戦姫絶唱ダイレンジャー 作:ライダーファイト(ただいま療養中)
あっちではふざけまくりの謝罪をしましたが、こちらでは誠心誠意謝らせていただきます!
本当にすみませんでしたぁぁぁっ!!!
一時の平和ァッ!
ザアァァァァァァァァァァァァァァァァァ!
と激しい雨が降りしきる中、1人の少女が傘も差さず赤い花が入っている花束を落とさないよう両手で大切に抱え左手には鞄を掛けたまま、バス停でバスを待っていた。
―――
そう心の中で呟くとバスがやって来て、少女はそのバスに乗る。
(その小さな鳥は、血を吐きながら…………歌を歌い続けると言う)
少女はバスに乗るも濡れた服を拭かず少女はただ立っている。バスには怪我をした多くの人達が乗っていた。
(私の大切な人は歌は歌わなかったが…………)
バスは走っていると、次第に崩壊した場所に入った。家やビル、信号機や看板、道路も壊れていた。
そこで少女はお墓がある崩壊した寺がある近くへとバスを止めて、バスから出る。
彼女が降りるときには激しく降っていた雨は、やんでいた。
(私の大切な人は血を流しながら人を…………私達を守るために自分の持つ拳を振るった)
少女は歩いているとヒビすら入っていない、名前も書かれていないお墓の前に立った。
すると少女はそのお墓を見ながらも、膝を屈めお墓の前で誰から見ても無理と言わざるを得ない笑顔を作って、お墓に向かって話し始めた。
「亮さん来ましたよ。今日は大変だったんです家とか崩壊しちゃったんですけど、みんなですぐに直そうって張り切っちゃって!もうみんなの頑張りがすごいですよ!」
そう言いながら少女はその墓の前であるものに気付いた。
「亮さんの前に置いといた餃子がびしょ濡れですね!これじゃあ食べれないと思いますけど、ラップはしてありますから家に帰って少し焼くか電子レンジで温めれば食べれると思います!」
餃子という言葉で1つ思い出した。
「あ!そう言えば亮さん、今日も餃子を持ってきたんですよ!私が作ってみんなに食べてもらったら美味しいって言ってもらえたんです!」
「…………それでもまだ、亮さんの腕には及びませんけど」
少女は鞄から餃子を取り出し、お墓の前に置かれていた餃子を手に取りその餃子を鞄に入れ、鞄から取り出した餃子はお墓の前に置いた。
餃子をお墓の前に置けば、お墓の前に置かれているもう2つのものに手を出しそれを拭きに掛かる。
「ああ、もう亮さんの私物がびしょ濡れですね。亮さん防水にもなってるって言ってましたけど、ちゃんと拭いておきますからね!」
少女はぎこちない手付きで拭いていく。
それを拭き終われば少女はお墓の前に置く、そして次に持ってきた赤い花束を開こうとする。
「今日持ってきた花はですね…………亮さんの色に因んで赤いアネモネの花を持ってきたんですよ!今、飾り…………ますから、ね」
持ってきた花束を開こうとするも、少女は無理に作っていた笑みから次第に涙を流し始め膝を崩した。
少女は涙を流しながら崩れ、持ってきた赤いアネモネの花を放り出してしまった。
しかし、それに目を降らずに涙を流し叫ぶ。
「うっ、ううぅっ…………会いたいですよ!もう会えないなんて、私は嫌です!」
「会ってもっと話がしたかった!会ってもっと餃子を食べたかった!会ってもっともっと沢山の思い出を作りたかった!」
少女は土を握り締めて叫ぶ。
「何で…………何でなんですか!何で私の前から消えちゃったんですか!?なんとか言ってくださいよ!!!」
しかし無情にも、墓が少女の問に答えることはない。
悲しみに少女は天高く力一杯叫んだ。
「亮さぁーーーーーーーーーーん!!!!!」
お墓の前には頼もしそうに笑う男性の写真が置かれていた。
そう、私…………
※
「未来ーーー!早くしてよー!」
「ちょっと待ってよ響ィ~!?」
「だって急がないと私達が食べれる時間が無くなっちゃうんだよ!」
「だからって急ぎすぎだよ!もうちょっと私のことを考えてよ!?」
今私は親友の未来に手を振りながら急がしていた。
「一週間に5回は食べて昨日も食べたのに、今日も食べたいって、響どれだけ気に入っているの?」
未来が私に追い付くと手に膝を付けて、少し息を切らしていた。
息を切らしている未来をよそ目に私は強く語る。
「だって亮さんの作る餃子って本当に美味しいんだもん!パリッとした食感を出しながらも優しい食感もあって、肉汁たっぷりでもその後にはサッパリとした後味が堪んないんだよ!」
頬を触りながら、強く力説する私に未来は苦笑しながらも返答する。
「確かに美味しいよね亮さんの餃子。なんだか元気が貰えるみたいで!」
「さぁ、休憩はもういいよね未来!亮さんのお店にレッツゴー!」
そう言って両手を伸ばして私はもう一度走り出す。私が走り出したことに未来も「だから待ってよ響!」と口にしながら走り出した。
私は未来の言葉を聞きながらも、亮さんの作る美味しい餃子目掛けてお店に突撃していく。
※
響達が走っている先に無数の料理のお店があるが、そこの1つに黒い看板が貼られており、店の名前は赤い文字で〈
この名前からして察すればこの店は中華料理店であろう。
中華料理店〈赤龍軒〉を覗いてみれば、20代半ばぐらいの男性が1人厨房で餃子の仕込みをしていた。
彼の名前は
1年前に地球侵略を目論んでいたゴーマから、この地球を守るために五星戦隊ダイレンジャーのリュウレンジャーとして、ゴーマと命を懸けた戦いを行った戦士の1人である。
今はこの中華料理店・赤龍軒の一国一城の主である。
かつて亮は横浜・中華街の中華料理店「山海閣」で働く見習いコックであったが、ゴーマの戦いがある中でも中華料理、特に餃子の腕を磨いていた。
その努力の結果、亮はたった1年で誰もが認めるほどの中華料理の腕を持ち、山海閣を退職し何とか自分の店、赤龍軒を建てることが出来た。
その後は上手く軌道に乗り、今では色んな人が亮の作る餃子を求めて来る人も多いが、実は亮目当てで来る女性客もいるようだ。
亮side
「ほいほいほい、よしっこれで今日の団体客の仕込みは完了だ」
夜8時から来る予約の団体客に出す餃子の仕込みを作っていたが、その仕込みが今終わり手をパンパンと叩く。
「ん~。食器は全部洗い終わらせたし仕込みもだいたい終わったからな、どうすっかな~」
カランコロンカラ~ン!
俺はそう言いながら腕を組んで考えていると、いきなり店の扉に付いている鈴が鳴った。お客さんが来たためすぐに笑顔を向けて迎える。
「あ、いらっしゃいませ!…………って響ちゃん!?」
「えへへへー、亮さん今日も来ちゃいました!」
俺の店にやって来たのは、小ちゃい頃から相談に乗ってあげて、今はうちの常連客でふわふわな薄茶色の髪をショートボブにした立花響ちゃんが元気な笑顔で俺の店にやって来た。
「はぁはぁはぁ…………亮さん、どうも」
その後ろでは黒髪ショートで、大きな白いリボンでハーフアップにしている。響ちゃんの幼馴染み兼親友で保護者であり、同じ常連客の
「未来ちゃんもいらっしゃい、大丈夫?」
「は、はい何とか大丈夫です」
息を切らしている未来ちゃんに声を掛ければ、未来ちゃんは息を整えながら苦笑混じりの笑みを見せた。
「その状態だと今日もまぁ~た響ちゃんに振り回されたみたいだね?」
「そうなんです。響ったら亮さんの餃子を食べたいからって、私の言葉を聞かずに走り出すんですから」
「………………………響ちゃん」
未来ちゃんの話を聞いた俺は響ちゃんに目を向ければ、響ちゃんは後頭部の髪に触れながら「えへへ」と掠れた笑い声を出す。
「まあいいか、響ちゃんの無茶ぶりは昔からだから注意しても無駄だね。それじゃあ、そこの席に座っといてくれる」
俺が指定した席は3人のお客さんが座れ食事ができる席である。響ちゃんと未来ちゃんは「「はーい!」」と素直な返事を返して、俺が指定した席に向い合わせで座った。
「はい先にお冷やね。それと未来ちゃん喉がカラカラだろうからビッチャーも置いとくからね!」
「あ、ありがとうございます!亮さん!」
席の元まで行って俺は2人にお冷やを出して、2人の注文は大体分かるが一応メニューを渡す。
「はい、メニューをどうぞ。決まったら呼んでね!」
俺はそう言って2人にメニューを渡し厨房に戻ろうとすると、響ちゃんと未来ちゃんは俺に声をかけてくる。
「亮さん!注文するメニューはもう決まってますよ!」
「私も決まっています!」
その言葉を聞いて俺は、もう一度2人に体を向けて「ご注文は」と聞く。
すると2人はお互いの顔を見合わせ、「せーの」と言いながら、一緒に注文品を言う。
「「亮さんの特製餃子!一人前ください!」」
「あいよ!俺が作る特製餃子ね!待っててすぐ作るから」
2人の注文を受け取り、俺はすぐに厨房まで行き餃子作りに取り掛かる。
餃子の皮作りから始めると、楽しく話し合っている響ちゃんと未来ちゃんに話し掛ける。
「それにしても2人とも、昨日も俺の餃子食べに来たのに今日も食べに来るなんて…………そろそろ俺の餃子飽きてきたんじゃないの?」
「亮さんの餃子を飽きることなんてありません!だって、亮さんの餃子は笑顔になれるほどすっごい美味しいんですから!」
「私も響と同意見です!亮さんの餃子を食べると元気を貰えますし、響の無茶ぶりに付き合わされた疲れが一気に吹き飛んじゃいますから!」
俺がそう言うと響ちゃんは大声で否定し逆にものすごく誉めて、未来ちゃんも同じく俺の餃子を誉めてくれる。そんな2人の誉め言葉に俺は嬉しく思い、2人にサービスしようかと思い口にする。
「ありがとう2人とも!常連客でそんなに誉めくれる2人にはサービスで餃子を倍にしてあげようか?」
「良いんですか!?じゃあ、お願いします!」
「未来ちゃんはどうする?」
「私もお願いします!」
「あいよ。2人の餃子サービスしとくから」
俺が出した言葉によく食べる響ちゃんは椅子から立ち上がりながら叫び、料理は普通の量を食べる未来ちゃんも餃子のサービスをお願いして俺は笑いながら餃子作りに急いで掛かる。
「俺の特製餃子!二人前のサービス。ヘイっお待ち!」
俺は2つの皿を持ってきて、焼き上がった餃子16個ずつを響ちゃんと未来ちゃんの前にそれぞれ置いた。
「ん~。良い匂いだな~」
「わぁ!来た来た!待ってました!」
2人は割り箸を持って手を合わせて一緒に言う。
「「いっただきまーす!!」」
その言葉とともに2人は割り箸を割って、餃子を食べに掛かる。
「調味料は置いてあるから、使うんだったら使ってね」
言いながら俺は、厨房には戻らずトレイを持って空いている席に座る。
響ちゃんと未来ちゃんの食べ方は別々である。
「ふふ~ん!私は醤油だけど、やっぱり最初の亮さんの餃子はそのままで食べるのが一番!」
醤油皿に醤油を垂らすも、響ちゃんは割り箸で取った餃子を醤油に付けず、そのまま口に入れる。
口に入れて噛み続けるも、その数秒後、響ちゃんは自分の頬に触れて笑顔で俺の餃子の感想を言う。
「美味しい~!!噛めば噛むほど肉汁が溢れるほど出てくる~!!」
向かいの未来ちゃんは醤油皿に醤油を垂らすと、追加でラー油を2回垂らしお酢を5回垂らして、餃子を取って醤油に付けて食べる。
「美味しいです!やっぱり亮さんの餃子を食べると疲れが吹き飛んじゃいますね」
未来ちゃんは口に入れた餃子を何回か噛んで飲み込み、優しい笑顔を向けながら感想を言った。
そんな2人の笑顔に俺も自然と笑顔になる。
「ありがと、そんなに誉めてくれると餃子を作る俺もすごく嬉しいよ!」
「亮さん!これだけ美味しい餃子が作れるのなら世界一の餃子完成してるんじゃないですか!?」
「いや、まだまだだよ。俺はこの餃子をもっと美味しくしたい!世界中の人達が笑顔になるそんな餃子にしたいんだ」
「亮さんのその夢を聞いたとき、私とっても素敵だなぁと思いました!亮さん頑張ってください!」
「うん!ありがとね未来ちゃん!ま、そんなことは気にせず、たんと食べてよ!」
響ちゃん未来ちゃんとそんな他愛のない会話をしていると、俺の服に入っているスマートフォンが震え出した。
「ん?誰だこんな時に電話してくるなんて?」
スマートフォンが震え出したことに、俺は頭に疑問を出しながらも立ち上がり、厨房の所で電話に出ようとする。
「あれ、亮さん。どうかしたんですか?」
「ああぁ、ちょっとね誰かから電話が来たから出てくるよ、未来ちゃん達は普通に食べてて良いから」
「はい」
響ちゃんは俺が作った餃子を夢中で食べており、俺は未来ちゃんだけに手を振って、未来ちゃんは頷いて餃子に向き直る。
俺は厨房の所まで離れて、震えているスマートフォンの画面を見れば、画面には将児の名前が出ていた。
「将児ィ~?何であいつがこんな時間帯に電話なんか」
電話の主が珍しかったために、俺はつい変な声を出しながらも電話に出ることにした。
「珍しいな将児、お前がこんな時間帯に電話してくるなんて?」
『亮!聞いてくれよ~!!!』
電話に出てみれば、いきなり将児の涙混じりのデカい声が聞こえてきたため、余りのうるささに俺はついスマートフォンから耳を離してしまう。
「ッ!?なんだよ将児、今にも泣きそうな声なんか出して、何かあったのか?」
一応俺は仕事中の為、将児が電話してきた理由をさっさと聞こうと思い、用件を訪ねることにした。
すると将児は今にも涙が出そうな声で話し始めた。
『実はよ。明後日にあるツヴァイウィングのライブ行けなくなっちまったんだよ!』
「ツヴァイウィングゥ~?……………………って、ああ2人組のアイドルユニットか!」
将児の口から出てきた名前に、分からないと言う声を出すが、すぐに思い出して口にした。《ツヴァイウィング》というのは少し前から人気が出たツインボーカルユニットのアイドルだ。
2人の少女が歌って踊って華麗に舞うアイドルユニットだ。俺はファンでもなければそこまで知っているわけでもないが、最近テレビを着ければ彼女達の宣伝やCD発売を教えているため、アイドルを知らないこんな俺でも多少なりともツヴァイウィングのことは知っている。
まあ将児がツヴァイウィングの熱狂的なファンだってことは、
「で、あのツヴァイウィングのライヴが行けなくなったとか言ってたがどうしたんだ?そんで何で俺に電話掛けてきたんだよ?」
ツヴァイウィングのこととかを考えているも、何故将児が俺に電話を掛けてきた理由が知りたくなり、聞こうとする。
『ああっそうだった!実はよ!明後日にツヴァイウィングのライブあるんだけどよ!ライブのチケットが当たりもしなかったし買えなかったんだよ!亮!俺の気持ち分かるよな~?』
………………電話をしてきた理由を聞いてみれば、その理由は俺にとってとてつもなくどーでも良いことだった。
そのため俺は店の中なのに、電話越しの将児相手に怒鳴ってしまった。
「このアホッ!んな理由で電話してくんじゃねえ!!」
『な、アホってお前!分かんねえのか!?好きなアイドルのライブに行けなくなるどころか、チケットも当たらなかったんだぞ!?お前この気持ち分かんねえのか!』
電話越しの将児は俺の言葉に怒り出し、俺に言い返す。
「知るかそんなもん!とにかく俺はまだ仕事中なんだ!もう切るからな電話してくんなよ」
将児との電話を切ろうと思い、無理矢理話を終わらせ耳からスマートフォンを離して切ろうとすれば、電話越しの将児が『あ、ちょ、待てよ亮!りょーーーーーーーーう!!!』などと言っていたが、俺はそんな言葉に聞く耳持たず通話を切った。
「ったく、下らねえことで掛けてきやがって…………念のためにオーラチェンジャーの通信も切っておくか?」
切ったスマートフォンを見ながら、将児がまた電話を掛けてこないか考えるが、今もなお俺達が使っているアイテムの通信機能も切っておこうかと考えたが、流石に今も平和とは言えなければ危険が多すぎるため通信機能を切っておくのは止めた。
(ま、今の時代でも俺達が戦わないといけないのは変わらないんだ。なら通信機能は入れておいた方が良いな)
俺はそんなことを思いながら響ちゃん達が座っている席に戻ると、俺が戻った瞬間いきなり未来ちゃんが俺に話し掛けてきた。
「亮さん!もしかして亮さんもツヴァイウィングのライブに行くんですか!?」
「おわあぁぁぁっ!?」
未来ちゃんの大声に驚いた俺は、椅子から転げ落ちそうになるも、椅子の背もたれにしっかりと手を握りテーブルもしっかりと握ったおかげで転げ落ちることはなかった。
「あ、すいません!?大丈夫ですか?」
自分の大声で椅子から転げ落ちそうになったため、未来ちゃんは俺を支えるように手を出して謝ってくる。
「ああ、大丈夫大丈夫…………それにしても驚いたよ。いきなり未来ちゃんが大声出すなんて」
手を振りながら大丈夫だと言いながら、大声を出したことを言うと、未来ちゃんは反省するように顔を俯かせた。それを俺は慌てながら大丈夫だと言おうとすると、俺が作った餃子を口一杯に入れた響ちゃんが口をモグモグさせながら言った。
「気にしないでください亮さん。未来ってこう見えてツヴァイウィングの熱狂的なファンなんですよ」
「ちょっと、響ッ!?」
「同じく明後日にあるライブのチケット2枚当てて、私を誘ったんですから!」
「響黙って!!?」
「むぐっ、むうぅぅぅ!?」
響ちゃんの言葉に沈んでいた未来ちゃんは顔を上げ、大慌てで響ちゃんの口を塞ぐが既に手遅れだ。
未来ちゃんがツヴァイウィングのファンであることに少し驚いた俺は、口を少し尖らせて言う。
「へぇー、未来ちゃんてツヴァイウィングのファンだったんだ」
「…………はい、そうなんです」
俺がそう言うと、未来ちゃんは頬を赤く染めて顔を下げて響ちゃんの口から手を離し、割り箸を持ったまま手を下げて指を隠しているが腕の動きで分かるように、指をいじいじと動かしていた。
「別にそんな恥ずかしがらなくても良いでしょ?寧ろ俺的には未来ちゃんのそんな隠れた一面を知れて嬉しいよ!あ、お冷やのおかわりいる?」
立ち上がって空になったビッチャーを持ち上げ2人に聞くと、響ちゃんは元気良く「くださーい!」と言って未来ちゃんは、先程の状態のまま小さな声で「ください…………」と言った。
俺は「あいよ」と言って、厨房まで戻っていき冷蔵庫に冷やしてある水を取り出して入れる。
水を入れていると、食事席で響ちゃんと未来ちゃんが言い合いとは言えないが、言い合っていた。
「響なんで言っちゃうの!?亮さんだけには知られたくなかったのに!」
「別に良いじゃん!亮さんだって嬉しいよ!って言ってくれてたじゃん!」
「それでも知られたくないものは知られたくなかったの!!!」
「ふーん。それより未来…………亮さんの作った餃子食べないの?食べないんだったら私が食べても良いかな?」
言って響ちゃんは未来ちゃんのお皿に残っている餃子に持っている割り箸を向けて動かしながら聞いた。
「亮さんだけには言ってはならない私の秘密を言った響には餃子はあげません!逆に響のお皿に残ってる餃子をこうしてあげる!」
そう言って未来ちゃんは、響ちゃんのお皿に残っている最後の1つの餃子を奪い取ってそのまま自分の口に入れた。
最後の1つの餃子を残していた響ちゃんが、悲痛の声を上げる。
「ああっ!?最後の楽しみに取っておいた私の餃子が!?酷いよ未来!!?」
「知らないっ!」
「うぅ~、だったら未来の餃子頂戴!!」
「絶対にあげない!」
ビッチャーと自分用のお冷やのコップを持って戻ってくれば、そこには餃子を奪おうとするも奪わせない攻防戦が展開されていた。
それを見た俺は2人を制止する。
「コラコラ、いくら食べ物の恨みは怖くても女子中学生が餃子の攻防戦なんかしちゃダメだよ。仲良くしなきゃ」
「だって亮さん響が私の秘密を!」
「亮さん未来に餃子食べられちゃいました。餃子作ってくれませんか!?」
「ごめんね。悪いんだけど響ちゃんサービスはここまでだよ。俺も一応商売してるからさらにサービスしたら危ないんだ。本当にごめん」
「そうですか…………分かりました」
響ちゃんにそう言うと、響ちゃんは残念そうに顔を下げて無理に理解してくれた。
「そんな悲しい顔しないでよ。また来てくれたら今度は2倍サービスするからさ!」
「本当ですかっ!ありがとうございます!」
続けて俺がそう言うと、響ちゃんはさっきの悲しい顔から一気に花が咲くような喜びの顔になった。
次に未来ちゃんに話し掛ける。
「未来ちゃんもそんなに怒らないでよ。未来ちゃんのそんな隠れた一面があるのはすごい可愛らしいよ!」
「…………あ、ありがとうございます」
笑いながらそう言うと、未来ちゃんはまた顔を俯かせて頬を赤くしながら言った。そしてゆっくりと餃子を食べていく。
俺は2人のコップにお冷やを入れ、持ってきた自分用のコップにお冷やを入れて席に座れば、響ちゃんがいきなり言い放った。
「それにしても亮さんもツヴァイウィングのことを知ってたんですね。なんか意外です。基本的に餃子にしか興味ないと思っていました」
「おいおい酷いな響ちゃん。確かにその通りかもしれないけど、俺だって昔はアイドルに興味を持ったことはあるぜ。でも今は世界一の餃子を作るっていう大きな目標があるからアイドル事情は知らなくて良いかな?」
「そういえば、亮さんが一番最初にツヴァイウィングを知ったのはなんですか?」
そんなことを言っていると、餃子を食べ割り箸を口に加えた未来ちゃんが聞いてきた。
「ん俺?俺がツヴァイウィングを知ったのはテレビだね。テレビを着けたとき偶然にツヴァイウィングのCD発売のCMを見てね。確かこんな風にテレビを着けてね」
俺は店の中にあるテレビの前に行き、リモコンを持ってテレビを着ける。
テレビを着ければ、いきなりニュースが俺達の耳に入る。
『ニュースをお伝えします。今日午後5時頃に認定特異災害のノイズが出現しました』
そのニュースを聞いた俺達は複雑な表情をしながらニュースを見続ける。
「またノイズか…………」
「最近ノイズの出現率が上がってるんだよね」
「…………1年前は謎の怪物達が暴れる事件が多発して消えたと思ったら、今度はノイズですよ。一体地球はどうなってるんですか?」
「………………………………………」
未来ちゃんの言葉に、ただ俺は黙るしかなくニュースの情報に耳を傾けた。
ノイズ…………………
ノイズとは、人類共通の脅威とされ、人類を脅かす認定特異災害。1年前の国連総会で、特異災害として認定された未知の存在。なお発生そのものは有史以来から確認されており、歴史上に記された異形の類は大半がノイズ由来のものと言われ、一般的に報道されており知名度自体はそれなりに高い。だが初めて出現したのは俺達の戦いが終わった1ヶ月後だった。ノイズは空間から滲み出るように突如発生、なぜか人間だけを大群で襲撃し、触れた者を自分もろとも炭素の塊に転換してしまう特性を持っている。なお発生から一定時間が経過すれば、ノイズ自身が炭素化して自壊する。
他にも生物的な外観を持ち、各々が奇声を発するのが特徴だ。形状には個体ごとに差異があるようで、大きさは人間と同程度のノイズからビルをも超える超大型ノイズまで様々である。ただし外見上の共通点として、どのノイズにも液晶ディスプレイのように輝く部位が存在する。ノイズ同士の合体・分離も可能とされており、それに伴い形態を変化させることもある。中にはその分離能力を用い、切り離した部位を爆発させたり、ノイズを弾丸の如く射出したりと、兵器のような攻撃手段を持つ個体も存在する。
最も大きな特性は、その存在を人間の世界とは異なる世界にまたがらせることで、通常物理法則下のエネルギーによる干渉をコントロールする位相差障壁にある。これはノイズ自身の現世に対して「存在する」比率を自在にコントロールすることで、物理的干渉を可能な状態にして相手に接触できる状態、物理的干渉を減衰、無効化できる状態を使い分ける能力であり、これにより人間の行使する物理法則に則ったエネルギーは、ゼロから微々たる効果しか及ぼすことができない。これに対しては存在比率が増す攻撃の瞬間にタイミングを合わせたり、効率を考えず間断なく攻撃を仕掛けることで対応は一応可能であるのだが、後者は周囲にノイズよりも深刻な被害をもたらす結果となってしまう等、有効な対策とは言い難い。
どうやらノイズは本来有史以前から存在するものである通り、人が一生のうちノイズに遭遇する確率は、東京都民が一生涯に通り魔事件に巻き込まれる確率を下回るとされている。しかし最近では、出現率が上がるも私立リディアン音楽院高等科周辺に異常事態とみなされるほどのノイズが頻発しており、俺は私立リディアン音楽院高等科に何かあるのではないかと考えいる。
ノイズのことを考えているが、ニュースはノイズの報告を続ける。
『5時頃に大量のノイズが出現しましたが、死亡者どころか怪我人も一斉出ることはありませんでしたが、その変わり今回もノイズを倒す謎の影が現れました』
『謎の影はノイズを全て倒すと颯爽と消えていきました。この影の形を見る限りこの影は人の形をしていると思われる。影は我々の味方であること、今はそれしか分かってはおりません』
ニュースの報告を聞いていれば、響ちゃんは喜びの声を出し、未来ちゃんは説明するように話す。
「あの影の人また現れたんだ!!?」
「そうみたいだね。この影の人って1年前にノイズの出現とともに、ノイズの相手をするように出てくれば一瞬のうちにノイズを倒してなにも言わないでいなくなるんだよね。そのやり方からみんなからはヒーローって呼ばれてるらしいよ」
「ヒーローかぁ~!カッコいいなーーー!!!!」
すると響鬼ちゃんは目をキラキラさせながら、なんだか憧れのような顔になっている。そのため俺は響ちゃんに何気なく聞いてみた。
「なに響ちゃん。もしかしてあの謎の影に憧れてるの?」
「あ、いえあのその、なんと言うか…………」
「憧れじゃなくて尊敬ですね。響ったら謎の影のニュースが流れれば子供のようにはしゃぐんですよ」
「へぇー、そうなんだ!」
「あはは、お恥ずかしいことに…………」
俺は響ちゃんに顔を向けると、響ちゃんは頬を赤く染めて笑いながら後頭部を撫でる。
その後は餃子を食べ終えた未来ちゃんも入れて、3人で数十分の雑談をすれば、そろそろ2人が帰ろうと決めたためお会計をしている。
「俺の特製餃子一人前が2つで合計1000円になるけど、それを学生料金で半額して、合計500円になります!」
「あ、ごめん未来50円ないから私の分も払ってくれる!?明日返すから!!」
「響ったら50円ないのによく亮さんの餃子食べようなんて言ったね。もう明日ちゃんと返してね」
「ありがとう未来!」
「500円をちょうど頂きます。レシートっている?」
「あ、大丈夫です」
未来ちゃんから500円を受け取り、レシートを出すも必要ないと言われ、俺はレシートをゴミ箱に捨てる。
「それじゃ2人とも気を付けて帰るんだよ。それと餃子食べたから、ちゃんと口の臭いを消しとくんだよ!」
「はいっ、亮さん!餃子ご馳走さまでした!行こっ未来!!!」
「あ、待ってよ響!…………亮さんそれじゃあご馳走さまでした!」
「ありがとうね!また来てくれるのを待ってるよ!それと明後日のライブ楽しんできなよ!」
俺は走り去る2人に手を振りながらそう言うと、2人も俺の方に振り返り手を振りながら返事をする。
「ありがとうございます亮さん!!!」
「はいっ!楽しんできます亮さん!」
その返事とともに2人はもう一度前を向いて、帰路に向かっていく。
2人の後ろ姿を見送った俺は手を下ろして、フッと鼻を鳴らして笑う。
「小ちゃい頃から接してきたあの2人があんなに可愛く育つなんて。昔の小さな頃が懐かしく思うな…………」
笑いながら少し過去に浸る俺だが、空に目を写せばすぐに笑顔から真剣な表情になる。
「嫌な空模様だな…………風も肌を傷付けるほどだ。この感じは激しい戦いがすぐそこまで迫ってきている…………ノイズとの本当の戦いが始まる」
俺が激しい戦いが始まるのが分かるのは、鍛え上げた気力のおかげである。
「ノイズだろうが何だろうが来るなら来い、俺は…………俺達は倒れることはないぞ!」
俺は不気味な空模様を睨みながら握り締めた拳を空に向かって突き上げた。
しかしこの時の俺はまだ知ることもなかった。この戦いで俺達は再び多くの出会いや悲しみ、それを越える多くの戦いが始まることを…………
次回予告
ナレーション 天火星・亮
BGM 五星戦隊ダイレンジャー
急な用事で行けなくなった未来ちゃんの変わりに、俺がツヴァイウィングのコンサートライブに行くことになった。
響ちゃんの保護者として俺はライブ会場に入る。
初めてのライヴに緊張する俺と響ちゃん。そしてツヴァイウィングの2人の歌に俺達は興奮する。
激しい熱気を出しているライブに俺は謎の力を感じ取った!
そしてその瞬間!俺達がいる会場に突然ノイズが出現した!!!
現れたノイズは人々を襲う!?
「ノイズ、この俺が戦うからには、もうお前達の好きにはさせない!」
「気力転身!」
次回 戦姫絶唱ダイレンジャー
転身だァァッ!!!!!
第1話ですけどちょっとでも良いので感想お願いします!
待ってまぁぁぁぁす!!!!!!!!!