狼王戦記 ~黒き白狼天狗の軌跡~ 作:カオ宮大好き
――閃光が奔る。
里の一角にて繰り広げられている、聖哉と男の戦いは一見すると一方的なものであった。
絶えず展開される槍による連続突きは、聖哉に攻めを許さない。
間合いはあくまで男の有利のまま、反撃の糸口も掴めぬままの聖哉だったが。
今の彼にとって、そのような事実など些末なものであった。
「は、は、は……!」
迫る槍の速度は光の如し。
掠れば致命傷、まともに受ければ全身が粉砕するであろう確信を持てる、必殺の一撃。
先程とはまるで別人だと思える男の攻撃には、絶殺の意志が込められている。
「は、あ、はっ……!」
如何に聖哉の“千里眼”とオーラを駆使したとしても、間違いなく目の前の相手は強敵と呼べるだろう。
そうなれば、自然と聖哉の心は焦りと死の恐怖に支配される……筈であった。
「は、は、はは、ははは……!」
だというのに。
彼の心は今、この上なく悦びに満ち溢れていた。
――昂ぶりが、抑えられない。
口元には歪んだ笑みが浮かび、興奮と歓喜で全身が震え続ける。
明らかな異常、それが判っているのに聖哉はそれを止められないでいた。
(何だ、これは。俺はこんな状況なのに何を……!)
自分で自分の事が判らなくなる。
一刻も早く目の前の男を降し、里に蔓延る怪物達を駆逐し、人間を守る。
それが今の自分にすべき事だというのに、この感覚は一体何なのか。
「はは、ははは、はははは……っ!!」
笑い声を、止める事ができない。
何も可笑しくない筈なのに、聖哉の口からは狂ったように笑い声が放たれる。
その度に、身体はかつてない程に動き、男の攻撃の悉くを躱していく。
(笑うな、笑うな、笑うな……!)
困惑する思考とは裏腹に、身体の動きは鋭さを増していた。
もはや男の槍は止まったように見え、今の聖哉は軽々と今までの自分の限界を超えてしまっていた。
……だがその事実は、聖哉の心に恐怖しか与えない。
思考と実際の身体の動きがちぐはぐで、まるで誰かに操られているかのように動いている。
「ははは、はははは……っ!!」
(やめろ、誰だか知らないがこれ以上俺の身体を弄ぶな!!)
「何言ってんだよ聖哉、オレの身体をオレが使う事に何の間違いがあるってんだ?」
(えっ――――)
思いがけない反応に、聖哉の思考が一瞬停止する。
その一瞬で、視界が真白に染まり、気が付いた時には。
「――よお、顔を合わすのは初めてだな」
目の前に、邪悪な笑みを浮かべた“自分”が立っていた。
「――――」
真っ白な世界、建造物の類などは何もなくどこまでも白い空間が広がっている。
その中で立っているのは、自分と同じ顔をした存在だけ。
……いつか、このような不可思議な現象を体験したような気がする。
(そうだ、これは……前にヴァンと話した時に踏み込んだ、俺自身の精神世界……)
ここでは時間の概念は無く、夢でも現実でもない虚ろな世界。
過去の体験が功を奏したのか、取り乱しそうになる心が早くも落ち着き始める。
それにだ、いつまでも取り乱してなど居られない。
「……お前は、何だ?」
目の前の自分に問いかける。
この男は、前にヴァンが自分の姿を象った存在ではないと瞬時に理解したからこその問い。
つまり目の前の存在は……ヴァンではない別の何かだ。
「わかんねえか? オレだよオレオレ」
「ぶざけるなっ、今はそんなくだらない答えを――」
「だからオレだって。――
「――――」
何を言っているのか、理解できない。
そんな聖哉など知った事かとばかりに、目の前の何かは言葉を続けていく。
「今までお前が目を背けてきた負の面、それが人格を持ったって所か」
「何を……」
「とはいえ本来ならそんなもんが別人格を持つなんざありえない、そうじゃねえと誰だって多重人格者になっちまうからな。
――だがオレ達は特殊だ、何せこの肉体には別の魂が在るからな。そうだろ、ヴァン?」
〈…………ああ、その通りだ〉
「ヴァン!?」
頭に直接響くヴァンの声。
しかし何処を見ても彼の姿はなかった。
「ヴァンの魂はオレ達妖怪とは……いや、この世界に生きる生き物とは比べものにならない程に強大だ、故に近くの魂に干渉し変化を齎す可能性がある。
だが今までそんな事は一度もなかった、何故ならヴァンが憑依してきた器達は誰も“枷”を外す事など無かったからだ」
けれど今回の器、犬渡聖哉は違った。
今まで成し得なかったヴァンの“枷”を外し、あまつさえ彼自身の精神に干渉し会話を交わし、一部分とはいえ力を引き出す事すらやってのけた。
その結果、犬渡聖哉は神代の魔獣の力を扱う事ができるようになり、妖怪とは思えぬポテンシャルを得る事ができたが……。
「元々ヴァンのオリジナルは神々すら喰らい尽くす邪悪な魔獣だ、闇の中で生きるオレ達妖怪以上の深淵に生きる存在。
負の感情を好む性質を持つが故に、自然と俺達の負の一面に影響を与えていった」
少しずつ、蝕むようにヴァンの魂は聖哉の魂に干渉していった。
しかしこれに関してヴァンに非はない、彼の魂はただそこに在るだけで他の魂に影響を与える程に強大だからだ。
けれど、誤算だったのは……聖哉の内面にある負の感情が彼自身すら判らない程に強く大きかった事か。
幼年期の頃から「忌み子」だと言われ続け、同族の天狗達からは蔑まれ続けてきた。
天魔や清十郎は己の立場もあり表立って庇えず、味方など居ないも同然であった。
人の美しい一面を見て、彼に生きる目標ができたとしても……今までの憎しみが消える事など無い。
後に文やはたて、にとり、そして最愛の伴侶となる椛という味方が出来たとしても……それ以外の天狗達は、彼を決して認めない。
そればかりか積極的に排除しようとした事もあり、それが確実に彼の負の一面を大きく育て上げてきたのだ。
そして今までの戦いと豪厳の一件を経て……彼の負の感情は、新たな人格を生み出すまでに大きくなってしまっていた。
「――と、いうわけだ。理解できたか?」
「ああ、お前があってはならない存在だという事がよくわかった」
「…………ヒヒッ」
聖哉の言葉の何が嬉しかったのか、ソレは口元に歪んだ笑みを浮かべる。
……あってはならない、目の前の存在は。
聖哉がそう思うには充分過ぎる程に、聖哉の負の人格だと名乗るそれは危険すぎた。
怒りと憎しみだけに捉われた際、聖哉は自身の前に立ち塞がる存在を敵としか認識できなかった。
天魔も、清十郎も、友人である文達ですらも。
歯向かう者には平等の死を、恐怖を、絶望を与え……最後に喰らい尽くす。
そんな獣よりも醜悪な思考を持った存在に成り下がった時の自分を思い出せば、その結論に達するのは至極当然過ぎる。
「お前はここで倒す、二度と俺の前に姿を現すなっ!!」
黒いオーラを解き放つ。
出し惜しみなどしない全力のオーラを放つ聖哉を見て、ソレは歪んだ笑みを崩さないまま。
――聖哉の心臓に、自身の右手を突き刺していた。
「――――」
「ヴァンの力は負の力、つまり……犬渡聖哉の負の感情で形成されたオレの方がお前よりこの力を使えるんだよ」
そう言ってソレは聖哉の身体から自身の右手を抜き取る。
瞬間、傷口からポンプで汲み上げられたかのような勢いで血が流れ、聖哉はその場で倒れ込む。
「ぁ……」
視界が霞んでいく。
身体から出ていたオーラは霧散し、身体は既に指一本動かせない。
たった一撃、それだけで聖哉は戦闘不能へと陥った。
あまりにも呆気ない、しかし驚愕する暇も無く既に彼の命の灯は尽きかけていた。
「安心しな。オレもお前だ、記憶も何もかも共有しているから……お前に代わって、椛を
「…………もみ、じ」
瞼が重い、どんなに抗おうとしても閉じそうになってしまう。
閉じたらもう二度と目覚めないかもしれないのに、目の前の存在を野放しにしておくわけにはいかないのに。
「ごぶっ……!」
聖哉が口から多量の血液を吐き出すと。
急激に意識が薄れ、彼はそのまま瞼を閉じて……。
◆
――白銀の光が、稗田家の屋敷の一部を吹き飛ばす。
突如現れ無慈悲な殺戮を行う巫女姿の女性に放った魔理沙のマスタースパークは、瞬時に目標を呑み込んだ。
至近距離から撃たれた彼女の必殺の砲撃をまともに受けた女性は、衝撃と高熱でその身を灰燼に帰す……筈であった。
「――――」
砲撃が止み、八卦炉を構えたまま魔理沙はその身を凍り付かせる。
加減などしない全力の一撃、相手だってまともに受けた。
だというのに、何故。
「――ふぅん、予想以上の威力だったわね」
何故、自分の目の前に最大の攻撃を繰り出した女性が、何事も無く立っているのか理解できない。
あの至近距離で、不意打ちに等しいタイミングで繰り出したマスタースパークを、女性は呆気なく防いだというのか。
しかも肌はおろか衣服にすら攻撃を受けた跡が見られない辺り、悪い夢だと思いたくもなる。
「そこまで悲観しなくてもいいと思うわよ? この私に“二重結界”を使わせたんだから」
「……
その言葉に、魔理沙の思考が驚愕に染まる。
女性の言った二重結界という言葉、その言葉を魔理沙はよく知っていたからだ。
「お前、一体何者なんだ……? 二重結界って……アンタが使えるモノじゃないだろ!?」
「あら、それはどうしてかしら?」
「とぼけんな! 二重結界は……博麗の巫女が使える“博麗の秘術”の一つだって前に霊夢が言ってたんだぞ!?」
だからこそ、あの術を扱えるのは今代の博麗の巫女である博麗霊夢のみの筈。
「
赤黒い禍々しい光を放つお祓い棒を振り上げる女性。
対する魔理沙は瞬時に防御魔法を展開、自身は勿論阿求や両親、まだ生き残っている里の住人達にも効果範囲を広げる。
……たとえそれが、意味の成さない行動だとしても。
「チッ……」
しかし、女性は突如としてその場から跳躍。
次の瞬間、先程まで女性が立っていた場所に銀の輝きを放つ大型の針が突き刺さった。
「霊夢……!」
「魔理沙、一刻も早くみんなを連れてここから離れて、早く!!」
叫ぶように告げ、霊夢は右手に持つお祓い棒を強く握り締めながら、屋敷を飛び出す。
――激痛が、左腕から走る。
先程受けた一撃、たったそれだけで霊夢の左腕は殆ど動かなくなってしまっていた。
(アイツ、一体何なのよ……!)
痛みで顔をしかめつつ、霊夢は静かに自身を見下ろす女性を視界に捉え、接近する。
「この……っ!!」
まずは霊力を込めたお祓い棒による横薙ぎの一撃を放つ。
上体を逸らして避けられる、ならばと続けて上段からの振り下ろし。
「遅い」
「っ、……っ」
それを、女性は左手だけで呆気なく受け止めてしまった。
霊力で強化されているお祓い棒を軽々と受け止められる光景に歯噛みしながらも、霊夢は追撃を仕掛ける。
「はっ!!」
裂帛の気合と共に繰り出すのは、右足による蹴り上げ。
お祓い棒を掴んでいる為に対応が遅れたのか、霊夢の蹴りは女性へと命中し大きく後方へと吹き飛ばす。
すかさず霊夢は右手のお祓い棒を放り投げながら、一気に勝負を決めに出た。
「封魔陣!!」
青い輝きを見せる正方形の結界が、女性を包むように現れる。
閉じ込められた女性は動じる様子もなく、何故か霊夢を見て呆れと失望を込めた視線を向けてきた。
その余裕に霊夢は顔をしかめつつも、次の一手を放った。
「夢想封印・瞬!!」
速度を重視した夢想封印である“夢想封印・瞬”が、封魔陣ごと女性に叩き込まれる。
巻き起こる虹色の爆発、封魔陣で相手の動きを止め夢想封印・瞬で追撃。
流れるような連撃は反撃を許さず、文字通りの速攻で幕を閉じた。
「はぁ、はぁ……」
動かない左腕が痛む。
額には脂汗が滲み、激痛で視界が霞み始める。
しかし霊夢は構えを解かず、最大限の警戒を維持し続けて。
「――今のが封魔陣に、夢想封印・瞬?」
あの連撃をまともに受けても、何事も無かったかのように再び霊夢の前に現れた女性を見て、それが正しかったと理解しつつ愕然とした。
――ダメージを、与えられていない。
たしかに封魔陣および夢想封印・瞬は霊夢の術の中では威力よりも発動の速さや命中性能を重きに置いている。
だがそれを差し引いたとしても、この結果は一体何の冗談だと叫びたくなった。
「……アンタ、ホントになんなの?」
そんな疑問が霊夢の口から放たれる程に、目の前の女性の出鱈目さは群を抜いていた。
対する女性は、霊夢の問いに答える様子は見せず、彼女に対し呆れと失望の念を向けながら口を開く。
「どちらもお粗末過ぎる、込められた霊力はちっとも練られていないし術式も未熟。
何より――夢想封印・瞬を名乗るにはあまりにも遅すぎるのよ、まるで速さが足りない。
なまじ才能に恵まれているから、ちっとも成長していないのね」
「なんですって……!」
「まあ今の幻想郷ならあなた程度の実力でも充分巫女の役割は果たせたんでしょうね、まあどうでもいい事だけど」
「言ってくれるじゃない……だったら、これを受けても同じ事が言えるのかしらね!!」
霊力を開放する霊夢。
相手が自分を侮っているなら好都合、そのまま公開させる暇も与えず倒してやる。
今度の攻撃は本命の一撃、“神霊「夢想封印」”を叩き込んでやろうとして。
「なら教えてあげるわ、本当の夢想封印・瞬っていうのはね――」
女性が動く、両腕を左右に一度大きく広げてから、胸の辺りで手を合わせるその動作は神に祈りを捧げる巫女の姿。
一手一手の動作を確かめるようなゆっくりとしたその動きは、敵と相対しているというこの状況にはあまりにも無意味であり、不釣り合いな程に霊夢へ隙を見せていた。
しかし、女性が両手を合わせたと霊夢が視覚した時には。
――虹色の宝玉が、彼女を包み込んでいた。
抵抗する隙など、否、そんな思考など与えずに霊夢は宝玉の中へと消える。
不可視の速攻、回避も防御も許さぬこの攻撃こそ――
この一撃を持って女性と霊夢の勝負は終わりを迎えた、尤も。
「――久しぶりね、藍。その様子だと前よりも成長したみたいだけど?」
霊夢の命は、介入してきた八雲藍によって奪う事はできなかったようだが。
「……」
「ら、藍……」
自身を守ってくれた藍を見て、霊夢は目を見開き驚愕する。
――彼女の服が、赤く染まっている。
白を基調とした道士風の衣服の殆どが血に染まり、一目で重傷だと判ってしまった。
「……相も変わらず、出鱈目な力だ」
「当然じゃない。――だからアンタも、アンタの主人も私を警戒したんでしょ?」
そう告げる女性の瞳には、強い憎しみの色が宿っていた。
先程までの何処か淡々としていた態度は消え、全身からは怒りと憎しみの
「――――」
それを前にしただけで、霊夢の心が挫けかける。
彼女の“人”としての生存本能が、彼女の意志や理性を押し退けてまで訴えるのだ。
――これ以上、目の前の存在に抗えば死ぬ、と。
「今代の巫女は随分情けないのね、まあその方がアンタ達にとって都合が良いのかしら?」
「……何故お前が現世に存在している?」
「さて、ね。でもそんな事いいじゃない……どうせみんな、ここで私に殺されるんだから」
「くっ……!」
来る。
身構える藍だが、先程の攻撃でかなりのダメージを受けたのか全身が軋みを上げてしまっていた。
「霊夢、戦えないのならここから逃げろ!!」
「あ……」
藍の怒声にビクッと身体を震わせる霊夢だったが、その場から動く事ができない。
その姿に舌打ちをしつつも、藍は霊夢を守る為にこの身を犠牲にする覚悟で女性へと対峙する。
「何それ? もしかして守るつもり? 八雲紫の式であるアンタが、博麗の巫女を?」
それが、女性の琴線に触れた。
途端に溢れ出す霊力、その放出量はおよそ人間の者とは思えぬ強大さであり、同時に凄まじいまでの恐ろしさを肌で感じさせるものであった。
「ふざけないでよ……アンタが、今更博麗の巫女を守るっていうの? 勝手よ、勝手じゃないのよ……アンタ達は一体……何様のつもりなのよおオォォォォォッ!!!!」
女性の怒声が、空気を震わす。
その顔は既に人間が浮かべるものではなく、鬼ですら恐怖せざるを得ない程に恐ろしく禍々しい歪みを見せていた。
「っ……!?」
しかし、女性は自らの意志でその場から後退する。
瞬間、女性と2人の間の空間に熱線が通り過ぎた。
「……」
渦巻く怒りを抑えようとはしないながらも、女性は今の一撃で冷静さを取り戻したのか、一定の間合いを広げたまま天を仰ぐ。
そこに居たのは――熱線を放ったお空と、無言で女性を見下ろす椛の姿が。
2人はそのまま高度を降ろし、藍達と女性の間に割って入るように場へと介入した。
「白狼天狗に……地獄鴉?」
「巫女のおねーさん、大丈夫!?」
「……」
お空の呼びかけに、霊夢は反応を返さない。
それを心配そうに見つめるお空、一方の椛は右手に刀を握り締めながら既に戦闘態勢に移行していた。
「妖怪が、巫女を庇うのかしら?」
「巫女のおねーさんはおくうの友達だよ、その友達を傷つけるヤツは許さない!!」
「…………は?」
「人間なのにどうして人間の里で悪さをするの? 悪い事をしてるって、判らないの!?」
「お空さん、問答をする必要はありません。――この人間は、今すぐにここで討つべきです」
女性から視線を外さないまま、椛は強い口調でお空へとそう告げる。
戦士としての勘、白狼天狗としての本能が目の前の存在の異端さを感じ取った。
「――やっぱり、腐ってるわねこの世界は」
「……腐ってる?」
「妖怪が人間を守るなんて間違ってるのよ、いいえそもそも……この世界そのものが間違えてる。
人間と妖怪が同じ世界に存在するなんて許されない、こんな世界があるから私は……私は……」
「………………霊歌」
「霊歌……? 藍さん、この人間を知っているのですか?」
藍の呟きを耳に入れ、椛はおもわず問いかけた。
すると藍は、一度躊躇いを見せつつも……女性の驚くべき正体を語る。
「彼女の名は――――
「博麗……?」
「――この幻想郷に生きる賢者様達と共に、“博麗大結界”を創造した初代の跡を継いだ二代目の博麗の巫女。
そして、歴代の巫女の中で最強の力を持っていた……今から約九十年前に死んだ筈の、人間だ」