ここは飛行島ではあるが今はとある島に着陸していた。大いなるルーンの反応は別にあったが補給目的であり、それが終わるまでは暫く暇であった。
「それで?あとどれぐらいなの?」
「うむ…およそ翌日には終わる。」
「翌日ねー…そうなると暇よねアイリス。」
「そうね…でもどうしようかしら…」
飛行島の一室の円卓を囲うのはキャトラにアイリスにバロンにこの飛行島の主である赤毛の少年(RASNと呼ばせておいて下さい。)がいた。
「建築は研究所以外は粗方良しと言ってもいいぐらい…大工たぬきも三匹になったとはいえ…うむ…私はこれで失礼。」
バロンは何かを考えるように部屋から出ていった。
「だったら…みんなで島に降りる?」
「そうね!」
「!」
「……。」
円卓にて二人と一匹が騒ぐなか、その対面の席には少し前にジモ島にて仲間となったグローザが不満そうな顔で見ていた。
「グローザ?どうしたのー?」
「…あっ…キャトラちゃん、私は…大丈夫よ…」
「本当?体調悪いとか?」
「大丈夫よ、本当よ…」
「でも顔も少し浮かないみたいでしたが…」
「…っ!あんたには心配されたくないわよ!」
キャトラとアイリスが心配しに来たが、アイリスにのみ辛辣な顔で睨んできた。
「…申し訳ありません黒の王子様、席を外させていただきます…!」
そうするとグローザはRASNに一礼すると勢いよく部屋から出ていった。
「あら…」
「……。(汗)」
「…あらら…」
そして二人と一匹は唖然としながら部屋に残された。
「…やっぱり体調悪かったのかしら…?」
「だったら後でお見舞いに行かないとね、その為にも島に降りましょ!」
「!」
「いいわね。だったら今島にいる人達も誘ってみましょ?」
「そうね!だったら早速声かけ開始ー!」
そうキャトラが言うと二人と一匹は部屋から出て散らばって、飛行島内の冒険家達等に誘いをかけた。
-島 中央の繁華街のような所-
「それにしても…随分なメンバーよね…」
RASN達の呼び掛けによって集まったメンバーは約20名の大所帯であり、アイリスの肩に乗るキャトラは診療所の前広場のベンチで呟いていた。
「ふぅ…あ、みんな待ってくれてたんだ。」
診療所から出てきたのは首に包帯を巻いているメアが出てきて、その側にはコヨミとタローもいた。
「大丈夫でしたかメアさん?」
そして診療所の前に待っていたメンバーの中カモメが真っ先に駆け寄ってきた。
「うん、大丈夫だよカモメ。軽く切れていただけで大事には至らなかったからね。」
なおメアの首の傷は以前自分自身でルーンチェーンソーを首にあてがわれた時にできた傷らしく、その時には特に何もなかったが何故か後になってから傷が出てきたのであった。
「そうでしたか、良かったです!」
なおコヨミはコヨミで真っ先にRASNとコリンの所へと向かっていた。
「RASNにーに!コリンねーね!付き添いちゃんとできたよ!」
「おお、やるじゃん。ほらほらRASN?」
「…?」
「いやさ…ここはさー…」
「…!」
コリンに耳打ちされてRASNは見上げてくるコヨミの頭を撫でた。
「えへへへ…」
コヨミは顔を紅くしながらも笑っていた、だがそんな隣にはその黄色くフワリとした髪のような少女ヒナが目を細めてRASNを見つめていた。
「…パパ…ヒナも撫でて?」
「…!?、…!」
RASNは少し驚いていたがすぐにコヨミと同様にヒナも撫で始めた。
「ピヨ…ピピッ…」
ヒナもコヨミと同様に笑っていた。
「…なんだか…私がいないうちに個性的な人が色々入ってきたみたいね…」
「はい、でも皆さんいい人ばかりですから!」
「ははは…(でもお兄さん呼ばわりは分かるけど…パパって呼ぶのは…)」
メアが内心でつこっみを入れていた、そうしていると続々と広場に冒険家達が集まってきた。
「んふふ…いやー気分がいいわー♪ほらほら男子ー!ボケッとすんなよー!」
満足そうににかにかとしている元光焔の御子の少女シャルロットはザックやらリアム等を引き連れていた、そして引き連れられている男達はシャルロットの買ったものを持っていた。
「ぐぅぅ…ちきしょぉ…調子のりやがって…!」
「リアム…やめとけ…威力も速さもまだ勝てないんだからよ…」
「なら…俺様の訓練でもするか?生まれ変わるぜ?」
ぶつくさと呟き合うリアム達の間に歯をキリッとしながら金獅子とよばれるオウガがただでさえ荷物で重いのに二人の肩に寄っ掛かった。
「いや…遠慮しときます…」
「俺様は俺流が一番だからな…(震)」
「ふぅん…まぁ…別にいいけどよ…まぁ気が向いたら来な。」
「おっ…おう…」
そしてオウガはリアム達から離れた。
「…。(妙ね…いつもならフローリアが付いてくるはずなのに…島からも降りていないのは…)」
そんなオウガの後ろには水着姿ではなく弓道着を凛と着こなしているカスミが手を口元に当てて悩ましい顔をしていた。
「カスミ様浮かない顔でどうされましたか?」
「…ん、ううんなんでもないわ。あったとしてもだだの杞憂よ。」
「キユー?何でござろうか?」
その更に後ろにはフランとソフィやソフィの荷物だけを持つクライヴやその他大勢がいた。
「よーしっ!取り敢えず集合したわね!」
キャトラはアイリスからRASNの頭にヘと乗り移り冒険家達を見下ろしていた、だがその総数は先程よりかは減ってはいたが。
「取り敢えずは買い物の荷物は飛行島に収納させて貰ったけどまだまだ日が十分に高いからまだまだ行くわよー!」
「おいおい、キャト公行くっていったって何処に行くんだよ。」
「何処って…何処かよ…!…なんか提案とかないの!?」
「あのー…こんな物があるんですが、どうでしょうか?」
声の方向には竜の国の王女のエクセリアと白い竜のラピュセルがおり、そのラピュセルの口には紙がくわえられておりRASNの方に首を伸ばしていた。
「んー?どれどれ…ってギニャー!?」
頭の上のキャトラが紙を取ろうと前足を出そうとするとラピュセルは首を振ってキャトラの手を弾いた。
「ちょっとー!?何すんのよー!…ってあれ?」
ラピュセルはキャトラを弾いた後にRASNの胸ぐら辺りに頭を寄せていた。
「どうしたのラピュセル?」
「もしかして…あたしじゃなくてRASNに取ってもらいたかったとか?」
「グルル…」
ラピュセルはキャトラの言葉を聞くと小さく唸りながらコクりと頷いた。
「…!」
RASNはそれを理解しラピュセルのくわえている紙を取った、だがラピュセルはまだ頭を引っ込めなかった。
「…?」
「ラピュセル?」
エクセリアがラピュセルを見ると何か物欲しげな目をしていたのであった。
「…ふふっ…RASNさん、ラピュセルの事をコヨミちゃんやヒナちゃんのように撫でてやって下さい。」
「…!?」
「ふふん♪多分ラピュセルはあの二人が撫でられてるのを見て自分もされて欲しかったんだー。ほらほらRASN、さっさとやっちゃいなさいな~」
RASNはキャトラにそう言われるとラピュセルの頭や喉元などを丁寧に撫で、ラピュセルはそれに嬉しそうに鳴いていた。
「あぁ…ラピュセルゥ~いじらしいわ…いじらしいわよ!ラピュセルゥー!可愛いわぁー!」
背に乗るエクセリアは顔をとろけさせてラピュセルの背中をすりすりとしていた。
「…本当に個性的な人ばかりだわ…」
「ところでキャトラ殿、シショーの受け取った紙は何でござろうか?」
「あっ、そういえばそうね。ちょっと借りるわよ?」
キャトラはRASNの手にしている紙をかすみとると、広げた。
「えっと…遊園地特別招待券!?しかも20名までOKらしいわよ!」
「オーララ!とってもトレビアンでござる!」
「へぇー…んでユーエンチーってなんだ?」
「あぁ…アレだっけな、前にラーウェイが作っていた奴じゃねえか?」
「おいリアム、それは食べ物じゃね…?」
「ねぇコリンねーね!ユーエンチーって?」
「ん?あぁ、遊園地ってのは様は色んな遊具とかがあるとこだねー。」
「氷の国にも似たような所がありました!とっても楽しいところですよ!」
「よっーしっ!それじゃ反対意見は無しみたいだから直ぐ様向かうわよー!」
キャトラの号令を機にその場にいた冒険家達は島内の遊園地へと向かった。
-島 遊園地門前-
「さぁ!着いたわよ遊園地!」
一行が到着した遊園地はいかにも遊園地らしい遊園地であった。
「あそこに比べれば何か少し地味そうだけど、楽しめるもんは楽しむわよ!」
意気揚々と先を進むキャトラを冒険家達は足を揃えて進み、入園した。
「わぁー…大きい!」
「オーララ!」
「すっげぇ…!」
初めて遊園地に来るものも多いのか回りをキョロキョロとしてる冒険家が多かった。
「あははは!どれも楽しそうー!突撃ライジン!」
「あわわ!?ライライちゃん待って!えいっ!」
その中でもライライは入る前から跳び跳ねたりもしていて入ると突撃していったが、ライライの双子の妹のサワワがどこからともなく出した芭蕉扇を手にしてソッと扇いだ。
「みぎゃぁ!?」
そうすると走るライライは何も無い所で転んだ。
「ごめんねライライちゃん、でも走ったら止まらないからこんな事しちゃって…」
「うう…」
「何、気にしない方がいい。この場は戦場の如くヒート…テンションが高揚するのも致し方なし。」
呻くライライの腕を引っ張ったのは17歳のアンドロイドのシャナオウであった。
「でも…流石に20人も一緒に行動したら大変ね…」
「…むむむっ…どうしましょう…」
「なら、我に妙案有り!多勢ではなく少数エリートの方針ならば迷い子ナッシングとなりノープログレムとなる!」
「そうかもしれないが…どうやって分けるんだ…?(できればソフィ殿と一緒が…!)」
シャナオウが叫ぶように提案するなか、クライヴは少し何かを悶々と考えているような顔をしていた。
「それもノープログレム!ここに組分けを行える物がある!」
シャナオウは腰辺りの何かを開くと棒のようなものを何本も取り出した。
「これぞ東洋において大事を決める際に使われるスティックオブミクジ!これにてチーム分けをしようではないか!」
シャナオウのクジにて組分けをして4つの組に分けられた。
「…!」
「わぁい!にーにと一緒!」
「あら?確か退魔士の…」
「うぅん…元退魔士よ、メアよ。」
「そう。カスミよ、よろしくね。」
「パパと一緒だ…!」
RASN・コヨミ・カスミ・メア・ヒナの組。
「…うへぇ…。(げぇ…よりによって金獅子と…マジかよ…)」
「んだよ?そんな変な顔してよ?」
「くぅ…何故だ…!?何故こうも恵まれない!?」
「何でか俺達一緒が多いよな?」
「まぁ…今更その下りは無しだぜ?」
シャルロット・オウガ・クライヴ・ザック・リアムの組。
「私達はソフィさん達と一緒ね。」
「私もいるわよー!」
「フランと一緒ですか!とても楽しみです!」
「ウィ!セッシャも嬉しいでござる!」
「皆様と一緒ですからとても楽しみですね!」
「ん~、コヨミやRASNと一緒じゃないのが少し残念だけど…まぁこっちで楽しむっきゃないね。」
アイリスとキャトラ・カモメ・フラン・ソフィ・コリンの組。
「では、私めはゲオルグ殿から護衛を任されている身のためこちらに!」
「…もぉ…ゲオルグったら…過保護なんだから…」
「あはは!竜と武者お兄さんと一緒だ!」
「…ライライちゃんが暴走しないように監視しないと…」
エクセリアとラピュセル・シャナオウ・ライライ・サワワの計4組が出来た。
「それじゃ!皆はぐれないように気を付けなさいよ!」
そうして4組の冒険家達はその場から散り散りとなった。
「ヒナちゃん!手を繋いでいこ!」
「うん…!ねーねも…パパもしよ?」
「…!」
「私も繋ぐの!?」
「ふふっ…いいじゃない、行きましょう?」
「パンフレット貰って来たぜ!」
「ほぉ…結構面白そうなのがあるじゃねえか…」
「…金は…かからないよな?」
「安心してくれ、もしものときは俺がどうにかしよう。」
「まぁ…テキトーに楽しみますか。」
「それじゃ!まずは何処に行こうかしら!?」
「私は…ここかな?」
「私はここがいいです!」
「こちらもよろしいかと!」
「セッシャはこれがよろしいでござる!」
「あたしは皆に合わせるよ。」
「わっははーい!ゴーゴー! 」
「あぁ?!待ってライライちゃん!?」
「むっ…我等も遅れずに馳せ参じましょうぞ!」
「あっ…?!はいっ!」
計19人の冒険家達が園内へと消えた後にゲートをくぐったもの達がいた。
「…なんであんた達が着いて来るの…?」
その場にいたのは飛行島にいるはずのグローザであり、その後ろにはフローリアと元退魔士のバイパーと謎のタイミングの良いちょび髭の男のオズマもいた。
「ん~?別にいいだろ?それに俺がいないとここに入れなかったんだぜ?」
「…そうかもしれないけど…この服は…」
よく見るとグローザの着ているものは扇情的なボンテージを思わせるような服ではなく、黒い服を着ていた。だがヘソは出しているみたいではあるが。
「あんたの趣味なわけ?」
「とてもお似合いですよ?」
「まぁ…大衆の前にあのような服で行くのはどうかとは思うがな。」
「あんたらは必ずどっかを出してるじゃない。」
「はいはい、お2人さん。喧嘩してたら先に行ったあいつらに追い付けねえぞ?」
少し穏やかではない雰囲気をオズマは間に入って仲裁した。
「…。」
「…それで、誰を追えば良い?RASN達は4つに分かれたみたいだが。」
「黒の…いえ、RASNを追うわ。」
「ほほーん…成る程成る程…」
「何よ…?」
にへらにへらとにやけるオズマをグローザはキッと睨み付けた。
「んふふ…何でもねぇぜ?ただ楽しみだなって。」
「…そう、早く行くわよ。」
グローザは2人を置いてカツカツと先に進んで行き、フローリアは後に着いていった。
「…洗いざらい探る気か?」
「そうだけど?」
「趣味悪いな…」
「いいや…秘密に満ちた女性の秘密を探るのも面白いじゃねえか、さぁて行くぜ!」
「はぁ…」
そうして4人も園内へと消えた。