戦姫絶唱ダイレンジャー   作:ライダーファイト(ただいま療養中)

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どんなことがあっても、我々はヒーローをヒーローの勇姿を忘れてはならないと思います。

更新できてないのに偉そうなこと言ってすみません。
でも、きっと大事なことなので描きました。


第2話よろしくお願いいたします!


転身だァァァッ!

響side

 

「えーっ!?どうして!?今日のライブって未来が誘ったんだよ!!!」

 

私は今親友の未来に誘われたツヴァイウィングというツインボーカルユニットのライブ会場の前に並んでいる。

初めてのライブで内心ドキドキしていたが、親友の未来がいると思うとちょっと落ち着いていたのに、未来から掛かってきた電話に出ると、私は人目も気にせず叫んでしまう。

そのため私の周りにいる人達は、私を見るも私はその視線を気にせずに未来が何で来れないのかを聞く。

 

 

『盛岡のおばさんが怪我をしちゃって、お父さんが今から車を出すって』

 

「あたしよく知らないのに…………」

 

『本当にごめんね。でも響1人じゃ心配だから、私の変わりにあの人に無理言って来てもらったんだけど、まだ来てない?』

 

「あの人?」

 

電話越しの未来の言葉に、私は首を傾げちゃうような疑問の声で言うと、私の右側の向こうから聞き覚えのある男性の声が飛んできた。

 

「あ、いたいた!おーい響ちゃーん!」

 

声のした方向を振り向いてみれば、そこには私のよく知る男の人がいて私はまた周囲の人の目を気にせずに叫んでしまう。

 

「すいません入っても良いですか?この子の保護者なんで」

 

「亮さん!?」

 

やって来たのは私服姿の亮さんであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

亮side

 

「亮さん、なんでここに!?」

 

「なんでって、未来ちゃんが響ちゃん1人じゃ危ないから変わりに行ってくれませんかって頼まれて来たんだよ」

 

俺がやって来たことに驚く響ちゃんを尻目に、俺は響ちゃんに向かって簡単に説明する。

 

簡単に説明すると、響ちゃんはバッと風を切る音が出るくらいの動きを見せて、俺に背を向けると電話相手の未来ちゃんに俺が来たことの説明を求めるようだ。

 

「ちょっと未来!?亮さんが変わりに来るだなんて聞いてないよ。どうして!?」

 

『私も急いでて誰に電話すれば良いのか悩んじゃって、緊急で亮さんに電話しちゃったの!?私もこんなことのためにわざわざお店休みにしてもらって申し訳ないと思ってるの!?』

 

「でも、だからって…………」

 

『ごめん響!お父さんがもう行くって言うから電話切るね!それと亮さんに変わってくれる!』

 

何か話し合っていると、響ちゃんは俺にスマートフォンを手渡すように出した。

 

「亮さん…………未来が亮さんに変わってと」

 

「俺に?」

 

人差し指で自分を差して口にするも、すぐに響ちゃんのスマートフォンを受け取り、耳に(かざ)す。

 

「もしもし、電話変わったけどどうかした未来ちゃん?」

 

『亮さん今日は本当にごめんなさい!!こんなことのためにお店お休みにさせちゃって、本当にごめんなさい!?』

 

翳せば未来ちゃんの第一声は謝罪であった。

 

「別にいいよそんな気にしなくて、店の方は俺自身の都合で休業させたから、これぐらいじゃ売り上げには響かないから大丈夫だよ。それより早く怪我をした盛岡のおばさんのところに行ってきなよお父さんとお母さんが待ってるんだろ」

 

俺が気にしてないと言うも、未来ちゃんは電話越しでも分かるぐらいに罪悪感を募らせているが、俺はそれを大丈夫だと言って未来ちゃんを今の事態に目を向けるようにした。

 

『は、はい!亮さん今日は本当にありがとうございます!いずれお礼をするんでそれじゃあ!』

 

未来はそう言いながら電話を切る。俺は切れた電話を見ながら笑う。

 

「はい響ちゃん返すよ」

 

「あの、すみません亮さん!私からも謝ります!こんなことのためにわざわざお店休業させて来てもらうなんて」

 

響ちゃんにスマートフォンを返せば、響ちゃんは両手で持ったまま俺に向かって頭を下げる。

今度は響ちゃんが謝ってきたことに俺は髪を掻きながら苦虫を噛み潰したような顔になるも言う。

 

「別に響ちゃんが謝ることでもないよ。それに俺としては調度良い息抜きだと思ってるんだ。こうも連続で店をやってたら大変だから、これは俺にとって良い息抜きになるよ。そんなことよりも今日はこのライブを名一杯楽しもう!!!」

 

「はいっ!そうですね。楽しみましょう!!」

 

そして俺達は会場内に入るため並んでいると、ふと疑問が浮かんだのか響ちゃんは俺の顔を見ながら聞いてきた。

 

「そう言えば亮さん。どうやって此処まで来たんですか?いつも配達に使ってる自転車じゃ間に合うはずありませんから」

 

「ああ、それね…………普通にバイクで此処まで来たんだよ。自転車じゃ間に合わないから、未来ちゃんからの電話がきたときも大急ぎでバイク引っ張り出して未来ちゃんの家の前まで来たのさ」

 

「えっ!?亮さんってバイクも乗ってるんですか!?」

 

「響ちゃん…………君は今日、何回驚くんだい?」

 

また上がった響ちゃんの驚きの声に、俺は静かにそう言うと響ちゃんはハッと気付き、すぐに周りにいる人達に「す、すいません」と謝った。

 

驚きまくる響ちゃんに俺は冷静に言う。

 

「そんなに驚くことでもないでしょ…………俺だってドライブすることもあるんだよ。特に悩みがあるときは車かバイクに乗って悩みを吹き飛ばしてるんだから」

 

「そうですよね。ごめんなさい…………なんだか亮さんって私が出会った男の人の中で結構変わってる雰囲気があるんですよね」

 

そう言われて、俺は首を傾げるも自分の両手を見ながら、自分自身の感想を言う。

 

「そうかな?俺自身そんなに変わってるとは思わないけど………………ま、今はそんなこと関係なく、せっかくのライブなんだ楽しまないと損だよ響ちゃん!」

 

「そうですね。今日は思いっきり楽しみましょう!」

 

俺がサムズアップをして言うと、響ちゃんは思いっきり手を空に上げて賛同した。

 

亮side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ライブ会場内

 

ライブ会場の裏では、今日のライブのために多くの人々が設備の準備を終えようとしていた。

 

準備が終わろうとする中、スレンダーな体持ち綺麗な青い髪をしたフード付きの白いコートを羽織った1人の少女が不安そうな顔で、道具を入れるコンテナに背を預け両手を握っていた。

 

 

 

彼女の名前は風鳴 翼(かざなり つばさ)

ツインボーカルユニット【ツヴァイウィング】のアイドル歌手である。

 

「間が保たないって言うかなんて言うかさ」

 

「あ…………」

 

不安になっている風鳴翼の前に、同じフード付きの白いコートを羽織った声からして同じ年齢ぐらいの少女がやって来た。

 

「開演するまでのこの時間が苦手なんだよねー」

 

「…………うん」

 

少女の言葉に翼は頷く。

 

 

「こちとらさっさと大暴れしたいのに、そいつも儘ならねえ」

 

少女は翼の前にある荷物に座ると、自前の赤い髪を触りながら言う。

 

この明るく奔放な言動が目立つ姉御肌を持った少女の名前は天羽 奏(あもう かなで)

風鳴翼と同じツヴァイウィングのアイドル歌手である。

 

だが、彼女達2人にはアイドルとは違うもう1つの顔がある。

 

 

そんなことを言う自分の相棒の奏に、翼は不安な声で返す。

 

「そうだね……………………」

 

奏は「ん?」と翼の方に顔を向けると、意地悪そうな笑みを見せる。

 

「もしかして翼。緊張とかしちゃったり?」

 

「あ、当たり前でしょ!櫻井女史も今日は大事な日だって」

 

そんなことを言う奏に翼は頬を赤くして返答すると、奏は翼の額に優しくデコピンをした。

 

「かーっ!真面目が過ぎるねえー」

 

「奏、翼、ここにいたのか」

 

呑気に奏が言うと、そんな2人の元に赤い髪と赤い髭、赤いカッタースーツを着た大柄の男性がやって来た。スーツから見ても分かる通り、鍛えられた肉体を持っている。

 

男性の名前は風鳴弦十郎。風鳴翼の叔父であると共に、このライブの開催者である。

弦十郎が来たことに2人は名前を口にする。

 

「司令!?」

 

「こりゃまた弦十郎の旦那」

 

名前を呼ばれながらも、風鳴弦十郎は真剣な表情で2人に言おうとするも。

 

「分かってると思うが、今日は…………」

 

 

それを天羽奏は遮る。

 

「大事だって言いたいんだろ。わーかってるから、大丈夫だって」

 

「フッ、分かっているならそれでいい、今日のライブの結果が人類の未来を掛けてるってことにな…………」

 

 

弦十郎に手を振りながら気楽に言う奏でに弦十郎は笑いながら言うと、奏は1つ疑問が頭に浮かんで弦十郎に聞くことにした。

 

「そう言えば弦十郎の旦那。今日は(かず)の奴が来てなかったけど、あいつなになってんだ?久しぶりのあたし達のデカいライブだってのに、知の姿が影も形もないんだ」

 

「そう言えば、前に知さんをライブに誘ったら、行けるよって言ってたけどなんの連絡もないね。会場に来てれば挨拶に来るはずなんだけど?」

 

「ああ、そのことか」

 

奏と翼の台詞に弦十郎は気付いて深く頷く。

 

彼女達が言う知というのは、はっきり言えば天才美容師である。だが彼は、彼女達ツヴァイウィング専属の美容師ではないが、ライブがあるとき時たまに彼女達の髪をセットしている。そして知とツヴァイウィングが出会ったのは語らないが、出会いはとある偶然にある。

 

 

話は逸れたが、弦十郎は深く頷くと知が来ていない理由を話した。

 

 

「知君はなんでも、仕事の出張で来れなくなったようだ。先程俺の携帯に電話が来た。それと帰ってきたら2人に謝ると言っていたし、髪のセットをしてあげますよとも言っていた」

 

「…………そうですか」

 

「仕事先の出張ってなんだよ、そんなもん断ればいいだろうに、あのおしゃれキザ美容師!」

 

知が来ないことを聞いた風鳴翼は少し寂しそうな顔になり、逆に天羽奏は知が来ない理由に口を尖らせ知の悪口を言う。

 

そんな2人を見て弦十郎は笑えば、知の伝言がもう1つあったことを思い出した弦十郎は口にする。

 

「それと奏、知君からお前に伝言がもう1つあるんだ」

 

「知があたしに?一体なんの伝言なんだ弦十郎の旦那?」

 

弦十郎は笑みを隠しながら笑い、すぐゴホンと咳払いをして奏へ知の伝言を伝える。

 

「多分これを聞いたら奏ちゃんが僕の悪口を言うかもしれませんが言わせてもらいます。世界中の女性を美しくするのが僕の仕事なんですよ、だ」

 

「なぁあああぁぁぁぁ、もう!どこまでもキザりやがって知は!?」

 

「ふふっ、知さんらしいね」

 

知の伝言に奏は頭を抑え吠えて、翼は口元に手を当てて笑った。弦十郎もそんな2人を見ながら笑うも、ポケットからスマートフォンを取り出し電話を掛ける。

 

 

弦十郎が電話を掛けたところは、このライブ会場の下にある研究施設であった。そしてそこの真ん中には、無数のトゲを備えた謎の塊が置かれていた。

 

 

 

それは聖遺物ネフシュタンの鎧…………………

 

 

まず聖遺物とは、世界各地の伝説に登場する超古代の異端技術の結晶の総称。現代の技術では製造不可能なオーバーテクノロジーの産物で、遺跡から発掘される物は経年による劣化・破損が激しく、廃棄物でしかない欠片が大半を占めており、従来の力を遺した物はほとんど存在しない。だが、ごく一部に本来の力を留めながらも基底状態のものが存在しており、聖遺物の力を引き出す素質を持つ者は適合者による歌によって、アウフヴァッヘン波形と呼ばれている固有の波形パターンと共に起動し、励起状態となって人知を超えた圧倒的エネルギーを解放することが可能となっている。

なお損傷が少なくほぼ完全な姿を保っているものは「完全聖遺物」と呼ばれており、一度起動すれば、適合者の歌を必要とせずに常時最大限の力を発揮するのが特徴である。ただし完全聖遺物の起動には相応量のフォニックゲインと呼ばれるエネルギーが必要であり、この基準を満たすことは適合者単体では難しいとされている。

 

 

ネフシュタンの鎧。

 

元々は第二次世界大戦時に、ドイツから日本へもたらされた完全聖遺物であり、今はこの《特異災害対策機動部》が管理している。そしてこの時がネフシュタンの鎧の起動実験日となった。このネフシュタンの鎧をツヴァイウイングのライブ形式で模し、観客によって天羽奏と風鳴翼の力をさらに引き上げる方法が採用された。そして聖遺物の欠片は“とあるものから”出来ている。その残った欠片にある力を増幅するのが特定振幅の音、つまりは歌を歌うことで残った力増幅、再構成してとあるものを作る。

 

だが完全聖遺物の起動には多くのフォニックゲインが必要とされており、起動させるためにツヴァイウィングの両翼・風鳴翼と天羽奏の歌とここにいる天火星・亮を含む大勢の観客の応援も合わせて完全聖遺物を歌の力で起動させようとしているのだ。

 

しかし、それが上手くいくかどうかは、分からない…………

 

 

ライブ会場の下にある特異災害対策機動部の研究施設で着信メロディが鳴る。

着信メロディが鳴れば、眼鏡を掛け白衣を着た科学者のような女性が電話に出る。

 

この女性の名前は櫻井了子。

 

自他共に認める天才科学者である。

 

因みに結構綺麗な顔はしているが、結婚はしていなく年齢も本人が言わないため分からないが、恐らく三十は既に越えているであろう。

 

電話に出る櫻井了子は軽い感じで声を出す。

 

 

「毎度ぉー、櫻井了子です。こちらの準備は完了よ」

 

そう言いながら電話越しでウィンクする。

 

 

準備が完了していると聞いた風鳴弦十郎は、強く頷いて返事をして電話を切る。その音とともに奏は立ち上がる。

 

「分かった。すぐに向かおう!」

 

「ステージの上は任せてくれ!」

 

言いながら弦十郎に向かって、親指を立てる。奏の頼もしい言葉に、弦十郎は微笑みながら「うんッ」と言いながら頷く。

 

もうすぐ、ライブの始まりである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

亮side

 

俺と響ちゃんは今ライブ会場の中にいる。

 

会場内に入る前に係員にチケットを見せてから入り、会場内に入ってからはお互いの記念にしようと思いツヴァイウィングの文字が入った赤青黄のペンライトを買った。

 

響ちゃんどころか俺もいきなり呼ばれたため、そんなに金銭を持っていないのである。なので買えるとしてもペンライトが限界だ。

響ちゃんは電子マネーで支払い俺は札を出してペンライトを買う。

 

係員の「ありがとうございましたー」を聞いて、俺達はペンライトを持ってライブ会場に入る。その前に響ちゃんとお互い顔を見合わせて笑いあった。

 

そして会場に入れば、ライブに初めて来る響ちゃんは花が咲くような笑顔を見せ、同じく初めて来る俺も「ヒュー」と口笛を吹いた。

 

「わあぁぁ…………すごい」

 

「確かにすごいね。ちょっと俺も感動しちゃったよ」

 

会場内の設置に俺達は立ち止まって驚いてしまうが、いつまでも扉の前で止まっていれば他の客の迷惑になってしまうため、俺は響ちゃんに声を掛ける。

 

「ほら響ちゃん。いつまでもここにいたら他の観客の迷惑になっちゃうから早く席まで行こうか」

 

「そうですね。行きましょう!」

 

俺と響ちゃんは急がないよう、ゆっくりと指定席まで行く。

 

この後に起こる。最悪の悲劇に気付かぬまま…………

 

 

亮side out

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天火星・亮と立花響がライブを楽しみに待っている中、ライブステージの裏にいる天羽奏は体を伸ばしながら言う。

 

「さて、難しいことは旦那や了子さんに任せてさ、あたしらはパーっとやるか!ん?」

 

そう言う奏だが、自分の相棒の翼が反応しなったため気になり体ごと向ける。そこにはいまだに不安そうな顔でいる翼がいた。

そんな翼に奏は後ろから近付き優しく抱きついた。

 

「………………………………あ!」

 

「真面目が過ぎるぞ翼ぁ~。あんまりガチガチだと、そのうちポッキリいっちゃいそうだ」

 

「奏…………」

 

「あたしの相棒は翼なんだから翼がそんな顔してるとあたしまで楽しめない」

 

抱きついて奏は言いながら翼の手に自分の手を重ねた。奏の言葉に翼は後ろに目を向けた後、軽く頬を赤く染めて「うん」と言って頷き続けて言う。

 

「あたしたちが楽しんでないと、ライブに来てくれたみんなも…………楽しめないよね」

 

「わかってんじゃねえーか!」

 

「奏と一緒なら、何とかなりそーなきがする!」

 

翼は頬を赤くしたまま、奏に笑顔を向ける。翼の笑顔に奏も薄く笑い「うん」と言って頷いた。

 

「行こっ、奏」

 

「ああ、あたしとあんた。両翼揃ったツヴァイウィングはどこまでも遠くへ飛んでいける!」

 

「どんなものでも越えてみせる!」

 

奏は立ち上がりステージの出入り口の前で立ってそう言うと、同じく翼も奏の隣に立って宣言する。

 

そして2人は手を繋いでステージへと出る。

 

この後に起こる最悪の惨劇に気付かぬまま……………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

亮side

 

 

指定席へと座った俺と響ちゃんは、それぞれ別のことを(おこな)っている。

 

響ちゃんは初めてのライブのため、席に座りながらもそわそわしている。片や俺は初めてのライブだがそわそわしても仕方ないため、今回のライブの主役であるツヴァイウィングのことを知ろうと思いパンフレットを読んでいる。

 

そうしていると、いきなり目の前のステージから明かりが照らし出した。明かりが出たことに俺と響ちゃん以外の人達が席から立ち上がり騒ぎ出した。気になった俺はスマートフォンを取り出し時間を確認してみれば、もうライブが始まる時刻へとなっていた。

 

すると周りの人達はペンライトを点けた。その瞬間ほとんど指定席の周りはペンライトの明かりだけとなった。

 

「お~…………すごいな」

などと驚いている俺だが、さらに驚くことがこの後に起こった。

 

 

「…………今はこんなものまでライブに使うのか」

 

それは羽だった。本物ではないが本物ように似せいる。大方CGだろうが、本物に思えるぐらいに精巧に作られていた。

そして上から赤い髪でスタイルの良い少女と青い髪のスレンダーな少女が、マイクを持ってステージに舞い降りてきた。

 

2人がステージに舞い降りれば、流れ出した音楽の音ともにツヴァイウィングの2人は踊り出す。

 

 

 

2人の少女の顔を見て、心の中で言う。

 

(あの青い髪の少女が風鳴翼。そしてあっちの赤い色の少女が天羽奏。…………2人とも一歳違いながら高い歌唱力と息の合ったコンビーネーションを見せる。2人の存在感はまるで両翼と言われるってパンフレットに書いてあったけど、本物にその通りだな)

 

俺はツヴァイウィングの2人の存在感に、軽く意識を持っていかれるような感じでツヴァイウィングに見惚れており、隣の席の響ちゃんに声を掛けられるまで気付かなかった。

 

「亮さん亮さん。何してるんですか!?もうライブ始まってるんですから早くペンライト点けましょうよ!」

 

「あ、そうだったね。ごめんごめん」

 

回りが音楽にノってる中、俺はツヴァイウィングの魅力にやられてたが、響ちゃんの声ですぐに気が付き一緒にペンライトを取り出す。

 

俺は赤のペンライトを取り出し、響ちゃんはオレンジのペンライトを出してパキっと軽く折ると、ペンライトは点灯した。

 

「わ…………イェーイ!」

 

ペンライトが点いたことに響ちゃんは笑い、テンションが上がりながらペンライトを上に翳す。俺もペンライトが点いたことに喜びの声は出さないが静かに笑いながらペンライトを同じく高く掲げる。

 

すると、そろそろ歌い出しのようでツヴァイウィングの片翼、天羽奏が最初に歌い出した。

 

「聞こえますか…………」

 

最初の歌は『逆光のフリューゲル』である。

 

 

 

『ヘイッ!ヘイッ!ヘイッ!ヘイッ!』

 

「イェーイ!」

 

「頑張れー!!」

 

観客のほとんどは音程に合わせながらペンライトを振るうが、俺と響ちゃんは声を出しながらペンライトを上に翳して応援する。

 

そしてサビの部分に入ったのか、最高にノリの良い歌詞に入れば、ライブ会場の天井が開いた。

 

『『『ワアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!!!!!!!!』』』

 

天井が開く仕掛けに、さらに観客達のボルテージも最初の曲でアップした。

 

天井が開いても2人は歌と躍りを続ける。

俺達観客も止まらずにツヴァイウィングの応援を続けている。

 

 

ツヴァイウィングは手を取り合い回りながら歌い、俺達の方に向き直り曲の最後を口にする。

 

「「ハァーーーーーート!!!」」

 

ツヴァイウィングは羽根を羽ばたかせるような動きを見せて、両手でハートマークを作り両手を離せばまた羽根を羽ばたかせるような動きをして、風鳴翼が前に出て膝を下ろして、天羽奏は後ろに立って、2人は祈りを捧げるようなポーズを取ればそのまま持っているマイクを空へと掲げた。

 

そのポーズを見た観客は………………………………

 

『『『ワアアアァァァァァァァァァッ!!!!!』』』

 

『『『キャアァァァァァァァァァァッ!!!!!』』』

 

 

パチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッパチッ!!!!!!!!!!

 

 

凄まじい大歓声と拍手をツヴァイウィングの2人に贈った。同じく俺も拍手を贈っていると、隣にいた響ちゃんが叫び出す。

 

「すごいですね亮さん!私ライブって初めてなんですけど、胸がドキドキして目が離せませんよ!!!」

 

「ああっ、俺もだよ響ちゃん。まさかライブがこんなにすごいなんてな、今日来れたこと絶対に忘れないようにしないとな!」

 

「はいっ!」

 

響ちゃんは俺に顔を向けて言って俺も響ちゃんに顔を向けて言うと、響ちゃんはさらに満天な笑顔を俺に向けて返事をする。

 

 

 

 

 

ライブ会場の下にある特異災害対策機動部では、モニターで数値を測る計測器を見ていた。

そこでオペレーターの1人が口を開く。

 

「フォニックゲイン。想定内の伸び率を示しています」

 

それを聞いた司令の風鳴弦十郎はホッとした顔になり、科学者の櫻井了子は軽く言いながら親指を立てる。

 

「成功、みたいね…………お疲れさまぁー」

 

実験が成功したことに「やったぁっ」「成功だわ」と喜ぶ特異災害対策機動部の面々。

 

 

 

 

 

俺以外の響ちゃんを含む観客は、未だにペンライトを降りながらツヴァイウィングを応援して、俺はただ笑いながらツヴァイウィングを見ている。

そんな観客にツヴァイウィングの片翼である天羽奏が開いた右手を向けて宣言する。

 

「まだまだ行くぞぉーっ!」

 

相棒の風鳴翼も左手に持っているマイクを向ける。

 

「わっ!はあっ!」

 

その言葉に響ちゃんも喜びの笑顔となる。

 

 

 

 

ピーピー!ピーピー!ピーピー!ピーピー!ピーピー!ピーピー!ピーピー!ピーピー!

 

その頃、特異災害対策機動部では計器が緊急事態の時に起動する赤いサイレンを回し警報が鳴っていた。

緊急事態赤いサイレンと警報に弦十郎はオペレーターに聞く。

 

「! どうした!?」

 

「上昇するエネルギー内圧にセーフティが持ち堪えられません!!」

 

弦十郎の声に1人のオペレーターが報告する。

 

 

弦十郎はネフシュタンの鎧を見ながら「ハッ」と声を出す。

女のオペレーターも報告する。

 

「このままでは聖遺物が起動、いえ暴走します!」

 

「なっ!?」

 

弦十郎は驚愕の顔を見せ、弾丸や爆弾で壊れない強化ガラス越しの前にあるネフシュタンの鎧が輝きを放ち始めた。

 

 

 

 

 

 

 

観客の歓声は止まないペンライトを振る動きも止まない、いや寧ろこのライブが終わってほしくないほど、今の俺も楽しくなっていた。

 

だが、そんな楽しみも今ここで消え、絶望が振り撒かれることとなる。

 

「!…………なんだこの感じは?」

 

俺はライブ会場の周りを見回す、その理由はこのライブに俺は謎の力を感じ取った。周りを見回してもも何もなかった。

だが俺が周りを見回していると、さらに俺は上空からノイズの存在の力と気配を感じ取った。

 

「!? この感じ…………まさかノイズ。ノイズがやって来る」

 

「…………亮さん?」

 

誰にも聞こえない声で口にして空を見上げると、隣の響ちゃんが俺に顔を向けて首を傾げる。

 

前の席に右足を出して自分の出せるだけの声で、名一杯観客に聞こえるように叫ぶ。

 

「ノイズが来るぞぉぉぉぉぉぉッ!!!みんな逃げろぉーーーーーーっ!!!!!」

 

俺の大声に周りの観客は「なに言ってるんだ」という顔を向け、ツヴァイウィングの2人も「え…………」という疑問の顔をして響ちゃんも俺を心配と疑問の目で俺を見る中、いきなりライブ会場の真ん中が大爆発を起こした。

 

『『『きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?!!?』』』

 

『『『うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?!!?』』』

 

ライブ会場の爆発とともに、俺は大量のノイズの気配を察知した。

 

「何だこのノイズの数は?今までとは比較にならないレベルだぞ!」

 

この爆発で立ったまま叫ぶものもいるが、ライブ会場から誰よりも一足早く逃げようとするものが出る。

ツヴァイウィングの2人も気付いたのか、真剣な表情で爆発した会場の真ん中を見る。

 

俺は逃げ惑う人命に声を掛けることにした。

 

 

「みんな!落ち着けぇーーーーー!!!!!下手に逃げたらノイズ以外の第2第3の被害が出るだけだ!!!他の人たちのことも考えながら行動するんだ!!!生き残るためにはまず落ち着くんだ!!!!!」

 

「「「「「「「!?!?!?」」」」」」」

 

俺の言葉に周りの連中は少し落ち着いたようで手を取り合ったり、転んでいる人を助け起こしたりして助け合いこのライブ会場から出ようとする。

 

 

今落ち着いて行動していても少し遅かったようだ。既にノイズは出現しており、ライブ会場の上空には(フライト)型ノイズと空中要塞型のノイズが飛んでいた。

 

空中要塞型とは…………飛行能力を有する大型ノイズである。

 

この空中要塞型のノイズは自ら攻撃は行わないものの、その内部には小型ノイズを多数収納している。別名ノイズ用輸送機・空母とも言われている。

そしてその周りには取り巻きと言ってもいい鳥型ノイズを引き連れている。

 

鳥型とは飛行型ノイズであり、身体(からだ)を捻って槍状に変形して上空から俺達を襲撃する。その性質上、不意の方角からの攻撃や移動物体の追撃を得意としている。

 

 

観客が会場から逃げようとしているとき、爆発した真ん中から、芋虫のような形を持った大型の強襲(ギガ)ノイズがそこから現れた。

 

強襲(ギガ)ノイズは怪獣か芋虫とも取れる独特のフォルムを持った大型ノイズだ。そのサイズで口からは多数の小型のノイズを吐き出す能力がありノイズの種類では脅威度はかなり高い。

 

『ノイズだぁぁぁぁっ!!?』

 

男の叫び声とともに他の人達も悲鳴を上げ、それと同時に強襲(ギガ)ノイズは動き出して口からオタマジャクシ型のクロールノイズと人形のヒューマノイドノイズを吐き出し出現させた。

 

『『『『うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!??!??!?』』』』

 

『『『『いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!??!??!?』』』』

 

クロールノイズ。一般的に知られているノイズの一種である。攻撃方法は体当たりや体を紐状にして特攻を行う。小型のため一度に発生する数は多く、中には手足がないオタマジャクシ型やナメクジ型が存在する。

強襲(ギガ)ノイズが吐き出したのはその一つのオタマジャクシ型である。

 

ヒューマノイドノイズ。カエル型のノイズの次にポピュラーなノイズだ。アイロンのような腕部が特徴で、カエル型と同じく体を紐状に変化させ特効して襲う。

さらにヒューマノイド型には刃型の手を持ったタイプや葡萄(ぶどう)のようなパーツを持つなど、様々なバリエーションを持つタイプが存在する。

 

「ッ!?させるかっ!」

 

小型のノイズの出現を見た俺は近くにあった消火器を持って動き出し、逃げ惑う人混みに飛び込みノイズ襲われる人々を救いに向かう。

 

 

「た、助けてくれぇー!!?」

 

「お父さん!?お母さん!?」

 

出現したノイズは逃げ惑う人々を自分もろとも炭素化させた。

 

「っ、くそっ!」

 

俺は目の前で救えなかった命に歯を食い縛るが、走るのを止めずノイズに襲われている少女を救う。

 

「いやあぁぁっ!?まだ死にたくない、死にたくない!!!」

 

「させるかぁぁっ!!!」

 

俺は消火器の栓を抜いて、ホースをノイズに向けてレバーを思いっきり押す。

 

『!?!!?』

 

消火器のホースから勢いよく泡が噴射し、その勢いとともにノイズは驚きながら軽く飛んだ。

 

ノイズが離れたのを見た俺は、ノイズに襲われそうになっていた少女に声を掛ける。

 

 

「君!大丈夫か!」

 

「は、はい!」

 

「よしっ、だったら早くここから離れるんだ!」

 

「わ、分かりました!?」

 

少女の無事を確認すれば、すぐに手を差し伸べ少女を立ち上がらせて逃がす。

 

すると、後ろから俺の名を呼んだ。

 

「亮さん!!」

 

それはまだ逃げていなかった響ちゃんが俺のところまでやって来たのだ。響ちゃんがやって来たことに、俺は叫び声を上げる。

 

「響ちゃん!なんで来たんだ!?早く逃げるんだ!!!」

 

「う、上を見てください!」

 

「まさか!!?くそっ!?」

 

上を見上げれば鳥型ノイズが体を捻って突撃し、人を炭素化させていた。炭素化していく人々を見ながら俺は自分の拳から血を流す。

 

(…………本当だったら転身して戦いたいところだが、出来れば響ちゃんにあの姿は見せたくない)

 

俺は悩みながらも迫り来る小型ノイズの大群に消火器を浴びせかけ、消火器の中身が空になれば消火器を持ち上げノイズにぶつける。ノイズに消火器が当たれば、その消火器は一瞬のうちに炭素化してしまった。

 

「こっちだ響ちゃん!」

 

「え、亮さん!!?」

 

すぐに俺は響の手を握って走り出す。響ちゃんは困惑の声を出すもそんなもの気にせず会場の扉目掛けて走る。途中爆発で飛び出た長い鉄パイプも拾う。

 

「響ちゃん!衝撃が来るけど舌を噛まないようにね!」

 

「え!?一体何するんですか亮さん!??」

 

「うっおりぃやあぁっ!!!」

 

俺は響ちゃんを両腕で抱き抱え、ダッシュの勢いで席の隣にある扉に向かって大ジャンプした。

 

「きゃあーーーーーーーー!?!?」

 

大ジャンプした後から来る風に、響ちゃんはかなりの悲鳴を出すが俺はそれすらも気にせず、足に力を込めながら着地する。俺が着地したことに地面は割れることはなかったが、その変わり俺の周りから風圧が起きた。

 

「ふぅ、ふぅ、ふぅ」

 

俺は軽く息継ぎをした後に響ちゃんを降ろし声を掛ける。

 

「響ちゃん大丈夫か?」

 

「は、はい!大丈夫です!」

 

肩を触って声を掛ければ、響ちゃんは少し混乱しながらも返事をする。

 

「よしっ、じゃあここから逃げるよ!」

 

「は、はい!!」

 

慌てながらも響ちゃんの元気な返事を聞いた俺は微笑んで、響ちゃんに俺の荷物の手提げ鞄を持たせて会場内に無理矢理出した。

 

「え?………………………………」

 

響ちゃんは「何故?」という疑問の顔をしながらも、俺扉を閉めて開けられないよう持ってきた鉄パイプを扉の持ち手部分の隙間に差し込んで、さらに鉄パイプの両端を曲げ折った。

 

それをやると扉の向かいにいる響ちゃんが、扉を叩きながら叫ぶ。

 

「亮さん!亮さん何してるんですか!ここを開けてください!早く逃げましょうよ!」

 

「ごめん響ちゃん…………悪いけど先に逃げといて、今ならノイズを退いて逃げ切れるかもしれない!」

 

「それじゃあ亮さんも逃げましょうよ!亮さんも一緒じゃないと嫌です!?」

 

響ちゃんの言葉に俺は冷静に返答する。

 

 

「悪いけど響ちゃん、そう言うわけにはいかないんだ。まだノイズに襲われている人達が沢山いる。その人達の為を俺は助けに行きたいんだ!」

 

「だったら私も行きます!2人ならもっと多くの人達を救えるはずです!」

 

響ちゃんの優しさにもう一度軽く微笑むも、俺は全力で駄目と言う。

 

「駄目だ!響ちゃん…………君はまだまだ若いんだ。そんな若い君がお父さんやお母さんから与えられたその命を無駄にしちゃいけない、無茶に使っちゃいけない。ここは俺に任せて君は早く安全な場所に逃げるんだ!」

 

「でも…………でもっ」

 

俺の言葉に響ちゃんは迷っているため、この言葉を掛けて戦場に向かうとする。

 

「大丈夫だよ響ちゃん、俺は大丈夫!この騒動が終わったら、うちでお腹いっぱい餃子を食べさせて上げるからさ!」

 

「えっ…………?」

 

「その約束として俺の鞄の中に、今日のライブの思い出のために3本のペンライトが入ってる。絶対に無くしたり落としたりしないでよ。それは俺が生きて帰ってくるっていう証明だから…………」

 

そう言って俺は扉から離れていき足音も出す。その足音を聞いて、響ちゃんは扉の向こうから思いっきり叫び声を出す。

 

「亮さん待ってください!一緒に逃げましょう!亮さんが一緒じゃないと私嫌です!亮さん?…………亮さぁーーーーーーーん!?!?!!?」

 

俺は所々崩れ煙を上げるライブ会場を見ながら、このライブをこんな地獄に変えたノイズを睨む。

 

「………………………………………」

 

俺は無言でノイズを睨みながら歩を進めていく。だが静かに怒る俺は体から“ある力”を放出しているのを感じながら、ポケットに入れていた“あるもの”を取り出し腕に装着させた。

 

それは俺が今もなお使っている変身ブレス。

 

【オーラチェンジャー】である。

 

右腕は【オーラギャザー】と呼ばれ、左腕には【オーラスプレッダー】と呼ばれているもので構成されている。

 

 

 

「ノイズ許さん…………この俺が戦うからには、もうお前たちの好きにはさせんぞ」

 

オーラギャザーとオーラスプレッダーを装着させれば、俺は静かに怒って言いながら、両手で龍の鉤爪を作れば台詞を力強く言い放つ。

 

「気力!…………転身!!」

 

左指で右腕に装着させているオーラギャザーの円形を変形させれば、銀色の円形パーツの付いたキーを展開させる。

そして腕を垂直に立てて、掛け声とともに左腕のオーラギャザーを垂直に立てた右腕のオーラスプレッダーに差し込んだ。

 

「オーラ!…………チェンジャーッ!」

 

オーラギャザーを挿し込むと、オーラギャザーで集中・凝縮した気力をオーラスプレッダーでスパークさせて放出すれば、空中の金属イオンが固定化されてダイレンスーツが形成され俺はリュウレンジャーへと転身する!

 

 

 

 

曲 五星戦隊ダイレンジャー

 

『!?!?!!?』

 

俺の肉体から溢れる気力を感じたのか、ノイズどもは俺がいる方向へと体を向けた。

 

「ノイズども、行くぜぇ!!!」

 

俺はいつもの台詞を言って大量のノイズに戦闘ポーズを取って、飛び掛かる。

 

 

「ダイバスター!」

 

すぐさま飛び掛かった俺は、左右の腰に所持しているスターソードとスターカッターを合体させた銃・ダイバスターを発射する。

ダイバスターとは、俺達ダイレンジャーの気力を弾丸に変えて発射する銃である。だがその分、ダイバスターを撃ちすぎると俺達が弱ってしまうという欠点もある。厚さ5メートルの城壁を貫き、100人の人間を20メートル先へ弾き飛ばす恐るべき威力を持つ。

 

ダイバスターから発射した3発の気力弾は、小型ノイズに着弾すれば爆発して、周りにいた他のノイズも巻き込んで消し飛んだ。

 

 

「ダイバスター解除!…………ダイレンロッド!だらあぁッ!」

 

着地した俺は素早くダイバスターを解除し、スターソードとスターカッターを左右の腰に装着しているホルスターにしまい、どこからともなくダイレンロッドを出して小型のノイズに思いっきり振り回す。

 

ダイレンロッドとは、俺達ダイレンジャーの基本武器の棍棒で、先端にはヤイバーと呼ばれる拡張アタッチメントを繋ぐこともできる。

 

 

「まだまだぁーッ!!!!!!」

 

ダイレンロッドを振り回せば、周りにいる小型ノイズを消し飛ばすも、手を止めずに俺はダイレンロッドを振るい消し飛ばし、最後の一匹になったヒューマノイドノイズに向かってダイレンロッドをヒューマノイドノイズの脚と脚の間に入れて、股間にダイレンロッドをぶち当てる。

 

「そらあぁーッ!!!」

 

ダイレンロッドを股間にぶち当てられたヒューマノイドノイズは、体をくの字に曲げ両手を股間部分に当てる。俺はそのまま連続でダイレンロッドを振り上げる。

 

「そらっ!そらっ!そらっ!そらっ!そらっ!そらっ!そらっ!そらっ!」

 

「飛んでいけっ!」

 

8回ほどぶち当てた俺はヒューマノイドノイズをダイレンロッドで持ち上げ、思いっきり俺の後ろへと投げ飛ばす。

 

 

『!?!??』

 

投げ飛ばされたヒューマノイドノイズは、数秒股間部分を抑えて悶えると消滅した。やはり人外であろうと、ヒューマノイドノイズもあの部分を叩かれれば痛いのであろう。

消滅を確認した俺は、ダイレンロッドを地面に突き刺し左手に握り拳を作り右手を思いっきり開いて、勢いよく合わせて言う。

 

「気力!!」

 

『『『『『!!!!!!!』』』』』

 

左掌に右の拳を叩き付けて言うと、俺の体の周りから気力が溢れだし、周辺にいたノイズは吹き飛んで消滅し、さらには出現したノイズは俺に狙いを定めて襲い掛かってくる。

 

実はノイズ達は不思議なことに、俺達が放つ気力に強く反応し俺達に狙いを定めるのだ。何故ノイズが俺達の気力に反応する理由は分からないでいる。

 

「来やがれえッ!!!!!」

 

襲い掛かってくるノイズの大群を睨みながら、俺はそう言ってノイズを相手にする。

 

 

 

ノイズの大群が現れてかなりの時間が経過する中、ライブ会場にはまだ逃げていない者が2人いた。

 

「す…………すごい」

 

「なんて奴だ。あんだけの小型ノイズを一気に倒しちまうなんて」

 

ツヴァイウィングの2人である。天羽奏と風鳴翼は、リュウレンジャーの戦い方を見て驚愕していた。

実はテレビで報告されている謎の影とは亮達のことである。彼は1年前からノイズの出現を知っており、そのためノイズの対策を行っていたのだ。

 

そしてまだ避難していない天羽奏と風鳴翼も、ノイズの対抗策を所持している。

 

 

「飛ぶぞ翼!この場に力を携えてるのは、あたし達とあいつだけだ」

 

「で、でも、指令からはなにも!?」

 

奏の言葉に翼は躊躇うが、そんな翼に奏は強く言う。

 

「なに言ってんだ!あたし達が戦わないともっと多くの犠牲が出るんだ!それに、ここをあいつだけに任せておけるかよ!」

 

翼は奏の言葉に驚く顔になるが、すぐにキリッとした戦士のような顔になり頷いて言う。

 

「うん、そうだね。行こう奏!」

 

「ああっ!行くぞ翼!」

 

そして2人はステージの前に立って、歌を歌った。

 

 

「Croitzal ronzell gungnir zizzl」

 

「Imyuteus amenohabakiri tron」

 

その瞬間、2人は眩い光に包まれるもそれは刹那の出来事。次の瞬間には、奏と翼のそれぞれは刀と槍をた携えた、戦士の姿へと変化した。

 メインカラーが青で、刀を手にしているのが翼。オレンジを基調として、槍を己の武器としている奏。

 

その名は【ガングニール】と【天羽々斬(あめのはばきり)】。聖遺物の破片から構成されるシンフォギアと呼ばれるノイズに対抗する武装である。

天羽奏と風鳴翼はシンフォギアの適合者であるが、天羽奏は風鳴翼のように完全な適合者ではなく、ある薬を使いながら無理にガングニールと適合しており、体に強い代償を受けているのだ。

 

 

「行くぞ、翼!」

「うんっ!!」

 

2人は互いの獲物を持って歌いながらノイズと戦い出す。

 

 

「はっ!…………ふっ!はっ!はあぁぁっ!」

 

「だあっ!そらあっ!ふっ!うおりぃやあぁぁっ!」

 

刀と槍で次々と迫るノイズを倒していき、奏は翼に声を掛ける。

 

「翼っ!一気に片付けるぞ!」

 

「任せて、奏!」

 

この言葉とともに2人は飛び上がり、奏はノイズに向かって1本の槍を投擲すると、その槍が大量に複製されノイズへと降っていく。翼も刀を持ったまま飛び上がり、自らの周りの空間から大量の青いエネルギー剣を具現化し、ノイズに向かって上空から落下させた。

 

その攻撃を発動させながら、2人はリュウレンジャーに叫ぶ。

 

「お前!ちゃんと避けろよ!」

 

「打ちます!」

 

「!!!??」

 

2人の攻撃にノイズと戦っていたリュウレンジャーは、すぐさまその場を離れる。するとその瞬間に大量の槍と青のエネルギー剣が降っていき、大量にいる小型ノイズを殲滅していった。

 

彼女達が放ったのは、いわゆる必殺技である。

 

天羽奏が放った必殺技が【STARDUST∞FOTON】

風鳴翼が放ったのが【千ノ落涙】と呼ばれる必殺技である。

2人は降下しながらリュウレンジャーの近くに着地し、2人はリュウレンジャーに視線を向ける。同じくリュウレンジャーも2人に視線を向けた。

 

「「「…………………………………………」」」

 

3人の無言の視線が出来上がると、ライブ会場の下が爆発を起こした。

 

 

 

 

亮side

 

ノイズと戦い続けるも、2人の必殺技を見た俺はすぐにその場を離れる。必殺技を放った2人は俺のところに着地してきて、俺に視線を向ける。

2人の向けてくる視線に、俺も天羽奏と風鳴翼を見ながら思う。

 

(…………何回か彼女達とは戦ったが、天羽奏の方は制限付きだったはずだ。何回か彼女が纏っているシンフォギアが光を失って装甲が剥がれ落ちて、彼女自身も口から血を吐いていた…………彼女を長く戦わせるのは得策じゃないな)

 

そんなことを思っていると、再びあの謎の力を反応を感じた。

 

 

「ッ!!?…………消えた?どう言うことだ?」

 

謎の力の反応を感じるも、謎の力はまるでどこかに飛んでいくように、一瞬のうちに反応が消えたのだ。

俺は謎の力の反応を探すために色んな方面をキョロキョロと探してしまう、だがそんな暇もなく俺達の目の前にギガノイズが迫っており、口から攻撃を吐き出した。攻撃に気付いた俺達は一気に飛び上がり回避する。そして俺は体を回転させながらギガノイズに向けて必殺技を放つ。

 

「喰らえっ!…………気功弾!」

 

俺は手から気力を溜めたサッカーボールサイズの弾を発射する。気功弾はギガノイズの胸の辺りに直撃し、そのままギガノイズは爆散した。

気功弾とは、俺達ダイレンジャーが持つ気力を溜めて弾状にして放つ技である。5人で合わせて放てば必殺技が完成する。

 

 

「あ、あんな小さいエネルギー弾であのノイズを倒すなんざ」

 

「す、すごい威力…………」

 

ツヴァイウィングの2人は俺の気力技に驚くが、俺はそんなことを気にせずにホルスターに入っているスターソードとスターカッターを取り出し、まだまだいる小型ノイズを斬っていく。

 

「はあっ!だあっ!せいっ!せあっ!ふっ!でいっ!…、いやっ!はあぁぁッ!」

 

ノイズを斬り倒しながら、さらに強力な蹴りも放ってノイズを倒していく。

 

 

「はあっ!だあっ!……………………喰らいやがれ!」

 

天羽奏は槍でノイズを斬り裂いて立ち止まると、槍の穂先を回転させると、次第に槍の穂先から竜巻が起こり、周囲の空間を吹き飛ばすとともに、ギガノイズも含めて大量の小型ノイズを吹き消していく。

 

「はっ!…………はあっ!はっ!はっ!…………はあぁぁぁっ!!!」

 

風鳴翼は次々とノイズを刀で斬り裂いていくと、逆立ちをすると同時に横回転していき、脚部に装備されているブレードを展開して、周囲のノイズを切り裂いていく。

 

 

俺はスターソードやスターカッター、さらに気力を纏った蹴りでノイズを蹴散らしていくと、空中にいる鳥型ノイズが体を捻って、槍状に変形して上空から俺に襲い掛かってくる。

しかし俺は鳥形ノイズに対抗するために、襲い掛かってくる鳥形ノイズに気力技を出して消し炭にする。

 

「炎上破ッ!!!」

 

炎上波とは掌から炎を放つリュウレンジャーの必殺技である。威力では他の気力技より劣るが、出しやすさによる使い勝手の良さでは一番優れているのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

響side

 

あたしは今、このライブ会場から避難せずに亮さんが閉じた扉の前にいる。扉の前であたしは顔を俯かせ、握り拳を作って立ち止まっている。

 

「亮さん、あたしは…………あたしは」

 

そしてあたしは決意の瞳を向けて、走り出して向かう…………亮さんがいるライブ会場へと。

 

(亮さん、あたしは…………お父さんやお母さんの背を見て育ちました。だけどそれ以上にあたしは亮さんの背中を見つめながら育ちました!だからあたしは亮さんを助けたいです!)

 

「閉じられていない扉があるはず、そこで亮さんを助けに行こう!」

 

 

響side out

 

 

 

 

 

 

 

 

亮side

 

「炎上破!」

 

俺は再び掌から炎を放ち、数体の小型ノイズを消し炭にしていく。

 

「くそっ、いくら倒してもキリがないぜ。やっぱり空中にいる要塞型を倒さないと駄目か…………なら纏めて倒すだけだ!」

 

俺は一度ジャンプしてギガノイズの頭を踏み付け、ギガノイズの頭を踏み台にしてもう一度ジャンプする。狙いは空母ノイズだ。

 

「喰らえぇーーーっ!!!!!ダイバスター!!それから気功弾だ!!!」

 

ジャンプした俺は空母ノイズに向かってダイバスターと気功弾を放つ。結果見事にダイバスターを喰らった空母ノイズはこちらに落ちてきて、気功弾を喰らった空母ノイズは爆発して近くの空母ノイズも巻き込んで空中で消し飛んだ。

 

だが、ダイバスターを喰らった空母ノイズはこちらに落ちてきているため、このまま落ちれば避難した人達にさらに被害が及ぶため、俺はそれを防ぐためダイバスターを解除して、スターソードとスターカッターを持って気力を使う。

 

「気力!天火星・稲妻炎上破!!!!!」

 

天火星・稲妻炎上破とは、気力による超高熱火炎と落雷で敵を攻撃し、交差させたスターソードとスターカッターからの超高熱火炎で敵をさらに攻撃する必殺技である。

 

「はあぁぁーーーーーっ!!!」

 

超高熱火炎と落雷で空母ノイズを消して、空中を降下しながらスターソードとスターカッターを交差させ、超高熱火炎を地上にいるギガノイズに喰らわせて倒す。

 

スターソードとスターカッターを交差させたまま俺は着地し、残っているノイズを見ながら構える。

その時、俺の耳元に聞き覚えのある声が聞こえてきた。

 

「亮さぁーーーーーーーーーーん!!!!!!!」

 

「!? 響ちゃん!?なんで来たんだ!!?くっ!?炎上破!!…………とあっ!」

 

響ちゃんが来たことに驚きながらも、俺は目の前から来た小型ノイズの大群に炎上破を浴びせ倒し、ジャンプして響ちゃんの元まで行く。

リュウレンジャーに変身した俺がやって来ると、響ちゃんは「…………もしかして、謎のヒーロー!?」と驚く声を出すがすぐに辺りを見回す。

 

「君!なにをやってるんだ!ここは危険だから早く逃げるんだ!」

 

俺がそう言うも、響ちゃんは首を横に振って言う。

 

「嫌です!ここにはあたしと一緒にライブに来た人がいるんです。その人はあたしにとって家族や親友と同じく大切な人ですから、あたしはその人を助けたいんです!」

 

「ッ!?」

 

俺はこの時、響ちゃんにどれだけ慕われているのかを知るも、ここにいては死ぬ確率が高いため俺は響ちゃんに伝える。

 

「もうこの場所に人はいない、きっとその人も既に避難しているはずだ!!だから君は早くここから避難するんだ!ッ!!??」

 

伝えるも後ろから気配を感じ、響ちゃんの盾になりながら顔だけ振り向かせると、小型ノイズが俺達に向かって攻撃を繰り出してくる。

 

「きゃあぁーーーーーーーーッ!!!??」

 

「ぐあぁぁぁッ!!!??」

 

響ちゃんをノイズに触れさせないよう守りながら、俺は一瞬の隙を見つけ飛び上がり、別の座席場所へと着地する。

 

「君はここに隠れてるんだ!安全になったらすぐに逃げるんだ!良いね!?」

 

俺は響ちゃんを座席の隅っこに隠れさせて、ノイズ大群に向かっていく。

 

 

「天火星・稲妻炎上破ッ!!!」

 

迫ってくるノイズの大群に、俺は再び稲妻炎上破を放って、ノイズの大群を蹴散らすと、遠くの隣で何度目か分からない槍の竜巻を発生させノイズを倒していた天羽奏が纏っているシンフォギアが光を失い、武器である槍も竜巻を起こさなくなった。それに気付いた天羽奏は口を開く。

 

「!? 時限式はここまでかよッ」

 

愚痴ると彼女の目の前からノイズが突撃する。俺はそれを阻止するために、彼女を助けにいく。

 

「させるか、炎上破!」

 

掌から炎上波を打ち出し、彼女に突撃してくるはずだったノイズを消し去った。

 

「ありがと、助かったよ」

 

天羽奏は俺に礼を言うが今はそんな場合ではないため、俺は手っ取り早く彼女に言いたいことだけ言う。

 

「礼を言う暇があるなら早くここから離れろ」

 

俺の言葉に天羽奏は激怒する。

 

 

「な、なに言ってんだ!まだノイズが沢山いんのに離れられる訳がないだろっ!」

 

「だがもう今の状態じゃ戦うことだって限界なはずだ。そんな奴が居ても戦場では足手まといだ…………分かったらライブ会場に残ってるあの子を連れて早く避難しろ!!お前らをフォローしながら戦うのは俺にも限界がある!」

 

俺の言葉に天羽奏は握り拳を作り震わしているが、俺の言った言葉がよく分かるのか、反論の言葉が出ないでいた。

 

するとその時!

 

「きゃ!?きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!??」

 

響ちゃんを隠していた座席付近が崩れたのだ。

そこが崩れたせいで、響ちゃんは悲鳴を上げながら落ちてしまう。

 

「うぅ、ッ!?いっつぅ、あ…………ひっ!?」

 

落ちてきた響ちゃんはすぐに起き上がろうとしたが、予想より膝を痛めてしまったようで、上手く起き上がることが出来ないようだ。そのせいで少し離れたところにいた小型ノイズが、響ちゃんに狙いを定めて襲い掛かる。

響ちゃんは恐怖の声を上げて、動けなくなっていた。それを見た俺は、叫びながら響ちゃんを助けに向かう。

 

 

「響ちゃん!?止めろぉーーーーーーっ!!!」

 

響ちゃんに迫るノイズに向かって俺は、気力を纏わせた拳でノイズを葬る。

 

「大丈夫か!?天羽奏!彼女を連れてここから離れるんだ!」

 

すぐに響ちゃんに問うと、響ちゃんは三回ぐらい頷いて、俺は安心するも天羽奏に響ちゃんを連れて避難しろと言う。

向こうでは風鳴翼が必死にノイズを片付けていた。

 

「………………………くそっ、分かった!おい!早く逃げるぞ!」

 

俺の言葉に天羽奏は返事をして、響ちゃんの手を掴んでライブ会場から逃げようとする。俺は2人を安全に逃がすために、残りは大量にいる小型ノイズを倒すために動く。

 

「行くぜぇノイズ!!!!!」

 

俺はまたダイレンロッドを出現させて、ノイズに向かっていくが、それは俺にとって愚かな決断であった。

 

何故なら…………

 

ノイズは俺だけに狙いを定めず、天羽奏と響ちゃんも狙ったのだ。

 

「! 離れてろ、うおぉぉぉぉぉぉぉお!!!!!」

 

ノイズの攻撃に気付いた天羽奏は、響ちゃんを後ろに突き飛ばし、持っている槍を回転させそれでノイズの攻撃を防ごうとする。

しかし、ノイズの攻撃を完全に防ぐことはできず、天羽奏のシンフォギアの鎧が砕けたいけ。

 

「はっ!ダメだ!」

 

俺は急いで駆け出すが遅く、鎧は破片となってそこら中に勢いよく散らばっていき、最悪にも…………そのシンフォギアの破片が響の胸に突き刺さった。

 

「え………………?」

 

「は?………………」

 

「あ、ああぁぁ…………響ちゃん!?!!!」

 

俺はダイレンロッドで迫り来るノイズどもを叩き潰しながら、胸から大量の血を流している響ちゃんに駆け寄り抱き上げる。

 

「響ちゃん待ってろ!今応急処置をするから!」

 

「おい死ぬな!目を開けてくれ!生きるのを諦めるな!」

 

天羽奏も槍を捨てて響ちゃんに駆け寄ってくる。俺は響ちゃんを地面に置いて、左掌と右拳をぶつけ合わせ気力を発動する。

 

「気力…………」

 

俺は気力を発動させて響ちゃんの傷口に向けて、気力治療を与える。この気力治療は気力の力で人の傷を治療する力だが、治せたとしてもそれは応急処置程度にしかならない、それとこの力は余りにも繊細なため下手に気力を出しすぎれば治療者を殺してしまう可能性も高いのだ。

 

「…………ああ、あ…………」

 

響ちゃんは目を開けて俺達のことを見るも、その目は虚ろな状態と言っても過言ではなかった。

 

「はっ…………」

 

「響ちゃん…………」

 

響ちゃんが目を開けたことに天羽奏はホッとし、俺もホッとするが、響ちゃんの応急処置は安全なところまでいってないため、気を抜くことは出来ない。

天羽奏はホッとした顔から、次はなにかを決したような顔になり、儚さを感じさせるように微笑んだ。

 

俺は響ちゃんを治療しながら、天羽奏を見る。天羽奏はと言うと、得物である槍を持って小型ノイズの大群を見る。

 

 

「…………いつか、心と体…………全部空っぽにして、思いっきり歌いたかったんだよな。今日はこんなにたくさんの連中が聴いてくれるんだ。だからあたしも、出し惜しみ無しでいく!」

 

「とっておきのをくれてやる…………絶唱」

 

そう言うと、天羽奏の頬に涙が流れていた。そして俺は感じ取った。天羽奏の体の周りからなにか嫌な力を感じた。

ノイズと今だ戦っている風鳴翼が天羽奏に向かって叫んだ。

 

「いけない奏!それを…………絶唱を歌っちゃダメーーーっ!!?」

 

風鳴翼の悲鳴とも捉えられる大声に、俺は聞く。

 

「おいっ!天羽奏は一体何をするつもりなんだ!絶唱とはなんだ!!!」

 

「ッ………………………………」

 

俺がそう聞くと風鳴翼は苦しい表情で黙るも、絶唱について説明する。

 

「絶唱というのは…………」

 

 

 

絶唱

 

それは装者の負荷を省みずにシンフォギアの力を限界以上に解放する歌のことであるらしい。増幅したエネルギーを、アームドギアというのに介して一気に放出する。その力の発現はシンフォギアごとに異なるが、共通して発生するエネルギーは凄まじく、ノイズを始めとするあらゆる存在を一度に殲滅し得る絶大な効果を発揮する。

しかし装者への負荷も、生命に危険が及ぶほどに絶大であり、反動ダメージは装者の適合係数の高さに伴って軽減されるが、そもそも適合率の高い適合者がいるのが極稀であり、LiNKERというシンフォギアを制限と代償で纏って戦うものには負担や、追い詰められた状況で使用すれば負担やダメージもあり、いずれにせよ大きなダメージは避けられない。

 

なんでも天羽奏の場合、自身の適合係数の低さに加え、LiNKERの投与を一時中断していたことから、負荷が耐久限界を超えてしまうようだ。またアームドギアを介さず自身から直接放つことも可能ではあるが、威力が高い代償にエネルギー運用効率が悪く跳ね返る負荷もさらに深刻なまさに【自爆】用途での手段となるようだ。

 

『Gatrandis babel ziggurat edena Emustolronzen fine el baral zizzl』

 

「! 止めろっ!それをやったらお前は死ぬんだぞ!」

 

「歌が…………聞こえる…………」

 

絶唱の歌詞を聞いた俺は響ちゃんの治療を中止して天羽奏のところまで走り出し、響ちゃんは虚ろな目で呟く。

 

「そうさ、命を燃やす最後の歌だ…………」

 

天羽奏は涙を流し笑いながら言う。

 

 

絶唱を歌い切ると、天羽奏の周りから凄まじいエネルギー波が飛び出してきた。

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?!??」

 

絶唱の凄まじいエネルギー波に俺は吹き飛ばされそうになるも、両腕をクロスして顔をガードして両足をしっかり地面に踏み込ませ、そして気力も発動してエネルギー派を防ぎながら止まるも、俺は天羽奏を見て足を動かす。

 

(死なせてたまるか…………死なせるか、あんな素敵な歌を歌える子を!未来ある若者を死なせてたまるか!彼女救えないで何がリュウレンジャーだ………………)

 

俺は心の中で思っている最後の言葉を思いっきり口から叫んだ!

 

「何が!……………………ヒーローだァーーーーーーーーーーァッ!!!!!!!!!!」

 

俺は絶唱のエネルギー波を吹き飛ばし、勢いよく拳と掌を合わせ、天羽奏に向けて全力の気力を放つ。

 

「気力ッ!!!」

 

俺が天羽奏に気力を当てたその瞬間、絶唱のエネルギー波が止まり、凄まじい突風が俺達を襲いライブ会場を襲った。

 

「うおわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!?!?!??ぐあっ!?」

 

突風を受けた俺は吹き飛ばされて、そのまま会場の壁に激突し転身が解け俺は意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………………………ッ、ハッ!ここは、ぐっ!?」

 

数時間が経過したのか俺は意識を覚醒させると、そこは崩壊したライブ会場であった。体が痛むが辺りを見回していき、すぐあることに気付いて立ち上がる。

 

「そうだ響ちゃん!」

 

俺は走りながら響ちゃんの名前を呼んで探しだす。

 

「響ちゃん!響ちゃんどこにいるんだ!…………響ちゃん!」

 

走りながら探していると、俺の目に瓦礫を凭れて目を瞑っている響ちゃんがいた。

 

「響ちゃん!!?」

 

響ちゃんを見つけた俺は、大急ぎで響ちゃんに駆け寄り抱き上げる。

 

「響ちゃん!響ちゃん大丈夫か!?」

 

抱き上げるも、俺は素早く響ちゃんの脈と心臓の鼓動を確認する。

 

「良かった。…………響ちゃんは生きてるのか」

 

脈と心臓が動いてることにホッとするのも一瞬にして、俺は響ちゃんをおんぶして走り出す。

 

「待ってろ響ちゃん!今すぐに病院に連れていくからね!」

 

そう言って俺は病院へと向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

響side

 

 

なにか、電子音のようなものが聞こえる。その音に私は目を開ける。

 

目を開けて私が一番最初に目にしたものは、2人のお医者さんの顔であった。

 

そして私は疑問に思いながらも、心の中で呟く。

 

(あたし…………生き、てる)

 

響side out

 

 

 

 

 

 

 

 

亮side

 

椅子に座り、俺は手術室の前で神に祈るような思いで響ちゃんの身を案じる。

すると、手術室の赤いランプが消えて、そこから響ちゃんの手術担当の先生が出てくる。

 

 

俺はすぐに出てきた先生に話を聞く。

 

「先生!響ちゃんは…………響ちゃんはどうなったんですか!」

 

「…………………………………………」

 

俺の言葉に先生は目を瞑って無言を通す。その行動に最悪の想像をしてしまうが、先生は医療用のマスクを外すと微笑んだ。

 

「大丈夫です。手術は無事成功しました。一度目を開けましたが、その後すぐ麻酔で眠っています。今は手術室の中でゆっくりさせてあげましょう。それでは」

 

そう言って先生は去っていった。

 

その言葉に俺は安心して思いっきり崩れ落ちた。

 

「よ、良かったぁぁ~。響ちゃん無事なのか」

 

手術が成功したことに喜ぶも、だが俺は複雑な顔になり壁を力一杯勢いよくぶっ叩く。

 

ダァァァン!

 

「くそっ、俺はなにをやってるんだ!俺の周りにあった命を守れないなんて、未熟にもほどがある」

 

俺は響ちゃんを守れなかったことに強い後悔が生まれるが、その後悔を振り払い新たに決意する。

 

「俺はもっと、もっと強くならならないと…………誰かの命を危険に晒さないよう、もっと、もっと強く!」

 

俺は握り拳を自分のところまで持っていき、この拳に決意を固める。




読者の皆様更新遅れて本当にごめんなさい!
感想と評価待っていますのでお願いします!

UAの1000越えにめちゃめちゃ驚きました。読者の皆様はそれほどダイレンジャーが好きなんですね。

それとシリアスまみれだったので、戦闘シーンに軽くギャグを入れました。いらないと思いますけど許してください。天火星・亮さんは本編でもそんなことしてませんしね。

そんなことより、次回予告に行きましょう!



ナレーション 天火星・亮

BGM 五星戦隊ダイレンジャー

あの惨劇から2年が経った。
生き延びた俺と響ちゃんは、今を懸命に生きている。

そんな響ちゃんと未来ちゃんは高校生となった。
彼女たちはリディアン女学院に通い、青春を過ごしている。
しかし、そんなことでノイズの襲撃が止むことはない!

俺はノイズの襲撃から響ちゃんを助けに行く!

次回 戦姫絶唱ダイレンジャー

始動する覚醒!

みんなお楽しみにな!
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