その少女は、災厄(ノイズ)であった   作:osero11

20 / 29
 余裕があったので、2話目の投稿です。ただ、その分文章量が少ないですので、ご注意を。

 アンケート「小説を投稿する日は、どれがよろしいですか?(更新できるかどうかはさておいて)」が終了いたしましたので、結果をお知らせいたします。

(95) 出来上がったら、すぐに投稿
(15) 土・日に書いたものをいっぺんに投稿
(18) その他、特定の曜日に投稿
(55) 特に希望はない
(10) いっそ月初めとかで(ry

 以上の結果により、今月からは、書きあがったら即投稿していきたいと思います。
 アンケートには、193名の読者の皆様にご回答いただきました。ご協力いただき、ありがとうございました。

 なお、現在は投稿する時間を決めるアンケートを実施しております。「書きあがったら即投稿」という方針を取るつもりですが、もし希望する時間帯などがございましたら、アンケートへのご回答をお願いいたします。

 それでは、どうぞ。


嵐の前の

 ノイズの少女との死闘の後も、装者たちの戦いはパヴァリア光明結社を相手にしたものへとシフトしながら続いていく。

 

 エルフナインが、錬金術師たちの使う「賢者の石」に対抗する術として見つけた、融合症例だった時の立花響から零れ落ちた未解析物質。「愚者の石」と命名されたそれを対消滅バリアとして組み込むことで抜剣封殺を防ぐために、倒壊した「深淵の竜宮」の未解析技術管理特区、海底に沈んだその場所の泥濘を救い上げ、サルベージしようと探し求める。

 途中、錬金術師であるカリオストロとプレラーティによる奇襲があったが、調と切歌の活躍があり、これを撃退。目的の「愚者の石」を回収することにも成功し、今はエルフナインが、これをシンフォギアシステムに搭載する準備をしていた。

 

 そんななか弦十郎から装者に、訓練の指示が下される。賢者の石に対抗する方法を見つけた今、なぜこのようなことをするのか。

 それは、今の心の余裕ができた状態では、たとえイグナイトを使うことができてもファウストローブを纏った錬金術師に勝つことができないと判断したためだ。勝機をつかむために、自身が以前から考えていた「絆のユニゾン」を戦術に組み入れることで装者たちの戦力をあげようと考えたのだ。

 

 だが、パヴァリア光明結社に対しての勝率をあげることだけが、今回の特訓の目的ではなかった。

 

 

 

「忘れるな! 愚者の石はあくまで賢者の石を無効化する手段に過ぎん!」

 

 トレーニングルームにて、一人で装者6人を圧倒してみせたS.O.N.G.の司令は、現場に立ち危険にさらされるからこそ彼女たちに厳しい言葉をかける。

 相手取るのが結社の錬金術師のみの場合、ここで話は終わっていただろうが、もう一つ巨大な脅威を敵としている彼らは、さらに言葉を続ける。

 

「それに、愚者の石は少女Vに対して、何の意味もなさない」

 

 弦十郎の言葉に、膝をついたり倒れていた装者たちが顔をあげる。あえて考えないようにしていたことに触れられたため、反応せざるを得なかった。

 さすがにそのことで黙っている訳にもいかなかったクリスは、弦十郎に食い掛かる。

 

「おっさん! あいつはこの前けちょんとぶっ倒せただろ!?

 今度は必ずとっ捕まえられる! 今更あいつを警戒することはないだろう!?」

 

「本当に、そう思っているのか」

 

 弦十郎からの鋭い眼光に、内心そうは思っていないクリスは押し黙ってしまう。

 他の装者も、その話が出てきた途端一様に暗い顔をする。

 

「お前たちも知っている通り、前回の戦いで少女Vは、胸にイグナイト状態のガングニールのかけらを押し込まれている。その後、数体のカルマノイズを生み出した。

 イグナイトの呪いがカルマノイズに影響されるというならば、その逆もあり得る。つまり、一体作るのにも苦労していたカルマノイズを一瞬で、しかも複数出現させることができたのは、彼女がイグナイトの力を手に入れたからかもしれん」

 

「……そんな」

 

 弦十郎の口から語られる最悪の推測に、響が思わず声を漏らす。

 彼女を憎しみの檻から救うために拳をふるったはずなのに、逆にさらなる呪縛に捕らえさせてしまった。そのことが、彼女の胸に重くのしかかった。

 

「俺達が迎え撃つべきは、錬金術師だけではない! イグナイトでさらに強力な敵になったと思われる彼女だが、あの少女は、俺達が知らない間にもさらなる強さを手に入れている可能性がある!

 彼女を相手取るお前たちが、立ち止まっている場合ではないぞ!」

 

 その言葉にやる気を奮い起こされ、立ち上がる装者たち。

 彼女たちを見て、まず闘志に火が付いたことに弦十郎は満足そうにうなづいた。

 

「よし! 準備運動は終わりだ! 

 ここからが本番だ! 気合い入れろよ!」

 

 そして、彼が思う「やる気の出る音楽」を、昔ながらのラジカセで再生した。

 

 

 

 

 

 

「……やはり、いくら確かめても『リュウ』特有のエネルギーが検知されていますね。

 つまり、彼女が求めているのは聖遺物ではなく、聖遺物の動力源、あるいは保存状態にある『リュウ』の力ということですか」

 

 リリス・ウイッツシュナイダーは、ノイズの少女の分析を続けていた。

 特に彼女の言う『リュウ』の力に関しては、何度確かめても足りないと言わんばかりに調べなおしていた。彼女にとって――いや、その存在を知る誰もが目をそらしたいほどの事柄だからだ。

 伝承上の「ドラゴン」とほぼ同じものではあるが、その力は伝説にある怪物とは比べ物にならないほどの力を持っているという事を、リリスは知っていたのだ。

 

 

 

「……なぜかあの少女も『リュウ』の力を持っているみたいですしね」

 

 

 

 リリスがちらりと見た先には、ノイズの少女から観測されたデータが表示されているモニターがあった。そのデータは、膨大なフォニックゲインに隠れる形で、僅かばかりだが『リュウ』の力が少女の中に存在していることを示していた。

 

「おそらく、『禁忌の地』にあふれるエネルギーを求めて襲来したルル・アメルが、大量のフォニックゲインを保有していることに目を付けて少女を捕獲し、ノイズを生み出す兵器として改造したというところでしょうか。

 つまり、あの少女は、あの場所に住んでいた? それなら『リュウ』のエネルギーを持っていることも、説明できなくもないですが……」

 

 他に人がいない拠点であることもあり、ぶつぶつと自分の考察を口に出していくリリス。

 今の彼女にとって、「リュウ」がある意味カストディアンと匹敵する存在である以上、「神の力」以上にノイズの少女は対処すべき事案であった。

 

「ですが、『リュウ』がカストディアンと敵対していた以上、『禁忌の地』の生き物たちがルル・アメルを受け入れるとは思えません。あの地に長いあいだ居続けられなければ、あの少女が『リュウ』の力を手にすることも到底考えられない。

 逆を言えば、『禁忌の地』が彼女を受け入れるだけの理由が分かれば、すべての筋が通ることになります。しかし、その理由が分かりません」

 

 リリスは、自分の推察が行き詰ったことを感じた。しかし、そこで別の視点からノイズの少女を見て、理由を導き出そうとする。

 

「……大量のフォニックゲイン。やはりそこに理由が存在しますか。

 それにヴォカリーズ。あれも何かしら関係しているとみていいかもしれません

 なんにせよ、装者と戦った現場を一度見てみるのがいいかもしれません」

 

 そう結論付けたリリスは、自身のホムンクルスのうち一体を操作し、ノイズの少女と装者たちが最初に戦った現場である大泉博物館へと転移させた。

 ホムンクルスを通して、博物館周辺の様子を観察するリリス。ノイズ騒ぎがあった影響で封鎖されているため人はいないことが好都合であった。さっそく周辺の状況を観察する。

 

「ふむ、ノイズと装者との戦闘で破壊された痕は残ったままですか。

 しかし、それ以外はこれと言って変わったところはないみたいですね。

 しいて言うなら、石畳のあいだから雑草が生えすぎているくらい……?」

 

 そこまで状況を確認して、ふと違和感に気づく。問題は、何の変哲もないはずの雑草だ。

 確かに、植物としては珍しくもなんでもない品種だ。しかし、異常なところが一つだけあった。

 目で見てみると、()()()()()()()()()()()のだ。よく観察してみれば分かるくらい、()()()()()()()のだ。

 

 しかも、よく周りを見てみると、街路樹などの他の植物も葉が生き生きとしていて、少しずつではあるが成長しているように見える。

 

「……まさか……」

 

 その光景を見て、ある結論に達したリリス。彼女は我を忘れた様子で、ホムンクルスにエネルギーを観測するための機能特化型アルカ・ノイズを複数種類召喚させ、周囲一帯の調査を開始させた。

 どんどん現場から送られてくる情報。本体の彼女は、急いでそれらをまとめ、どうか自分の仮説があっていないようにと願いながら調べ始める。だが、一番重要な情報が抜けていることが分かっているため、この仮説があっているどうか証明するには、かなりの時間を有するだろう。

 

「せめて、彼女のヴォカリーズのデータがあれば……」

 

 悔しそうな表情でつぶやくリリス。他の場所でのデータを集める必要性を感じた彼女は、他のホムンクルスたちにもデータを収集するよう指示を下した。

 

 

 

 

 

 

 パヴァリア光明結社に存在する、人類にとっての悪と、シンフォギア装者たちの決着は近い。

 しかし、人類にとって、最も熾烈で激しい戦いの幕開けもまた、近くまで迫ってきていたのだ。

 

 

 




 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
 次の話についてですが、読者の皆様にご相談したいことがあります。お時間がある方は、お付き合い願います。

 実は、次回のオリジナル展開は11話からを予定しており、そのため、8話から11話まで話が一気にスキップしてしまうことになります。装者と錬金術師たちの決戦を、何も描写せずに飛ばすのは流石に良くないと思い、演出も含めて、特徴的なセリフだけを記載する形で描写しようと考えていました。
 しかし、「原作の大幅なコピー禁止」という規約違反に抵触するのではと気づきました。細部はもちろん変えるつもりですが、全体で40行、1300文字以上のセリフになるので、違反してしまう可能性はあると思います。
 
 なので、皆様からのご意見を頂き、そのうえで判断させていただきたいと思いました。活動報告に同じような旨を書いておくので、そちらの方からご意見をお書き願います。
 アンケートは、皆様のご意見を直接聞きたいために行なっていませんが、必要だと言われれば実行するつもりであります。
 皆様、ご協力のほどお願い申し上げます。

 次回もよろしくお願い申し上げます。

オリジナルキャラの挿絵などもあった方がよろしいでしょうか?(作者自身が描くが、画力は期待しない方がいいレベル。描くならペイントか手描きの二択)

  • 挿絵はあった方がいい(ペイント)
  • 挿絵はあった方がいい(手描き)
  • 挿絵はない方がいい
  • どちらでもよい
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。