…な、内容が想像しにくくなるようにはしてるつもりですよ?ええ、はい(震え声
下記から本編ですので適当にゆっくり読んでもらえれば嬉しいです
「まあ、仕方ないですね。色々と気になってたんですけど…。それはさておき、霊夢さん。話したいのは実は妖魔本を見せたくなりまして。他にも本を少し見せたいのですが…どうですか?今の霊夢さんならなんか見てくれると思って聞いてみたんですが」
うん、確かに本には興味あるけど妖魔本ってあーたねぇ…。
しかもいきなり私達に言ってきたけど、平気なの?それって。
まぁ、でも今のって言ってくる辺り、小鈴ちゃんは信頼をおいてくれてるんだろうけど。なんか違う気がするよ、私。
「しょうがないわね…。小鈴ちゃんがせっかく誘ってくれたんだし、のってあげるわ。でも、確か妖魔本って妖怪が書いた本や謝罪文とかのはずよ。あんなもん、誰にも読めないわ」
こう、うまくは言えないし、まとめられないんだけど分かる。
人間にはもしかしたら危ないかもしれない。
なにもない物もあるだろうけど、全部がそんな安全な物ばかりじゃないだろうし。
もし、万が一があれば小鈴ちゃんだけの問題にはならないだろうし。あと怪我もするだろうし、心配だ。
というかそもそも読めるのかな?なにせ妖怪の言語は違うんでしょ?
「え?……あぁ、そのことですか?大丈夫ですよ。私が読めますから」
「読める?どうやってよ」
そう聞くと丸眼鏡をつける。
うん、それじゃ見れないと思うけど…。
…けど、口にしないでおこう。
そのまま見ていると本に手をかざした。なんで?と思ったけど、これも黙っておく。
すると急に内容を読み始めた。内容からして…謝罪文かな。
なんか謝罪文と違う気がするけど…なるほど、小鈴ちゃんってまさか、そういう能力でも持ってるのかなぁ?
いつ目覚めたのか何故か気になるけど、しばらく様子見でもすれば大丈夫でしょ。別に悪用してるわけじゃないんだし。
「なるほどね。とは言ってもあんたも気をつけて使いなさいよね。なにか変なことになっても小鈴ちゃんじゃ大変なんだから。まあ、手を貸してはあげるけども」
「本当ですか!?やっぱり霊夢さんは良い人ですね!」
そう言って机から身をのりだし、私の手を握る小鈴ちゃん。
うう、余計断りづらくなった…。
いやまぁ、自分でしたからなんとも言えないんだけどさ。
「はぁ…。そんなことはないわよ。ただ小鈴ちゃんと私との関係が良いからするだけよ」
私がそう付け加え……なんかつい顔をそらしてしまった。
うん、クスクスと笑われたけど、どういう意味なのかな?
「………なによ。なんか文句でもある?」
「いえ、まさか霊夢さんに素直になれないときがあるなんて知りませんでしたから」
わ、悪かったな。素直じゃなくて。
でも嘘はつかないからね。思ってた事と思っている事とを間違えて言ったことはあるけど。
「……こほん。それで、妖魔本についてだけど、あまり下手に読まない方がいいと思うわよ。安全とは言いきれないし、なにが起こるのか分からないから私のいるところで…とかどうかしら。それならすぐに対応してあげられるのだけども」
そう話をそらして提案してみた。
もちろん否定されることを前提に。
でもそのあとにもっと軽い『困ったときは神社に来ればいるとき対応する』という提案にのってくれるかな、という浅はかな考えなんですよ、ええはい。
「その場で対応してくれるなんて、やっぱり霊夢さんは頼りになりますね!」
余計にハードル上げただけだったー!
誰だ、最初に無理そうな提案をあげてからすんなり受けられそうな提案をすれば必ず受けてもらえるとか考えた奴!
…………あ、私か。
「ええ、まぁ、その。…分かったわよ、困ったときはいつでも頼ってちょうだいね」
「はいっ、ありがとうございます」
そういって笑みを浮かべるなんて反則だよ、小鈴ちゃん。
まあ、自分からも逃げ道を消してるからあれなんだけどね。
「それであなた達、そろそろ話終わったかしら?」
「ええ、一応はね。んで、どうしたのよ霊華。もしかして軽く買い物でもするの?」
そう聞くと何故か驚く霊華。
あれ、勘でいったはずなんだけどな…。
「…なにも言わないでおくわ。そうね、行くわよ」
「そう。まあいいわ。小鈴ちゃん、また今度ね」
「はい。また来てくださいね、霊夢さん。本を借りにくるだけでもいいので」
「ん、気が向いたらね」
とだけいって霊華と共に出る。
我ながら冷たい反応になっちゃったなと思ったけど、今になってちょっと後悔。
その後、少し買い物を済ませた私達は今度は空を飛んで帰宅。
一応参拝客用の案が出来たから今度やってみよう。
作るだけ作るかな、昼御飯の後にでも。
あっさりとした昼御飯を手早くすませ、私はあとを任せて自室へ。
確かお札とかは足りたはず。
それを魔除けのお守りにして、比較的安値で売れば多分いけるかな、と。
「確か布とかはこっちに…」
とかたまに呟きながらお守りの試作を作っていく。
私の巫女服といい、霊華の巫女装束といい紅白が多いからお守りの色は赤と白の2色でいいかな。…おめでたい色にするのもどうかと思うけど、目立つしいいかな。
そうこうやって少したった頃。
2つのお守りが出来ていた。片方は赤色で、もう片方は白色。
どっちにも表に魔除けと縫い、裏に博麗神社と縫った。
「これを見るとなんか外の世界にあった神社で売っているお守りを思い出すわね…」
似たような感じだったしね。
あ、でもこれ…。誰で試すか決めてなかったや。一応置いてきて、口コミに後を任せようかな。
ついでに紙も………。
『
とふりがなをつけて書いてみた。
先着って言葉が幻想郷で通じるかどうかは分からないけど…もし、これが効けば妖怪とかの魔からある程度は守れる。
さすがに自ら近づいたりしたら効くかどうか、だけど。
まあ、投げればいけるでしょ。伊達に魔除けとして作ったわけじゃないんだから。
「……鍛えようと思って探してみたらまさかそんなことをしてるとは思わなかったわ」
「……!?」
思わず驚きながら反射的に左横を向く。
集中しすぎて聞こえてなかったのか、ふすまが開いていてそこに霊華が立っている。
鍛えるなんて物騒な言葉が聞こえたけど、あえて気にしないで声をかけることにしよう。うん、そうしよう。
「な、なによ。私だって出来ることや出来そうなことはするわよ」
「いえ、そういうのじゃなくて…。あなたにはまだなにも教えてないはずなのにどうして巫女関係のことが出来てるのよ」
「アハハハ、作れる訳ないじゃない。冗談きついわね、霊華」
どっかの誰かさんに鍛えられたのは体と料理の腕ぐらいで巫女がするようなことは一切聞いてないんだよ?
そんな私が作れる訳ないじゃないですか、やだー。
「…でもこれ、出来てるわよ?お守りの効果が強いか弱いかはともかく、普通に売れるぐらいには…」
なんて言いながら近づいて、ちょうど机の上に置いておいた2つのお守りのうち1つを手に取った。
またまたきつい冗談だなぁ、アハッアハハ。
……ほんとかな。
「えーと…本当なの?このお守りが使えるとかっていうのは。出来れば冗談と言ってくれれば嬉しいのだけども」
「出来てなきゃ言わないわよ。と、いうか伊達に巫女と呼ばれてないから」
「てっきり物理的な、ってつく巫女かと思ったのよ」
「良い度胸してるわね、あなた。ちょーっと鍛えるのを厳しくしましょうか」
え、え!?な、なんで!?
正直に私の考えてることを言っただけなのに!?
いや、でもまさか、その笑み…。
……あ、これ地雷踏んだっぽい。
そう悟った私が前より厳しくメニューの増えた修行に耐え、休憩にありつけたのはそれからかなりたった頃でした。疲労で死にそう。
誤字訂正しました。