはある程度気が晴れたのか、俺の顔が修復不可になる前に兜の角を遠ざけてくれた。
「俺の顔のパーツズレてないよね……」
「ズレて気にするほどの顔じゃあるまい」
「ひ、ひでえや」
本気で悪いと思ってないのだろう。黒騎士さんの言葉に一切の罪悪感など無かった。
「トホホ……こう言うのはドランクさんのポジションだよ」
「おお、そう言えばあの愉快なコンビは今日おらぬようじゃのう?」
すっかりドランクさん達を“愉快なコンビ”か“コメディアン”の様に認識してるのじゃ子であるが、俺もいまだにそんな気がしてる。
「あの二人は念のため別方面に人形を探しに行った。その内こちらに合流する」
「オルキスちゃんがこっちに居るのはほぼ間違いないと思ってはいたんすね」
「場所と言うよりお前が居る所だ。平日だとしょっちゅう造船所に行くようになった」
「あー……」
「わかるか? 最早日常的に帝国精鋭の兵達の追跡を躱し逃亡する子供相手に、この私まで出る事が当たり前になったこの異常な状況が」
いやもう重々承知である。七曜の騎士が一人の少女に振り回され、宿の食堂に現れる日常なんてあってたまるか。
そもそもこんな事態になったのは、俺が島にやっと戻れてちょっと経ってからである。それ以後彼女の脱走技術の向上力がそれはそれはそれは凄まじい。俺に会いに来てくれる、と言うなら確かに嬉しいのだが、おかげで黒騎士さんの俺への当たりが強い。
「さ、最後はちゃんと帰るし」
「そもそも外出を禁止しているのだが?」
睨まないでください。貴方圧あって怖いから。
「……それで、艇は何時出来上がる」
「ああ、それなら後一週間もあれば完成っす」
「やっとか……」
そろそろエンゼラを預けて一月経とうとしている。親方さんの話では早くて一ヶ月はかかると言う話であったが、ユグドラシルとノアの二大星晶獣。そしてその星晶獣の神秘の術目当てに集まり手伝ってくれた職人達。そして自分で言うのもあれだが、俺自身がめちゃ働いてる。
通常ではあり得ない速度での造船にガロンゾ島民達も注目してるとかなんとか。
「もう見た目も中身もほぼ完成。いやー俺も頑張った甲斐ありました」
「やって当然の事を自慢されてもな」
「対応が氷点下だ」
思わずしょんぼりである。
「まあ順調であるならかまわん。また星晶獣にでもさらわれようものなら……」
「あのあの……睨むだけで続き言わないの怖いのですが」
「なんかわらわまで妙な圧受け取るんじゃが」
「おめぇは相棒さらって事態面倒にした張本人だからだろ」
「それ言われると言い返せぬ……」
俺だけでなくのじゃ子もしょんぼり。
「ともかく最後まで気を抜くな。貴様は本当に油断すると面倒になる」
「帝国の人にまで言われるようになってしまった……」
「自覚してるだろう」
「はい……」
何も言い返せない。辛いのだ。
「ごちそうさま……」
そうこう話してる内にオルキスちゃんはハンバーグステーキ大盛を食べ終わっていた。しっかり綺麗に野菜もライスも全て初めから無かったかのように食べきっている。
「ほんまよう食うな嬢ちゃん」
「どこにしまわれてるんだか」
ハンバーグステーキは二人前の肉とサラダとライスのセットだった。見た目に反した大食い。カルテイラさんとルナールさんが感心するやら呆れるやら。
「今更っすけど、この子元からこんな食べたんすか?」
「……元は別にそんなに食べてはいない。人形になってから……」
「はい?」
「……なんでもない。多分お前と小娘のせいだ」
「ついに俺の方を先に原因としてあげましたね」
「ふんっ」
しかし突然こうなったと言うなら、なにか切欠があったのか? 暴飲暴食は身体に悪いが、特に彼女の体調に異変がある様子も無い。まるで冬ごもり前のクマか何かが、冬ごもりと言う困難に立ち向かう準備として本能的に体力をつけているかのようだ。
しかし、いやまさか。こんな少女が何どんな困難に立ち向かうと言うのか。と言うかそんな困難があったとして、態々立ち向かう事なんざない。少女は少女らしく、或いは子供らしく、好きに遊び学び食べて良く寝ればいいのだ。使命があるとすればそれが一番である。困難なんざ無視すればいいのだ。
もっともその方針で育てたと言うか、俺が面倒見た一人が全空一の暴れん坊になっているので一概にそれが正しいとは言えないのが悲しい所。俺は嫌だぞオルキスちゃんがやたら強くなって、星晶獣に顔色変えず戦いを挑むような子になるなんて。
「オルキスちゃん、程々に元気に育つんだよ」
「……? うん、わかった」
「貴様が親面をするな!」
「あいたっ!」
何か気に食わなかったのか、黒騎士さんに籠手着けたまま頭を叩かれた。普通に痛かった。
「食べたなら帰……」
「お待たせしましたぁ! デザートのチョコバナナマウンテンパフェでーす!」
「わお……っ」
黒騎士さんが言い終わる前に現れる威勢の良い店員。そして置かれる30センチを超える名の通りの山の様なパフェ。目をキラキラさせるオルキスちゃん。目を点にする俺と黒騎士さん。
「君何時の間に頼んだの?」
「ハンバーグステーキが来た時……」
「うーむ、素早い」
ふと横を見ると姿勢は変わらないが、体を震わせカタカタと鎧を鳴らす黒騎士さん。怒りのボルテージが上がるのが可視化されて見える気がした。
「あは、はは……ほら、えっと……ア、アイスがあって食べないと溶けちゃうし」
「……貴様が毎度……毎度毎度甘やかすから……」
「えっ!? いや、俺は別に甘やかすとか」
「いいや、違うとは言わせんっ! 貴様はオルキスを甘やかし過ぎるっ!!」
「いやそれは……あれ? 今オルキスって」
「っぁ!? だ、黙れええっ!」
「うわぁ――――ッ!? た、たんまたんま! よくわからないけど、怒んないで黒騎士さ、ごえあっ!?」
矢庭に黒騎士さんが立ち上がると、剣を抜かずに俺にヘッドロックを決めた。鎧がごちゃごちゃしててめちゃくちゃ痛い。
「なんだぁ、またあいつらか?」
「おいおい、飯食ってんだ決闘はご法度だぜ!」
「いや、今度は剣を抜いてねえ。ただの喧嘩みてえだ」
「んなにぃ! 喧嘩だぁ!?」
「見ろ坊主の団長が絞め技食らってるぜ!」
「おい張れ張れっ! ”あの”騎空団団長と七曜の騎士様の喧嘩だぜ!!」
「ひゅーっ! こんなの滅多に観れねえぜっ!!」
今度は先ほどと違って大騒ぎになった。この宿に泊まるのは俺達の様に船を修理に出している騎空士が多い。血の気の多い者もいるため、刃傷沙汰でさえなければ勢いに乗って賭けにする事も珍しくはない。珍しくは無いが慣れ過ぎだろこいつら。
「いかん頭に血が上っている!! 止めるぞ皆」
「しかたねえ! おめえら相棒は頑丈だからあんま気にしなくていいッ! とにかくかかれぇ!」
「うおおおっ! 七曜の騎士とも語り合いたかったんだ! 行くぜええぇぇっ!!」
コーデリアさんが指示を出し、B・ビィがマッチョになり、フェザー君が突っ込んで来た。それとB・ビィ、お前は許さん。
「まーたおっぱじめよった」
「やーね、直ぐ喧嘩なんて」
「参加するマリー?」
「馬鹿言っちゃやーよカルバ。私だってまだ食べてる途中なの」
「ふふふっ! わ、我々もこれによく慣れたものだな……っ! ははははっ!!」
テーブルを既に動かし料理を護るカルテイラさん達。行動が素早いがもうちょっと俺の心配をしてほしい。
「やぁー遅くなってごめんごめん、ちょっと時間かか……なーにこれえっ!?」
「あ、ドランク! 見ての通りだ、団長が黒騎士さんに……ふ、二人も止めるの手伝ってくれっ!」
「……はあぁ~~~~っ」
そして遅れて現れたドランクさんと状況を説明するフェリちゃん。深いため息を吐くスツルムさん。まったく当然の反応で申し訳ないぐらいだよ、はっはっはっ!
「つか、いい加減誰か止めっぐええええっ!!」
「ザンクティンゼルの奴はこんなのばかりかあああああっ!!」
「お、俺はそこまで悪く、のぎゃああぁぁ――――っ!?」
今日も過ぎてくガロンゾでの日々。エンゼラ改修完了の前に俺がどうにかならないか不安でしょうがない。
中央船渠からの止まぬ白煙に交じり、俺の悲鳴が木霊するのであった。
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今回案の定ガロンゾ滞在時間のスキップをしました。エンゼラの修理完了も目の前のはずです。
そしてオルキスに関して、よくよく考えたらこの時点では別に大食いじゃないと思い出し「やべえ」となりましたが、もうこのまま行きます。すみません。
それ以前に、こんな脱獄王じゃないよ、と言われたらそれまでですが。ほんと申し訳ない。
ニヒリス派です。ラブライブコラボ楽しかったですね。ただ自分はラブライブを全部見てないので、サンシャインコラボの時は無理でしたがこれを機会に一期から全部見れればと思います。
真にラブライバーになる時が来たらしい。
ニヒリスに関しては、結局扱いはどうなるのでしょうね。そもそも自壊したとか言われてたけど、ルリアの中には居る様だしちょっとわからんですね。今回のコラボにあたり、サンシャインコラボのストーリーも多少変更されてるので更に混乱。
とは言え楽しかった。
行き当たりばったりな書き方の物語ですが、今後も頑張ります。