大好きな子はこうじゃない!とか俺の嫁はこうじゃない!とかそういう方はブラウザバックを選択肢としてオススメします。
それでは、本編を適当に読んでやってください。
私はどっちかと言うと田舎よりの場所に住む普通の家庭に産まれた。
そのあとは成長につれ、平凡な成績を学校でとりつつパソコンやPSシリーズのゲームとかを家でやっていた。
様々なジャンルのゲームを日々時間を見て遊んでいた。
その日もいつものように遊んで寝たはずなんだけど…。
朝、珍しく目覚ましの音がしなかった。
「……ん。……んん?」
なんか顔に日差しが当たるような…?
そう思うがはやく、上半身を起こす。
そして、起こしたときに見えた部屋の光景でなんとなく理解した。
ここは、私の見知った部屋じゃない。というか家じゃなくて別の建物?
まずそれだけでも思考が真っ白になりそうになるけど、呆然としている場合じゃない。
まずは、現状を理解しないと……。
「……えーと。まさか、神社?でも和室だし、単純にそういう作りなだけかも…」
なんて1人で呟いてみるけど、勘が『それは違う。ここは私の神社でしょ』とささやいてくるかのようにいってくる。
……とりあえず、深呼吸するかな。
まだ朝日が昇ったばかりだし、すぐには人なんてこない。
えっと、まず名前。それからだ。
大丈夫、独り言を聞く人なんてまだいないから。
そう自分に言い聞かせて口に出すことにした。
「私の名前は、博麗霊夢。…………あれ?」
口から出たのは全く違う名前。
おかしい。私の名前は『博麗霊夢』じゃなかったはず。
私の、私の名前、は―――
―――あれ、なんだっけ?
昨日していたことは覚えている。
パソコンしたり、テレビを見て、家族と夕食たべたりとか…。
今までにしてきたこともしっかり覚えているのに。
―――名前だけが、思い出せない。いや、正確には前の名前かな。
っていうか待って。さっき、すぐに出た名前はなんだった?
あの時、私はこういったんじゃないか?
『博麗霊夢』と。
博麗霊夢?…博麗、霊夢?私の名前が?
そんなありえない。
でも、ここならありえないことはありえることってわけで。
「―――嘘、でしょ……」
そう呟いた私は力なく布団に起こしたばかりの上半身を再度預けた。
それからしばらくして、冷静になった私は仕方なく、慣れた手つきで布団を押し入れにいれた。
どこにどうしまうか、は知らないわけじゃなかったので困らなかった。
服も着替えないとなぁ。
そう思った私はタンスに向かい、上から二段目を開けてみた。
下着類や寝間着みたいなものが入っている。
うん、この段じゃないね。この一つ下だね。
そう思った私はすぐに二段目をしまい、三段目を開けてみた。
…例のめでたい色をした巫女服が入っていたので、それに着替えることにした。
着替えも記憶や体に残った動作を参考にしたのでこちらも苦労はしなかった。
ため息をついてから、ふすまを開けると外が見渡せる壁のない通路があった。
「仕方ない、か。朝食でも食べましょ」
口調も…いや、この際もはや気にするまい。
色々ありすぎて頭がおいつかなくなりはじめてるし、ここでなにかあっても困る。主に私が。
仕方ないか、そう思いながら台所に向かえる居間に向かうとそこには私より身長が高そうな巫女装束を身にまとった若い女性がいた。
黒い髪も一つに結ってまとめているのか、前からは後ろ髪があまり見えない。
(っと、起きてきたわね。今の“彼女”は知らないけども、私の油断が原因だし、見守るついでに監視しようかしら。でも、居間で会ったのが偶然ってのを一応よそおっておこうかしら)
「…あら、おはよう。突然で悪いけども、あなた…大丈夫かしら?」
「大丈夫じゃないわ、問題大有りよ。そろそろ思考を放り投げて現実逃避をしたいわ」
「それはごめんなさいね、霊夢。もしかしたら、前の”あなた”についての記憶とか飛んでしまってるかも…」
私がこうなった元凶はお前か!
そう思いながら半目で見つめる。
「そうね、でもどうして私が違う人になってると思うのかしら?」
そう聞くと気まずそうな顔を浮かべる。
うん?…そういえばこの人も本来はいるはずないんじゃ…。
その思考を遮るように
「それは私の影響だと思うのよ。何故か私はここにきて、あなたを…どうやら巻き添えにしたみたいなのよね。あ、私の名前は…そうね、呼べないと困るから…霊華とでも名乗っておくわね」
とそういってきた。
「あんたの影響…ってなによ。私がこうなるんだからちょっとしたことじゃないのよね?」
「ええ、小さいことじゃないのよ。…簡潔に言うわね。私は過去から今に飛ばされた、のよ。それでなにかしらが起きてこうなったんでしょうね」
ああ、なるほど。
むしろ私と似たような状況…と。
むぅ…それになんでそうなったのかすら分からないんじゃ、どうしようもないね。
「分かったわ、ありがとう。でも、前の自分については記憶と人間だったってことだけでも残っているのだから大丈夫よ」
といって自然に笑う私。
そう、前の私の身元とか分からなくったって人間だったという記憶があるんだから平気。
そのうち、思い出せるかもしれないしね。
「……なるほど、精神が霊夢側にでもよって強くなったのね。でも、悪いわね。巻き込んでしまって」
「そう思うんなら同棲して、掃除の手伝いとかしてもらえるかしら。その方が助かるわ」
そういうと口元をニコッと緩めた。
私の顔になにかついてるのか?
そう思って今度は半目で見つめるんじゃなくて睨んだ。
「わ、悪いわね。まさかそれで許してくれるとは思わなくって。いいのね?これでもあなたの前の巫女なんだからもっと言われると思ったわ」
笑いながらそういってくる。
確かに現代の博麗の巫女という以上、先代はいるものだろう。
それにこの代になるまでスペルカードルールはなかったというし。
実力は相当なもの。疑う余地もない。
…だからなに?この人だって女性だし、なによりわたしが助かります本当に。
それに料理経験も少ない私が霊夢の記憶と体の記憶だけでやっていけるかどうか…。
「別にいいじゃない、なんでも。それに1人よりはいいでしょう?」
と顔をそらしながらいった。
…考えを読む相手じゃなくてよかった。
「ふむ、そうね。んじゃあ…さっそく
そっちでいうか。
そう思ったけど、口にしないで…
「そうね。そろそろ私も朝食を食べないとお腹と背中がひっついちゃうわ」
「……それは本当なのかしら?」
といって半目で見つめてくる霊華。
「こっ、これは
「そ、そうなの?なんか大分変わったわねぇ……時代が」
「見た目にそぐわないから、その言い方控えた方がいいわよ」
そういわれると霊華はおどけたように肩をすくめた。
「はいはい、分かったわよ。”霊夢”」
そう言われた私はニヤッと笑うと霊華の左を通って台所へ。
霊華も後から続いて台所に入ってきた。
――本当の意味での新たなスタート、か。これから頑張るか。