「誰かに見られている?」
「はい」
俺は気になった事を小蒔のおじさんとおばさんに話していた。
「どういう事だ?」
「更衣室で着替えてた時と俺が1人の時に視線を感じるんです」
「それって優君が制服に、着替える時って事かい?」
「そうです。後は体育の授業ある時に着替えるじゃないですか?あの時もです」
「なるほど」
「私も昔は永水にいたけどそんな事が無かったから何だか母校が汚されていくようで悲しいわ」
「おばさんの時は男子いなかったんですか?」
「いなかったわよ?まだ私の時は今みたいに共学じゃなかったし永水の近くに男子は、いなかったけど永水から結構離れた別の高校だったら男子が、いたからそこで文化祭があった時ぐらいしか当時は出会いが無かったのよ」
「永水に文化祭は無かったんですか?」
「永水は巫女のイメージって事もあってか、そういうのは無かったのよ。そういった賑やかな事しないで、勉強がほとんどだったわ」
「そうだったんですか?」
「この人に会ったのも永水から結構離れた高校に通っていた人だったけれど会える時間は限られていたから・・・・・」
「どうしてですか?」
「私は巫女で小蒔の親だから特にそうなんだけど永水の巫女は卒業後は巫女と、しての使命を果たさなければならないからよ」
「使命ですか?」
「霧島神境の巫女って次の世代の子が産まれた時に、自分の後継者に、昔からの歴史とかを引き継がせないといけないのよ」
「・・・・・」
「そして霧島神境の巫女は女性は多いけど男性は圧倒的に少ないからか世間では男性が産まれたら大事に、育てるんだけど私達みたいな巫女は結婚したい場合は男性を優先的に出会わせてくれるのよ」
「そうなんですか!」
「歴史ある巫女の血を絶やさない為ってのもあるけど後は気に入った人がいれば指名する事も出来るのよ」
「そんな事が出来るんですか!」
「伝統とか言い伝えとか何かしらの歴史を遺すためにって理由でね。」
「なるほど」
「日本人だったら知ってると思うけど日本で1番有名な偉人は?」
「織田信長ですね」
「織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、真田幸村、伊達政宗、武田信玄、上杉謙信、石田三成、毛利元就、長宗我部元親とか色々な人いるけど、そういった歴史の中で徳川家康って人いるわよね?」
「いますね?」
「その徳川家も徳川300年って言うほど何代も何代も続いてきたじゃない?」
「そうですね」
「私達の時代は昔の偉人達みたいに、争っている時代じゃないけどやっぱり生きている内に何かを遺したり伝えたいって想いがあるのも、また事実なのよ」
「・・・・・」
「だから私が優君に伝えたい事は私達の娘の小蒔と、結婚してくれないかしら?」
「えっ!」
「突然そんな事を言われて驚くと思うけど私は出来れば優君には小蒔と結婚して次の巫女を育ててほしいのよ」
「つまり・・・俺が小蒔との間に子供を作って欲しいって事ですか?」
「わかりやすく言うとそういう事よ」
「でも・・・・・俺達まだ学生ですし」
「そこで何だけど優君は、高校に行くのかな?」
「行きたいと思います」
「なら高校卒業までは待ってあげるからその時に返事をしてくれるかしら?」
「・・・・・わかりました」
「ちなみにだけど、この話は小蒔も知ってるけど小蒔の周りにいる4人と4人の家族も知っているからね」
「そうなんですか!」
「それと優君が小蒔と結婚して子供がいるにも関わらず他の巫女と交わっても誰も何も言わないわよ」
「けどそれって浮気なんじゃ?」
「本来なら確かに浮気だけど次の世代の巫女の為にも子孫を遺さないといけないから霧島の巫女は浮気されても何も言わないのよ」
「まさかの衝撃発言!」
「優君は小蒔の他に好きな人いるのかな?」
「俺が小蒔の他に好きな人・・・・・」
そう言われた俺は霞お姉ちゃんの顔を思い浮かべた。
「そう・・・・・霞ちゃんなんだね」
「なっ!何で、わかったんですか!」
「女のカンよ」
最終的に、どうするかは決めていません